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『Levius-レビウス-』が新時代のSF作品であることに世界はまだ気づいてない

新時代SFという言葉がこれ以上なく相応しい作品『Levius-レビウス-』。機械義肢の拳で放つ冷たい右ストレートには燃えるような想いが宿っていた。

あらすじ

強き者。美しき者。その名は――レビウス。 新生暦19世紀――戦後の帝都では、人体と機械を融合させて戦う「機関拳闘」という格闘技が行われていた。 戦争で父親を失い、母親も意識が戻らない状態となった孤独な少年、レビウス=クロムウェルは、彼を引きとった伯父ザックのもとで、機関拳闘の若き闘士として頭角を現し始める。 そんなある日、競技の最高峰であるGrade-1に挑戦する機会が、レビウスに訪れる。同級1位のヒューゴとの特別試合に勝つことが条件だったが、そのヒューゴが前哨戦の相手、A.J.という謎の選手との戦いで…!! 人間の尊厳と、文明の未来が火花を散らす、頂上バトル、ここに始まる。Wikipediaより引用

 

作品概要

『ウルトラジャンプ』の読者以外にはまだまだ認知されていない作品(されるべき作品)だと思うので、作品自体の簡単な前知識を書かせてくれ。

まず作者は中田春彌先生。2019年、ファンタジーアニメとして熱狂的な支持を生んだ『Fairy gone』のキャラクター原案(妖精も)を手掛けた方だ。この時点でそのセンスの異質さを感じ取ってくれると思うが、その画力の高さは本作でこそ十二分に発揮されている

連載開始は実は2013年と早い。『ドロヘドロ』『海獣の子供』『人類は衰退しました』『フリージア』と癖の強い作品を多く扱っていた伝説の雑誌『月刊IKKI』(現在は休刊中)出身のバリバリSF畑。同誌が2014年に休刊してから『Levius/est』とタイトル変更しウルジャン移籍という経緯を持つ。

SF×格闘技というありそうで無かった(り、あったり)ジャンルを確立しており、2019年にはNetflixで全世界に向けアニメ化を果たした。余談だが、アニメ版と原作では大きく設定が異なっており、一言で表すとアニメ版は色々軽やかに仕上がっている。SF作品をこよなく愛する俺からすれば断然全作をオススメするが、アニメ版はアニメ版で非常に良いと断言しておこう(主に最終回のあの娘の笑顔)。

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それではお待ちかね。下記にて『Levius-レビウス-』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

 

拳に宿す想い

まず主人公:レビウスの戦う理由に触れておこう。その半生を端的に言えば、”戦争孤児として故郷を焼き討ちされ、瓦礫の雨の中、母親に抱きかかえられながら助かった”過去を持つ物静かな男の子。はい、王道。「あ~、あるある。こうやって復讐に駆られて強くなる、SFにありがちなダーク主人公パターンね~。」と連載当初に感じていた愚直な俺を、俺は焼き殺したい。違うんだ。レビウスが戦う理由は確かに植物状態の母親を資金的に救うためであり、過去の記憶に巣食う悪党たちに復讐することなんだけど。本作の主人公の魅力はさらに先を行く。

助かる見込みが無いんじゃないかと思えるような状態の母親の描写は読者の心にトラウマを植え付けるくらい壮絶(もっとトラウマ植え付ける描写が後に出てくるが……)。そんな母親のために、戦闘用ではなく医療用の義肢(母親の形見的な)を用いて戦う少年。中々に感情移入する設定だ。そしてお待ちかね! ようやく焼き討ちした組織の登場。全てを投げ捨てて復讐に走るかに思えたがこの読者の予想は大きく肩透かしを食らう。最初こそ飛び掛かり相手を殺さんとするレビウスだったが、復讐相手(無口の美少女:AJ)の瞳を見るやいなや「助けを求めている……?」と菩薩もびっくりの読心。あの子にも何か戦わなければいけない理由があるのでは……? と葛藤の末に敵陣突入。家族を人質に取られ操られているだけのAJの境遇を理解し、正義の心を持って復讐相手を救うことを決意する。そう、レビウスは誰よりも正義の心を持った優しい少年なんだよ

 

 

怒涛のデスマッチ展開

そして始まるレビウスvsAJの戦い。内容としては、まるで4部作1作目のボスが所見殺しの上レベル100カンストでも勝てないくらいの超インフレ展開。この序盤から一気にラスボス感がたまんねぇんだよ……。駆け抜けるように展開するリズム感は良作の基本。それでいてしっかりとストーリーに重さを持たせるところは流石としか言えない。

敵組織の親玉:Dr.クラウン(上記画像のピエロ)の悪逆非道さと糞ッタレ具合がいい感じに物語にスパイスを与えつつ、命すら顧みずリミッター越えた強さで圧倒してくるAJに対して、セコンドにつくザックス(レビウスの叔父)と、天才義肢エンジニアであるビルという頼もしすぎる仲間のフォローにより奮闘するレビウス陣営。この展開が死ぬほど熱い。いままでどこか噛み合っていなかった味方陣営が圧倒的悪を前にして全力で力を合わせるウルトラ正義展開。しかも俺が凄いなと思ったのは、ザックスとビルは自分ではリングに立っていないので、戦うのはレビウスに任せるしかないのに、これ以上なく死力(視力)を尽くして一緒に戦うという点だ。当ブログで何度も述べているが、バイプレーヤーが魅力的な作品は神作

戦いの過程~結末まで全く目が離せない展開で、人間ドラマが涙腺を刺激しまくってくるストーリー構成なので、SF作品はちょっと……ていう人でも是非読んで欲しい。

 

 

更なるステージへ

恐ろしいくらい濃密な激闘で、漫画でいうと単行本20冊くらい読んだんじゃねぇか? と思ったが、これ、実際には2巻(18話)までの出来事だから。もちろん彼らの物語は続いていくワケで。更なる強敵の登場。そう、いくつかグレードが存在する「機関拳闘」の中で、作中で行われていた戦いは”GradeⅡ”。AJに勝利し、世界に13人しか認められていないという”GradeⅠ”へ昇格を果たしたレビウスの前に登場する圧倒的強者感を漂わせる新キャラ(イケメン)。一人ひとりが国家軍事力に匹敵する(詳しくは上の画像参照)という逆リーマンショックが起きた気がするが……、そんなところに投げ込まれることになったレビウス。物語の続きに心躍らせる最高の展開で序盤のイントロダクションは終了! ここまで気持ちの良い「俺たちの戦いはこれからだ!」は過去あっただろうか……いや、ない。まったく、楽しませてくれるぜ。

まとめ

ということで、『Levius-レビウス-』の俺的紹介記事でした。ただこの記事で扱った内容ってのは新装版上下巻の内容だけしか紹介してないので、より本作の世界観を堪能したい人はぜひ連載中の単行本で(地上波放送中のアニメ版は全くの別物なので、いつ観ても◎)。このすぐ後に世界最強”GradeⅠ No.1”の男が出て着たり、アニメで貧乳強気少女として物語を彩ったナタリアも出てくるので、飽きることは無い。てかこの新装版は近年稀にみるSF漫画の良作として永久保存版だと思うね。俺は応援し続けます。ではまた。

見たことない人のために『バキ』を要約したからこれ読んで最強目指そうぜ

シリーズ累計で8,000万部を越える超大作『バキ』シリーズ。この作品には「最強」とは、そして「強さ」とは、という人類最大の問いに対する答えが詰まっている。

各シリーズ概要


第1部 グラップラー刃牙
1994年にOVA化、2001年にはテレビアニメ化されている。全42巻。 地下闘技場編 物語の導入部分にあたり、東京ドームの地下に存在する地下闘技場で極秘に行われる格闘試合を描く。普段は平凡な17歳の高校生だが、地下闘技場では無敗のチャンピオンとして君臨する主人公・範馬刃牙。彼に挑戦する鎬兄弟やマウント斗羽との試合が行われたほか、愚地独歩対範馬勇次郎戦なども描かれている。

第2部 バキ
『グラップラー刃牙』の続編。全31巻。第1部に比べ、「恋愛」や「性」の要素が濃厚である。2004年には「週刊少年チャンピオン バトル増刊 バトリズム」に読み切り『範馬勇次郎誕生』を掲載。『範馬刃牙』2巻に収録された。新装版13巻から17巻には、最凶死刑囚のその後を描いた描き下ろし短編『REVENGE TOKYO』が収録されている。

第3部 範馬刃牙
『バキ』の続編。全37巻。最終編である地上最強の親子喧嘩編で、刃牙と勇次郎の因縁に決着が付く。また、『週刊少年チャンピオン』にて『範馬刃牙』の連載を中断して描かれた『ピクル』が収録された外伝も発行されている。

第4部 刃牙道
『範馬刃牙』の続編。全22巻。『週刊少年チャンピオン』2014年16号から2018年19号まで連載された。2014年16号では一挙4話、102ページに渡って掲載し[3]、続く17号と18号も各号に2話掲載された[4][5]。前3作とは異なりストーリーの区切りはなく、一貫してクローン技術と降霊術で蘇った宮本武蔵と現代の格闘家たちとの闘いを描く。

第5部 バキ道
『刃牙道』の続編。『週刊少年チャンピオン』2018年45号から連載開始。Wikipediaより引用

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第一部『グラップラー刃牙』

前述した概要を読めば分かる通り、これは戦いのテレクラである(作者が呼称)。よく巷では”地上最強の親子喧嘩”というワードが浸透していて、この印象が強すぎるけど、そんなことはないいや、まぁそうなんだけど。主人公である範馬刃牙と父である範馬勇次郎が実際に戦ったのはシリーズ通して僅か2回。むしろこの親子以外の登場人物の戦闘が大部分を占めている。

とはいえ、シリーズ最初期の『グラップラー刃牙』では主人公であるバキの壮絶な半生が描かれ、大別すると全42巻の中で3つに分けられる

 

<地下闘技場編>

東京ドームの地下に日本古来から存在するコロッセオで、世間から極秘にされた戦いが日夜行われているという物語冒頭からいきなりトンデモ展開。まぁここまでは良い。漫画とはキャッチ―さが大事だ。この地下闘技場のチャンピオンとして君臨しているのが主人公のバキで、苦戦しながらも毎回勝利を手にしていく圧倒的強さが描かれる…かと思いきや、圧倒的暴力親父:範馬勇次郎の乱入。会場は鮮血で染まり、空手の父と呼ばれる愚地独歩(読者から圧倒的支持を集める超人気キャラ)も全身ズタボロ(というかそれどころじゃない)にされた。※上の画像参照

 

<幼年期編>

ここまで読んだときに読者は気づくと思う。「あ、これあれだ。ドラゴンボールだ……。どんだけ強くなっても新しいキャラが出てきて永遠に終わらない戦いが続くんだ」ってな。半分正解。だがこれは『バキ』。そんな二番煎じではここまで人気は出ない。ちなみに、俺はこの幼年期編と呼んで刃牙すごい好きになったんだよ、過去編を丁寧に描く作品は神作。要約するとこの幼年期編では、刃牙がどうやって地下闘技場チャンピオンになるまで強くなれたのか、そして父との最初の対決&母との別離という物語の源泉が描かれる。ここを読まずして刃牙ファンならず。

 

<最大トーナメント編>

世界中の達人たちを集めた史上最大の無差別級プライド選手権。空手を完成させた愚地克己、暴走族トップの柴千春、戦える達人:渋川剛気先生、烈海王、ジャック・ハンマーと今後レギュラー化するメンバーが続々と登場した。また上の「幼年期編」で戦った敵が成長して再登場するという点でも非常に胸アツな展開である。『ドラゴンボール』の天下一武道会でも思ったが、主人公そっちのけで行われるトーナメント戦というのは漫画という作品にとっては鬼門だ。組み合わせ次第でその回の人気が大きく浮き沈みする。だが全く飽きることなく読めた。そう、『刃牙』とはただの親子喧嘩作品ではない。漢たちの生き様を描いた作品なんだよ。だから主人公以外の戦いも面白い。全員が全員、”最強とは?”という想いを胸に技術(と筋肉)をぶつけ合う様は、男だろうが女だろうが関係なく濡れる。特に決勝戦の刃牙vsジャックハンマーの兄弟対決は必見。

第二部『バキ』

「最大トーナメント編」での大団円を超え、8年に及ぶ連載を一度終了させた『グラップラー刃牙』。しかし同年1999年復活『バキ』として復活を遂げた(しかも間に外伝を挟んでいるから実質ほぼ休み無し)。あれだけの大熱戦を繰り広げた以上、さらに上の戦いを創造することができるのだろうか……と俺は不安に思ったんだが、えぇ、全くの杞憂に終わりました

サンドバックに人間を詰めて送り返すのはこの作品だけ。

 

<最凶死刑囚編>

示し合わせたかのように脱獄してきた最強の死刑囚たちとの戦いが描かれた。この死刑囚たちがヤバい。電気椅子くらっても生きていたり、爪も引っかからないツルッツルの壁を50mくらい昇って刑務所脱獄したり、そんな極悪強靭な奴らとの”武器の使用以外すべてを認める”という何でも有りルールで行われる街を舞台にしたリアル逃走中(リアル戦闘中)。全編に渡って「敗北とは何か?」という問いを追求しつつ、主人公のバキに至っては「愛とは?」という哲学的ウィットに富んだ内容となった。炎すらも無効化するマ・ワ・シ・受けがいともたやすく行われる名勝負の数々(というか普通に炎を吹くな)もさることながら、戦闘狂たちの考える愛の形も必見の濃い~内容。

 

色を知る息子を見守る父親

戦いしか知らないバキに初めて芽生える恋心。「気づいたらもう好きになっていた」というピュアな想いに応えるように、惹かれ合っていく二つの心。そしてそれを超至近距離で見守る地上最強の父親(超絶隠密肉親ストーキング)。なんだろう……感動するシーンなのに、親父のおかげでフフッと笑いが零れてしまう。このシリアスな笑い、アレだ、どこか『カイジ』を思い出す。本人たちはいたって真面目なのに、何故か笑いが込み上げてくる。こんな筋肉ダルマたちすらも可愛く思えてくる……。これもまた『バキ』の魅力ということだろう。良き。

 

<中国大擂台賽編>

前編にて、死刑囚が使う毒を食らい満身創痍で痩せこけていくバキ(死刑囚は瞬殺した)。「毒を直すには毒だ。戦いだ」と謎理論により中国で行われる最強決定戦に招致されるという、頭ん中までタンパク質な天下一脳筋国際交流さすがの俺も若干引き気味だったが、ここで驚くべき展開が待っていた。そう、日米代表勢の一員として、憎き父親と刃牙のチーム戦という形での共闘だ。これは熱い。父親を殺すために強くなってきた息子にとってはこれ以上なく耐えられない展開……かと思いきや、ちょっと嬉しそうな愛憎親子。今思えばこの辺りから少し様子が変わっていた……詳しくは後述する。最終決戦の範馬勇次郎(究極の暴力)vs海皇(究極の武)の戦いは現代武術氏に残すべき名バトルなので必見。ちなみに刃牙の毒は相手の毒手を食らい中和されました(完治!)

 

<神の子激突編>

表世界の公式ボクシングで最強を誇ったモハメド・アライの子供が梢江(刃牙の彼女)に猛アプローチをかけ、刃牙と彼女を争って戦う展開。最強と最愛とは? という究極の戦いを魅せてくれるかに思えたが、蓋を開けてみれば刃牙の圧勝。ここで勘違いしてはいけないのは、彼は決して弱くはない。パンチ一発で全身のプロテクターぶっ壊す人類がいてたまるか。そう、刃牙が強すぎた。ぶっちゃけ可哀想なくらいに惨敗した彼の行いは一見無駄なように見えるが、この戦いがあったからこそ刃牙は自分が十分に強くなったことを確信し、父:範馬勇次郎への挑戦状を叩きつけるという神展開を引き出したそう、モハメド・アライJr.は犠牲になったのだ……。そしてまたここで一旦連載終了。

第三部『範馬刃牙』

伝説の第3部。色々と盛り沢山な内容になる『範馬刃牙』は、シリーズでも屈指の密度となっている。俺もこの記事を書きながら「あれ、この章だけで全然一記事いけたな……?」と思えるほどだ。そろそろ疲れてきたかと思うが、安心してくれ、あと半分くらいだ(たぶん)。ここから一気に戦いは加速するので、覚悟して読んでくれ。

 

<超絶監獄バトル編>

[実践シャドーボクシング編は割愛]

さらなる強者を求めて、大統領を拉致してアメリカ・アリゾナ州刑務所に潜り込む刃牙。目的はミスター・アンチェイン(繋がれない男)ことビスケット・オリバ。範馬勇次郎すらも認めるリアルハルクかと思えるような圧倒的筋肉ダルマ男の自由な生き様は刑務所職員すらも従える。単純な力という、人類の根源的な恐怖を形にした戦闘スタイルにはさすがの刃牙も苦戦し、追いつめられたけど、最終的にはノーガードのガチンコ殴り合いでアメリカ最強を沈めた。余談だが、『プリズン・ブレイク』に刃牙が出演したら10分くらいで完結することになるだろう

 

<野人戦争編>

はい、お待たせしました。原始人との戦いが始まります! 1億9千年前の冷凍化石から現代技術の粋と偶然によって目覚めたピクル。ティラノサウルスを捕食していたという規格外の化物が現代に蘇り、騒ぐ一般大衆。もちろん格闘家たちも例に漏れず興奮するが、それは一般人とは違い、コイツと戦いたいという欲求だった。我先にと群がる今まで登場した実力者たちを一蹴し(ピクルvs烈海王とピクルvs愚地克己は本当に超名バトル)、最終的には刃牙も戦いの舞台へ。結果:勝ちます。この時に刃牙の異常性が初めて提言され、圧倒的没入感を有する想像力が刃牙の強みということが読者に明かされる。幼少期から最強の父を倒すべく常に強者(動物も含む)との戦いを想像・実践してきた刃牙にとっては、原始人・恐竜との戦いのイメージも造作なく、逆にその戦闘法を模倣すれば相手には恐竜が具現化したように見える。そう、もはやスタンドや念能力の類。原始最強を倒した刃牙に、もはや地上に並ぶ者はおらず、いよいよ父親:範馬勇次郎との戦いに向かうのだった(ティラノサウルス倒す男より当たり前のように強い父親……)

 

実況スタイル

ここで一度『刃牙』シリーズにおける戦闘実況スタイルをに言及したい。こと戦闘において漫画界のパイオニアであり先駆者であると言える本作。連載を続けるにつれ、戦闘中に巻き起こる奇々怪々な技術ラリーの実況も進化を遂げた。結果、辿り着いたのが、未来の視点で語られる戦闘解説だ。上の画像は原始人:ピクルvs刃牙の戦いを観戦していた烈海王が2人の戦闘を語るシーン。まるでTV番組のインタビューを観ているかのようなコマ割りと見ている者に語り掛けるような丁寧な解説は、未来の視点で「思い返せば……」という立ち位置になっているからこそ。まさに『プロフェッショナル』スガシカオの歌声が聴こえる。

 

<地上最強の親子喧嘩編>

[強者達の戦い編は割愛]

本作は最初から一戦を魅せるために展開してきたと言っても過言ではない。いうなれば『はじめの一歩』の一歩vs宮田である(こちらは未だに実現していないが……)。いよいよ戦う父子の戦いは、もはや親子喧嘩という枠に収まらず、隠しきれない。世界的に公にされた親子喧嘩という異例の死合い、その末に唯一無二の親子愛の形を示した二人には世界中(の読者)が涙したのは言うまでもない。

 

範馬勇次郎について
ここで前知識として範馬勇次郎に触れておこう。生まれた時から意志を持っていたとされ、腹から取り上げようとする助産師に向かって「ミスの無いように気を付けろよ……」と(言わんばかりの眼力)痰を切ることから始まった彼の人生。

強者を求め紛争地域を渡り歩き、並ぶ者がいなくなるまでに成長した勇次郎はいつしか国家軍隊と同等以上とみなされることとなり、歴代アメリカの大統領は彼に聖書を抱えながら不戦宣誓を行うほど。こうして富・権力を手にし不自由なく生きていたかに見えたが、捕食者として頂点であるという事実に退屈。並ぶ者がいない人生にスパイスを……と世界各地で自分の種を蒔いた。結果、一番の成功作として育ったのが息子:刃牙ということである。

『グラップラー刃牙』幼年期編のラストでは、刃牙のことをつまみ食いと称して圧倒。自らの妻(刃牙の母親)も手にかけるという極悪非道人間破壊兵器として作中に君臨していた。

 

この世で一番の親子喧嘩

0地点で最高速に到達するゴキブリ突進、ピクルとの戦いで見出したトリケラトプス拳、今までの全ての経験と技術を集約した必殺技:虎王。刃牙の培ってきた技術と技を全て用いても勇次郎には通用せず(正確には効いているか不明)、すべて上位互換の技で返される。そんな攻防を繰り広げるうちに、世界中から集まってきた野次馬ギャラリーたちの心にある仮設が生まれてくる。「あれ? この殺し合いはこの親子のコミュニケーションなのでは?」という気持ちだ。確かに殺傷能力MAXの技をお互いに繰り出しているが、それはこの父(息子)ならば受け止めてくれるだろうという信頼ありきの応酬。”地上最強に君臨する父親と対等に会話するためには同じ高みまで登らなければいけない”と強くなった息子、宣言通り強くなってきた息子を称え、全ての攻撃を受け止める父親。形は非常に歪だが、内容としてはごくありふれた父子のコミュニケーションであると言えるのではないだろうか(いや、そんなことはないが)

 

心境の変化

今思えば、この戦いに至るまでにも刃牙の気持ちの変化は描かれていた。実の父とは言え母の仇である父親を最初は憎い存在として殺意を飛ばしまくっていたが、ともに戦い、”強さ”というただ一点において絶対に信頼を裏切らない父のことを、内心認めている自分がいることに気付いていた。

 

一方で父にも確実に変化は起こっていた。大国から畏怖の象徴として崇められる勇次郎が息子のもとを訪れ、手作りの晩御飯を食べる。こんな当たり前のことをリアルプレデターがするか? いや、しない。しかも更に、食卓を囲むだけではなく息子に対して食材に対する礼儀を教える。このシーンを読んでいる時「馬鹿なッ!」 と全読者心の叫びを代弁した俺がいた。いや……違うな……。この親子が特別だと勘違いしていた全読者(俺を含む)が固定観念に囚われていたのかもしれない。いつだって親は子を躾け、可愛がるものだし、感情のない人間などいない

 

衝撃の決着

激戦の末、母親殺害時と同じ技を食らい聴覚を失った刃牙だったが、それでも負けじと闘志を飛ばして去り行く父を立ち止まらせる。そして伝説のエア味噌汁(これはぜひ単行本で!)。マジの殺し合いという肉体言語によって初めて対話をした結果、息子に対して放った最強継承。これには鳥肌が止まらなかった。

”息子が父親に認められる”。男の人生において、これ以上の喜びは中々ないだろう。それを単行本109冊で描き切ったのが『バキ』という作品ってこと(番外編を入れれば112冊)。

強さを極めた末に行きついた親子の愛の形。これは決して特殊なものではない。ごくありふれた家庭に、ごく当たり前のように存在するモノである。だが家族仲が悪かったり、プライドが邪魔をしてお互いを認められなかったり、この”当たり前の奇跡”を逃がしてしまっている人が多いことも事実だと思う。真の強さとは、家族だろうと(家族だからこそ)逃げず、真正面から愛を伝えることなのではないだろうか。範馬親子にとってはその手段が拳だっただけってことだ。諦めず頑張った刃牙少年に拍手。

まとめ

正直、食わず嫌いで今まで読んでいなかった『バキ』シリーズ。これメチャクチャ面白かったぞ。本記事では、キリが良いので、シリーズ第三作目となる『範馬刃牙』までしか紹介しなかったけど、続編にあたる『刃牙道』『バキ道』は地上最強になった後の刃牙の戦いが描かれる。宮本武蔵(本物)との真剣勝負相撲をする地上最強……まだまだ楽しませてくれることは言うまでもない。

幸せの陰には常に絶望があると教えてくれた『チェンソーマン』を高く評価したい

ジャンプの中で異彩を放ち続けた『チェンソーマン』。よく少年誌にありがちな煽り文句の「鬼才現る」。この言葉、本作に関しては真実。

あらすじ

「悪魔」と呼ばれる存在が日常に蔓延る世界。少年デンジと「チェンソーの悪魔」のポチタは、死別した父親の借金を返すため、悪魔を駆除する「デビルハンター」を主な仕事としながらなんとか生計を立てていた。ある日デンジは、仕事を斡旋していたヤクザに騙され、「ゾンビの悪魔」によってポチタと共に殺害されてしまう。しかし、ポチタはデンジの血を飲んだことで蘇生し、デンジの身体を修復するためデンジの心臓となる。復活したデンジは「チェンソーの悪魔」へと変身する力を手に入れ、ゾンビの集団を一掃する。撃退に成功したデンジは現場に駆け付けた公安のデビルハンターであるマキマに導かれ、その身を公安によって管理されることになる。Wikipediaより引用

2020年の『このマンガがすごい‼ オトコ編』で4位という結果を出した本作。俺の正直な感想としては時代が追い付くことが無かったって感じ。これは「時代が追い付いてない内容を描いていた」ということではなくて、「時代がまだこの才能に十分気付いてない」ってことだ(まぁ、そういう作品で溢れているのが世の中だけど)

『鬼滅の刃』最終巻が爆発的な売上というニュースを観て、「え……皆ジャンプ本誌で読んでないの……?」と本気で疑問に思った俺(30)だったけど、世間は意外と漫画を読んでない。これに関しては本誌で読みつつ、コレクション的な意味合いで単行本も買っているのかもしれない。でも、きっとジャンプ読んでない人が殆どな気がする。非常に勿体ない。『AGRAVITY BOYS』『アンデッドアンラック』『マッシュル』『あやかしトライアングル』とネクストブレイク待ったなしの作品が軒を連ねている今のジャンプ、『チェンソーマン』はその筆頭だったワケじゃい

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希望→絶望の落差

人生において、得てして不幸は突然に訪れるものだけれど。本作においてはその幸せから絶望の落差が巧みに描かれる。特にヒロイン勢のダークサイドへの落ち具合がヤバい。ここからは俺が特に大好きな3人のヒロイン(の絶望)を紹介したい。

 

絶望①:レゼ

この作品の読者は皆大好きレゼ。急なタイミングでの新キャラ投入だったにも関わらず人気投票で上位獲得。主人公のデンジも見事に骨抜きにし俺の心も射止めた。ちょっと幸薄いバンギャみたいな雰囲気から繰り出されるラブコメ発言に、荒廃しきった心が青い風を感じていたのを未だに覚えている。からの魚雷爆撃。爆発炎上して踵落とし。前読者の恋心という希望を踏みにじり……絶望を感じさせてくれた

レゼが登場していたのは単行本でいうと一冊分(厳密には最近も再登場してるが)と決してコアなキャラではない。にも関わらず、このキャラを忘れた読者はいないのではなかろうか。夜の学校に忍び込むというあの青春展開には全童貞の腰が砕けた。本当に良キャラだった……。

 

絶望②:師匠

便宜上「師匠」という呼び名を使ってるのも、作中に名前が出てこないキャラだからだ。正確にはトーリカという海外のデビルハンター見習いの師匠で、そのアダルティな雰囲気・慈愛に溢れた弟子への愛情・時折見せる微笑みの破壊力で、読者の大半を占めるアダルトチルドレンの心を掴んだ。からの強制即死合体。ギュイーンと即死して間接に埋め込まれた。まぁこんな美人の一部になれるんなら本望っちゃ本望だけど……いや、落ち着け俺、そうじゃない。俺としたことが闇の力にヤラれてたようだ…。絶望。

相手に気付かれずに釘を3回ブッ刺したり、弟子への丁寧な指導だったり、相当な実力者として描かれ期待が大きかっただけに師匠のラスト(というより変貌)は中々クるものがあった。

 

絶望③:パワー

前述の2名とは少し違う種類の絶望を魅せてくれたのが本作のメインヒロイン:パワーちゃん。まさに小悪魔ともいえる暴虐無人な立ち振る舞いと言葉遣い、整った容姿とは裏腹に妹属性という人気投票不動の1位。それを消し飛ばすのがこの作品だ。一般的に、人気投票で上位に参入しているキャラってのは死ぬことは無い。漫画が読者のお布施(購入)によって成り立っている以上、読者の心をしっかりと繋ぎ止めるヒロインの存在は漫画が漫画である為に欠かせない存在だからだ。だがそんなの関係ねぇと言わんばかりに容赦なくブッ飛ばす。もはや逆に気持ち良い

もう一人、マキマさんも紹介しようと思ったんだけど。あまりにもネタバレになるのと、本作の鬼才っぷりの肝になるので敢えて割愛します。最近の少年誌はここまで許されるようになったか…と時代の変化を感じたね、俺は。こればっかりは自分の眼で見届けて欲しい。

チェンソーマン 全刊セット

 

まとめ

という感じで、中々に良質な絶望を感じさせてくれたこの作品。12/14(月)発売の週刊少年ジャンプ本誌で最終回という悲報を知った瞬間にこの記事を書き始めたから、まだ物語の結末を見てはいないけれど、最後にもきっとやってくれるハズ(『ファイアパンチ』もラストはハリウッド並みに壮大だったから同様に壮大エンドと予想)。

今、俺は幸せな日常を謳歌しているけど(家でPC弄ってるだけ)、こんな日常はいつ崩れ去ってもおかしくない。そう、絶望は常に身近にあるものなんだ。いついかなる時も安心せず、慢心せず、過ごしたい。ただ、逆もしかりだ。絶望の中にいたとしても希望は必ず傍に在る。俺は『チェンソーマン』を読んでこう思ったね。ジャンプは諦めず、またこんな作品をやって欲しい

ご馳走様でした。

厳正なる審査の結果、21世紀最高のweb漫画は『カルカラレルカ』に決定しました

毎日数多の漫画を読んでいるけど、web漫画で本作を超える作品は生まれないという結論に至りましたのでここに勝手に宣言致します。

あらすじ

カルカラレルカ
SR-H ORIGIN(第1部)
未開惑星の開拓調査機関「ゴフェル」所属ハンターの兄妹が現地未確認生物のハンティングを行いながら失った記憶と惑星の秘密に迫る。

カルカラレルカ
SR-H PROSPERITY(第2部)
人類文明の最先端に位置する超惑星”アーク”。 開拓が始まり一世紀以上が経過した今もなお、”その星”には未知の技術、未知の生物、そして未知の能力が眠る。 地球出身のハグルは、未知の惑星での立身出世を夢見て、”アーク”にある「能力開発機関」への入学を志す。Wikipediaより引用

漫画アプリ『GANMA!』にて連載中の『カルカラレルカ』。少し前に『漫画好きがガチで選ぶ『GANMA!』作品【おすすめ5選/Web漫画】』の記事でも紹介したけど、この作品の第2部が堂々完結。そして、完結を記念して第1部・第2部ともに無料公開しているというから未読の人は絶対に見て欲しい。なお、この記事は面白い作品をもっと多くの人に見て貰いたいという、当然のことながら自己満ノンタイアップ記事なので安心して読んで頂きたい(仕事欲しい)

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SR-H ORIGIN(第1部)

伝説はここから始まった。2013年12月12日より連載を開始した本作。「狩るか?狩られるか⁉」を文字ったタイトル通り、未開拓惑星であるアークで、ダブル主人公のリクとスイが生物を狩っていくSFアクション……というのが大まかなストーリーだけど、サスペンスあり、禁断の恋愛要素ありと基本的には何でもアリ

 

 

怒涛のハイテンション

これでもかというほどナイステンポ&超ハイテンションで描かれるSFストーリー。佳境での級数と殴りつけてくるような言葉のチョイスが本当に気持ち良いんだよ。と言っても、声を張り上げないような場面で無理やり盛り上げようとしてくるワケではなく、読者が心の中で叫びたくなるような台詞をピンポイントで大きくしてくれるから◎。金八先生が生徒に説教するときも黒板に殴り書きするじゃん、心に響く時は手書きが一番。グダグダ言ってんじゃねぇ

以前の記事でも触れたけどさ、俺はやっぱりweb漫画で大切なのはテンポの良さだと思うんだよね。『ワンパンマン』ヒットの理由も起承転結の分かりやすさが一因かと。あと画力。”怪人ドカーン登場人類ボカーン敗北ヒーロー葛藤ワンパン勝利”の流れが読んでて気持ち良い。『カルカラレルカ』は全くこの通りってワケではないんだけど、全体的にみると伏線の張り方、拾い方、そして戦闘の店舗がまさに売れるソレ

クラウドファンディングで第1部の書籍化プロジェクトを募集した結果、300万の目標金額に対して626万円の支援が集まったというのも納得の数字と言える。ちなみに、第2部完結を記念して同様に書籍化プロジェクトの募集が現在行われているが、10日以上残して目標金額250万に対し1,260万円以上集めるという快挙をハイテンションで成し遂げおった。うむ……金を送りたくなる気持ち、すごく分かる……。冗談抜きでマジで面白いもんな

 

 

登場人物がマジ熱い

熱い。これは第1部の中でも俺が大好きなシーンなんだけど、とにかく、熱い。簡単に説明すると、化物並に強くなっていく兄貴の横にいたくて頑張って強くなる普通の女の子が、困難を目の前にして改めて自分の気持ちを叫ぶ瞬間熱い。途中、「嘘偽りない本物の意志を、自分の言葉で」ってリクが叫んでるけどさ、コレも熱いんだよな。ここまで自分の意志で強い言葉を吐ける、強靭な芯を持っているリクが最後あんなことになるなんて……と複雑な感情がフラッシュバックしがち。こうやっていつまでも感慨に浸れるこの漫画、本当に熱い

というか、ストーリーが相当緻密に編み込まれてるのかもしれない。最初は単純に兄妹の冒険劇だと思っていたのに、今考えると最初から作者である銅目貫(あかがき めぬき)さんの手の上で踊らされていたような気さえもしてくる。今だけ第2部完結記念で11月15日まで全話無料公開してるから絶対に読んだ方が良い

カルカラレルカ
SR-H ORIGIN

※GANMA! の完結作品は通常、プレミアム会員以外読めない。

 

 

SR-H Prosperity(第2部)

まだまだいきます。次は第2部の話。衝撃の第1部ラストを経て、一週間後に普通に始まった時は稲妻が全身を駆け抜けた。天翔龍閃を避けたと思ったら2撃目が飛んできた感じ。2017年1月1日から始まった伝説の続きは、現在本編を終了し、番外編(もはや本編以上に本編)を連載中。

 

 

至高の続編

第1部の100年後ということで、第1部に出てきたキーマン達の子孫(…?)が「狩るか?狩られるか⁉」の群像劇を展開していく最高にアガるストーリー。特に主役3人組は「マジかよそういう繋がり方ある⁉」と叫ばずにはいられない秀逸設定。こればっかりは継続して読んでいる人間しか味わえない歓びだから是非味わって欲しい。

この記事では完全にカルカラ布教を目的としているので、なるべくネタバレは極力しないようにしているんだけどさ、核心には触れない程度にその魅力を紹介させてくれ。

まず第1部に引き続き登場キャラたちのカッコ良さが狂気じみてる。というかテンションが狂気。上の画像は筋肉サイコキネシスイケメンことソラン vs 戦うツンデレことハクビという、作中でも屈指の名バトル(だと俺が勝手に思ってる)なんだけどね。「無意味な演技、ご苦労様」の時の煽り顔が堪らないよな。しかもその後にブチ切れて「う゛ばばばぁ」しちゃう笑顔イケメンとのギャップよ。人間マジで沸点越えるとこんな顔になる気がするし、狂気の中にもリアルを感じられる人間味が本作の一番の魅力だと俺は思っている。

どれだけ狂っていてもキャラに魅力を感じるっていうのはすごいことだと思うんだ。それは常軌を逸していても憧れられるくらい芯が通っているってことだから。作中に登場するディライブ(先住民とそれに由来する者の名称)たちは”種の繁栄”だったり”創作の意欲”だったり自らの本能にこれでもかと忠実。例え人類を犠牲にしたとしても、魂が欲する本能を第一に優先するという芯が一本通っているから、どんだけ悪役でも魅力的なんだと思う。ヒース・ロジャー演じるジョーカーみたいなもんよ

もちろん、魅力という点では主人公陣もヤバい

 

 

困難に負けない正義

第2部の主人公であるハグルの魅力はこんな記事では語り切れない。不幸を吸い寄せてしまうという少年漫画あるあるの主人公設定ながら、それでも世界を憎まずに困難から逃げない姿に感極まるというかこんなに強い女性に育ったことにDNAの強さを感じる

第1部~第2部の粋を煮詰めて凝縮して継承したような主人公像は、週刊少年ジャンプ編集部も参考にして頂きたいくらいの超絶正義。しかも可愛い、正義。一見すると無茶苦茶な展開が魅力の作品だけど、話の軸である主人公が誰よりも清く正しいからこそ成り立ったのではないかとすら思える。ハグル以外にゼンロク・アンビィなど滅茶苦茶にカッコ良い漢たちもいるけど、全員紹介してたらネタバレオンパレードになるので気になる人は直接読んで欲しい。絶対に損しないことをここに誓う

カルカラレルカ
SR-H ProsProsperity

※完結作品は有料会員じゃないと読めないので、試し読みできるのはおそらく11月15日まで…?? 徹夜して読んで欲しい。まぁ、プレミアム会員になれば良いだけだけど

 

 

SR-H CATASTROPHE(第3部)

既に「全ての謎が明かされる」と告知されている第3部も制作が決定している。第1部を上回る衝撃のラストだった故、続きがどう描かれるのか・謎は全て解決されるのか? という点が気になるところだが、銅目貫先生の執筆速度を考えると既にプロットは完成しているハズ。俺には不安はなく、期待しかない

GANMA!(ガンマ)

GANMA!(ガンマ)
開発元:COMICSMART INC.
無料
posted withアプリーチ
 
 

まとめ

以上、21世紀で一番面白いと思ったweb漫画のなるべくネタバレしない記事でした。冗談抜きでweb漫画界隈における『ワンピース』だと俺は思ってるし、『鬼滅の刃』に胃もたれした心身をデトックスさせるためにも一気読みを推奨します。ハンバーガー食べた後でもフィッシュバーガー食べたくなるじゃん。それ

『ビースターズ』が世に示した自制心の大切さと種族問題への考え方

完結記念。数年前まで、『BEASTARS(ビースターズ)』めちゃくちゃ面白いよ と言ったら「へぇ~、そういうメルヘンなのも読むんだね!」なんて言葉を返されたもんだ。いや、違うんだ。この作品は超現実主義なフェアリーテイルだ。

あらすじ

中高一貫のエリート学校・チェリートン学園内で、ある日草食獣アルパカの生徒テムが肉食獣に殺されるという「食殺事件」が起きる。テムと同じく演劇部部員であったハイイロオオカミの少年レゴシは、大型の肉食獣であることに加えて寡黙な性格や意味深な言動が災いし、テム殺しの犯人だと疑いの目を向けられてしまう。幸いこの疑惑はすぐに晴れることとなるが、結局真犯人は見つからないままであり、学園内に生まれた肉食獣と草食獣の確執のようなものが消えることはなかった。Wikipediaより引用

ちなみに、漫画漬けの日々を送る俺は
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それではお待ちかね。下記にて『ビースターズ』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

 

アニメ版の衝撃

擬人化された動物たちというメルヘンビジュアルに反して扱う内容がかなりシビアだから、本作がアニメ化された時の衝撃たるや……。ちなみに、原作は2016年秋から連載を開始して2020年10月に堂々の完結を果たしており、週刊少年チャンピオンとしては『ブラック・ジャック』『弱虫ペダル』に続く3作目の講談社漫画賞受賞作

前述のあらすじの通り、カートゥーンな動物たちの高校生活が綴られるストーリーだが、開始早々に生徒同士の食殺事件が発生。はい、ほのぼの日常系シルバニアファミリーは解散。ここから物語は愛憎入り乱れるサスペンスの様相を呈してくる。

……って感じで、主人公は異種族フェチの変態・寝取られ・同級生との殺し合いと動物のビジュアルじゃなかったらPTAから苦情が来るのではと疑う内容だったため、本作がアニメ化した時は中々に衝撃だった。だが、俺を含めたファンたちの不安はオンエア開始の瞬間に払拭される結果となった

 

神OP・神ED

OPは視聴者を見事に高揚させた。妖艶で可愛くて恐ろしい、そんな”野生の魅力”を見事に表現した良曲チョイス。そして毛並みまで再現されたCG技術。「アニメ……ここまできたか」なんて呟いたもんな。すごいよ。歌手は30代に不思議と響くと俺の中で話題のThe John’s Guerrillaの今村怜央が参加してるALI。懐かしさからくる興奮+ワクワクする曲調にPTAもニッコリ

ちなみにED楽曲は12話の中で4曲仕様されており、全曲YURiKAが歌ってる。俺のオススメは4話と11話に流れた「マーブル」、そして最終話でだけ流れた「月に浮かぶ物語」だ。どうでもいいけど、こういう美声で落ち着く曲調をカラオケで歌われるとどんなに歌うまくても反応に困るよね。でもこのEDは物語に合ってるからOKです

 

 

欲への葛藤

この作品において最初から最後まで一貫して描かれる肉食獣と草食獣の葛藤(というかこの物語は極論これしか無い)。一応、動物たちが住む世界として、表向きは種族問わず仲良くしてるんだけどね。肉食獣に流れるDNAは捕食対象としての草食獣を絶対に食べたいマンと化すし、アニメを観た人はご存じの通り、草食獣(ハルちゃん)は肉食獣(レゴシ)に覆い被さられると自ら負けを認めて足開くより先に胃の中に入ろうとしちゃう

だからこそ、この世界では各々が心の中で葛藤を繰り広げながら生きている。そして種族を超えて繋がる絆がある。そこに心が震える。中でも俺の心にグッときたシーンはレゴシが狼の誇りである牙を自らの手でへし折った場面かな。

もうこの雄狼カッコ良すぎるでしょう。獣社会の中でも一番偉いとされるビースターに対してこの決意表明。俺の牙は誰かを傷つけるためにあるんじゃないんです、誰かを守るためにあるんです。だから傷つける可能性があるならもう要りません。っていうブっ飛び発想、嫌いじゃない。肉食代表としての自制心と風格がカンストした瞬間だ。

というかコレ、現実社会に対しても言えることだと思うんだよね。力の強い人間はその力を無暗に振りかざすべきではないし、力の弱い人間にも強さはある。なにも腕力に限った話ではなくて、権力とか財力とか、他にも色々な力が不平等に割り振られた世の中だからこそ、どう扱うかが常に問われているように俺は感じる。※俺には何も力はないが。

動物たちの物語を見ていたつもりが、精いっぱい生きる彼らに深く感情移入していくうちに、自分自身の人生ともリンクしている内容だと気付く。気が付けば、自らの有り余る力に悩む肉食獣を、捕食者として日々悩みながら暮らす草食獣を、心の底から応援してしまう。そんな素晴らしい物語なんだよ。特に最終話に向かっていくラストへの流れは秀逸だ。完結となる22巻はまだ未発売だが、今のうちに21巻までの復習を強くオススメする。

まとめ

ということで、最高の盛り上がりを果たした後に有終の美を飾った名作に乾杯。草食動物への淡い変態恋心を抱きつつも種族問題の中心を駆け抜けたレゴシの生き様は言わずもがな、影の主役としてレゴシとともに戦い続けた勇敢なルイ先輩にも花束を贈りたい。そしてまた”間違いない名作”が漫画史に刻まれたことに感謝の意を表したい。

不眠症経験者は必読の『君は放課後インソムニア』がポスト冬目景でキュン死に

不眠症(インソムニア)の高校生が主人公で綴られる恋愛模様。この漫画の表現力は埋もれてはいけないと俺は思うんだ。

あらすじ

不眠症に悩まされる中見は文化祭の準備中に校舎の上の倉庫に成り果てた天体観測室で同じく不眠症を抱えて隠れて睡眠を取っていた曲と出会う。 お互いに同じ悩みを抱えていることを知り、お互いが側にいる時は良く眠れることに気づき、密かに観測室で一緒に睡眠と取ることを始める。 観測室の無断使用が学校側に知られた後に、廃部となっていた天文部を復活させて二人だけの部活動を開始する。 活動を共にする中見は曲に対して段々と淡い恋を募らせる。Wikipediaより引用

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それではお待ちかね。下記にて『君は放課後インソムニア』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

 

 

簡単な作品概要

スピリッツにで2019年から連載している本作。正直まだ知名度はそんなに高くない(気がする)けど、だからこそ俺は紹介したい。思春期の少年・少女が不眠症を通じて出会い、静かな中にもお互いに惹かれ合っていく姿を漫画ならではの表現で巧みに表現している。

 

中見 丸太

前述の通り、主人公の中見 丸太(なかみ がんた)は不眠症を患っていて不機嫌ガチ。そのせいでクラスの生徒に触れ辛い奴というレッテルを貼られていて浮いている存在なんだよ。この時点で不眠症だった俺はすごく共感できる。そう、ブラック企業時代に不眠症(職業病)だった俺は友達と遊んでいる時も全く同じ気持ちだった。わかる、わかるぞ、友達といて楽しいけど、なんか頭の斜め後ろらへんがボンヤリ曇ってる感じなんだよな。でもよる眠ろうとすると全然眠れない。これ、インソムニアあるあるだから。

 

曲 伊咲

そんな丸太が眠れる場所を探して行き着いたのが、部員がいなくて立ち入り禁止になっていた学校の天文学部の部室。そこで出会うのが曲 伊咲(まがり いさき)。曲も丸太と同じようにインソムニアを患っていて、誰にも邪魔されずに眠れそうな天文台を丸太より先に見つけるというアグレッシヴ少女

お互いにファーストコンタクトで、人には言えない”寝れない”という悩みを打ち明け合うからこその急速な距離の縮み方がリアル。共感は異性との距離をグッと縮めるってメンタリストも言ってたしな。そんなこんなで、二人の秘密基地を手に入れ、安眠を求めて逢瀬を続けていくんだけど、教師に立ち入り禁止の天文台に入っているところがバレる。丸太は「自分が天文部を復活させて部員になれば、この場所を失わずにすみますか?」とボーイズビーアンビシャスして立志。ここから、この不眠症の2人が居場所を失わないために天文部として活動していくことになるというストーリー。

 

 

音を感じる描写力

理解できるかね、この表現力が。そもそも学校というのは音の多い場所だ。吹奏楽部の演奏音、運動部の掛け声、廊下を歩く生徒の話声。それが雨という要素によって静かに地面に溶けていることを本作は見事に描いている。それも、雨音を擬音として絵に置かずにだ。この数ページで描かれた音は丸太の静かな心臓音だけ、最後のコマの水玉模様で包み込まれる安心感と雨音とのリンクを果たしているってワケだよ。俺はこの辺りの数ページ、鳥肌が止まらなかったよ。すごく写真的というか。『イエスタデイをうたって』以来にビビッときたね。というかシチュエーションがエモすぎる件!

 

 

心ときめく恋愛模様

だがこの作品のエモさは止まらない。丸太と曲の恋愛にはキュン死に必至、キュン必死。二人で一緒にいるうちにお互いに惹かれていく姿がすごく自然でね。意識し合ってからの臨海公園の深夜の逢瀬はそりゃあもうとてもキュンキュンしましたよ。えぇ(裏山)。

というか、学校行事ってなんでこんなにときめくんだろうな。運動会とか文化祭とか、それだけでもうエモい。こう思えてしまうのも、俺がオジサンになってしまったということなんだろう……。可能なら戻りたい。何でもない日常が、こんな風に輝いていたあの日々に。

 

無垢な瞳は10代の特権

大人になると見た目清純そうな女性ほど濁るからな。こんなに無垢な瞳が出来るのはティーンエイジャーの特権ですよ。普段元気いっぱいの子が自然な上目遣いしてきた時はフリーザ第三形態くらい(55万)の戦闘力を有する。

という、非常に冗長な前置きは置いといて、曲はたまにこういった表情を丸太に向ける。この表情の理由は物語が進むにつれて明らかになっていくんだけどね。こればっかりは読んで欲しい。俺は不安で不安で堪らなかったよ。この表情をしている時の曲の『四月は君の嘘』の宮園かをり並みの消え入りそうな姿には「え? そういうこと? もしかして……そういう感じなん?」と勘繰らざるを得なかった。

 

 

滴り落ちる甘酸っぱさ

ふぁーーーーーーー。そういう感じでした。まさかの持病ホルダー。子供のころの病に起因して夜に眠るのが怖く、不眠症になったということが明らかになる。おいおいおい可哀想すぎかよ。でも分かるぞ。眠れない理由は精神的的問題が大部分を占めているって俺も医者で言われたことある。人間身体が疲れたら寝れるハズなんや。それでも寝れないってのは、脳が無意識に寝ることを拒否してるってことなんだ。寝ることよりも寝ないことが自分を護ることだって認識しているんだよ。良い子の皆、こうなったら睡眠薬に頼ろう。睡眠薬の免疫を身に着けて、何錠飲んでも眠れなくなってからがビッグブリッヂの死闘

甘ぁああああああああああああい‼ この! 若さ故の! 向こう見ずな一直線さ、失わずに一生を終えたい! さらっと恥ずかしいこと言えるのは恋する者の特権ですよね。こんなこと言われたら俺はイチコロですよ。「月が綺麗ですね」とか、難しい表現はいらないんだよ。いつだって恋愛はストレートが大事。※ちなみに、前述した夏目漱石の I love you の名翻訳「月が綺麗ですね」に対しては、「死んでもいい」ではなく「時が止まればいいのに」派な俺。根がポジティブ。

と、まぁこんな感じでとっても透き通った恋愛を繰り広げる『君は放課後インソムニア』。まだ単行本で言うと3冊くらいの内容なのでアニメ化する前に要チェック。何度も言うが、ここまで綺麗な構図でリアルな純愛を描いている作品は中々無い。特に30代にお勧めしたいポスト冬目景かと。

 

まとめ

今回は比較的まだ人に知られていない作品の紹介でした。名作の感想や解説をつらつらと書くのも良いけど、こういうネクストジェネレーションの紹介を増やしていきたいと思う次第。こういう未来の名作を世に知らしめるのが俺みたいなしがないブロガーの存在する意味かと。

世の中に面白い物語が創られ続ける限り、まだまだ生きていこうと思う。年寄りになってもずっとこうやって紹介できたらいいなぁ。と、どうなるかも分からない未来に希望を持てるからさ、全くもって、漫画って素敵だ。

『スラムダンク』を定期的に読み返したくなるのって何なんだろうな、泣くに決まってるのに

90年代ジャンプ黄金期の看板漫画『スラムダンク』。非常に今更だが、久方ぶりに読み直して涙が止まらなくなったので、この大名作について語りたい。

あらすじ

神奈川県立湘北高校に入学した赤い髪の不良少年である桜木花道は、中学時代に50人の女性から振られ続けたうえに、最後に振られた女性が「バスケ部の小田君」に好意を持っていたため、バスケットボールが大嫌いになっていた。 しかし、廊下で自身に声をかけてきた赤木晴子に自身の長身と筋肉、身体能力の高さを見出された花道は、彼女にバスケット部への入部を薦められる。花道は晴子に一目惚れし、バスケットボールは全くの初心者であるにもかかわらず、彼女目当てに入部。その後、地道な練習や試合を通じて徐々にバスケットの面白さに目覚め、その才能の芽を急速に開花させる。Wikipediaより引用

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高校バスケの金字塔

この国民的漫画のあらすじを今更ながら載せるのは蛇足かと思ったが、万が一読んでいない人のために一応。1990年~1996年と実は短期的な連載だったのが意外に感じるかもしれないけど、作中では花道が入学した春~夏という、僅かひと夏の話ってのがまた熱い。なんなら試合自体も8試合しか描かれてない。「こんなに濃密な3か月間があるのか…」と作者である井上先生の丁寧な書き込みに投げ銭必至……糞、何故投げれない…。

さらにこの作品の特筆すべき点を挙げるとするならば、登場人物たちの葛藤が須らく読者の心に刺さる。桜木花道、流川楓、赤城剛憲(ゴリ)、宮城リョータ(リョーちん)、三井寿(ミッチー)の5人は言わずもがな。シックスマンの小暮先輩の存在も優秀なスパイスとして涙腺に効いてくる。ちなみに俺はミッチー派。ミッチーが好きすぎて小学校のミニバスでは3ポイントばっかり狙ってた(※ミニバスに3ポイントは無い)。

 

三井寿の葛藤

ダメだ三井好きすぎるからちょっと語る。元々、中学校でMVP獲得したエリートプレーヤーだったのに高校入学後に挫折。2年間不良として過ごした後に更生して、蘇る天才。この設定がまず熱いよね。しかも湘北メンバーの中でも安西先生に心から心酔してる仁義に熱いところも男性ファンが多い理由だと思う。そもそもの話、『スラムダンク』を読んだことがない人でもまず耳にしたことがある「諦めたらそこで試合終了だよ」は三井中学時代に来賓席にいた安西先生が三井に向かって放った名言(後に山王戦で花道にも言う)。あと、言わずと知れた「バスケが…したいです」も三井がバスケ部を強襲した時に安西先生の前で感極まって漏れた本音という大名言。そう、本作で生み出された歴史的名言は三井(と安西先生)の言葉なんだよ。もはや主人公。てか湘北高校のメンバーは全員主人公。腐っていた自分を後悔し、葛藤しながらプレーする姿が本当にカッコ良い。

 

蘇る天才

おう、俺は三井 大好きな男。まだまだ止まらんよ俺のミッチー愛は。上の画像はスラダンファンにとって伝説である山王工業との試合にて、俺の大好きな三井ハイライトシーン。見ての通りいちいちカッコ良い。「俺は誰なんだよ…!? 言ってみろ!!」ってもう魂魄からカッコ良い奴しか言っちゃダメなやつ! からの、とっておきの飛び道具:3ポイントの乱れ打ち。翔陽戦でのディフェンスに負けじとシュートを打ち続ける姿にも涙が止まらなかったけど、山王戦の覚醒は別格。この画像を見るだけで俺のスラダン愛は蘇る。何度でも。

 

 

vs 豊玉高校

さて、みんな大好きミッチーについて語れたところで、本筋に戻ろう。ここからは俺の好きな試合にフィーチャーしたい。スラダンを読んだことがある人は皆それぞれ「あの試合がベストだな…」って思う試合があると思う。もちろん全試合が名バトルなんだけど、俺にとっては豊玉高校との試合は特に響いた。自分で言うのもなんだが漫画玄人の人ほどこの試合が好きな傾向にあると思うので「いや、もっとあっただろ!」って苦情もあるかもしれない。黙れ。この記事では豊玉高校戦をエクストリームに紹介させてくれ。

まず、この試合は始まる前から熱い。行きの新幹線の中で既に一触即発の雰囲気。そして前日も上の画像の通り煽り合いの応酬である。ここで豊玉のキャプテンである南がスポーツマンシップを語ってるのも後の伏線になってるし、「おい、切符買っとけよ。明日帰るんだろ?」からの「ドチビが……!!」の顔が最高です。リョーチン格好良い。

 

豊玉のバスケ精神

大阪地区では1位・2位・3位の得点ランキングを独占するという驚異のマシンガンバスケを得意とする豊玉。頑なにゴールを求める熱源は、大恩師である北野元監督の教えが間違っていなかったことを証明するため。そのためにラン&ガンの点取りスタイルを貫くという仁義溢れる高校生の戦いなんだよな。めちゃくちゃ悪役面して登場したのに行動原理が人のためってベタかよ~(最高だよ~)

だから、というか、大事なものがあるからこそ、北野監督の後任として赴任した金平監督が豊玉のディフェンスを強化すると宣言した瞬間、一瞬で監督と選手の関係は断絶。監督の指示を2年間ほぼ無視するという中々なアナーキー具合。この関係も湘北との試合中に臨界点を突破しブチ切れ、試合中ベンチで選手をぶん殴って感情を爆発させる金平メンバー(監督)。どっちの気持ちも丁寧に描かれているので、ここまでは、どちらも可哀想な印象だったんだけどね…。俺が好きなのはこの後に金平監督が独り言のように吐露した本音→「俺はお前らが大嫌いだ。なのになぜ…負けちまえって気にならないんだ。それは…お前らが心底勝ちたがっていることは知っているからだ」。そんな泣きそうな顔でそんなこと言うなよ…もうダメ、俺が泣く

 

南 vs 流川

試合内容の盛り上がりポイントは何といっても豊玉のキャプテン・南と流川のマッチアップ。「お前がエースや」と一見ライバル風の格好良いセリフを吐いた後に肘鉄を流川の眼球に炸裂させる南。一時は医務室に引っ込む流川。でも戻ってくるんだよな、片目で。片目を閉じた状態でラフプレーを受けながら「身体が覚えてらッ!」と眼を閉じながらシュートする流川はこの試合で全国にその名を轟かせる。そんな姿に観客も思わず涙。俺は試合開始からずっと涙。肘鉄をブッパした本人である南も、流川の真っ直ぐに勝ちに向かってくる姿に感じるところがある様子。この時の流川のセリフ「日本一の選手ってどんな選手だと思う…きっとチームを日本一に導く選手だと思うんだよな。俺はそれになる」には非常に熱い想いが内包されているのも良いよね。そう、全国大会に行く直前、安西先生から流川に放たれた「君は日本一の高校生になりなさい」を体現しようとしてるんだよ。この”チームのため”というワンフォーオール精神が後の山王工業戦への布石になってるってのもGOOD。大体、あの名将・安西先生がここまで日本一になれって断言するのは相当な信頼と実力を認められてるからだよな。こんなこと言われたら頑張るわ。職場に一体、白髪鬼いかがですか。取り敢えず明日から来て下さい

と、ここで終わらせると南が単純な反則糞野郎という評価を受けてしまうと思うので弁明したい。南(豊玉メンバー)の絶対に勝たなきゃという、気持ちが強すぎる故のラフプレーは褒められたものでは決して無い。THE・ただの悪役だ。でも本作ではその先が描かれる。片目で奮闘する流川の姿に溢れる勝利への単純な意思。そして重なる北野元監督の言葉。ラン&ガンを一貫して教え子に伝授する監督を思い出すとき、必ず「バスケットは好きか…?」と添えていた恩師。大事なのは勝利ではなく、純粋に楽しむということ。楽しむために点を一杯取ろうぜっていうことだったんだよな。湘北との戦いでこれを思い出すメンバー一同。そして南は試合終盤、ディフェンスする流川の顔面に向かって膝打ちせんばかりの勢いで突っ込むんだけど、この時しっかりと右膝を内側に畳んでるんだよ。ゲームそのものを楽しもうとしてるんだよ。この姿を見た時、それは俺の涙腺にとってのインデペンデンス・デイとなった

目違いなく名試合。

 

 

vs 山王工業

本作において、この戦いを語らずして終われない。日本漫画史上トップレベルに熱い40分。例に漏れず俺も大好きな試合だ。いや、もはや大好きという言葉が相応しくないような気もしてくる。例えば絵画を観て「あぁ…この作品大好きだなぁ…」なんて思うか? いや、もちろん思う人もいると思う。だからこれは俺だけかもしれないんだけど、あまりにも綺麗な芸術を観た時って溜息しか出ないというか、「あ~すげぇなぁ~」って、頭が空っぽになって涙が出てくるやつ。これ、それ

まぁ、この試合に関しては余りにも多くの人が色々な言葉で語っているので、ぶっちゃけ語ることが本当に無いんだけど。敢えて俺が語りたいのはこんなに泣けるスポーツ漫画は無いよって話。漫画好きは義務教育宜しく成人前に涙を枯らしてるけど、普通のスポーツ好きも泣くもんね。すごいよね。そしてこの試合に井上先生は『スラムダンク』の全てを詰め込んだ。NHKで井上先生が取材を受けた時に語ったらしいんだけど「これより良い試合は描けない」とのこと。だからこその最終戦。総力戦。青春の全てが詰まったラストバトルだからこそ人は感動するワケですよ。Cool JAPANここに極まれり

あ、ダメだ。今ね、山王戦を編集スキル駆使して要約して要所要所の感想を書こうと思ったんだけど。本当に無駄が一切なくて要約できないや…(2週間ほど考えた結果、無理)。それほどに完成されてるよ。むしろ言葉が無粋

どうしようか。書くことは無いんだけど、こんな記事を読んでくれた人にせっかくなのでサービスしたい欲求が俺の中に沸々と沸いてきた。≪ここで悩むこと1時間≫ → よし、削除されることを覚悟でラストシーンを載せよう。このラストシーンだったらスラダンファンは全員100回は読んでるし、もし奇跡的に日本に住みながらスラダンを未読という稀有な人が居ても井上先生の芸術の神髄を味わえる。※マジで未読で「これから読むからネタバレやめろ」ってスラダン処女だけここでサヨナラしてAmazonで全巻買おうな。下にリンク貼っとくから。というわけで、Amazonへのリンクの下はあの伝説の無音バスケ。これ見れば、きっとまた読みたくなるよ。スラムダンク(つーか俺ができることはこれくらいしか無い)。

SLAM DUNK(スラムダンク)
コミック 全31巻完結セット

SLAM DUNK(スラムダンク)
完全版 全24巻・全巻セット

 

 

ラスト8秒の逆転劇

 

 

まとめ

山王戦ラスト、後半20分にすべてを詰め込んだ上で最後に渾身の一撃を叩き込んできた。そう、タイトル回収です。まさにスラムダンク。

今までどれだけ多くの人がこの漫画に励まされてきたのか判らないけど。きっとこの漫画に救われたって人もたくさんいると思う。何より、これだけ完成された作品が30年も前に既に在ったってのが衝撃だよね。ちなみに『リアル』も超面白いからいつか時間あるときに記事を書こうと思います。

いつまでも輝く湘北高校バスケ部に敬礼。

あ(りがとうございま)したっ!!

秀逸な大河漫画『SIDOOH/士道』に見る日本人の誇りを今一度胸に刻もう

1855年の日本。1855年と言えばあの有名な江戸を大地震が襲った年。黒船来襲から未曽有の天変地異と畳みかけるように襲ってきた大変動に対して鎖国してたイエローモンキーは無力 of 無力。『士道』はそんな中で、会津武士として生き抜く兄弟の生涯を描いた、NHKを越えし大河浪漫。

《あらすじ》

ニッポンが“幕末”と呼ばれる少し前、動乱の世に放たれた二人の兄弟がいた。兄は雪村翔太郎:14歳、弟は雪村源太郎:10歳――たった二人で生きる決意を誓った幼き“侍”に、容赦なく降りかかる時代の混沌、修羅の世界。一巻あらすじより引用

この物語は大きく幼少期・青年期と分けられる。どちらも動乱の世が産んだ混沌を相手に大立ち回りする兄弟が描かれるが、何と言っても幼少期の悲惨さは他の歴史漫画には無い

ちなみに、漫画漬けの日々を送る俺は
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それではお待ちかね。下記にて『SIDOOH/士道』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

 

武士としての立身

まず第一話で母親がコロリする。この時点でかなりリアリティに富んだ時代モノの様相を呈していたが、多くのヤングジャンプ読者にとって衝撃的だったのは、母親が死の直前息子2人に武士として一生を終えた父親の形見(刀)を託すシーン。「腕を磨け、この世は理不尽だ。弱ければ死んで逝く」って病床の身体に鞭打ち気丈に振る舞う姿はまさに武士の嫁。さらに引取る瞬間「ごめんね」と母の愛を漏らすという超絶シビアな世界観を展開。もうこれ以上ない位に理不尽なんですけど…という俺の小並感想は、墨汁を垂らしたような高橋ツトム大先生の力強い夜描写の中に露と消えた。

 

それから兄弟はカルト宗教団体(白心郷)に拾われて「愚断!愚断!」と無理ゲーの殺戮ショーに巻き込まれたり、メリケン様の黒船沈めたり、明治維新の激流の中で生きるために足掻き続ける。というかこの幼少期の白心郷との戦いが最終巻まで続くとはこの時思いもしなかった…。

仲間も得て、失う。そんなことを繰り返すうちに、お待ちかねの新選組・長州藩士の登場。いやー、ね、外せないよね。維新期に置ける要素として絶対に必須。ただ、思い出して欲しい。片田舎で母親から「強くなれ」と願われた兄弟の生きる物語がここに収束していくんだよ。御国の物語に絡んでくるんですよ。こんな物語をが綴られる今こそが日本の夜明けぜよ

 

 

新選組との共闘

で、ここから物語は新選組側で展開することになる。かの有名な池田屋襲撃時に新選組とともに戦ったというアツい設定。ちなみにこの時点で数多の修羅場を潜ってきた翔太朗の剣の腕前は新選組副長・土方歳三と互角(鬼)。高杉晋作との対決では、高杉が怪我してるからって自分も傷を負いながら戦って打ち勝つという鬼神

というかこの時代は皆背負ってるものがあって、ともに戦う仲間がいて、会津・薩摩・長州それぞれの義理人情が、「武士とはかく在るべき」を体現してて胸が熱くなる。そんな中で巻き起こる京都近江屋襲撃による坂本龍馬・中岡慎太郎の暗殺犯不明事件。本作ではこれの実行犯が雪村兄弟として描かれる(暗躍しまくりぜよ…)。

 

俺的日本史紹介コーナー

ここで日本史大好きな俺に少しだけ語らせてくれ。日本の面白いところは敗北者として歴史に名を残している人達の方が人気があるという点。新選組はその筆頭。なお、俺の新選組推しは沖田さん(Fateも!)新宿出身で、”幕府の犬”と罵られるならず者集団だった彼ら。多くの作品で池田屋事件以後が語られていない通り、その終焉は可哀想の一言に尽きる。誰よりも武士に憧れたがゆえに時代の流れに乗り遅れ、薩長の新政府陣と敵対した挙句に天皇と敵対するという本末転倒感。護るべきものの為に戦い続けた結果、官軍としての大義名分を失い滅ぼされるという幕末青春譚は日本人の大和魂を揺さぶる。例に漏れず俺も好き(俺…何でも好きだな)。

ちなみに坂本龍馬が作った海援隊は今の三菱財閥。しかもソフトバンクのロゴは海援隊ロゴまんまなのはお気づき? 孫さんが坂本龍馬の偉人伝みて感銘を受けて同じロゴにしたらしいよ。まさかの土佐から生まれた一隊が今の世界的大企業のルーツになってるって点は面白いし、意外と皆知らないのはもっと面白い。日本史は良いぞ。

 

 

生き続けるためには

斬り続けるしかない

本当に色々なことがあって、最終的に生き残った源太郎(弟)は「俺に出来ることは、みんなが命懸けで振り回した刀を鞘に納めることだ」って生きることを決める。これまで激動の半生を描いてきたからこそ活きる最高の終わり方なんだけどさ。キレッキレに研いできた刃を振り回し続けて終わるのではなく、納めるってとこがポイントだよね。折らずに収める。あれ、率直に言って『バガボンド』を思い出したの俺だけ? 修羅の道を歩んだ先で達観するのは人類の性なのか? いや、そうと決まったわけではない。宮本武蔵は大自然に、源ちゃんは仲間の想いに生きることの真理を見出だしたワケなので。例えば現代を生きる俺たちにもこの境地に至る可能性はある。田舎で隠居したい。陶器とか作りたい

 

《まとめ》

というわけで、『SIDOOH/士道』に見る、日本史における偉人の生き様紹介でした。俺が今まで読んできた数ある漫画の中でも間違いなく上位にランクインする本作。あんまり長くすると読みづらいから省いたけど、百舌姉さん(兄の嫁)の生き様とかも相当良いからね。あとこの後日談である息子の話『士道サンライズ』も超おすすめ。

令和にあっても、日本人の誇りは大事にしたい。

アニメ好き必見の2020年アニメ映画【おすすめ5選/万人向け】

新型コロナ蔓延により3密がタブー視された日本社会。リア充が死滅する分には構わないのだが、映画館の休業ならびに数多のアニメ映画の無期限延期。辛い、これは映画好きにとっては苦況だ。いや…待て、逆に考えよう。むしろ、楽しみが未来で待っているのだと。延期明けには怒涛の名作ラッシュが待っているのだと。明るい未来へ、一緒に走ろう。

《選出の基準》

この記事ではいつも通り、俺が独善的に選んだ作品を紹介する。ただ今回はかなり条件を絞った。まず第一に「2020年公開予定」であること。そして「間違いなく面白い」こと。この2点に絞って選んだ。誰よりもアニメが好きな俺だからこそのセレクトになったが、普段アニメを観ない人でも普通に面白く感じれる作品なので【おすすめ5選/万人向け】とした。興味が少しでも沸いてくれたら嬉しい限り。

 

 

シン・エヴァンゲリオン

劇場版:||

2020年のアニメ映画と言えば、まず真っ先に浮かんでくるのが本作だろう。新劇場版の『序』製作が『月刊ニュータイプ』で発表されたのが2006年だから14年越し…いや、むしろTVアニメ版が一番最初に放送されたのが1995年だから、なんと25年にも及ぶプロジェクト

当時からTVアニメ版を姉と一緒に観ていた俺にとっても想い入れのある作品である。だがしかし、『序』『破』『Q』と公開されてからというもの、音沙汰がなくなり、最終作の発表を待つこと8年。「きっと、エヴァの新劇場版が完結する前に俺は死ぬんだろう」と思っている時期もあったくらい。待ったよ…だが時は来た。断言しよう、今年は本作が日本を圧巻すると。

 

0706作戦

ちなみに、冒頭10分40秒は2019年7月6日にイベントで先行公開されてて、『破』を思い出させる真希波さんの八面六臂の活躍が話題を呼んだ。この映像を見るだけでも期待感は十全。きっと今回も予想を超えたエンタメを魅せてくれるだろうと俺は確信している。俺的”アニメ好き必見の2020年アニメ映画”、堂々の選出です。

 

 

え? 一発目から続きモノを紹介するなって? ふむ、確かに一理ある。万人向けを謳う以上、最低限のフォローはしよう(まぁ未視聴の人はそもそもこの記事読まないとは思うが)。つい先日「エヴァ」について記事を書いているので、もし未視聴の人がいたら上の記事も読んで見てくれ。視聴済みの人も楽しめる内容にしている(と、思う)ので、最終作公開前にぜひとも読んで復習して欲しい。この記事だけ読んどけばヲタク共と会話する時も舐められないくらいの知識はつくハズ

鹿の王

あらすじ

この物語は2人の男を中心としてストーリーが展開されていく。

一人は、飛鹿(ピユイカ)と呼ばれる鹿を操り、故郷を守るために戦った独角(どっかく)という集団の頭だった、ヴァン。しかし戦いに敗れ、地下のアカファ岩塩鉱で働かされていたのだが、ある晩、謎の獣が岩塩鉱を襲撃、獣は人々を次々と噛んでいった。その後、岩塩鉱で謎の病が流行しヴァンだけが生き残った。ヴァンは地上で侵入した家の竃の中からもう一人の生き残った幼児(女の子)を見つけ、ユナと名づけて一緒に生きることになる。

そして、もう一人の主人公は東乎瑠(ツオル)帝国の医術師ホッサル。ホッサルは病の原因究明のため岩塩鉱に行く。そこで脱走防止の足枷がひとつ外れているのが見つかりヴァンの脱走が発覚。同時に噛まれても病にかからない人もいる事がわかった。この一件でホッサルの従者であるマコウカンは生き延びたヴァンを捜索することになる。Wikipediaより引用

 

名作が銀幕で問いかける

ハイファンタジー作家で知られる上橋菜穂子さんの本屋大賞受賞作『鹿の王』が今年アニメ映画として公開される。ちょっと前まで本屋で鬼の平積みされてて「すげぇ…」って思った。同作者で言えば『精霊の守り人』『獣の奏者』も有名だよね。まさに破竹の勢いって感じ(実に羨ましい)。制作は『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』『PSYCHO-PASS』のProduction I.G。万全の体制でしょう

 

医療×ファンタジー

「病には情はない。善悪も関係ない。だからこそ恐ろしいのだ」。圧倒的文章力で織り成される物語は超骨太。頭の中で景色が浮かんでくるのは当然として、なんかもはや白昼夢すら見えてくる。話の内容も痛烈で、誠実に問題に向き合わない現代の政治(と、投票するだけで政治に参加した気になっている一般大衆)に対して、今の社会の在り方を考えさせる力すら持っている。ファンタジーという垣根を越えて来た超秀作

秀でた物語は時に、生きること、そして生命の在り方について思考させる力を持つ。これはその良い例だ。2020年はコロナという未曽有のウイルスが世界に蔓延し、人生に挫けてしまったり、人生について今まで以上に考させられた人も多いと思う。そんな、今悩んでいる人達にこそ読んで、観て欲しい作品

思い、思われ、

ふり、ふられ

あらすじ

人見知りが激しく、他人と話すのが苦手で、自分に自信が持てない市原由奈は、高校進学を機に引っ越す親友を見送りに行った際、子供のころに読んだ絵本に出てきた王子様そっくりの男子を見かける。同じく離れ離れになる友達を見送りに来ていた山本朱里とひょんなことで知り合い、朱里が同じマンションに引っ越してきた同級生だと分かる。

少女漫画の恋愛に憧れ、夢見がちで消極的な由奈と、明るく積極的で現実的な恋愛を楽しむ朱里、2人は正反対の性質だが、不思議と親しくなっていく。由奈が気になっていた「王子様」が朱里の弟・理央であることが判明、恋愛未経験の由奈は理央への気持ちは恋ではないと思っていたが、次第に自分が理央を好きになったことに気が付く。朱里は姉の目から見て、由奈には理央を薦められないと伝えるが、由奈の人生初の恋を応援しようと決心する。朱里は、由奈が唯一親しく話せる幼なじみ・乾和臣のストレートな言動にドキドキさせられる。4人の青春が始まる。Wikipediaより引用

 

間違いない青春モノ

あ、俺…少女漫画も大好きだから。そこんとこ宜しく。というわけで3つ目に紹介したいのは『思い、思われ、ふり、ふられ』。2015年から2019年まで『別冊マーガレット』で連載されていた名作。『ストロボ・エッジ』『アオハライド』に続く青春三部作の最終章がアニメ映画化と聞いただけで胸キュンってやつよ

 

恋愛リアリティの筆頭

『ストロボ・エッジ』では仁奈子と蓮を筆頭に淡い片思いを。『アオハライド』では惹かれ合ってるのに離れ離れになってしまった双葉と洸が互いに最熱していく様を。どちらもリアリティがあって、連載当時学生だった女子の皆々様(と俺)は全員読んでいたのでは? そんな王道ラブストーリーの作者が描く、W主人公モノ。読めば最後、大興奮間違いなし。

登場人物4人(朱里・由奈・理央・和臣)、全員が全員、本当に良い子なんだけどさ。俺は特に朱里が好きだな。まず黒髪ってのが高評価ポイント(偏見)。あと、元カレから復縁を迫られた時の対応とか、すげぇちゃんと考えてる子やんって思ったし。何より最終回のCatch me!! → 「捕まえたっ」の流れがもうね…落涙だよ…。あと学園祭の紙吹雪のシーンとかね、良いよね。まぁ、観れば分かるよ。映画でどこまでやってくれんのか知らないけど。映画観れば原作も読みたくなるよ

サイダーのように

言葉が沸き上がる

あらすじ

17回目の夏、君と会う⸺。

人とのコミュニケーションが苦手な俳句少年と、コンプレックスを隠すマスク少女。 何の変哲もない郊外のショッピングモールを舞台に出逢ったふたりが、 言葉と音楽で距離を縮めていく、ボーイ・ミーツ・ガールStory。 公式HPより引用

 

イシグロキョウヘイ監督作品

ぶっちゃけると、この作品は未知数だ。『月刊コミックアライブ』で2019年末から先行連載しているが、俺はこれをまだ読めていない…。だが、イシグロキョウヘイ監督と聞いたら、期待せざるを得ないんだ。それは何故か。イシグロキョウヘイ監督と言えば、『四月は君の嘘』の監督であり、『クジラの子らは砂上に歌う』で監督・脚本を勤め上げた涙腺ブレイカーだからである。青春を描けば間違いなく、世界観の作り込みも間違いない。故に期待せざるを得ない

 

言葉×音楽

公式で発表されている情報によると、主人公のチェリーは人と会話することが苦手で、緊張すると赤面して上手く話せなくなる設定。対してヒロインのスマイルは人気配信主だが、大きな前歯がコンプレックスで人前でマスクを取れないという青春っぽい苦悩を抱えている。ふむ、もう設定が感動させに来てんな

コンプレックス刺激系の作品は得てして共感を得やすい。共感を得やすいということはつまり、感動しやすいと同義だ。今までの人生で、笑ったこと、泣いたこと、怒ったこと、全てが記憶として脳に保存されている。人はそういったモノを呼び起こされると、呼び起こしたものに感情がプラスされる。結果として心が大きく揺さぶられる。心が叫びたがるってことだ。俺はそれがとてつもなく快感なんだよ。

BURN THE WITCH

あらすじ

遥か昔からロンドンに於ける全死因の72%は、 人々が見ることのできないドラゴンと呼ばれる“異形の存在”が関わっていた。

だが、人知れずそのドラゴンと相対する人々がいた。 ドラゴンの存在を見ることができるのは、フロント・ロンドンの“裏側”に拡がるリバース・ロンドンの住人だけ。 その中でも、選ばれし人々がウィッチ魔女/ウィザード魔法使いとなり、ドラゴンと直接接触する資格を持つ。

主人公は、自然ドラゴン保護管理期間「ウイング・バインド」(通称WB)の保護官である 新橋のえるとニニー・スパンコールの魔女コンビ。 彼女たちの使命は、ドラゴンに接触できない人々に代わり、ロンドンに生息するドラゴンたちを保護・管理することだった。公式HPより引用

ラストは『BURN THE WITCH』。ご存じ『BLEACH』でジャンプの黄金時代を支えたオサレ先生こと久保帯人先生の作品。2018年の同誌創刊50周年記念に読み切りが掲載され話題を呼んだ本作。連載化を希望する声が編集部に殺到、だが現在まで未だ連載化されず沈黙。それが連載せずして映画化という漫画として超異例の采配。ジャンプ編集部、わかってますね。

 

新境地:W主人公(女性)

久保帯人先生と言えば、黒崎一護。この考え方がステレオタイプだったということに俺はこの読み切りを読んで気付かされた。魔女・ドラゴン・ロンドンという完全に西洋を舞台にした世界観も、ずっと死神描いてたとは思えないほど絵にハマってたし、戦闘シーンもカッコ良すぎてマジ卍。解放された久保帯人先生の前では万象一切灰燼と為す

 

世界は終わらない

読み切りラストで描かれたスーパーサプライズ。物語も終盤、「あ~面白かったなぁ~」なんて悠長に余韻に浸りながら最後のページを開くと目に飛び込んでくるソウル・ソサエティ ウエスト・ブランチ(戸魂界・西梢局)の文字。そう、まさかの『BLEACH』と同じ世界設定! そうきたか! と。しかもね、最後に出て来るタイトル文字の色が着いてる文字読んで見てくれよ、『BLEACH』になるんだよ。最後までオサレか! まったくもって素晴らしい。絶対映画でも何かやってくれるよ。

 

《まとめ》

どうだろう。結構、万人向けに編集したと思わん? 今明らかになってる公開予定のアニメ映画の中では間違いなく激熱な5作品。俺は今まで色んなアニメを観て来たけどさ、今年は完全にアニメ映画イヤーだと思うよ

病原菌なんかに負けるなよ、日本。俺は好きなモノを語れる人間でありたいし、好きなモノを好きなだけ消費できる国であって欲しいよ。

まぁ、でも…大丈夫か。この記事を読んでくれた人達にはソーシャルディスタンスを守りつつ俺の作品への愛を語れたワケだし。映画公開を待っているこの時間も、こんな記事を読んでくれる寛大な御読者様方との心の距離を縮めるには良い時間なのかもしれない。ありがとう。みんな、ここまで読んでくれてありがとな!

 

 

 

 

 

という綺麗ごとは置いといて。はやく上映してくれ。マジで。もう我慢の限界なんだ。俺本当に性格悪いから掲示板とか書きこんじゃうよ。頑張れ、デスマして各所に上映許可取ろう。そして早くワクチン開発して実用化しようぜ。大丈夫、頑張れば人間なんとかなる。早く早く早く早く早く早く早く早く早あ、ここまで読む人いたんだ…。あざす。

終わり。他の記事も読んでね~。

『新世紀エヴァンゲリオン』について俺が誰よりも分かりやすく解説してやる

新劇場版4部作目の『シン・エヴァンゲリオン劇場版:‖』が2020年中に公開されることを信じて。長大なプロジェクトを振り返りつつ、この記事を読んだ人が、4部作目が公開された時に誰よりも楽しめるように、俺なりにエヴァンゲリオンという文化を語る。

「新劇場版」とは?

そもそも「新劇場版」とは? まずこれについて触れる必要がある。『新世紀エヴァンゲリヲン』という作品には「旧劇場版」が存在する。『エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを君に』がそれだ。実はこの時にTVシリーズとは違う完全新作の作品を作る予定だったんだけど、時間がなさすぎて溶接職人と化したという過去がある。これに関しては賛否両論(というか圧倒的否定多数)で物議をかもしたが、結果としてTV版とは違うエンデイング(「世界の中心でアイを叫んだけもの」の終わり方)を魅せてくれたので、世界観をさらに深めてくれたから、俺は別に嫌いではない。むしろ「旧劇場版」も好き

こんな経緯があり、「今度こそ映画版やりますよ!お楽しみに!」って発表された時に全エヴァファンを歓喜させたのが新劇場版である。ただ、そこは流石エヴァ、見事にファンの予想を超えてきてくれた(良くも悪くも)。さて、じゃあここからは新劇場版『序』『破』『Q』に関して、観てない人はこの記事さえ読んじゃえば観なくても良いように、観ている人でもちょっと曖昧にしちゃっているであろうポイントを俺なりに解説していこうと思う。

ちなみに、漫画漬けの日々を送る俺は
他にもオススメ漫画を紹介してます。

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それではお待ちかね。下記にて『新世紀エヴァンゲリオン』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

 

新劇場版『序』

いきなり肩透かしを食らわせるが、本作に関しては特に述べる事は無い。というのも、TVシリーズとほぼ内容が変わってないからだ。これに関しては往年のファン達もかなり消化不良だったらしいが…。映画公開時、新宿の歌舞伎町広場でのイベントがすごく楽しかったから俺は特に嫌な印象はない。内容に関してはTVシリーズを観れば(IQ150くらいあれば)普通に理解できるので割愛。(強いて一つだけ言えることがあるとすれば、ラミエルに技術革新が起きた)。

ただ、この『序』時点である程度の知識を得ておかないと、以降の作品の理解度が大きく変わってくる。ということで、ちょうど良いタイミングなので皆がなんとなくしか理解してないであろうエヴァ用語について解説しよう。

 

「セカンドインパクト」

物語が始まった時、すでにセカンドインパクトは起こっている(厳密には『序』の時点から15年前)。この設定を聞いた時に「…は? どゆこと? てかまずセカンドってことはファーストはいつ起こったの? 舐めてんの?」と憤りを覚えた人がいるかもしれない(俺)。無理はない。だがこれがエヴァだとしか言えない。むしろ憤りを覚えないとこの物語は理解できない。探求のためには怒りの感情は不可欠

閑話休題。まどろっこしいのは嫌なので完結に答えを言うと。セカンドインパクトとは、物語開始時の15年前に南極大陸に墜ちたとされる隕石衝突事故のこと…と、表向きには発表されている。だがこれは秘密結社ゼーレによって情報操作された結果。しかして、その実態は南極で発見された第1使徒アダムに対してロンギヌスの槍を使用した結果引き起こされた人為的災害だ。ちなみに、これはエヴァを観る上では知らなくても良い超豆知識なんだけど、ファーストインパクトってのは現実の世界でも「ジャイアントインパクト」という名前で知られる月発生時の惑星同士の衝突(リリス降臨&アダム昏睡)。

 

「ロンギヌスの槍」

そういえば、皆「ロンギヌスの槍」についてはちゃんと理解してる? これはデストルドー(生に対して否定的な意思)の具現化した姿だ。より簡単に説明すると、”心の壁”である「ATフィールド」、これの対になる「アンチATフィールド」。生命なら須らく有するこのアンチATフィールドが槍の姿として凝縮した物質(生物説もある)だ。

使徒を含む生命体の”生きようとする意志”を消滅させる力があって、だから生きる上で欠かせない他者との差異化であるATフィールドを打ち消すし、コアに刺すと生きる意欲が消滅(ATフィールドの消滅)して原始に還ろうとする(原初の海=LCLになる)。え、大丈夫?ついてきてる? 踏ん張りどころやで。別にまだ難しいことは言ってない。

 

「使徒」とは?

第1使徒 アダム
☆第2使徒 リリス
第3使徒 サキエル
第4使徒 シャムシエル
第5使徒 ラミエル
第6使徒 ガギエル
第7使徒 イスラフェル
第8使徒 サンダルフォン
第9使徒 マトリエル
第10使徒 サハクィエル
第11使徒 イロウル
第12使徒 レリエル
第13使徒 バルディエル
第14使徒 ゼルエル
第15使徒 アラエル
第16使徒 アルミサエル
第17使徒 タブリス
☆第18使徒 リリン

ここで唐突な使徒一覧(しかも画像は新劇場版、羅列文字はTVシリーズという分かりづらさ)。いや、安心してくれ、これはセカンドインパクトの説明の為に羅列しただけだからテストには出ないし覚える必要はほぼ無い

ここで覚えることは一つだけ。全ての使徒は始祖であるアダムとリリスから生まれたということ。正確には、リリン(人)と地球上の生物は全てがリリス由来、他使徒はすべてアダムだ。

つまり、『新世紀エヴァンゲリオン』という物語は、始祖アダムとその子供(使徒)vs 始祖リリスとその子供(人類)による地球の正統な支配者を決める戦いである。だからNERV・ゼーレは相対する使徒の親玉である第1使徒アダムに対してロンギヌスの槍を用いたってワケ。ただ、刺したは良いがアダムのデストルドーが強力過ぎて、南極大陸を飲み込むくらいのアンチATフィールドが展開、デストルドーが伝播した結果、近くの微生物に至るまで生命のスープに還ったという事。これが「セカンドインパクト」だ。さぁ、面白くなってきたでしょ? ここまで理解できればニワカ卒業。 楽しいエヴァライフが待ってるぜ。

 

補足
新劇場版にも引き継がれているのかは絶妙だが、エヴァ初号機は第2使徒リリスのクローン体、つまりターミナルドグマの中にロンギヌスで磔のリリスの身体・エヴァ初号機、2つが第2使徒ってことになる。カヲル君はセカンドインパクト時にアダムから抽出したアダムの魂をリリンの肉体に定着させた存在。綾波はリリスの魂をリリンの肉体(碇ユイのクローン)に定着させた存在。

 

新劇場版『破』

さぁ最低限必要な知識を頭に入れたところで、いきましょうか、皆大好き『破』について。開幕から登場するマリ・イラストリアス…この時の衝撃は今でも忘れない。「え、何、新劇場版ってTV版のリメイクじゃないの!?」という驚きも束の間。アスカ(式波)登場からの月面でMark.06に乗るカヲル君の登場。そう、シリーズ史上ここまでエンタメ性に富んだことは無いと言っても過言じゃないほどに盛り上げてくれたのがこの『破』である。この作品のおかげでエヴァがより広く認知されるようになった。本作がきっかけで観始めたって人も多い。にわかホイホイ

 

ファン垂涎のシーン『破』

だがしかし、ちゃんとファンのことも喜ばせるシーンも盛り込んで来たのが最&高。学園生活の全体的な流れは原作と殆ど変わらないんだけど、綾波がゲンドウとの食事中にシンジとの食事会の承諾を得るシーン(何処で飯食うとんねん)これ普通に奇跡だからね。綾波がシンジに明確な恋心を露わにしている時点で奇跡だし、ゲンドウが綾波にユイの面影を重ね、行くことを了承するなんて奇跡超えてるよ…なにこの優しい世界泣ける

 

と思ったら最強(暫定)の使途・ゼルエル来襲 → 2号機裏コード「ザ・ビースト」 → シンジさん&初号機覚醒。獣化第二形態という新設定をここで出してくる点が最高にエンタメ。この盛り上がりは半端じゃなくアニメ映画史に残った。「綾波を…返せ!」で電源プラグ無し・活動限界という状況の中、親子愛で起動する初号機。「世界がどうなってもいい、綾波だけは助ける」(『Q』へのフラグ)という、今まで流されてばかりだった中学生が自分自身の願いの為に1人の女の子を助けんとする王道主人公へと成長を遂げる鳥肌展開には感動率99.9999%。そして初号機にブッ刺さる謎の槍とウルトラダミー予告(『破』と『Q』の間のシーン)。世界よ、これが日本だ!

 

「人類補完計画」

ごめん、『序』の時の用語解説で「人類補完計画」についても触れとけば良かったね。駆け足で行きます。そもそも「ゼーレ」っていうのはNERVの上位組織で、簡単に言えばフリーメイソンみたいなもんだ。それが第1使徒アダムの地球統治計画書(預言書)である裏死海文書を手に入れて、世界の裏から人類がアダムに勝てるように画策してたんだよね。

で、このゼーレの中に人類補完委員会っていう組織があって、これが発足するきっかけになった立案を作ったのが碇ゲンドウ。その詳細を簡単に説明すると…群体として成長した人類だが、その進化は上限が明らかであり、始祖であるアダムとの戦いに勝利することで完全単一生命体に進化しようぜ! っていう内容。…この記事めっちゃ有能じゃない? 

 

補足
シンジのお母さんである碇ユイがゼーレと繋がっていたため、ユイを介してゼーレの中枢に取り入るためにゲンドウは彼女に近づいたのではないかと言われている。

でも実はこれって謎が深いと思うんだ。だって、ユイが何故ゼーレと繋がりを持っていたのかは作中で語られていなくて、「形而上生物学者」として始祖からエヴァを作ったのもユイ。初号機の中に心を封印して永遠の命も手に入れてる(初号機はユイ、二号機はアスカの母親のキョウコが入ってる)って言うんだからちょっと怖いところではある。

もしかしたら…この物語の本当の黒幕は碇ユイなのかもしれない。

 

新劇場版『Q』

『破』ラストでのニア・サードインパクト後の世界。というぶっちゃけ視聴者とシンジを置き去りにするブッ飛び展開。当時映画館で観た時思ったもん。「相変わらずやってくれるぜ」って。からの元NERVメンバーからの悪意を感じる熱烈な視線。え、流石にシンジ可哀想じゃない…?というシリーズ史上最も視聴者がシンジに感情移入した瞬間だと思う。ただ、これは仕方が無いと言えば仕方がない。だって人類滅ぼしかけてるからね。みんな頭の中ではシンジに悪意が無かったことは分かってるけど、正直、理屈じゃない。失った人たちのことを思い出すとともに子供の様に無知をひけらかすシンジの姿にはレベル低すぎて激怒不可避、彼らの心境を慮ればこれは仕方のないこと。この理由は後述の「サードインパクト」で書くね。

しかも個人的に可哀想だったのは、「エヴァに乗れ」ってただ高圧的に命令するだけのゲンドウの言動。これ、TVシリーズならびに『序』の初号機初対面時を想起させる。え?『破』で一緒に墓参りしてた時の仲睦まじい親子愛は何処へ…? やはりゲンドウ、だがしかしこれこそがゲンドウ。

 

ファン垂涎のシーン『Q』

唯一の癒しと言えるかもしれない冬月教授と将棋を指すシーン。お前そんなキャラじゃなかったやろ! というツッコミを入れる暇が無いほど微笑ましいファンの歓びの瞬間。しかもここでユイの写真をシンジに見せるという演出。お前ずっとユイの写真持ってたんかい! というツッコミが心の中で跋扈する。お前本当にユイのこと好きだったんだな…。クソ純情爺である(誉め言葉)

 

また、エヴァンゲリオン13号機に乗ることになるカヲル君との邂逅。なんでお前の周りだけ植物生えてんの?という言葉は無粋。カヲル君の周りには愛が溢れているから植物も光合成できんだよ(適当)。13号機がデュアルシステムってだけでロボ好きにとっては胸アツなのに、これでもかとイチャつく二人の健全なる男子の姿に全腐女子は四つん這い不可避

 

「サードインパクト」

ガフの扉を開くことで人類史上最高の大殺戮者になったことが明らかにされるシンジ。ここでこのニア・サードインパクトについて解説しよう。そもそもの話、旧劇場版でサードインパクトは一度起こっている。第17使途を倒した後、ゼーレの人類補完計画が発動し量産型エヴァ(白ウナギ)でNERV本部を襲撃 → サードインパクト という流れ。LCLとして一つになった人類(原初の海)で綾波&カヲル君と再会して人類肯定でEND(ハァ? だよね、わかる、任せろ)

つまりサードインパクトとは、リリスのクローン体であるエヴァを覚醒させた上でデストルドー(アンチATフィールド)を広域展開し全人類のATフィールドを消滅。皆で原初の海になるという自死(進化)のこと。

ただ、新劇場版では「ニア・サードインパクト」だったんだよ。つまり、サードインパクト自体はカヲル君のおかげで防がれて、TV版・旧劇場版とは違うアナザールートが描かれたことになる。まぁ、当人がどれだけ一途な想いで綾波を助けたかっただけだとしても、結果的に人類をLCLに還すというナチスも吃驚の英雄になったのがシンジということだ。だからあれだけ嫌われてるんだよ。

 

「フォースインパクト」

本作で初出のフォースインパクト。ストーリーの流れを一度おさらいしようか。「アレは僕らの槍じゃない」(ファ!?)というカヲル君の静止、「止めろ!バカガキ!」というアスカの怒号をフルシカトしてリリスに刺さった2本のロンギヌスの槍を引き抜くシンジ。第12使途がエヴァンゲリオン13号機に収縮されて疑似シン化形態を超えて覚醒 → これによってフォースインパクトの発動。たぶんこの辺が、流行りに乗って新劇場版を観てる視聴者には何が何やらさっぱりポイントだと思う。安心してくれ、俺もさっぱり分からん。だからここからはただの考察。

カヲル君は言った、「13号機と2本の槍があれば世界を修復できる」と。十中八九、この2本の槍ってトコがミソだろうね。一本はお馴染みロンギヌスの槍、そしてもう一本は「カシウスの槍」だ。公式で全く発表されてないんだけど、このカシウスの槍はロンギヌスの槍と対を成しているとファンの間では囁かれている。

というのも、『破』の最期、サードインパクトが起きようとした時にカヲル君が覚醒した初号機にぶん投げてコアを突き刺したのがカシウスの槍だ(明らかにロンギヌスとは形状が違う)。この結果、サードインパクトは中途半端に終わり、ニア・サードインパクトで収まった。つまり、この槍の効力はリビドーの増幅。ATフィールドを強制的に全開展開させることで、人類をLCLに還すデストルドーの伝播をATフィールド内で完結させた。それでシンジ(と綾波)だけがLCLに還った。こう考えればサードインパクトが収まった理由になる。だから多分、カシウスの槍でリリスに何かして、ロンギヌスの槍で何かしようとしてたんだろう(憶測)。

 

マジな考察
「渚カヲル(第1の使徒)→(第13の使徒)に堕とされたことでフォースインパクトのトリガーにされた」ってことらしいから…。第1の使徒(の複製体)であるアダム=カヲル君と、ガフの扉を開いた状態の13号機(たぶん13号機はアダムのクローン機体)にロンギヌス使って、生命の実をリリスへ渡す → カシウスの槍をリリスに使う → ATフィールドを広範囲伝播でLCLに還った人類(作中での赤い海)から人類を人の形に戻す&知恵の実と生命の実が揃うことで完全なる人類の誕生を狙ったんじゃないかな。

でもリリスに刺さっているハズのカシウスの槍はロンギヌスの槍になっていてカヲル君の計画は破綻。ゲンドウ的にはリリスにはATフィールドじゃなくてアンチATフィールドを伝播して欲しいから、差し替えといたんだろう。だって皆で原初の海に還らないと家族揃ってユイに会えないもんな。

あれ…これアニメ好きの良くないトコ出ちゃってるね

好きなモノ語る時に聞き手の立場になって離せない奴は初号機。はっきりわかんだね。ただ『Q』の内容に関しては俺もはっきりとした確証があるワケではないから、各々の考察の参考にしてくれると嬉しい限り。

全部の作品に言えることだけど。アニメだけじゃなくて、原作を読むことでより世界観を理解することが出来る(俺は基本的にアニメで観た作品は可能な限り原作も読む派)。こんだけ長く続いてる作品だけど、単行本だとわずか14巻しか出てないってのも面白いよね。もう完結してるんだけど、終わり方がアニメ版のどれとも同じじゃない点も◎

 

まとめ

ここまでの文量になるとは思ってなかったけど、結構分かりやすい解説記事になった気がしてる(自己満足)。

本当は6月に上映される予定だった『シン・エヴァンゲリオン劇場版:‖』。キャッチコピーは「さらば、全てのエヴァンゲリオン」、英語サブタイトルは「THRICE UPON A TIME」と終わらせる気満々な感じが逆に怖いの俺だけ? ここから「真劇場版4部作プロジェクト始めまーす!」って言いかねないのがエヴァンゲリオン。全く、飽きさせないぜ。ちなみに、俺がここまで書いたことも次回作では全て灰燼に帰す可能性があるのも否めない。そうなった時は…、

笑えばいいと思うよ