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ここ数年でダントツ一番の衝撃を受けた作品『その淑女は偶像となる』

アイドルバトル漫画としての完成度は言わずもがな。少年漫画としても半端ないクオリティを誇る作品『その淑女は偶像となる』。読み切りの時点で一気に引き込まれたし、こんなに衝撃を受けた作品はないと思う。

【あらすじ】

エリザベス女学院に通う姫宮桜子は、淑女の中の淑女として校内で人気の少女。その仮面の裏側に、彼女にはアイドルを志し、挫折した過去があった。光と想いが交差する、ステージは少女たちの戦場!笑顔で戦うアイドルバトル、開幕!『少年ジャンプ+』より引用

【作品概要】

作品概要と言っても、まだ連載が始まったばかりで特筆してここに記する情報は無い。でも多くの漫画好きの間では「間違いなく面白かった作品」として2020年上半期にビックウェーブを巻き起こした作品であり、それが去る2020年12月27日から連載化となったとあっては、俺も記事を書かずにはいられない

まず、読切の時点でかなり推敲されたのが伺える完璧な構成だった。これに関しては読めば理解できると思うのでリンクを貼っておこう。↓

その淑女は偶像となる/読切版

作者の松本陽介さんは元々『pixiv』でデレマスの漫画を描いていたから、「この絵見たことある!」って人もいるかもしれない(うさみん推し・りあむ推しは特に)。よくpixivで推しの画像・漫画をディグってる俺は、読み切り読んだときに「な~んか見たことある絵な気がするなぁ……」と思って作者名ググったら案の定みたことある城ケ崎美嘉の漫画出てきて納得した(そう、俺はLiPPS箱推し)

少々余談が過ぎたが、改めてpixivやTwitterを拝見するとアイドル(というか、女の子)のことを真剣に考えてきた人なんだろうなぁということが伺えるので、アイドルという難しい題材でこの完成度というのも納得できた。何事も初志貫徹は大事。ちなみに松本先生は本作以前に『完璧麗華さまは友達作りがおヘタ』という作品も描いていた様子。こちらはまだ俺も読めてないので今度読んでみようと思う。

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それではお待ちかね。下記にて『その淑女は偶像となる』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

 

激アツな偶像ストーリー

上のリンクから読切版を読んでくれた素直な読者の皆には説明不要かもしれないが、本作の第一話の内容を少々語らせてくれ。

個人的に「アイドル」という題材を漫画にすることは非常に難しいと思ってる。その実情は現実においてかなり闇に覆われており、実際にアイドルとして活動している各々によって全く違う境遇だったりするからだ(ヤングジャンプで連載中の『推しの子』も面白いから読もうな!)。芸能関係って煌びやかなイメージを持ちがちだけどさ、実際には泥臭い努力が必要だったり、本当に頑張ってる人間で溢れた界隈だと言える。本作はその辺をよく分かってる

主人公の姫宮桜子は幼いころ、天才子役・伝説のアイドルユニットのリーダーとして活躍していた輝かしい過去を持つ。このことを隠し、俗世離れしたお嬢様学校で淑女として過ごしていた桜子だったが、ここに転向してくる巨大(物理)新人アイドル・若菜あるみ。あるみによって早々に正体がバレ、「一緒にアイドルやろ!」と誘われるも、決して承諾しない桜子。どう? この完璧な導入そして俺の要約能力

『黒子のバスケ』的な”昔は仲間だったけど今は強大な敵”という存在も匂わせつつの、ここから桜子がどう立ち直るのかワクワクさせる第一話にしては詰め込みまくりなプロット。完璧です

 

 

天才ゆえの挫折

ここで、何で桜子がアイドルを辞めてしまったのかも書いておこうか。とってもエクストリームに言えば、プロがプロ過ぎた故に引かれてしまうアレ

賛否両論あると思うが、全然あり得る話だと思う。自分としては一生懸命に職務を全うしているつもりなんだけど、一般的に見た時に常識はずれな行動をしていること、あるもんな

俺も昔ブラック企業に勤めていた頃、友達の結婚式で地方に行ったんだけど、「明日(日曜)仕事だから終電で帰るわ~」って言った時、みんな少し引いてたもんな。自分で自分のことを狂ってるとは自覚できるんだけど、その時の俺にとってはそれが当たり前だったし、このレベルMAXが桜子の状態なのかもしれないまぁ俺はプロ社畜だっただけだが)。

 

 

新人による救済

俺も社畜時代、こんなこと言ってくれる人に出会いたかったなぁ……。いや、まぁ、俺の話は置いておいて。桜子の一見異常とも思える行動はあくまで「自分のファンとして見てくれる人を悲しませたくない」という一心からのモノ。新人アイドルとして頑張るあるみだからこそ、純粋な気持ちで当時の桜子の心情を慮ることが出来たってわけだ。ここから少しずつ流れが変わってくる

この流れが本当に秀逸。華やかな過去を持つチート主人公が落ちぶれて、再び復活するストーリーってのは名作に必ず必要なんだよ。『新世紀エヴァンゲリオン』のシンジ君だって一回(何回も)エヴァに乗るのやめて駄々っ子モード入ってたけど、『破』で戻ってきただろう?『天元突破グレンラガン』で無限宇宙に囚われたシモンも最後はカミナに喝を入れられて戻ってきただろう? いつの時代も、こういう物語に人は心動かされるんだよな

さて、次はこの物語の各となる部分。過去の”しがらみ”を乗り越えて再び立ち上がる桜子の姿をお届けしたい。今更だが、この下はこの作品の肝となる部分なので「ネタバレされたくない!」って人は一回本作を読んでから見てくれよな。下にリンク貼っておくからな。そのまま最新話まで読んじゃっても良いけど、またこの記事に戻ってきてくれよな!

その淑女は偶像となる/連載版

それではいよいよクライマックスシーンだ。

 

再起する”元”天才

地元の新人アイドルフェスにて、ドタキャンしたアイドルの分まで一人奮闘するあるみ。持ち前の体力の多さからお客さんを盛り上げている彼女の姿を観客席から見ていた桜子は、一声かけようと舞台裏のあるみの元へ行く。そこにいたのは明るく元気な姿を観客に魅せ続け、限界を超えたあるみだった。

桜子から「何でそこまで頑張るのか」と言われたあるみから出たセリフは「”どんな特でも全力でお客さんを笑顔にさせる”。それが私がカッコいいって思ったアイドルだから」。そう、まさに桜子のことを言ってるんだよ。本人を目の前にしてこれを言えるあるみメチャクチャ可愛いし素直。この言葉が桜子の中の失っていた感情を思い出させることになる。

 

 

伝説となる復活ライヴ

いやもうめっちゃアツい。ブランクあるやん? とか、昔のダンスってそんなずっと覚えてるもんなん? という疑問が浮かんでくるが、そこは”元”天才。きっと死ぬほど練習したから身体に染み付いてるんだよな! 俺もちょっとだけアイドル好きだから分かるけど、センターに立つ子っていうのは存在感がえげつない。たぶん時を経ても、そのある種のカリスマ性ってのは陰りにくくて、ステージに立った時にはまたひと際輝くもんなんだと思う(年齢による)

あ、てかごめん。記事書きながら読み返してたらまた再熱してきて、ついついコメントを挟んでしまう。ラストどうぞ。

 

最高です。アイドル題材の読切作品で、まさか大号泣するとは思ってなかったよ、俺は。

昔と同じように観客を楽しませようと動かない身体に鞭を打ちパフォーマンスする桜子。そこで観客の喜んでる姿を見ながら思い出すんだよ。自分がアイドルをしていたのは、誰かに命令されたわけではない。もちろんなんとなくやっていたワケでもない。ただ純粋に、「誰かを笑顔にできる存在」になりたくてアイドルをやっていたんだと

この瞬間に思わず飛び出す子供アイドル時代の決めポーズ「姫宮飛び」ですよ。ももクロで言うところのエビ反りジャンプですよ。こんなん……泣きますやん。

しかも畳みかけるように入るエピローグ、『これは「二人の少女」がトップアイドルになるまでの物語』……完璧か? ここまで盛り上げておいて、畳みかけるように続きを想起させる引き。もう一度言いたい。完璧か? 読切を読んだときに俺も思ったもん、「あ、これ絶対に続き読みたい。絶対に連載化して欲しい」って。

そして念願かなって連載化してくれたということであります。ジャンプ+編集部の方々、誠にありがとうございます。いや、というか、この後の展開があんまり盛り上がらなくて打ち切りになったとしても俺は松本先生を一生応援するね。だってここまで魂がこもった作品を産み出せる人だ、絶対に今後ジャンプの看板作品を創り出す。俺にはわかる。まだ読んでない人は絶対読め

その淑女は偶像となる/連載版

 

 

【まとめ】

ちょこちょこ省略させてもらったけど、この第一話に関しては本当に全部に無駄が無くて、完成されていると思う。集英社はこの第一話をサンプルとして持ち込み作家に配るべきでは? とすら思える(もちろん優秀な持ち込み作家もたくさんいると思うが)。 常にいろんな漫画を読んでる俺だけど、この作品だけは本当にダントツで面白いと思ったんだよ(読切掲載時)。これこそもっと知られるべき作品の筆頭だし、このブログの趣旨に則っていると急に思い立ったので、一気に書いた記事でした。誤字脱字・不出来な表現はご容赦下さい。ではまた。

『可愛いだけじゃない式守さん』しか勝たん

可愛い可愛い可愛い可愛い、そして…カッコ良い。こんな最高な女性がいるだろうか、いや、いない。でも、いたんだよ。『可愛いだけじゃない式守さん』にはね。

【あらすじ】

不幸体質の男子高校生・和泉は同級生の式守とつきあっている。普段の式守は可愛くて優しいが、和泉に訪れた危機や彼の言動に反応して男前なイケメン彼女に変身する。Wikipediaより引用

【作品概要】

「みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞2020」で9位、「次にくる漫画大賞 2020」でWEB漫画部門5位に選ばれ、着実にネクストヒットを狙える位置まで快進してきた本作。もともとは作者の真木蛍五さんがTwitterでアップロードしていたショート漫画で、講談社の『マガジンポケット』担当編集者からのオファーで連載化に繋がるという経緯を持つ、まさに新時代のラブコメだ。

『木星少女流星群』の頃から密かにファンになっていた俺にとっては、真木先生がラブコメで連載化と知った時はビッグバンなみの衝撃だった。何故って? 真木先生が描く女の子が滅茶苦茶タイプだからだよ。みなまで言わせるな。

連載当初はTwitterに上がっていた時と同様の枚数(各話4ページ)だったけど、人気が上昇するにつれてページ数が増えていき、話の構成が少年誌っぽく洗練されてきた印象。コミック4巻にて描かれた文化祭編のキュンキュン具合に俺は胸を撃ち抜かれ、存在することのない甘い青春時代に想いを馳せた上で涙を流しながら夢の世界にゴートゥーベッドした。翌朝、俺は目覚めて思ったね。本作は、マガジンを代表する純愛漫画と言っても過言ではない、とアニメ化も決まってるし、これはもっと広く知られねばいかん!とここに書いている所存である。

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可愛いだけじゃない

可愛いのは大前提。そして大正義であり真理だ。まずここを理解しような。そしたらこの漫画は楽しめる。

初登場時は小動物のようなあどけない笑顔で”守ってあげたい感”を想起させるビジュアルの式守さん。あらすじにも記載してあるように、不幸体質の和泉はことあるごとに転んだり、車に轢かれそうになったりと随分な不幸体質だが、この災いから彼氏を守る式守さんが非常にイケメン。式守さん本人も自身のカッコ良さに対して特にコンプレックスがあるわけではなく、私服は”可愛い”と”カッコ良い”の二種類を使い分けている節があり、そこもまたイケメン。そう式守さんは「最高にカッコ良いイケメン彼女」なのである。M男必読

 

カッコ良いだけじゃない

と、ここまでは式守さんのカッコ良さにフォーカスを当ててたが、ただ男っぽいだけの彼女でもないのがこの作品の秀逸な点だと俺は思う

そもそも、どんな作品にも男勝りな女性キャラというのはテンプレートのように出てくる。例えば、『コードギアス』で言えば紅月カレン、『天元突破グレンラガン』のヨーコといったように。だが思い返して欲しい、前述した2キャラに関してはお色気要員も兼任していたことを(そこが良かったんだけど)。そう、男勝りな女性キャラという位置づけは二次元において、”男勝り+お色気” or ”究極に男勝り”の2択になりがちだったんだ。つまり本作における”可愛いとカッコ良さの両立”というのは、今まで手が届きそうで届かなかった絶妙な痒い所を見事に掻いてくれたということになる。

ここで上の画像を見直してみよう。ラブコメにはありがちの放課後二人だけの世界(誰が何と言おうと今この世界には二人しか存在しない、いいね?)。風邪をひいたときにお見舞いに来てくれた式守さんに「お礼がしたい」と聞く和泉、それに対して式守さんの返答は「何もしないで」。からの後ろに歩み寄ってぎゅう。戸惑う和泉に投げかけられる「チャージします」。俺もチャージします! 

てな感じで、しっかりと少女らしい可愛さを持つヒロインなんだよ。と言っても、後ろから交際相手を抱きしめてチャージするという行為、これは別に目新しいものではない。数々の少年少女漫画にていともたやすく行われているえげつない行為だ。だが、カッコ良い女の子を描くことに秀でている真木先生、この先生の作画で行われるだけで同じ行為でも全然違う魅せ方となっている。不良が捨て猫に優しくしてるのを見た時と似ているかもしれない。まあ、これは本作を読めば分かると思うが、”カッコ良い”がデフォルトに位置付けられている女の子の”可愛い”を見た時、心は想像以上にときめく

 

理想のパートナーとは

連載開始当初からこんなイケメン彼女と付き合っていた主人公の和泉。彼についても本作の重要なキャラなので触れておきたい。

式守さんだけが目立ちがちな本作だが、実はしっかり彼の成長物語でもあるし、”良い男”という点に関して言えば式守さん以上なのかもしれないと思えてくる。話が進むにつれて明らかになっていくが、これだけ性格も見た目もイケメンな式守さんが何故和泉と付き合っているのか、ここに「イケメンとは?」という答えが隠されていると俺は予想する

上の画像は式守さんが和泉の家に遊びに来た時、和泉の母親に、息子の不幸体質で苦労をかけていると声を掛けられた時のシーンだ。ここでしっかり式守さんが思う和泉の強さが語られている。確かに不幸なことに見舞われることが多い和泉だけど、その分誰よりも理不尽な物事に対して理解がある。そして、そんな自分を卑下することはなく、常に他人のことを気に掛ける彼の姿に対して「とっても強くてかっこいい」と言う式守さん(可愛い)なるほど、深い

どれだけイケメンっぽいことを自然にやってのける人がいたとしても、他人の気持ちを察しないままにその行動をしているとしたら、それはイケメンとは言い難い。逆にどれだけ弱弱しい存在であっても、他人の気持ちを思い遣り行動に移せているとしたら、それはもうイケメンと言っても良いのではないだろうか。そんな和泉の根底の部分に惹かれたからこそ、式守さんは彼と付き合った。素敵やんまぁ普通に和泉イケメンの部類だけどな!

最近友達にソシオパスと言われた俺ですら和泉が人間的に魅力的であることは理解できる。こりゃあ式守さんもメロメロですわ。

 

表情描写力が異常

ここまでで散々語ってきたことからも分かるように、可愛い&カッコ良いを的確に描ける画力に裏付けされた巧みな表情の描写。本作はこの力が飛び抜けている

分かりやすいのが上のシーンだ。遊びに来た式守さんが和泉&和泉母と一緒に映画を観てて、同じシーンで同じ表情をする子供たちに対して慈愛に満ちた眼を向ける母。悲しいシーンを観て、潤んだ瞳で隣を見ると最愛の彼氏の泣き顔。「あ、こんな顔で泣くんだ……」と一瞬呆気に取られつつも、安心と共感により自分の目からも自然と溢れる涙。

台詞なしだからこそ表現できる一連のシーンと言えるが、これを絵だけで表現できるのは常軌を逸している。その辺の俳優でも中々こんな心の機微は演じきれないし、喜怒哀楽+なんか色々ハイブリットした複雑な感情が式守さんの表情だけで表現されている恐ろしさな。あと何よりさ、好きな人と同じモノを見て、同じ感情を共有できるってすごい良いよね……。台詞無しの見開きでこんなことまで読者に気付かせてくれる、真木先生マジすごい

 


【まとめ】

少年向けラブコメ漫画にしては女性ファンが多いと言うが、なんとなく納得できる。行動がイケメンであり、女性から見てカッコ良い女の子像を体現するヒロイン、式守さん。そして頼りなさそうに見えても、愛する人にしっかりと好意を伝え、優しさに溢れる主人公、和泉この2人の存在は数ある少女漫画の登場人物たちにも負けてない

アニメ化によって爆発的に人気が出るのは容易に想像できるし、今やってる修学旅行編では愛情と友情がフュージョンした上質なアオハルが展開されてる。間違いなく目が離せない作品。応援してます。


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ずっと色物かと思ってた『出会って5秒でバトル』を読んで5分でハマる

完全に色物の作品タイトルゆえに甘く見られがちだが、本作は非常にアツい想いをぶつけ合う秀逸バトル作品だ。また、その戦闘も『ハンター×ハンター』並みに頭脳を使う展開の目白押し。異能バトルはかく在るべき。

<あらすじ>

成績優秀でゲームが趣味の16歳の高校生・白柳啓は普通の日常に退屈していた。そこへ突然現れた謎の包帯男の襲撃を受け、ゲーム感覚で撃退することに成功したが、その後現れたマジシャン風の女に殺されてしまう。 病院風の謎の施設で啓は目を覚まし、同様の境遇の者ばかりが集められた会場に例のマジシャン風の女、魅音が登場。それぞれに与えられた「能力」を使って戦うことを説明される。 一対一での戦いの1stプログラム、5人グループが一対一で戦う2ndプログラム、チーム戦の3rdプログラムを経て、舞台は監視者1名を含む12人の6グループが戦う4thプログラムへと移っていく。Wikipediaより引用

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デスゲーム開始

本作は2015年、ウェブサイト上にて連載を開始した(ゆくゆくはリメイク版が『裏サンデー』『マンガワン』へ)。2015年といえば、昨今のラノベ・ドラマ・映画などによって所謂”デスゲーム”作品というものが消費されつくした頃だ。『バトル・ロワイヤル』に始まったこの系譜に対する驚きは、生まれ続ける同系統作品によって日本人の間でも浸透・吸収され、この手の作品に対しての驚きというものが皆無に等しくなった

一般的な日本国民よりも少しばかり多くの漫画作品に触れてきた俺は、ちょっぴり食傷気味だったこともあり「はいはい、またデスゲームものね……」と、タイトルを見た時点で世間と同様の感想を抱いたのを記憶している。それから数年本作に触れずに生きてきたというワケだ。この時の俺の愚行を、つい先日、初詣で神に謝罪してきた

去る2020年11月、アニメ化が発表されたことからも伺えるが。俺がタイトルだけで食わず嫌いしている間に『出会って5秒でバトル』は異能バトル漫画として超王道を突っ走る人気作品まで成長を果たした。それもそのハズだ……面白れぇもん……。皆、決して名前だけでその本質を理解した気になってはダメだぞ。真実はいつも一つ。

 

 

超頭脳派バトル

それでは、何がそんなに面白いのかを語ろう。タイトルの通り、基本的にはバトル主体のストーリーであることに嘘偽りは無い。そして”出会って5秒でバトル”が始まるという点に関しても概ね齟齬は無い。人気の秘訣はバトル内容だ

上の画像の通り、主人公の能力は「相手があなたの能力だと思った能力」。異能バトル漫画なり小説なりを読みなれている人はこの能力を聞いた時にどう思うだろうか。俺的にはメチャクチャ弱い能力だと思ったね。だって、自分が自分の能力だと思った能力だったら脳内リミッターを外して必死に「強い能力にしよ~」なんて考えることが出来るけど、対戦相手主体で自分の能力が決められるなんて、絶対弱い能力にされるやん!  まぁ、条件と使いようによっては柔軟性がありそうな能力だとも思ったが……。本作はこの主人公の異質な能力を中心として波乱が巻き起こっていく。

 

この能力が極めて面白いんだよな。つまり、この能力はネタバレしてる相手じゃない場合に限って無限。会話・行動によって相手を誘導し、最適な能力を自分が持っていると相手に想像させるという心理的駆け引きが生まれる

例えば、上記画像は物語中盤の決定的な場面なんだけど。攻撃を全て無効化する”リーダーの能力”(※正確にはこれも間違った認識)を相手が知っていることを前提として、”リーダーの能力”のことを何気なく会話の中で刷り込ませることによって、決定的な場面で相手の想像範囲を意図的に制限する。もっと踏み込んだ解説をすると、実際にこのリーダーと呼称されている人物の能力は「相手と平和的に交渉を行える能力」で、この副産物として交渉中は攻撃が一切効かなくなるっていう能力なんだよね。つまり、相手の認識と想像の絞り込みによっては本来存在しない「攻撃を全て無効化する」能力を具現化できるということ。とんでもねぇ。

極論、「俺の能力名はインデペンデンスディだ!」と伝えれば、相手の想像力によっては宇宙人の大群を召喚することも可能(なのかもしれない。作中にそんなぶっ飛んだ展開は無い)

 

 

純粋に展開がアツい

もちろん人気の秘訣という点で言えば単純に展開がアツい。完全な能力バトルだけの作品でこんなに人気が爆発するワケもなく、純粋にストーリーが面白い。クールな主人公:アキラが無双していくだけではなく、苦戦の中で苦悩しながら葛藤し、成長していく人間ドラマがこの漫画には詰まっている。サブキャラ・モブキャラも例外ではなく(これが凄い)、一人ひとりが謎のデスゲームの中で確固たる信念を持っているからこその衝突、育まれる友情。果ては敵キャラに至るまでが信念をもっていることが巧みに描かれている。そこに異能という無限大のバトル要素が加わるワケだから、盛り上がらない訳がない

ちなみに、俺が欲しい能力は主人公アキラの父が持っている「相手に一つ使命を与える能力」だ。作中で詳細はまだ語られていないけど、これ普通に『コードギアス』のギアスだからな。

 

 

<まとめ>

というワケで、今回の記事は『出会って五秒でバトル』について語らせてもらった。俺の中で”アニメ化されて覇権とりそうな作品”トップランカーだし、純粋に漫画の出来が良すぎるから早めのチェックをオススメする。決して、タイトルに惑わされてはいけない、これは超王道少年漫画だ。ではまた。

『Levius-レビウス-』が新時代のSF作品であることに世界はまだ気づいてない

新時代SFという言葉がこれ以上なく相応しい作品『Levius-レビウス-』。機械義肢の拳で放つ冷たい右ストレートには燃えるような想いが宿っていた。

あらすじ

強き者。美しき者。その名は――レビウス。 新生暦19世紀――戦後の帝都では、人体と機械を融合させて戦う「機関拳闘」という格闘技が行われていた。 戦争で父親を失い、母親も意識が戻らない状態となった孤独な少年、レビウス=クロムウェルは、彼を引きとった伯父ザックのもとで、機関拳闘の若き闘士として頭角を現し始める。 そんなある日、競技の最高峰であるGrade-1に挑戦する機会が、レビウスに訪れる。同級1位のヒューゴとの特別試合に勝つことが条件だったが、そのヒューゴが前哨戦の相手、A.J.という謎の選手との戦いで…!! 人間の尊厳と、文明の未来が火花を散らす、頂上バトル、ここに始まる。Wikipediaより引用

 

作品概要

『ウルトラジャンプ』の読者以外にはまだまだ認知されていない作品(されるべき作品)だと思うので、作品自体の簡単な前知識を書かせてくれ。

まず作者は中田春彌先生。2019年、ファンタジーアニメとして熱狂的な支持を生んだ『Fairy gone』のキャラクター原案(妖精も)を手掛けた方だ。この時点でそのセンスの異質さを感じ取ってくれると思うが、その画力の高さは本作でこそ十二分に発揮されている

連載開始は実は2013年と早い。『ドロヘドロ』『海獣の子供』『人類は衰退しました』『フリージア』と癖の強い作品を多く扱っていた伝説の雑誌『月刊IKKI』(現在は休刊中)出身のバリバリSF畑。同誌が2014年に休刊してから『Levius/est』とタイトル変更しウルジャン移籍という経緯を持つ。

SF×格闘技というありそうで無かった(り、あったり)ジャンルを確立しており、2019年にはNetflixで全世界に向けアニメ化を果たした。余談だが、アニメ版と原作では大きく設定が異なっており、一言で表すとアニメ版は色々軽やかに仕上がっている。SF作品をこよなく愛する俺からすれば断然全作をオススメするが、アニメ版はアニメ版で非常に良いと断言しておこう(主に最終回のあの娘の笑顔)。

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拳に宿す想い

まず主人公:レビウスの戦う理由に触れておこう。その半生を端的に言えば、”戦争孤児として故郷を焼き討ちされ、瓦礫の雨の中、母親に抱きかかえられながら助かった”過去を持つ物静かな男の子。はい、王道。「あ~、あるある。こうやって復讐に駆られて強くなる、SFにありがちなダーク主人公パターンね~。」と連載当初に感じていた愚直な俺を、俺は焼き殺したい。違うんだ。レビウスが戦う理由は確かに植物状態の母親を資金的に救うためであり、過去の記憶に巣食う悪党たちに復讐することなんだけど。本作の主人公の魅力はさらに先を行く。

助かる見込みが無いんじゃないかと思えるような状態の母親の描写は読者の心にトラウマを植え付けるくらい壮絶(もっとトラウマ植え付ける描写が後に出てくるが……)。そんな母親のために、戦闘用ではなく医療用の義肢(母親の形見的な)を用いて戦う少年。中々に感情移入する設定だ。そしてお待ちかね! ようやく焼き討ちした組織の登場。全てを投げ捨てて復讐に走るかに思えたがこの読者の予想は大きく肩透かしを食らう。最初こそ飛び掛かり相手を殺さんとするレビウスだったが、復讐相手(無口の美少女:AJ)の瞳を見るやいなや「助けを求めている……?」と菩薩もびっくりの読心。あの子にも何か戦わなければいけない理由があるのでは……? と葛藤の末に敵陣突入。家族を人質に取られ操られているだけのAJの境遇を理解し、正義の心を持って復讐相手を救うことを決意する。そう、レビウスは誰よりも正義の心を持った優しい少年なんだよ

 

 

怒涛のデスマッチ展開

そして始まるレビウスvsAJの戦い。内容としては、まるで4部作1作目のボスが所見殺しの上レベル100カンストでも勝てないくらいの超インフレ展開。この序盤から一気にラスボス感がたまんねぇんだよ……。駆け抜けるように展開するリズム感は良作の基本。それでいてしっかりとストーリーに重さを持たせるところは流石としか言えない。

敵組織の親玉:Dr.クラウン(上記画像のピエロ)の悪逆非道さと糞ッタレ具合がいい感じに物語にスパイスを与えつつ、命すら顧みずリミッター越えた強さで圧倒してくるAJに対して、セコンドにつくザックス(レビウスの叔父)と、天才義肢エンジニアであるビルという頼もしすぎる仲間のフォローにより奮闘するレビウス陣営。この展開が死ぬほど熱い。いままでどこか噛み合っていなかった味方陣営が圧倒的悪を前にして全力で力を合わせるウルトラ正義展開。しかも俺が凄いなと思ったのは、ザックスとビルは自分ではリングに立っていないので、戦うのはレビウスに任せるしかないのに、これ以上なく死力(視力)を尽くして一緒に戦うという点だ。当ブログで何度も述べているが、バイプレーヤーが魅力的な作品は神作

戦いの過程~結末まで全く目が離せない展開で、人間ドラマが涙腺を刺激しまくってくるストーリー構成なので、SF作品はちょっと……ていう人でも是非読んで欲しい。

 

 

更なるステージへ

恐ろしいくらい濃密な激闘で、漫画でいうと単行本20冊くらい読んだんじゃねぇか? と思ったが、これ、実際には2巻(18話)までの出来事だから。もちろん彼らの物語は続いていくワケで。更なる強敵の登場。そう、いくつかグレードが存在する「機関拳闘」の中で、作中で行われていた戦いは”GradeⅡ”。AJに勝利し、世界に13人しか認められていないという”GradeⅠ”へ昇格を果たしたレビウスの前に登場する圧倒的強者感を漂わせる新キャラ(イケメン)。一人ひとりが国家軍事力に匹敵する(詳しくは上の画像参照)という逆リーマンショックが起きた気がするが……、そんなところに投げ込まれることになったレビウス。物語の続きに心躍らせる最高の展開で序盤のイントロダクションは終了! ここまで気持ちの良い「俺たちの戦いはこれからだ!」は過去あっただろうか……いや、ない。まったく、楽しませてくれるぜ。

まとめ

ということで、『Levius-レビウス-』の俺的紹介記事でした。ただこの記事で扱った内容ってのは新装版上下巻の内容だけしか紹介してないので、より本作の世界観を堪能したい人はぜひ連載中の単行本で(地上波放送中のアニメ版は全くの別物なので、いつ観ても◎)。このすぐ後に世界最強”GradeⅠ No.1”の男が出て着たり、アニメで貧乳強気少女として物語を彩ったナタリアも出てくるので、飽きることは無い。てかこの新装版は近年稀にみるSF漫画の良作として永久保存版だと思うね。俺は応援し続けます。ではまた。

見たことない人のために『バキ』を要約したからこれ読んで最強目指そうぜ

シリーズ累計で8,000万部を越える超大作『バキ』シリーズ。この作品には「最強」とは、そして「強さ」とは、という人類最大の問いに対する答えが詰まっている。

各シリーズ概要


第1部 グラップラー刃牙
1994年にOVA化、2001年にはテレビアニメ化されている。全42巻。 地下闘技場編 物語の導入部分にあたり、東京ドームの地下に存在する地下闘技場で極秘に行われる格闘試合を描く。普段は平凡な17歳の高校生だが、地下闘技場では無敗のチャンピオンとして君臨する主人公・範馬刃牙。彼に挑戦する鎬兄弟やマウント斗羽との試合が行われたほか、愚地独歩対範馬勇次郎戦なども描かれている。

第2部 バキ
『グラップラー刃牙』の続編。全31巻。第1部に比べ、「恋愛」や「性」の要素が濃厚である。2004年には「週刊少年チャンピオン バトル増刊 バトリズム」に読み切り『範馬勇次郎誕生』を掲載。『範馬刃牙』2巻に収録された。新装版13巻から17巻には、最凶死刑囚のその後を描いた描き下ろし短編『REVENGE TOKYO』が収録されている。

第3部 範馬刃牙
『バキ』の続編。全37巻。最終編である地上最強の親子喧嘩編で、刃牙と勇次郎の因縁に決着が付く。また、『週刊少年チャンピオン』にて『範馬刃牙』の連載を中断して描かれた『ピクル』が収録された外伝も発行されている。

第4部 刃牙道
『範馬刃牙』の続編。全22巻。『週刊少年チャンピオン』2014年16号から2018年19号まで連載された。2014年16号では一挙4話、102ページに渡って掲載し[3]、続く17号と18号も各号に2話掲載された[4][5]。前3作とは異なりストーリーの区切りはなく、一貫してクローン技術と降霊術で蘇った宮本武蔵と現代の格闘家たちとの闘いを描く。

第5部 バキ道
『刃牙道』の続編。『週刊少年チャンピオン』2018年45号から連載開始。Wikipediaより引用

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それではお待ちかね。下記にて『バキ』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

 

第一部『グラップラー刃牙』

前述した概要を読めば分かる通り、これは戦いのテレクラである(作者が呼称)。よく巷では”地上最強の親子喧嘩”というワードが浸透していて、この印象が強すぎるけど、そんなことはないいや、まぁそうなんだけど。主人公である範馬刃牙と父である範馬勇次郎が実際に戦ったのはシリーズ通して僅か2回。むしろこの親子以外の登場人物の戦闘が大部分を占めている。

とはいえ、シリーズ最初期の『グラップラー刃牙』では主人公であるバキの壮絶な半生が描かれ、大別すると全42巻の中で3つに分けられる

 

<地下闘技場編>

東京ドームの地下に日本古来から存在するコロッセオで、世間から極秘にされた戦いが日夜行われているという物語冒頭からいきなりトンデモ展開。まぁここまでは良い。漫画とはキャッチ―さが大事だ。この地下闘技場のチャンピオンとして君臨しているのが主人公のバキで、苦戦しながらも毎回勝利を手にしていく圧倒的強さが描かれる…かと思いきや、圧倒的暴力親父:範馬勇次郎の乱入。会場は鮮血で染まり、空手の父と呼ばれる愚地独歩(読者から圧倒的支持を集める超人気キャラ)も全身ズタボロ(というかそれどころじゃない)にされた。※上の画像参照

 

<幼年期編>

ここまで読んだときに読者は気づくと思う。「あ、これあれだ。ドラゴンボールだ……。どんだけ強くなっても新しいキャラが出てきて永遠に終わらない戦いが続くんだ」ってな。半分正解。だがこれは『バキ』。そんな二番煎じではここまで人気は出ない。ちなみに、俺はこの幼年期編と呼んで刃牙すごい好きになったんだよ、過去編を丁寧に描く作品は神作。要約するとこの幼年期編では、刃牙がどうやって地下闘技場チャンピオンになるまで強くなれたのか、そして父との最初の対決&母との別離という物語の源泉が描かれる。ここを読まずして刃牙ファンならず。

 

<最大トーナメント編>

世界中の達人たちを集めた史上最大の無差別級プライド選手権。空手を完成させた愚地克己、暴走族トップの柴千春、戦える達人:渋川剛気先生、烈海王、ジャック・ハンマーと今後レギュラー化するメンバーが続々と登場した。また上の「幼年期編」で戦った敵が成長して再登場するという点でも非常に胸アツな展開である。『ドラゴンボール』の天下一武道会でも思ったが、主人公そっちのけで行われるトーナメント戦というのは漫画という作品にとっては鬼門だ。組み合わせ次第でその回の人気が大きく浮き沈みする。だが全く飽きることなく読めた。そう、『刃牙』とはただの親子喧嘩作品ではない。漢たちの生き様を描いた作品なんだよ。だから主人公以外の戦いも面白い。全員が全員、”最強とは?”という想いを胸に技術(と筋肉)をぶつけ合う様は、男だろうが女だろうが関係なく濡れる。特に決勝戦の刃牙vsジャックハンマーの兄弟対決は必見。

第二部『バキ』

「最大トーナメント編」での大団円を超え、8年に及ぶ連載を一度終了させた『グラップラー刃牙』。しかし同年1999年復活『バキ』として復活を遂げた(しかも間に外伝を挟んでいるから実質ほぼ休み無し)。あれだけの大熱戦を繰り広げた以上、さらに上の戦いを創造することができるのだろうか……と俺は不安に思ったんだが、えぇ、全くの杞憂に終わりました

サンドバックに人間を詰めて送り返すのはこの作品だけ。

 

<最凶死刑囚編>

示し合わせたかのように脱獄してきた最強の死刑囚たちとの戦いが描かれた。この死刑囚たちがヤバい。電気椅子くらっても生きていたり、爪も引っかからないツルッツルの壁を50mくらい昇って刑務所脱獄したり、そんな極悪強靭な奴らとの”武器の使用以外すべてを認める”という何でも有りルールで行われる街を舞台にしたリアル逃走中(リアル戦闘中)。全編に渡って「敗北とは何か?」という問いを追求しつつ、主人公のバキに至っては「愛とは?」という哲学的ウィットに富んだ内容となった。炎すらも無効化するマ・ワ・シ・受けがいともたやすく行われる名勝負の数々(というか普通に炎を吹くな)もさることながら、戦闘狂たちの考える愛の形も必見の濃い~内容。

 

色を知る息子を見守る父親

戦いしか知らないバキに初めて芽生える恋心。「気づいたらもう好きになっていた」というピュアな想いに応えるように、惹かれ合っていく二つの心。そしてそれを超至近距離で見守る地上最強の父親(超絶隠密肉親ストーキング)。なんだろう……感動するシーンなのに、親父のおかげでフフッと笑いが零れてしまう。このシリアスな笑い、アレだ、どこか『カイジ』を思い出す。本人たちはいたって真面目なのに、何故か笑いが込み上げてくる。こんな筋肉ダルマたちすらも可愛く思えてくる……。これもまた『バキ』の魅力ということだろう。良き。

 

<中国大擂台賽編>

前編にて、死刑囚が使う毒を食らい満身創痍で痩せこけていくバキ(死刑囚は瞬殺した)。「毒を直すには毒だ。戦いだ」と謎理論により中国で行われる最強決定戦に招致されるという、頭ん中までタンパク質な天下一脳筋国際交流さすがの俺も若干引き気味だったが、ここで驚くべき展開が待っていた。そう、日米代表勢の一員として、憎き父親と刃牙のチーム戦という形での共闘だ。これは熱い。父親を殺すために強くなってきた息子にとってはこれ以上なく耐えられない展開……かと思いきや、ちょっと嬉しそうな愛憎親子。今思えばこの辺りから少し様子が変わっていた……詳しくは後述する。最終決戦の範馬勇次郎(究極の暴力)vs海皇(究極の武)の戦いは現代武術氏に残すべき名バトルなので必見。ちなみに刃牙の毒は相手の毒手を食らい中和されました(完治!)

 

<神の子激突編>

表世界の公式ボクシングで最強を誇ったモハメド・アライの子供が梢江(刃牙の彼女)に猛アプローチをかけ、刃牙と彼女を争って戦う展開。最強と最愛とは? という究極の戦いを魅せてくれるかに思えたが、蓋を開けてみれば刃牙の圧勝。ここで勘違いしてはいけないのは、彼は決して弱くはない。パンチ一発で全身のプロテクターぶっ壊す人類がいてたまるか。そう、刃牙が強すぎた。ぶっちゃけ可哀想なくらいに惨敗した彼の行いは一見無駄なように見えるが、この戦いがあったからこそ刃牙は自分が十分に強くなったことを確信し、父:範馬勇次郎への挑戦状を叩きつけるという神展開を引き出したそう、モハメド・アライJr.は犠牲になったのだ……。そしてまたここで一旦連載終了。

第三部『範馬刃牙』

伝説の第3部。色々と盛り沢山な内容になる『範馬刃牙』は、シリーズでも屈指の密度となっている。俺もこの記事を書きながら「あれ、この章だけで全然一記事いけたな……?」と思えるほどだ。そろそろ疲れてきたかと思うが、安心してくれ、あと半分くらいだ(たぶん)。ここから一気に戦いは加速するので、覚悟して読んでくれ。

 

<超絶監獄バトル編>

[実践シャドーボクシング編は割愛]

さらなる強者を求めて、大統領を拉致してアメリカ・アリゾナ州刑務所に潜り込む刃牙。目的はミスター・アンチェイン(繋がれない男)ことビスケット・オリバ。範馬勇次郎すらも認めるリアルハルクかと思えるような圧倒的筋肉ダルマ男の自由な生き様は刑務所職員すらも従える。単純な力という、人類の根源的な恐怖を形にした戦闘スタイルにはさすがの刃牙も苦戦し、追いつめられたけど、最終的にはノーガードのガチンコ殴り合いでアメリカ最強を沈めた。余談だが、『プリズン・ブレイク』に刃牙が出演したら10分くらいで完結することになるだろう

 

<野人戦争編>

はい、お待たせしました。原始人との戦いが始まります! 1億9千年前の冷凍化石から現代技術の粋と偶然によって目覚めたピクル。ティラノサウルスを捕食していたという規格外の化物が現代に蘇り、騒ぐ一般大衆。もちろん格闘家たちも例に漏れず興奮するが、それは一般人とは違い、コイツと戦いたいという欲求だった。我先にと群がる今まで登場した実力者たちを一蹴し(ピクルvs烈海王とピクルvs愚地克己は本当に超名バトル)、最終的には刃牙も戦いの舞台へ。結果:勝ちます。この時に刃牙の異常性が初めて提言され、圧倒的没入感を有する想像力が刃牙の強みということが読者に明かされる。幼少期から最強の父を倒すべく常に強者(動物も含む)との戦いを想像・実践してきた刃牙にとっては、原始人・恐竜との戦いのイメージも造作なく、逆にその戦闘法を模倣すれば相手には恐竜が具現化したように見える。そう、もはやスタンドや念能力の類。原始最強を倒した刃牙に、もはや地上に並ぶ者はおらず、いよいよ父親:範馬勇次郎との戦いに向かうのだった(ティラノサウルス倒す男より当たり前のように強い父親……)

 

実況スタイル

ここで一度『刃牙』シリーズにおける戦闘実況スタイルをに言及したい。こと戦闘において漫画界のパイオニアであり先駆者であると言える本作。連載を続けるにつれ、戦闘中に巻き起こる奇々怪々な技術ラリーの実況も進化を遂げた。結果、辿り着いたのが、未来の視点で語られる戦闘解説だ。上の画像は原始人:ピクルvs刃牙の戦いを観戦していた烈海王が2人の戦闘を語るシーン。まるでTV番組のインタビューを観ているかのようなコマ割りと見ている者に語り掛けるような丁寧な解説は、未来の視点で「思い返せば……」という立ち位置になっているからこそ。まさに『プロフェッショナル』スガシカオの歌声が聴こえる。

 

<地上最強の親子喧嘩編>

[強者達の戦い編は割愛]

本作は最初から一戦を魅せるために展開してきたと言っても過言ではない。いうなれば『はじめの一歩』の一歩vs宮田である(こちらは未だに実現していないが……)。いよいよ戦う父子の戦いは、もはや親子喧嘩という枠に収まらず、隠しきれない。世界的に公にされた親子喧嘩という異例の死合い、その末に唯一無二の親子愛の形を示した二人には世界中(の読者)が涙したのは言うまでもない。

 

範馬勇次郎について
ここで前知識として範馬勇次郎に触れておこう。生まれた時から意志を持っていたとされ、腹から取り上げようとする助産師に向かって「ミスの無いように気を付けろよ……」と(言わんばかりの眼力)痰を切ることから始まった彼の人生。

強者を求め紛争地域を渡り歩き、並ぶ者がいなくなるまでに成長した勇次郎はいつしか国家軍隊と同等以上とみなされることとなり、歴代アメリカの大統領は彼に聖書を抱えながら不戦宣誓を行うほど。こうして富・権力を手にし不自由なく生きていたかに見えたが、捕食者として頂点であるという事実に退屈。並ぶ者がいない人生にスパイスを……と世界各地で自分の種を蒔いた。結果、一番の成功作として育ったのが息子:刃牙ということである。

『グラップラー刃牙』幼年期編のラストでは、刃牙のことをつまみ食いと称して圧倒。自らの妻(刃牙の母親)も手にかけるという極悪非道人間破壊兵器として作中に君臨していた。

 

この世で一番の親子喧嘩

0地点で最高速に到達するゴキブリ突進、ピクルとの戦いで見出したトリケラトプス拳、今までの全ての経験と技術を集約した必殺技:虎王。刃牙の培ってきた技術と技を全て用いても勇次郎には通用せず(正確には効いているか不明)、すべて上位互換の技で返される。そんな攻防を繰り広げるうちに、世界中から集まってきた野次馬ギャラリーたちの心にある仮設が生まれてくる。「あれ? この殺し合いはこの親子のコミュニケーションなのでは?」という気持ちだ。確かに殺傷能力MAXの技をお互いに繰り出しているが、それはこの父(息子)ならば受け止めてくれるだろうという信頼ありきの応酬。”地上最強に君臨する父親と対等に会話するためには同じ高みまで登らなければいけない”と強くなった息子、宣言通り強くなってきた息子を称え、全ての攻撃を受け止める父親。形は非常に歪だが、内容としてはごくありふれた父子のコミュニケーションであると言えるのではないだろうか(いや、そんなことはないが)

 

心境の変化

今思えば、この戦いに至るまでにも刃牙の気持ちの変化は描かれていた。実の父とは言え母の仇である父親を最初は憎い存在として殺意を飛ばしまくっていたが、ともに戦い、”強さ”というただ一点において絶対に信頼を裏切らない父のことを、内心認めている自分がいることに気付いていた。

 

一方で父にも確実に変化は起こっていた。大国から畏怖の象徴として崇められる勇次郎が息子のもとを訪れ、手作りの晩御飯を食べる。こんな当たり前のことをリアルプレデターがするか? いや、しない。しかも更に、食卓を囲むだけではなく息子に対して食材に対する礼儀を教える。このシーンを読んでいる時「馬鹿なッ!」 と全読者心の叫びを代弁した俺がいた。いや……違うな……。この親子が特別だと勘違いしていた全読者(俺を含む)が固定観念に囚われていたのかもしれない。いつだって親は子を躾け、可愛がるものだし、感情のない人間などいない

 

衝撃の決着

激戦の末、母親殺害時と同じ技を食らい聴覚を失った刃牙だったが、それでも負けじと闘志を飛ばして去り行く父を立ち止まらせる。そして伝説のエア味噌汁(これはぜひ単行本で!)。マジの殺し合いという肉体言語によって初めて対話をした結果、息子に対して放った最強継承。これには鳥肌が止まらなかった。

”息子が父親に認められる”。男の人生において、これ以上の喜びは中々ないだろう。それを単行本109冊で描き切ったのが『バキ』という作品ってこと(番外編を入れれば112冊)。

強さを極めた末に行きついた親子の愛の形。これは決して特殊なものではない。ごくありふれた家庭に、ごく当たり前のように存在するモノである。だが家族仲が悪かったり、プライドが邪魔をしてお互いを認められなかったり、この”当たり前の奇跡”を逃がしてしまっている人が多いことも事実だと思う。真の強さとは、家族だろうと(家族だからこそ)逃げず、真正面から愛を伝えることなのではないだろうか。範馬親子にとってはその手段が拳だっただけってことだ。諦めず頑張った刃牙少年に拍手。

まとめ

正直、食わず嫌いで今まで読んでいなかった『バキ』シリーズ。これメチャクチャ面白かったぞ。本記事では、キリが良いので、シリーズ第三作目となる『範馬刃牙』までしか紹介しなかったけど、続編にあたる『刃牙道』『バキ道』は地上最強になった後の刃牙の戦いが描かれる。宮本武蔵(本物)との真剣勝負相撲をする地上最強……まだまだ楽しませてくれることは言うまでもない。

幸せの陰には常に絶望があると教えてくれた『チェンソーマン』を高く評価したい

ジャンプの中で異彩を放ち続けた『チェンソーマン』。よく少年誌にありがちな煽り文句の「鬼才現る」。この言葉、本作に関しては真実。

あらすじ

「悪魔」と呼ばれる存在が日常に蔓延る世界。少年デンジと「チェンソーの悪魔」のポチタは、死別した父親の借金を返すため、悪魔を駆除する「デビルハンター」を主な仕事としながらなんとか生計を立てていた。ある日デンジは、仕事を斡旋していたヤクザに騙され、「ゾンビの悪魔」によってポチタと共に殺害されてしまう。しかし、ポチタはデンジの血を飲んだことで蘇生し、デンジの身体を修復するためデンジの心臓となる。復活したデンジは「チェンソーの悪魔」へと変身する力を手に入れ、ゾンビの集団を一掃する。撃退に成功したデンジは現場に駆け付けた公安のデビルハンターであるマキマに導かれ、その身を公安によって管理されることになる。Wikipediaより引用

2020年の『このマンガがすごい‼ オトコ編』で4位という結果を出した本作。俺の正直な感想としては時代が追い付くことが無かったって感じ。これは「時代が追い付いてない内容を描いていた」ということではなくて、「時代がまだこの才能に十分気付いてない」ってことだ(まぁ、そういう作品で溢れているのが世の中だけど)

『鬼滅の刃』最終巻が爆発的な売上というニュースを観て、「え……皆ジャンプ本誌で読んでないの……?」と本気で疑問に思った俺(30)だったけど、世間は意外と漫画を読んでない。これに関しては本誌で読みつつ、コレクション的な意味合いで単行本も買っているのかもしれない。でも、きっとジャンプ読んでない人が殆どな気がする。非常に勿体ない。『AGRAVITY BOYS』『アンデッドアンラック』『マッシュル』『あやかしトライアングル』とネクストブレイク待ったなしの作品が軒を連ねている今のジャンプ、『チェンソーマン』はその筆頭だったワケじゃい

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それではお待ちかね。下記にて『チェンソーマン』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

 

 

希望→絶望の落差

人生において、得てして不幸は突然に訪れるものだけれど。本作においてはその幸せから絶望の落差が巧みに描かれる。特にヒロイン勢のダークサイドへの落ち具合がヤバい。ここからは俺が特に大好きな3人のヒロイン(の絶望)を紹介したい。

 

絶望①:レゼ

この作品の読者は皆大好きレゼ。急なタイミングでの新キャラ投入だったにも関わらず人気投票で上位獲得。主人公のデンジも見事に骨抜きにし俺の心も射止めた。ちょっと幸薄いバンギャみたいな雰囲気から繰り出されるラブコメ発言に、荒廃しきった心が青い風を感じていたのを未だに覚えている。からの魚雷爆撃。爆発炎上して踵落とし。前読者の恋心という希望を踏みにじり……絶望を感じさせてくれた

レゼが登場していたのは単行本でいうと一冊分(厳密には最近も再登場してるが)と決してコアなキャラではない。にも関わらず、このキャラを忘れた読者はいないのではなかろうか。夜の学校に忍び込むというあの青春展開には全童貞の腰が砕けた。本当に良キャラだった……。

 

絶望②:師匠

便宜上「師匠」という呼び名を使ってるのも、作中に名前が出てこないキャラだからだ。正確にはトーリカという海外のデビルハンター見習いの師匠で、そのアダルティな雰囲気・慈愛に溢れた弟子への愛情・時折見せる微笑みの破壊力で、読者の大半を占めるアダルトチルドレンの心を掴んだ。からの強制即死合体。ギュイーンと即死して間接に埋め込まれた。まぁこんな美人の一部になれるんなら本望っちゃ本望だけど……いや、落ち着け俺、そうじゃない。俺としたことが闇の力にヤラれてたようだ…。絶望。

相手に気付かれずに釘を3回ブッ刺したり、弟子への丁寧な指導だったり、相当な実力者として描かれ期待が大きかっただけに師匠のラスト(というより変貌)は中々クるものがあった。

 

絶望③:パワー

前述の2名とは少し違う種類の絶望を魅せてくれたのが本作のメインヒロイン:パワーちゃん。まさに小悪魔ともいえる暴虐無人な立ち振る舞いと言葉遣い、整った容姿とは裏腹に妹属性という人気投票不動の1位。それを消し飛ばすのがこの作品だ。一般的に、人気投票で上位に参入しているキャラってのは死ぬことは無い。漫画が読者のお布施(購入)によって成り立っている以上、読者の心をしっかりと繋ぎ止めるヒロインの存在は漫画が漫画である為に欠かせない存在だからだ。だがそんなの関係ねぇと言わんばかりに容赦なくブッ飛ばす。もはや逆に気持ち良い

もう一人、マキマさんも紹介しようと思ったんだけど。あまりにもネタバレになるのと、本作の鬼才っぷりの肝になるので敢えて割愛します。最近の少年誌はここまで許されるようになったか…と時代の変化を感じたね、俺は。こればっかりは自分の眼で見届けて欲しい。

チェンソーマン 全刊セット

 

まとめ

という感じで、中々に良質な絶望を感じさせてくれたこの作品。12/14(月)発売の週刊少年ジャンプ本誌で最終回という悲報を知った瞬間にこの記事を書き始めたから、まだ物語の結末を見てはいないけれど、最後にもきっとやってくれるハズ(『ファイアパンチ』もラストはハリウッド並みに壮大だったから同様に壮大エンドと予想)。

今、俺は幸せな日常を謳歌しているけど(家でPC弄ってるだけ)、こんな日常はいつ崩れ去ってもおかしくない。そう、絶望は常に身近にあるものなんだ。いついかなる時も安心せず、慢心せず、過ごしたい。ただ、逆もしかりだ。絶望の中にいたとしても希望は必ず傍に在る。俺は『チェンソーマン』を読んでこう思ったね。ジャンプは諦めず、またこんな作品をやって欲しい

ご馳走様でした。

厳正なる審査の結果、21世紀最高のweb漫画は『カルカラレルカ』に決定しました

毎日数多の漫画を読んでいるけど、web漫画で本作を超える作品は生まれないという結論に至りましたのでここに勝手に宣言致します。

あらすじ

カルカラレルカ
SR-H ORIGIN(第1部)
未開惑星の開拓調査機関「ゴフェル」所属ハンターの兄妹が現地未確認生物のハンティングを行いながら失った記憶と惑星の秘密に迫る。

カルカラレルカ
SR-H PROSPERITY(第2部)
人類文明の最先端に位置する超惑星”アーク”。 開拓が始まり一世紀以上が経過した今もなお、”その星”には未知の技術、未知の生物、そして未知の能力が眠る。 地球出身のハグルは、未知の惑星での立身出世を夢見て、”アーク”にある「能力開発機関」への入学を志す。Wikipediaより引用

漫画アプリ『GANMA!』にて連載中の『カルカラレルカ』。少し前に『漫画好きがガチで選ぶ『GANMA!』作品【おすすめ5選/Web漫画】』の記事でも紹介したけど、この作品の第2部が堂々完結。そして、完結を記念して第1部・第2部ともに無料公開しているというから未読の人は絶対に見て欲しい。なお、この記事は面白い作品をもっと多くの人に見て貰いたいという、当然のことながら自己満ノンタイアップ記事なので安心して読んで頂きたい(仕事欲しい)

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それではお待ちかね。下記にて『カルカラレルカ』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

 

 

SR-H ORIGIN(第1部)

伝説はここから始まった。2013年12月12日より連載を開始した本作。「狩るか?狩られるか⁉」を文字ったタイトル通り、未開拓惑星であるアークで、ダブル主人公のリクとスイが生物を狩っていくSFアクション……というのが大まかなストーリーだけど、サスペンスあり、禁断の恋愛要素ありと基本的には何でもアリ

 

 

怒涛のハイテンション

これでもかというほどナイステンポ&超ハイテンションで描かれるSFストーリー。佳境での級数と殴りつけてくるような言葉のチョイスが本当に気持ち良いんだよ。と言っても、声を張り上げないような場面で無理やり盛り上げようとしてくるワケではなく、読者が心の中で叫びたくなるような台詞をピンポイントで大きくしてくれるから◎。金八先生が生徒に説教するときも黒板に殴り書きするじゃん、心に響く時は手書きが一番。グダグダ言ってんじゃねぇ

以前の記事でも触れたけどさ、俺はやっぱりweb漫画で大切なのはテンポの良さだと思うんだよね。『ワンパンマン』ヒットの理由も起承転結の分かりやすさが一因かと。あと画力。”怪人ドカーン登場人類ボカーン敗北ヒーロー葛藤ワンパン勝利”の流れが読んでて気持ち良い。『カルカラレルカ』は全くこの通りってワケではないんだけど、全体的にみると伏線の張り方、拾い方、そして戦闘の店舗がまさに売れるソレ

クラウドファンディングで第1部の書籍化プロジェクトを募集した結果、300万の目標金額に対して626万円の支援が集まったというのも納得の数字と言える。ちなみに、第2部完結を記念して同様に書籍化プロジェクトの募集が現在行われているが、10日以上残して目標金額250万に対し1,260万円以上集めるという快挙をハイテンションで成し遂げおった。うむ……金を送りたくなる気持ち、すごく分かる……。冗談抜きでマジで面白いもんな

 

 

登場人物がマジ熱い

熱い。これは第1部の中でも俺が大好きなシーンなんだけど、とにかく、熱い。簡単に説明すると、化物並に強くなっていく兄貴の横にいたくて頑張って強くなる普通の女の子が、困難を目の前にして改めて自分の気持ちを叫ぶ瞬間熱い。途中、「嘘偽りない本物の意志を、自分の言葉で」ってリクが叫んでるけどさ、コレも熱いんだよな。ここまで自分の意志で強い言葉を吐ける、強靭な芯を持っているリクが最後あんなことになるなんて……と複雑な感情がフラッシュバックしがち。こうやっていつまでも感慨に浸れるこの漫画、本当に熱い

というか、ストーリーが相当緻密に編み込まれてるのかもしれない。最初は単純に兄妹の冒険劇だと思っていたのに、今考えると最初から作者である銅目貫(あかがき めぬき)さんの手の上で踊らされていたような気さえもしてくる。今だけ第2部完結記念で11月15日まで全話無料公開してるから絶対に読んだ方が良い

カルカラレルカ
SR-H ORIGIN

※GANMA! の完結作品は通常、プレミアム会員以外読めない。

 

 

SR-H Prosperity(第2部)

まだまだいきます。次は第2部の話。衝撃の第1部ラストを経て、一週間後に普通に始まった時は稲妻が全身を駆け抜けた。天翔龍閃を避けたと思ったら2撃目が飛んできた感じ。2017年1月1日から始まった伝説の続きは、現在本編を終了し、番外編(もはや本編以上に本編)を連載中。

 

 

至高の続編

第1部の100年後ということで、第1部に出てきたキーマン達の子孫(…?)が「狩るか?狩られるか⁉」の群像劇を展開していく最高にアガるストーリー。特に主役3人組は「マジかよそういう繋がり方ある⁉」と叫ばずにはいられない秀逸設定。こればっかりは継続して読んでいる人間しか味わえない歓びだから是非味わって欲しい。

この記事では完全にカルカラ布教を目的としているので、なるべくネタバレは極力しないようにしているんだけどさ、核心には触れない程度にその魅力を紹介させてくれ。

まず第1部に引き続き登場キャラたちのカッコ良さが狂気じみてる。というかテンションが狂気。上の画像は筋肉サイコキネシスイケメンことソラン vs 戦うツンデレことハクビという、作中でも屈指の名バトル(だと俺が勝手に思ってる)なんだけどね。「無意味な演技、ご苦労様」の時の煽り顔が堪らないよな。しかもその後にブチ切れて「う゛ばばばぁ」しちゃう笑顔イケメンとのギャップよ。人間マジで沸点越えるとこんな顔になる気がするし、狂気の中にもリアルを感じられる人間味が本作の一番の魅力だと俺は思っている。

どれだけ狂っていてもキャラに魅力を感じるっていうのはすごいことだと思うんだ。それは常軌を逸していても憧れられるくらい芯が通っているってことだから。作中に登場するディライブ(先住民とそれに由来する者の名称)たちは”種の繁栄”だったり”創作の意欲”だったり自らの本能にこれでもかと忠実。例え人類を犠牲にしたとしても、魂が欲する本能を第一に優先するという芯が一本通っているから、どんだけ悪役でも魅力的なんだと思う。ヒース・ロジャー演じるジョーカーみたいなもんよ

もちろん、魅力という点では主人公陣もヤバい

 

 

困難に負けない正義

第2部の主人公であるハグルの魅力はこんな記事では語り切れない。不幸を吸い寄せてしまうという少年漫画あるあるの主人公設定ながら、それでも世界を憎まずに困難から逃げない姿に感極まるというかこんなに強い女性に育ったことにDNAの強さを感じる

第1部~第2部の粋を煮詰めて凝縮して継承したような主人公像は、週刊少年ジャンプ編集部も参考にして頂きたいくらいの超絶正義。しかも可愛い、正義。一見すると無茶苦茶な展開が魅力の作品だけど、話の軸である主人公が誰よりも清く正しいからこそ成り立ったのではないかとすら思える。ハグル以外にゼンロク・アンビィなど滅茶苦茶にカッコ良い漢たちもいるけど、全員紹介してたらネタバレオンパレードになるので気になる人は直接読んで欲しい。絶対に損しないことをここに誓う

カルカラレルカ
SR-H ProsProsperity

※完結作品は有料会員じゃないと読めないので、試し読みできるのはおそらく11月15日まで…?? 徹夜して読んで欲しい。まぁ、プレミアム会員になれば良いだけだけど

 

 

SR-H CATASTROPHE(第3部)

既に「全ての謎が明かされる」と告知されている第3部も制作が決定している。第1部を上回る衝撃のラストだった故、続きがどう描かれるのか・謎は全て解決されるのか? という点が気になるところだが、銅目貫先生の執筆速度を考えると既にプロットは完成しているハズ。俺には不安はなく、期待しかない

GANMA!(ガンマ)

GANMA!(ガンマ)
開発元:COMICSMART INC.
無料
posted withアプリーチ
 
 

まとめ

以上、21世紀で一番面白いと思ったweb漫画のなるべくネタバレしない記事でした。冗談抜きでweb漫画界隈における『ワンピース』だと俺は思ってるし、『鬼滅の刃』に胃もたれした心身をデトックスさせるためにも一気読みを推奨します。ハンバーガー食べた後でもフィッシュバーガー食べたくなるじゃん。それ

『ビースターズ』が世に示した自制心の大切さと種族問題への考え方

完結記念。数年前まで、『BEASTARS(ビースターズ)』めちゃくちゃ面白いよ と言ったら「へぇ~、そういうメルヘンなのも読むんだね!」なんて言葉を返されたもんだ。いや、違うんだ。この作品は超現実主義なフェアリーテイルだ。

あらすじ

中高一貫のエリート学校・チェリートン学園内で、ある日草食獣アルパカの生徒テムが肉食獣に殺されるという「食殺事件」が起きる。テムと同じく演劇部部員であったハイイロオオカミの少年レゴシは、大型の肉食獣であることに加えて寡黙な性格や意味深な言動が災いし、テム殺しの犯人だと疑いの目を向けられてしまう。幸いこの疑惑はすぐに晴れることとなるが、結局真犯人は見つからないままであり、学園内に生まれた肉食獣と草食獣の確執のようなものが消えることはなかった。Wikipediaより引用

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アニメ版の衝撃

擬人化された動物たちというメルヘンビジュアルに反して扱う内容がかなりシビアだから、本作がアニメ化された時の衝撃たるや……。ちなみに、原作は2016年秋から連載を開始して2020年10月に堂々の完結を果たしており、週刊少年チャンピオンとしては『ブラック・ジャック』『弱虫ペダル』に続く3作目の講談社漫画賞受賞作

前述のあらすじの通り、カートゥーンな動物たちの高校生活が綴られるストーリーだが、開始早々に生徒同士の食殺事件が発生。はい、ほのぼの日常系シルバニアファミリーは解散。ここから物語は愛憎入り乱れるサスペンスの様相を呈してくる。

……って感じで、主人公は異種族フェチの変態・寝取られ・同級生との殺し合いと動物のビジュアルじゃなかったらPTAから苦情が来るのではと疑う内容だったため、本作がアニメ化した時は中々に衝撃だった。だが、俺を含めたファンたちの不安はオンエア開始の瞬間に払拭される結果となった

 

神OP・神ED

OPは視聴者を見事に高揚させた。妖艶で可愛くて恐ろしい、そんな”野生の魅力”を見事に表現した良曲チョイス。そして毛並みまで再現されたCG技術。「アニメ……ここまできたか」なんて呟いたもんな。すごいよ。歌手は30代に不思議と響くと俺の中で話題のThe John’s Guerrillaの今村怜央が参加してるALI。懐かしさからくる興奮+ワクワクする曲調にPTAもニッコリ

ちなみにED楽曲は12話の中で4曲仕様されており、全曲YURiKAが歌ってる。俺のオススメは4話と11話に流れた「マーブル」、そして最終話でだけ流れた「月に浮かぶ物語」だ。どうでもいいけど、こういう美声で落ち着く曲調をカラオケで歌われるとどんなに歌うまくても反応に困るよね。でもこのEDは物語に合ってるからOKです

 

 

欲への葛藤

この作品において最初から最後まで一貫して描かれる肉食獣と草食獣の葛藤(というかこの物語は極論これしか無い)。一応、動物たちが住む世界として、表向きは種族問わず仲良くしてるんだけどね。肉食獣に流れるDNAは捕食対象としての草食獣を絶対に食べたいマンと化すし、アニメを観た人はご存じの通り、草食獣(ハルちゃん)は肉食獣(レゴシ)に覆い被さられると自ら負けを認めて足開くより先に胃の中に入ろうとしちゃう

だからこそ、この世界では各々が心の中で葛藤を繰り広げながら生きている。そして種族を超えて繋がる絆がある。そこに心が震える。中でも俺の心にグッときたシーンはレゴシが狼の誇りである牙を自らの手でへし折った場面かな。

もうこの雄狼カッコ良すぎるでしょう。獣社会の中でも一番偉いとされるビースターに対してこの決意表明。俺の牙は誰かを傷つけるためにあるんじゃないんです、誰かを守るためにあるんです。だから傷つける可能性があるならもう要りません。っていうブっ飛び発想、嫌いじゃない。肉食代表としての自制心と風格がカンストした瞬間だ。

というかコレ、現実社会に対しても言えることだと思うんだよね。力の強い人間はその力を無暗に振りかざすべきではないし、力の弱い人間にも強さはある。なにも腕力に限った話ではなくて、権力とか財力とか、他にも色々な力が不平等に割り振られた世の中だからこそ、どう扱うかが常に問われているように俺は感じる。※俺には何も力はないが。

動物たちの物語を見ていたつもりが、精いっぱい生きる彼らに深く感情移入していくうちに、自分自身の人生ともリンクしている内容だと気付く。気が付けば、自らの有り余る力に悩む肉食獣を、捕食者として日々悩みながら暮らす草食獣を、心の底から応援してしまう。そんな素晴らしい物語なんだよ。特に最終話に向かっていくラストへの流れは秀逸だ。完結となる22巻はまだ未発売だが、今のうちに21巻までの復習を強くオススメする。

まとめ

ということで、最高の盛り上がりを果たした後に有終の美を飾った名作に乾杯。草食動物への淡い変態恋心を抱きつつも種族問題の中心を駆け抜けたレゴシの生き様は言わずもがな、影の主役としてレゴシとともに戦い続けた勇敢なルイ先輩にも花束を贈りたい。そしてまた”間違いない名作”が漫画史に刻まれたことに感謝の意を表したい。

不眠症経験者は必読の『君は放課後インソムニア』がポスト冬目景でキュン死に

不眠症(インソムニア)の高校生が主人公で綴られる恋愛模様。この漫画の表現力は埋もれてはいけないと俺は思うんだ。

あらすじ

不眠症に悩まされる中見は文化祭の準備中に校舎の上の倉庫に成り果てた天体観測室で同じく不眠症を抱えて隠れて睡眠を取っていた曲と出会う。 お互いに同じ悩みを抱えていることを知り、お互いが側にいる時は良く眠れることに気づき、密かに観測室で一緒に睡眠と取ることを始める。 観測室の無断使用が学校側に知られた後に、廃部となっていた天文部を復活させて二人だけの部活動を開始する。 活動を共にする中見は曲に対して段々と淡い恋を募らせる。Wikipediaより引用

ちなみに、漫画漬けの日々を送る俺は
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それではお待ちかね。下記にて『君は放課後インソムニア』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

 

 

簡単な作品概要

スピリッツにで2019年から連載している本作。正直まだ知名度はそんなに高くない(気がする)けど、だからこそ俺は紹介したい。思春期の少年・少女が不眠症を通じて出会い、静かな中にもお互いに惹かれ合っていく姿を漫画ならではの表現で巧みに表現している。

 

中見 丸太

前述の通り、主人公の中見 丸太(なかみ がんた)は不眠症を患っていて不機嫌ガチ。そのせいでクラスの生徒に触れ辛い奴というレッテルを貼られていて浮いている存在なんだよ。この時点で不眠症だった俺はすごく共感できる。そう、ブラック企業時代に不眠症(職業病)だった俺は友達と遊んでいる時も全く同じ気持ちだった。わかる、わかるぞ、友達といて楽しいけど、なんか頭の斜め後ろらへんがボンヤリ曇ってる感じなんだよな。でもよる眠ろうとすると全然眠れない。これ、インソムニアあるあるだから。

 

曲 伊咲

そんな丸太が眠れる場所を探して行き着いたのが、部員がいなくて立ち入り禁止になっていた学校の天文学部の部室。そこで出会うのが曲 伊咲(まがり いさき)。曲も丸太と同じようにインソムニアを患っていて、誰にも邪魔されずに眠れそうな天文台を丸太より先に見つけるというアグレッシヴ少女

お互いにファーストコンタクトで、人には言えない”寝れない”という悩みを打ち明け合うからこその急速な距離の縮み方がリアル。共感は異性との距離をグッと縮めるってメンタリストも言ってたしな。そんなこんなで、二人の秘密基地を手に入れ、安眠を求めて逢瀬を続けていくんだけど、教師に立ち入り禁止の天文台に入っているところがバレる。丸太は「自分が天文部を復活させて部員になれば、この場所を失わずにすみますか?」とボーイズビーアンビシャスして立志。ここから、この不眠症の2人が居場所を失わないために天文部として活動していくことになるというストーリー。

 

 

音を感じる描写力

理解できるかね、この表現力が。そもそも学校というのは音の多い場所だ。吹奏楽部の演奏音、運動部の掛け声、廊下を歩く生徒の話声。それが雨という要素によって静かに地面に溶けていることを本作は見事に描いている。それも、雨音を擬音として絵に置かずにだ。この数ページで描かれた音は丸太の静かな心臓音だけ、最後のコマの水玉模様で包み込まれる安心感と雨音とのリンクを果たしているってワケだよ。俺はこの辺りの数ページ、鳥肌が止まらなかったよ。すごく写真的というか。『イエスタデイをうたって』以来にビビッときたね。というかシチュエーションがエモすぎる件!

 

 

心ときめく恋愛模様

だがこの作品のエモさは止まらない。丸太と曲の恋愛にはキュン死に必至、キュン必死。二人で一緒にいるうちにお互いに惹かれていく姿がすごく自然でね。意識し合ってからの臨海公園の深夜の逢瀬はそりゃあもうとてもキュンキュンしましたよ。えぇ(裏山)。

というか、学校行事ってなんでこんなにときめくんだろうな。運動会とか文化祭とか、それだけでもうエモい。こう思えてしまうのも、俺がオジサンになってしまったということなんだろう……。可能なら戻りたい。何でもない日常が、こんな風に輝いていたあの日々に。

 

無垢な瞳は10代の特権

大人になると見た目清純そうな女性ほど濁るからな。こんなに無垢な瞳が出来るのはティーンエイジャーの特権ですよ。普段元気いっぱいの子が自然な上目遣いしてきた時はフリーザ第三形態くらい(55万)の戦闘力を有する。

という、非常に冗長な前置きは置いといて、曲はたまにこういった表情を丸太に向ける。この表情の理由は物語が進むにつれて明らかになっていくんだけどね。こればっかりは読んで欲しい。俺は不安で不安で堪らなかったよ。この表情をしている時の曲の『四月は君の嘘』の宮園かをり並みの消え入りそうな姿には「え? そういうこと? もしかして……そういう感じなん?」と勘繰らざるを得なかった。

 

 

滴り落ちる甘酸っぱさ

ふぁーーーーーーー。そういう感じでした。まさかの持病ホルダー。子供のころの病に起因して夜に眠るのが怖く、不眠症になったということが明らかになる。おいおいおい可哀想すぎかよ。でも分かるぞ。眠れない理由は精神的的問題が大部分を占めているって俺も医者で言われたことある。人間身体が疲れたら寝れるハズなんや。それでも寝れないってのは、脳が無意識に寝ることを拒否してるってことなんだ。寝ることよりも寝ないことが自分を護ることだって認識しているんだよ。良い子の皆、こうなったら睡眠薬に頼ろう。睡眠薬の免疫を身に着けて、何錠飲んでも眠れなくなってからがビッグブリッヂの死闘

甘ぁああああああああああああい‼ この! 若さ故の! 向こう見ずな一直線さ、失わずに一生を終えたい! さらっと恥ずかしいこと言えるのは恋する者の特権ですよね。こんなこと言われたら俺はイチコロですよ。「月が綺麗ですね」とか、難しい表現はいらないんだよ。いつだって恋愛はストレートが大事。※ちなみに、前述した夏目漱石の I love you の名翻訳「月が綺麗ですね」に対しては、「死んでもいい」ではなく「時が止まればいいのに」派な俺。根がポジティブ。

と、まぁこんな感じでとっても透き通った恋愛を繰り広げる『君は放課後インソムニア』。まだ単行本で言うと3冊くらいの内容なのでアニメ化する前に要チェック。何度も言うが、ここまで綺麗な構図でリアルな純愛を描いている作品は中々無い。特に30代にお勧めしたいポスト冬目景かと。

 

まとめ

今回は比較的まだ人に知られていない作品の紹介でした。名作の感想や解説をつらつらと書くのも良いけど、こういうネクストジェネレーションの紹介を増やしていきたいと思う次第。こういう未来の名作を世に知らしめるのが俺みたいなしがないブロガーの存在する意味かと。

世の中に面白い物語が創られ続ける限り、まだまだ生きていこうと思う。年寄りになってもずっとこうやって紹介できたらいいなぁ。と、どうなるかも分からない未来に希望を持てるからさ、全くもって、漫画って素敵だ。

『スラムダンク』を定期的に読み返したくなるのって何なんだろうな、泣くに決まってるのに

90年代ジャンプ黄金期の看板漫画『スラムダンク』。非常に今更だが、久方ぶりに読み直して涙が止まらなくなったので、この大名作について語りたい。

あらすじ

神奈川県立湘北高校に入学した赤い髪の不良少年である桜木花道は、中学時代に50人の女性から振られ続けたうえに、最後に振られた女性が「バスケ部の小田君」に好意を持っていたため、バスケットボールが大嫌いになっていた。 しかし、廊下で自身に声をかけてきた赤木晴子に自身の長身と筋肉、身体能力の高さを見出された花道は、彼女にバスケット部への入部を薦められる。花道は晴子に一目惚れし、バスケットボールは全くの初心者であるにもかかわらず、彼女目当てに入部。その後、地道な練習や試合を通じて徐々にバスケットの面白さに目覚め、その才能の芽を急速に開花させる。Wikipediaより引用

ちなみに、漫画漬けの日々を送る俺は
他にもオススメ漫画を紹介してます。

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それではお待ちかね。下記にて『スラムダンク』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

 

高校バスケの金字塔

この国民的漫画のあらすじを今更ながら載せるのは蛇足かと思ったが、万が一読んでいない人のために一応。1990年~1996年と実は短期的な連載だったのが意外に感じるかもしれないけど、作中では花道が入学した春~夏という、僅かひと夏の話ってのがまた熱い。なんなら試合自体も8試合しか描かれてない。「こんなに濃密な3か月間があるのか…」と作者である井上先生の丁寧な書き込みに投げ銭必至……糞、何故投げれない…。

さらにこの作品の特筆すべき点を挙げるとするならば、登場人物たちの葛藤が須らく読者の心に刺さる。桜木花道、流川楓、赤城剛憲(ゴリ)、宮城リョータ(リョーちん)、三井寿(ミッチー)の5人は言わずもがな。シックスマンの小暮先輩の存在も優秀なスパイスとして涙腺に効いてくる。ちなみに俺はミッチー派。ミッチーが好きすぎて小学校のミニバスでは3ポイントばっかり狙ってた(※ミニバスに3ポイントは無い)。

 

三井寿の葛藤

ダメだ三井好きすぎるからちょっと語る。元々、中学校でMVP獲得したエリートプレーヤーだったのに高校入学後に挫折。2年間不良として過ごした後に更生して、蘇る天才。この設定がまず熱いよね。しかも湘北メンバーの中でも安西先生に心から心酔してる仁義に熱いところも男性ファンが多い理由だと思う。そもそもの話、『スラムダンク』を読んだことがない人でもまず耳にしたことがある「諦めたらそこで試合終了だよ」は三井中学時代に来賓席にいた安西先生が三井に向かって放った名言(後に山王戦で花道にも言う)。あと、言わずと知れた「バスケが…したいです」も三井がバスケ部を強襲した時に安西先生の前で感極まって漏れた本音という大名言。そう、本作で生み出された歴史的名言は三井(と安西先生)の言葉なんだよ。もはや主人公。てか湘北高校のメンバーは全員主人公。腐っていた自分を後悔し、葛藤しながらプレーする姿が本当にカッコ良い。

 

蘇る天才

おう、俺は三井 大好きな男。まだまだ止まらんよ俺のミッチー愛は。上の画像はスラダンファンにとって伝説である山王工業との試合にて、俺の大好きな三井ハイライトシーン。見ての通りいちいちカッコ良い。「俺は誰なんだよ…!? 言ってみろ!!」ってもう魂魄からカッコ良い奴しか言っちゃダメなやつ! からの、とっておきの飛び道具:3ポイントの乱れ打ち。翔陽戦でのディフェンスに負けじとシュートを打ち続ける姿にも涙が止まらなかったけど、山王戦の覚醒は別格。この画像を見るだけで俺のスラダン愛は蘇る。何度でも。

 

 

vs 豊玉高校

さて、みんな大好きミッチーについて語れたところで、本筋に戻ろう。ここからは俺の好きな試合にフィーチャーしたい。スラダンを読んだことがある人は皆それぞれ「あの試合がベストだな…」って思う試合があると思う。もちろん全試合が名バトルなんだけど、俺にとっては豊玉高校との試合は特に響いた。自分で言うのもなんだが漫画玄人の人ほどこの試合が好きな傾向にあると思うので「いや、もっとあっただろ!」って苦情もあるかもしれない。黙れ。この記事では豊玉高校戦をエクストリームに紹介させてくれ。

まず、この試合は始まる前から熱い。行きの新幹線の中で既に一触即発の雰囲気。そして前日も上の画像の通り煽り合いの応酬である。ここで豊玉のキャプテンである南がスポーツマンシップを語ってるのも後の伏線になってるし、「おい、切符買っとけよ。明日帰るんだろ?」からの「ドチビが……!!」の顔が最高です。リョーチン格好良い。

 

豊玉のバスケ精神

大阪地区では1位・2位・3位の得点ランキングを独占するという驚異のマシンガンバスケを得意とする豊玉。頑なにゴールを求める熱源は、大恩師である北野元監督の教えが間違っていなかったことを証明するため。そのためにラン&ガンの点取りスタイルを貫くという仁義溢れる高校生の戦いなんだよな。めちゃくちゃ悪役面して登場したのに行動原理が人のためってベタかよ~(最高だよ~)

だから、というか、大事なものがあるからこそ、北野監督の後任として赴任した金平監督が豊玉のディフェンスを強化すると宣言した瞬間、一瞬で監督と選手の関係は断絶。監督の指示を2年間ほぼ無視するという中々なアナーキー具合。この関係も湘北との試合中に臨界点を突破しブチ切れ、試合中ベンチで選手をぶん殴って感情を爆発させる金平メンバー(監督)。どっちの気持ちも丁寧に描かれているので、ここまでは、どちらも可哀想な印象だったんだけどね…。俺が好きなのはこの後に金平監督が独り言のように吐露した本音→「俺はお前らが大嫌いだ。なのになぜ…負けちまえって気にならないんだ。それは…お前らが心底勝ちたがっていることは知っているからだ」。そんな泣きそうな顔でそんなこと言うなよ…もうダメ、俺が泣く

 

南 vs 流川

試合内容の盛り上がりポイントは何といっても豊玉のキャプテン・南と流川のマッチアップ。「お前がエースや」と一見ライバル風の格好良いセリフを吐いた後に肘鉄を流川の眼球に炸裂させる南。一時は医務室に引っ込む流川。でも戻ってくるんだよな、片目で。片目を閉じた状態でラフプレーを受けながら「身体が覚えてらッ!」と眼を閉じながらシュートする流川はこの試合で全国にその名を轟かせる。そんな姿に観客も思わず涙。俺は試合開始からずっと涙。肘鉄をブッパした本人である南も、流川の真っ直ぐに勝ちに向かってくる姿に感じるところがある様子。この時の流川のセリフ「日本一の選手ってどんな選手だと思う…きっとチームを日本一に導く選手だと思うんだよな。俺はそれになる」には非常に熱い想いが内包されているのも良いよね。そう、全国大会に行く直前、安西先生から流川に放たれた「君は日本一の高校生になりなさい」を体現しようとしてるんだよ。この”チームのため”というワンフォーオール精神が後の山王工業戦への布石になってるってのもGOOD。大体、あの名将・安西先生がここまで日本一になれって断言するのは相当な信頼と実力を認められてるからだよな。こんなこと言われたら頑張るわ。職場に一体、白髪鬼いかがですか。取り敢えず明日から来て下さい

と、ここで終わらせると南が単純な反則糞野郎という評価を受けてしまうと思うので弁明したい。南(豊玉メンバー)の絶対に勝たなきゃという、気持ちが強すぎる故のラフプレーは褒められたものでは決して無い。THE・ただの悪役だ。でも本作ではその先が描かれる。片目で奮闘する流川の姿に溢れる勝利への単純な意思。そして重なる北野元監督の言葉。ラン&ガンを一貫して教え子に伝授する監督を思い出すとき、必ず「バスケットは好きか…?」と添えていた恩師。大事なのは勝利ではなく、純粋に楽しむということ。楽しむために点を一杯取ろうぜっていうことだったんだよな。湘北との戦いでこれを思い出すメンバー一同。そして南は試合終盤、ディフェンスする流川の顔面に向かって膝打ちせんばかりの勢いで突っ込むんだけど、この時しっかりと右膝を内側に畳んでるんだよ。ゲームそのものを楽しもうとしてるんだよ。この姿を見た時、それは俺の涙腺にとってのインデペンデンス・デイとなった

目違いなく名試合。

 

 

vs 山王工業

本作において、この戦いを語らずして終われない。日本漫画史上トップレベルに熱い40分。例に漏れず俺も大好きな試合だ。いや、もはや大好きという言葉が相応しくないような気もしてくる。例えば絵画を観て「あぁ…この作品大好きだなぁ…」なんて思うか? いや、もちろん思う人もいると思う。だからこれは俺だけかもしれないんだけど、あまりにも綺麗な芸術を観た時って溜息しか出ないというか、「あ~すげぇなぁ~」って、頭が空っぽになって涙が出てくるやつ。これ、それ

まぁ、この試合に関しては余りにも多くの人が色々な言葉で語っているので、ぶっちゃけ語ることが本当に無いんだけど。敢えて俺が語りたいのはこんなに泣けるスポーツ漫画は無いよって話。漫画好きは義務教育宜しく成人前に涙を枯らしてるけど、普通のスポーツ好きも泣くもんね。すごいよね。そしてこの試合に井上先生は『スラムダンク』の全てを詰め込んだ。NHKで井上先生が取材を受けた時に語ったらしいんだけど「これより良い試合は描けない」とのこと。だからこその最終戦。総力戦。青春の全てが詰まったラストバトルだからこそ人は感動するワケですよ。Cool JAPANここに極まれり

あ、ダメだ。今ね、山王戦を編集スキル駆使して要約して要所要所の感想を書こうと思ったんだけど。本当に無駄が一切なくて要約できないや…(2週間ほど考えた結果、無理)。それほどに完成されてるよ。むしろ言葉が無粋

どうしようか。書くことは無いんだけど、こんな記事を読んでくれた人にせっかくなのでサービスしたい欲求が俺の中に沸々と沸いてきた。≪ここで悩むこと1時間≫ → よし、削除されることを覚悟でラストシーンを載せよう。このラストシーンだったらスラダンファンは全員100回は読んでるし、もし奇跡的に日本に住みながらスラダンを未読という稀有な人が居ても井上先生の芸術の神髄を味わえる。※マジで未読で「これから読むからネタバレやめろ」ってスラダン処女だけここでサヨナラしてAmazonで全巻買おうな。下にリンク貼っとくから。というわけで、Amazonへのリンクの下はあの伝説の無音バスケ。これ見れば、きっとまた読みたくなるよ。スラムダンク(つーか俺ができることはこれくらいしか無い)。

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ラスト8秒の逆転劇

 

 

まとめ

山王戦ラスト、後半20分にすべてを詰め込んだ上で最後に渾身の一撃を叩き込んできた。そう、タイトル回収です。まさにスラムダンク。

今までどれだけ多くの人がこの漫画に励まされてきたのか判らないけど。きっとこの漫画に救われたって人もたくさんいると思う。何より、これだけ完成された作品が30年も前に既に在ったってのが衝撃だよね。ちなみに『リアル』も超面白いからいつか時間あるときに記事を書こうと思います。

いつまでも輝く湘北高校バスケ部に敬礼。

あ(りがとうございま)したっ!!