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ホラー中毒が選ぶ青春を感じるホラー映画【おすすめ5選/小心者向け】

ほぼ毎日ホラー映画を観ている俺はあることに気付いた。あれ、ホラー映画って相当ジャンル細分化できるんじゃね? と。中でも特に俺の琴線に触れたのは”青春”を感じるホラーだ。相反する二つが共鳴した時、えも言えぬエモさが生まれる。

”青春”を感じるホラーとは?

一口にホラーと言っても色々ある。サイコホラー・スリラー・サスペンスホラー等が一番分かりやすい区分け。ジャンルだけで何でこんなに多いのか、”恐怖”の種類がまず多いからだ。このジャンルによる分け方も分かり易くて良いのだが、ホラーを観慣れてない人にとってはホラーはホラーだろう。でも、俺はまず襲ってくるクリーチャーの種類でまず分けられると思っている。幽霊・ゾンビ・サメ・宇宙人、etc…。

個人的に、かの名作『ジョーズ』はサメ映画であってホラー映画ではない。サメが出て来る作品はサメ映画ということにしよう。何故か。物理特化すぎて陰鬱とした恐怖が無いからだ。『13日の金曜日』『悪魔のいけにえ』も俺の中ではホラーではない。そもそも生きてる人間だし。同様の理由で『エイリアン』『ダークスカイズ』といった宇宙人襲来系も除外対象にする。宇宙人が出てきたらSF特化すぎるからだ

つまり、人外(宇宙人以外)が方途を尽くし何故かビビらせながら襲ってくるのがホラーだ。異議もあるだろうが、今回はこの考え方を念頭に、さらに細分化して”青春ホラー”というジャンルを俺が作ったということになる。というより、ここで間引かないと星の数ほどある作品の中から選ぶことになる。あまり前置きばかりが長くなってもピンとこないと思うので、ここからは厳選した”青春ホラー”を紹介したい。

 

 

学校の怪談

あらすじ

夏休みを翌日に控えた、一学期終業式の日の夕方。小学2年生の美夏は、忘れた絵の具箱を取りに学校に戻っていた。するとそこで美夏は、サッカーボールが自分を導くように旧校舎へと転がっていく不思議な光景を目撃する。旧校舎は取り壊しが決まって立ち入り禁止になっていたが、お化けが出ると子供たちの間で噂になっていた。しかし、美夏はボールにつられて中へと入ってしまい、そしてトイレの中で何者かに襲われてしまう。

美夏を心配した、5年生で姉の亜樹は、一人学校を訪れ、何者かに吸い寄せられるように旧校舎へと入っていく。そこにいたのは、イタズラしようと忍び込んでいた同級生の研輔と将太、4年生で双子の兄の均、そして6年生の香織だった。転校してきたばかりで、同級生となじめていなかった亜樹は、研輔達と衝突し、単独で妹を探しにいく。

しかしやがて、5人は自分たちが旧校舎から出られなくなっていることに気づく。そして5人の前に、ただの噂だったはずのお化けが現れた。Wikipediaより引用

「あ~コレね、あったあった!」と言っている顔が浮かびます。みんなのトラウマ製造映画であり、愛すべき青春。青春を感じるホラーとは何ぞや? という疑問に答えるのに、これより適した作品があるだろうか。いや、ない(反語)。学校を舞台にしたホラーは、総じて青春時代を想起させるけども、20代後半~30代にかけての年代に至ってはコレが一番リアルに感じるハズ

 

少年時代の甘酸っぱい恋心

黒髪清純美少女だったころの岡本綾。そして『学校の怪談』(シリーズ1作目)における神キャスティング・THE ミステリアスな女の子。旧校舎で出会いを果たすというボーイ・ミーツ・ガールを演じてくれた。隠れながらそっと手を握ってくる高学年のお姉さんの姿に全少年は精通不可避。ギンガムチェックのノースリーブブラウスがここまで似合っていたら、中村獅童の心が揺らぐ気持ちも超わかる。無論、作中でも淡い恋心を刺激するだけ刺激してラストのクライマックスを盛り上げてくれた。コレコレ、これなんですよ! 良質なホラーは怖がらせながらもしっかりと恋愛要素を盛り込んでくれる。その純度が高ければ高いほど青春メーターはグッと上がるってこと。

 

シリーズ全作が良作

『学校の怪談』シリーズは全4作。無論、同シリーズは他の作品も秀作だ。なんと言っても、てれび戦士だった前田亜季が出演している(しかも2・3ともに)。1995年の初作から比べると、如実にバブル時代の経済成長が反映された舞台設定になっており、学校の設備や時代背景も現代に近づいてくる。このリアルタイムさが良かった。学校・怪談・黒髪の美少女×リアル感=青春ホラーを体現していた本シリーズの1作目・2作目・3作目は、20年の時を経た今でも推せる。

4は無かった、良いね?
マジもんのホラー好きは要チェック!

学校の怪談4

 

 

怪怪怪怪物!

あらすじ

いじめられっ子のリン・シューウェイは、いじめっ子3人とともに、教師から独居老人の手伝いをする奉仕活動を命じられ、そこで2匹のモンスターに遭遇する。彼らは小さい方のモンスターを捕まえて、独自の「調査」と「実験」を始めるが、やがてモンスターは彼らの手に負えなくなっていく。そして、それは恐怖の始まりだった……。本当に恐ろしく、怖いものとは一体…。amazonより引用

ごめん早速『学校の怪談』の前提を覆す形になったけど、この作品に関して言えば、恋愛要素は皆無

 

輝くだけが青春じゃない

いじめられてたシューウェイが、いじめっ子グループと一緒に”怪物”を捕まえるというストーリー。前述のあらすじにもある通り、見つけたのは2匹、ここがミソ。怪物の妹(言い方合ってるのか不明?)にあたる方を捕まえて、学校に匿って行う「調査」と「実験」は子供ならではの吐き気を催す残酷さ。でもシューウェイはこの怪物調査を通していく中で、いじめられっ子ではなく(表面上は)仲間として認められていく。怪物の相手をしている間は自分は虐められないけど、自分と同じように”被害者”として衰弱していく怪物を前に、ある決心をする。

 

1番の被害者は”怪物”

ぶっちゃけると、本作において”怪物”は被害者だ。確かに、人間を襲うし、肉片は有り得ない位はじき飛ばすし、バスの車内を窒息するくらい血潮で染める。でもそれは全部、攫われた妹のためなんだよ。そんな怪物(姉)の気持ちを知ってからは、怪物(妹)への拷問は加速。苦しむ声で怪物(姉)を誘い出して、ブッ殺っしょ? マジこれでイケんべ? みたいなノリで物語はクライマックスへ向かっていく超胸クソ展開。それがシューウェイの作戦と絡み合って爆発的な鈍色の輝きを生んだ。

クリーチャーが襲ってくるホラーとしては異例だが。学生のモラル低下・いじめ問題への警鐘を鳴らし、ホラーの新境地を切り開いた問題作と言える。俺、かな~りマイルドに説明してるけど、普通に気分悪くなる映画だと思う。ただ、観た後は謎の爽快感

”青春ホラー”おすすめ5選、堂々のランクインです。

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イット・フォローズ

あらすじ

ジェイ(マイカ・モンロー)は、恋人のヒュー(ジェイク・ウィアリー(英語版))とデートを重ねた末、彼と肉体関係をもつ。

その直後、ヒューはジェイにクロロホルムを嗅がせる。目覚めたジェイは、車椅子に縛りつけられている。彼女は、性交によってヒューから呪いを移されたと知る。

その呪いに憑かれた者は、人間の姿形をした「それ」に追いかけられる。「それ」は、ゆっくりと歩き、呪いに憑かれていない者の目には見ることができない。「それ」は、呪いに憑かれた者をつかまえて殺すと、その前に呪いに憑かれていた者を追いかけるという。Wikipediaより引用

『イット・フォローズ』は有名だよね。何となく、サブスクでゴリ押しされてた感ある(俺も一時オススメに滅茶苦茶表示されてた)。性交によって移る恐怖っていう設定は単純に面白いと思ったし、若者の性事情が荒れに荒れてる昨今を風刺したストーリーはむしろ10代~20代こそ観るべき

 

単なる”性病”の具現化じゃない

単純に、性行為によって”何か”に追われる立場が変わるという設定は、普通に考えると性病の怖さを表現しているように思える。でも、よく考えたらちょっと違うよね。

性病を揶揄するなら、”移す”ことで一時的にでも助からない設定にする。あくまでもこれはホラーで、”何か”が襲ってくるという、純粋な恐怖を主軸にした作品だってことだ。自分が助かるために自暴自棄になって誰彼構わず行為に及ぶ描写があるが、コレだとむしろ、SEXが救いとして扱われてるんだよね。また、襲ってくる”何か”は人の姿をしている。これも単純に、触手でグジュグジュのマラとか、等身大の〇〇〇とか、性の権化みたいな化物だったら簡単にトラウマを植え付けることができたハズ。

 

愛がなきゃダメ、絶対!

この作品の肝はラスト10分にある。襲ってくる”何か”を仲間たちと協力して撃退し、自分に片思いしてくれてたチェリーボーイと両想いになるんだけどね(万歳!)。この時のセックスは恐怖を伝播させることもなく、薬で眠らされて起きたら縛られてるなんてこともない、幸せな行為としてのSEXなんだよ。

実際のところ、性行為によってトラウマを負う人も少なくない。この物語の主人公(女性)もまた、強姦被害者(しかもドメスティック?)であるかの描写もある。だからこそ、ラストのCherry boy SEXが活きてくる

何が言いたいかというと。この映画は最初に感じた通り、「若者の性事情」への揶揄であることに変わりない。だけど、一時の救いのためだけの性行為に何も意味はなく、愛がなきゃダメですよ! と、 「若者よ。その行為、愛・ありますか?」 と、一歩踏み込んで揶揄ってきた映画だと思うんだよね。これを青春ホラーと言わず何と言う! 性春ホラー

イット・フォローズ(吹替版)

 

 

ゾンビーワールドへようこそ

あらすじ

高校生でボーイスカウトのベン、カーター、オギーはクラブで女の子と遊びたくて仕方がない。

ある日、キャンプを抜け出してパーティー会場へ行く途中、なんとゾンビ化した住人たちが襲ってきた!間一髪のところを美人ウエイトレスに助けられた3人は、ボーイスカウトで 身につけた様々なワザを駆使して、一致団結しようとするのだが…。NBC UEJより引用

実は俺、あんまりゾンビ映画って好きじゃないんだよね。ここまでホラー紹介しといてなんだよって話だけど、俺は血が苦手なんだ。ただそんな俺でもこの『ゾンビ―ワールドへようこそ』は大好き。下手したらゾンビモノでは一番かもしれない

 

笑いあり、涙あり、青春がここにある

高校生にもなってボーイスカウト? まずここがフックになる本作。ボーイスカウトなんて続けてたらモテねぇよ!女とヤレねぇよ!というリビドーが溢れた結果、友情が崩壊する。ここからが祭りの始まりだ。

たぶんジャンル的にはゾンビを題材とした青春映画になるんだろうね。ゾンビ騒動を通して、友情の大切さ、愛する人の為に尽力することの正義を描く。「ゾンビ」ってタイトルにあるだけで、観る気が失せる人もいるかもしれないけど、この映画は誰にでもお勧めできる(下ネタ苦手な清純黒髪女子は除く)。もちろんハラハラ要素もあるし、グロめのゾンビも本気で襲ってくるので、軽めのホラーとして皆で楽しめるだろう。てか超笑える

 

ゾンビはいつだって本気

「超笑える」と言った手前、若干言い辛いんだけど。ゾンビ映画としては超王道設定で、超しっかりしたゾンビが襲ってくる。何だろうね、メイクが良かったのかな。ただ、ここに手抜きが無いからこそ、俺は今ホラー映画のジャンルとしてコレを紹介したいと思ったし、ホラー要素がしっかりしていないと、ぶっちゃけ魅力が半減する。そんなバランス感覚が秀逸な作品と言える。

バストの大きな婦警ゾンビが襲ってきた時に、その豊満な中身がこぼれ、見とれる少年。早く逃げないとヤバい、そんなデッド・オア・ダイな状況でも巨乳ゾンビの胸を揉む。これを観た時に俺は「なんて…青春なんだ…」と感じたんだドン!

少年の心をいつまでも忘れたくない。
そんな風に思わせてくれる青春ホラー。

ゾンビーワールドへようこそ
※プライム会員は吹替版無料で観れるよ

 

 

IT/”それ”が見えたら、終わり。

あらすじ

静かな田舎町で児童失踪事件が相次いで起きていた。

内気な少年ビルの弟が、ある大雨の日に外出し、おびただしい血痕を残して姿を消した。自分を責め、悲しみにくれるビルの前に現れた「それ」を目撃して以来、ビルは「それ」の恐怖にとり憑かれてしまう。

不良少年たちからイジメの標的にされている子どもたちも、自分の部屋、学校、町の中など何かに恐怖を感じるたびに「それ」に遭遇していた。

「それ」の秘密を共有することとなったビルと仲間たちは、勇気を振り絞り、「それ」と立ち向かうことを決意するが……。映画.comより引用

魂沸き心弾むスティーブン・キングの代表作。しかも指揮を執るのは『MAMA』のアンディ・ムスキエティ監督。この時点で面白くないワケが無い。

 

ホラーとして超一級

もうホラー要素に関しては文句ひとつ無い気持ちよさ。単純にビビるシーン多すぎだし、ペニーワイズの人を煽る怖がらせ方も常軌を逸してて最高。巨大化するし、空飛ぶし、血がプッシャーする。住処的に水場での驚かしが多かったりと、ちょっと和製ホラーの怖がらせ方してくるところが日本で大ブレイクした一因かもしれない(ちょっと子供向けの怖がらせ方だけど)。逆にグロテスクな映像が観たい洋ホラー狂にとっては中途半端な感じなのかな? 知らんけど。コレが面白くないって人はスティーブン・キングの描いた本質を理解できてないと思う

 

ホラー×ジュブナイル冒険活劇

思春期の男子特有の下ネタやFワードはありつつも、それを感じさせない爽やかさ。大人たちに頼れない状況の中(というか、登場する大人が総じて病んでる)少年・少女だけで悪に立ち向かう様子は、『スタンド・バイ・ミー』とか『僕らの七日間戦争』の系譜を感じる。小さな街で、スクールカースト底辺が集まったルーザーズクラブの面々が成長し、友情を深め、恐怖に打ち勝つという図式は至高

それに忘れてはならない恋愛要素もしっかりと盛り込んでいるところが素晴らしい。そう、『学校の怪談』でも同じことを書いた気がするが、良質なホラーは怖がらせながらもしっかりと恋愛要素を盛り込んでくれる。紅一点のベバリーが設定年齢的にはちょっと大人っぽくて、それが淡く輝かしい三角関係を生んでドラマティックが止まらない。子供時代、『学校の怪談』ではなく本作に出会っていたら、きっと岡本綾ではなくベバリーに恋をしていた(原作の乱交シーン無くなってて良かった)。

[少年・少女の葛藤]→[悪との対立]→[子供から大人へ] という黄金図式を描いた本作は青春ホラー筆頭。迷ったらコレ

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。

 

 

まとめ

我ながら独善的な5作品セレクトになった感が否めないが、参考程度に見て頂けたのならありがたい。ホラーってさ、色んなアプローチの作品があるから。本当はジャンル分けすることすら難しい。あくまで”青春を感じる”ホラーを選んだという事で(保身)。

あと、タイトルに【小心者向け】と入れてる通り、普段ホラー観ない人でもこれらの作品は観れると思う。というのも、青春要素が増えることによって理不尽な恐怖は緩和されてる。総じてエモく、ホラー入門としても優秀な作品になっているので、興味ある人は視聴をお勧めする。ただし、『怪怪怪怪物!』以外な

良いホラー映画ライフを。