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あのクリーチャー達が動く『スケアリーストーリーズ 怖い本』を映画館で観てビクッとして嬉ション

アメリカ版『学校の怪談』として有名な『スケアリーストーリーズ 怖い本』。学校の図書館に置いてあると保護者から苦情が殺到するという抜群の恐怖。ホラー好きは必見(必聴)のビックリ度合だったので、その魅力の一端を紹介する。

あらすじ

読むな危険。その本は、絶対に開いてはいけない―

ハロウィンの夜、町外れの幽霊屋敷に忍び込んだ子供たちが一冊の本を見つける。 そこには噂に聞いた怖い話の数々が綴られていた。

持ち帰った次の日から子供がひとり、またひとりと消えていく。 そして、その“怖い本”には毎夜ひとりでに新たな物語が書かれていくのだ。 主人公は消えた子供たち。彼らが“いちばん怖い”と思うものに襲われる物語がそこにあった。

次の主人公は誰なのか? 子供たちはどこへ消えたのか?“怖い本”の呪いからはだれひとり逃げられない―。Filmarksより引用

 

”ベストセラーの禁書”という矛盾した前振りの通り、子供が持つ根源的な恐怖が具現化される本作。ぶっちゃけるとホラーというより、モンスター映画に近いかもしれない。俺はこのご時世でも堂々と映画館で観れたんだけどね(マスク着用させられた)。久方ぶりに ビクッとする という感覚を味わえた良い作品

ちなみに、原作はペラペラっと読める超短編集。日本でもマイルドな翻訳版が出ているので読むと更に世界観を楽しめるぞ。

スケアリーストーリーズ 怖い本
いばりんぼうをつかまえた

 

ギレルモ・デル・トロ 節100%

ごめん、別にギレルモ監督が腹に風穴あいた案山子なワケではない。悪意のある記事構成になって大変申し訳ございません。よし、謝ったからちゃんと紹介するよ。

まず、この「ギレルモ監督」、ホラー映画撮る為に生まれた? みたいな名前じゃない? 俺なんか最初は完全にそう思ったけどね。でも映画界においては超実力派。『パンズ・ラビリンス』が一番有名な気がするけど、ほら、あの「食べちゃいけない試練」で葡萄を2粒食べた時に動き出した掌に目を装着する化物。あれを撮った監督と聞けばすごく分かりやすいんじゃないかな。

え…わからない? マジかよ。じゃあ…『ロード・オブ・ザ・リング』続編の『ホビット』監督、ホラー好きにとっては義務教育と化しつつある『MAMA』製作総指揮の人だと覚えておこう。→(と思ったのは本音なんだけど。今Wikipedia見たら『シェイプ・オブ・ウォーター』撮ってるじゃん。一番有名じゃん、情弱な俺乙)。

と言う感じで、ここまで丁寧に作品名を列挙すれば、普通に有名映画を観てる人は気付くと思うんだけどさ。ギレルモ監督の真髄は人外への飽くなき愛にある。「デジタルな化物ではなく、生身の化物を作りたかったんだ」米国記者にインタビューで語る通り、息遣いが耳元で聴こえるような、リアル感が最高にクールな化物を創り上げる天才ってワケだ。

 

そもそも原作の挿絵がトラウマ

あ!この絵みたことあるって言う人もたくさんいると思う。これは原作の挿絵なんだけどね。ホラー板とかでは頻出のクリーチャー達なので、俺なんかはセンター試験の勉強してる時に海馬に刷り込まれてたよ

このクリーチャー達に見事に命を吹き込んだのはギレルモ監督の生涯きっての一大事業だと思う。確かに、図書館で子供が読んだら死ぬまで忘れないような化物たちだが、映像化することによって大人でもトラウマになるレベルまで昇華された。マジで質感がやばい。

あと、個人的には『ジューン・ドゥの解剖』撮ったウーヴレダル監督との相性もすごく良かった。音がヤバい。

 

 

クリーチャーの不気味さがヤバい

ペールレディ

ジャングリーマン

案山子のハロルド

大きな足指

なんか…もっといた気がするけど、とりあえず今回の映画でベンチ入りしてたのはこの辺。大体が怖い画像探してる時に出てきた画像だよね!(歓喜)

あえて原作挿絵から抜粋したんだけど、これらのクリーチャーが動いてるのは普通に興奮した(大丈夫、性的にではない)。 だからホラーの世界に少しでも魅入られて、ちょびっと齧ってるような俺みたいな人間にとっては、彼らが動いてるだけでかなり嬉ション作品

ちなみに俺は本作を観て”ペールレディ”軽くトラウマになったぞ!(子供の頃、夏休みに5回ほど入院してるので病院が舞台のホラー苦手。もう入院できない…。)

 

 

物語を伝えることの大切さ

本作では、ギレルモ監督の物語的特徴でもある、”悪であるクリーチャーに共感する主人公”が描かれる

60年代後半、アメリカVSロシア冷戦中の時代背景ともリンクしてくるんだけどさ。言論の自由がしっかりと確立される最中、特に女性の出版物に対しての弾圧もまだあったんじゃないかな? そんな設定の中で「物語を語ることで、癒す」を正義とするストーリーは、闇の中に輝く希望をしっかりと描いていたし、なるほど…こういう着地もアリ…と、物語を語る事の大切さがしっかりと感じることができた。

 

 

まとめ

アメリカの子供向けホラーってことで、心の奥底にある恐怖心を煽ってくる内容だった本作。音の演出が秀逸だから、これは映画館で観た方が良い作品だと思うんだよね(自宅で爆音鳴らせる裕福層は除く)。最後に希望も含ませてくれたし、ワンチャン続編化してくれると泣いて怖がる。そして映画館へ走る。

どちらにせよ、ギレルモ監督からは暫く目が離せなそうだ。