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鬱上級者がアニメ上級者に観て欲しい鬱アニメ【おすすめ5選/上級者向け】

鬱経験者の俺が自信を持ってオススメする鬱アニメ。

はじめに言っておこう。この記事では『School Days』とか『SHUFFLE!』は取り上げない。一世を風靡したこれらの作品は、俺の中で観ていて当たり前のバイブルだからだ(同じ理由で『魔法少女まどか☆マギカ』『がっこうぐらし!』等も無し)。この記事では、アニメ好きでも意外と観ていない作品をフィーチャーしたい。

『なるたる』(2003)

あらすじ

ある日、祖父母の実家に遊びに来ていた玉依シイナがヒトデのような謎の生き物「ホシ丸」に出会い、またそれがきっかけで「竜の子」、「竜骸」などと呼ばれる謎の存在、そしてそれらと「リンク」することで竜の子たちを操るさまざまな子供たちと出会い、交流を深め、時には戦う事になりながらも成長していくオムニバス形式のファンタジー作品。

ひらがな四文字のアニメは萌え豚御用達だと誰が決めた? 『ぼくらの』作者である鬼頭莫宏と言えば大まかな内容は分かるハズ。作者自身が「当時病んでおり、無意識的に精神状態が反映された」と語る通り、生粋の鬱作品。より社会に対しての怨恨が濃かった時期の作品と言い換えても良い。

軽~いバトル中心のストーリーかと思いきや。物語の途中から少年少女の精神状態・思春期に抱える人間関係の悩みが主題となってくる。その歪曲したジュブナイルに共感したら最後、抜け出せない鬱ラッシュ・マウンテンに乗車完了。シートベルトの準備はOK? むしろこの辺で心にダメージ負うくらいならこの先観ることは不可能なので、途中乗車するなら4話~5話がベストかもしれない。ぜひ心と相談して観てくれ。

 

内容とはかけ離れた陽気OP

このOPが醜悪 !  何故にこんなにも本編とはかけ離れた映像にしたのかは不明。一見すると日常系萌えアニメに分類されるこのOP映像と、日常の中の希望の存在を仄めかす歌詞は多くの視聴者を騙した(ちなみにフルで聴くとちゃんとハートフルボッコ歌詞してる)。というかそもそもキッズステーションで放送すな

TBSの地上波放送では、12話の一部が倫理委員会によりカットされるという鬱アニメ認定試験も無事突破。間違いない鬱作品と言える。ちなみに、原作はアニメよりも細かくストーリー回収してくれてるからより深部へ挑戦したい人は原作を読むことをオススメする(責任は取らない)。

なるたる(1) (アフタヌーンコミックス)


『ベルセルク』(2016)

あらすじ

“自分の国を持つ”という大きな野望を持つグリフィスは絶対的な力を持つ「ゴッドハンド」の五人目の守護天使となることと引き換えに自分が最も大切にしていた者たちを生贄に奉げた。

生贄の儀式の生き残りでありグリフィスの片腕であったガッツは身の丈を超える巨大な剣を持つ「黒い剣士」となり、仲間を裏切って無残に殺したグリフィスへの復讐のために世界を旅する。

日本が誇るダークファンタジーの巨塔。海外からの評価の方が高くて、俺の周りの漫画好き・アニメ好きでも意外と観てない作品の筆頭。原作40巻くらいしか出てないのにね。まぁ、内容が濃すぎて一人の男の鬱人生体感できるからな

中世ヨーロッパ風の”剣と魔法の世界”の王道を素で行くと聞けば、多少なりとも興味を持ってくれる人はいるかもしれない。だが、そんな軽い気持ちで観ると熱いフライパンで焼かれる冷凍ステーキのように苦しむことになる。

 

親友全員と恋人を同時に失う拷問展開

人理を超えた存在になれる券が当たったから人生の友全員生贄に捧げるでござる!という人間の業を描く胸糞王道ストーリー(でも、辛かったんだもんな!そりゃ人間辞めたくなるわという同情要素もある)。しかも特筆すべきはその人生の最底辺部分が描かれるのは作中中盤の過去編という残酷さ。こんなこと抱えて生きてたのかよ…ってなる。

真のダークファンタジーにおける悪魔どもは相手が男だろうが犯すし四肢でキャッチボールしながら大切な人を嬲る。信じ切っていた親友に裏切られ、悪魔たちに心と身体を凌辱される仲間を見ながら、なお生き続けた男の物語を観れば鬱間違いなし。例の如く、原作の方が数倍精神病めるし、辛すぎて人間辞めたくなるから読んで欲しい(絵の描き込み具合が日本トップレベル)。ハリーポッター好きな人とか、百味ビーンズの絶望味だと思えばちょっとワクワクするのでは?(しない)

ベルセルク 1 (ヤングアニマルコミックス)

 

『最終兵器彼女』(2000)

あらすじ

北海道の何も無い、でも坂ばかり多い街に住んでいた僕(シュウジ)。

ある日靴箱の中に手紙が入っていた。ちせからの手紙。僕らは、彼氏と彼女になった。 ちせと本当の彼氏、彼女になってからしばらくしたある日、町でタケやノリと買い物をしていたらいきなり僕達の日常が終わった。

そこで見てしまった、彼女。ちせ。

僕達は、恋していく。

ごめん、これは流石に有名すぎたかも。でも案外ちゃんと観てる人少なくない? アニヲタなんですぅ~って言ってる奴だいたいこれ観てなくない? にわか判別アニメと言っても良いかもしれん。

戦争に巻き込まれて無双していく物語は数あれど、最終兵器になる事の悲しさをここまでリアルに描写したのは本作くらい。ただの一般人がいきなり最終兵器になってジェノサイドするが、「それでも恋がしたい」という万国共通時代不問の乙女の心情が見事に北海道の地を舞台に顕現。ちなみに実写版、あれはダメだ忘れろ。

 

愛が純粋だからこそ病む

これたぶん、キャラの年齢が大人だと全く違う作品になったと思うんだ。高校生の恋愛をしながらの兵器生活だからこそ、日常の素晴らしさと憧れが際立つ。俺がこれを観たのも高校生だったからかな…「この作品観て一緒に泣けるような子と結婚したいな…」って思った記憶がある。話が遥か過去に飛躍したが、そのくらいリアルな心情が描かれてた。

原作は原作で、儚い気持ちを上手に表現している点が◎。

最終兵器彼女全7巻 完結セット (ビッグコミックス)

 

『今、そこにいる僕』(1999)

あらすじ

剣道場から帰る道の途中でシュウは、廃工場の一番高いエントツのてっぺんで佇んでいる見知らぬ少女のララ・ルゥを見つけた。

少女に興味を持って話しかけるが、少女は無言で夕日を見つめている。そんなとき突然、空間の彼方から彼女を狙ってやってきた奇怪なロボットの集団が迫ってきた。

ララ・ルゥを助けようとしたシュウはエントツから真ッ逆様に落ちてしまい、目覚めたらヘリウッドという知らない世界に連れてこられていた。

ちょっとジブリっぽい絵柄で可愛らしいキャラが特徴(というかだいたい他の作品もそうだけど)。この絵柄で、王道のボーイ・ミーツ・ガールを描く少年少女の成長物語…かと思いきや、ひょんなことから異世界に連れてこられたヒロインが強姦される(しかも妊娠する)という鬱病発症特効薬。


戦争×終末×絶望のトリプルコラボ

異世界で王女を助けるために、兵隊として奮闘する少年の頑張りをひたすらに見守るというだけでも十分鬱要素があったのだが。物語終盤にかけての報われなさが異常。なんでこんな子供たちがこんな目に…という理不尽さで、怒涛の如く畳みかけてくる哀しみは最終回でピークを極め、「いつか…また一緒に夕陽みようね?」というララ・ルゥの最期の虚無感でご飯3杯は食べれるくらい、心にぽっかり穴が空く

今、そこにいる僕

 

 

『TEXHNOLYZE』(2013)

あらすじ

絶望と暴力に支配され荒廃した都市・流9洲(ルクス)。地下にあるこの街は、地上との通行を遮断され、吹き溜まりのような場所と化すも特権階級である“クラース”とギャング的な自警団である“オルガノ”によりかろうじて維持されていた。

ある日、この地に一人の男が地上から通風孔を通って降りてきた。男の名は吉井。ある野望を遂行すべく降り立ったこの男を迎えるのは、賭けボクシングで生計を立てるも瀕死の重傷を負った少年・櫟士、近い未来を見ることの出来る少女・蘭、街の声を聞くことの出来るオルガノの長・大西京呉、そして未来の義肢である「テクノライズ」の技術に魅せられたクラースの科学者・ドク。

この男の来訪により、やがて流9洲は街全体を巻き込んだ事件へと発展していく。

最後は『TEXHNOLYZE』(テクノライズ)。「鬱アニメを語る上で、この作品は絶対に外せないでしょ!」っていう超名作。台詞という台詞が無い第一話は当時ネットで話題になった本当の問題作でもある。

安易な気持ちで観ると絶対に途中で挫折するから、本当に鬱になるアニメを探してるっていう人だけ是非ともチェックして欲しい。話自体がかなり面白い(面白いとは言ってない)し、物語終盤の盛り上がりというか加速具合は比肩する作品無し(かなり人を選ぶ)。「は?何このアニメ?」という感想を抱くことになるが、一気に観ることでその疑問はなんとなく解消されていく

 

心・身・誠・救・済!!!

まずOPがインストゥルメンタル。あぁ…これヤバいやつや…感満載の開幕に心をやられている暇はない、本当の絶望は遥か彼方。と言っても、これは俺の感想だから。嵌る人は本当に自分の人生の1ピースかのようにド嵌りするし、1話からメチャクチャ面白いっていう視聴者もいる(ピカソの生まれ変わりとかですかね)

肝心の物語はSF任侠モノ…って言うのが一番近いのかな。進化した人間が幸せになる訳ではなく、最期に向かう退廃した世界で、どう人間は生きるのかっていう事を考えさせられる作品だった。見せかけのカッコ良さや可愛さ、そんなものどうだってよくなる。完全に希望の立たれたラストシーンで逆に希望すら見えてくる気がした俺は少し重篤な気すらした。何を言っているか分からないと思うが観れば分かる。それほどに深い。繰り返しになるが、「これが自分の人生に足りなかったアニメだ」って人、本当にいるからな

TEXHNOLYZE 全8巻セット

まとめ

以上、鬱だった俺も認めるアニメ上級者にこそ観て欲しい5作品でした。むしろ、この5作品観たら鬱アニメマイスター名乗って良いと思う。

「意外と観られてない」って言っても観てる人は観てるし、何ならこの記事を探し出すくらい鬱への探求心を持っている人は既に全部視聴済みかもしれない。そんな人は、『ベルセルク』以外は結構昔の作品が多いし、懐かしいなぁと思いながら笑ってくれれば嬉しい(笑えるくらい心が壊れているなら)。

観てない作品が一つでもあった人は、死にそうに辛い境遇の時に視聴して欲しい。より作品にのめり込めるし、良くも悪くも人生を変えてくれる作品になると思う。

大切なことは観て何を想うかだ。人はどれだけ絶望の中にいたとしても、希望を見出だすと俺は信じています。