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悪魔×悪霊×化物が襲ってきた『死霊館 エンフィールド事件』が実話な件

『死霊館』シリーズが好き過ぎる。”史上最長に続いたポルターガイスト現象”と社会的に記録されている「エンフィールド事件」において、ウォーレン夫妻が立ち向かった悪魔・悪霊・化物。コレが実話をもとに作られていると言うのがまた、好き過ぎる。

あらすじ

ロンドン北部に位置するエンフィールドで、4人の子供とシングルマザーの家族は、正体不明の音やひとりでに動く家具が襲ってくるなど説明のつかない数々の現象に悩まされていた。

助けを求められた心霊研究家のウォーレン夫妻(パトリック・ウィルソン、ヴェラ・ファーミガ)は、一家を苦しめる恐怖の元凶を探るため彼らの家に向かう。

幾多の事件を解決に導いた夫妻ですら、その家の邪悪な闇に危機感を抱き……。シネマトゥデイ

『死霊館』シリーズ時系列

①『死霊館のシスター』(2018)
②『アナベル 死霊人形の誕生』(2017)
③『アナベル 死霊館の人形』(2015)
④『アナベル 死霊博物館』(2019)
⑤『死霊館』(2013)
⑥『ラ・ヨローナ 泣く女』(2019)
⑦『死霊館 エンフィールド事件』(2016)

上記の通り、実は映画が発表されたのはシリーズ3番目なんだけど、実際に怪現象が起こった時代は一番最近なんだよ。舞台である1977年~1979年、イギリスのエンフィールドで起こった一連の事件は怪奇現象の記録が山のように残ってる。メディアもこぞって問題を取り上げて(一時は子供のイタズラとして総スカン食らったが)、結果的に、ヤバすぎる霊障の数々に科学的な説明が出来な過ぎて社会的に認められたという実話。これが100年前とか1000年前とか現実味の無い遥か昔じゃなくて、極々最近の事ってところに夢がある。

死霊館 エンフィールド事件(吹替版)

 

悪魔×悪霊×化物

悪魔「ヴァラク」

『死霊館のシスター』(原題:THE NUM)でスピンオフ化もされた驚異のシスター(悪魔)、霊圧がグリムジョー位ある。この作品に至っては『サイレント・ヒル』なみに恐怖が襲ってきて「としまえん」のお化け屋敷くらい小便チビりそうになるから是非とも恋人と観て欲しい。

死霊館のシスター(吹替版)

 

悪霊「ビル・ウィルキンス」

被害にあったハーパー家の次女に憑依して、数々の記録媒体に残った伝説的悪霊。実際の記録ではビルだけじゃなくて老女や幼い女の子の霊も目撃されてるけど、一番メディア受けに成功したのがビルおじいちゃん。作中ではヴァラクの傀儡で、実はそんなに悪い奴じゃなかったんじゃないかと仄めかされている。実は一番被害者っぽい。

 

化物「へそ曲がり男」

マザーグースの一節に登場する”背中曲がり男”こと「crooked man」がモデルの化物。作中に登場する3体の中では一番実害が無い(犬に化けて家宅侵入・刺し殺そうとしてくる位)。また、スピンオフ化が決定しており、ファンが多いのも頷ける謎の妖艶さを持っている。俺もぬいぐるみとか欲しい。彼に関しては偶々居合わせたお祭りに参加した感が強いが、ヴァラクに操られてなかったとしたら、それはそれで不思議で怖い存在。

 

次女の特異さが際立つ

なんと同時に3体も襲ってきた「エンフィールド事件」。実際に憑依されたり、触媒になったのはほぼ次女ちゃんだけなんだけど。噂では高位の霊力持ちだったとか…。『ブリーチ』で言うところの織姫。だからこそこんなにたくさん襲ってきたってワケなんだよ。今ごろ三天結盾とか使えるようになってるんだろうな


家族愛こそが闇に対抗する武器

例によって本作でも、悪霊に対抗するには”愛情”が至高の武器という演出がされている。これだから「死霊館」シリーズは止められない。涙と涎が止まらない。勇気がなく、いつも母親に怒られてばかりの末っ子が「コレ食べて元気出して」と心霊現象に意気消沈している母親を気遣う場面。これには辛い中でも、忘れてはいけない大事なものが描かれていた。ジェームズ・ワン監督のホラーに外れ無し

 

まとめ

実話を基にした話っていうのは、得てして地味なモノになりがちなんだけど。『死霊館 エンフィールド事件』はエンターテイメント作品として抜群に良く出来ている。

しかも、ホラーファンにとってこの作品が事実を基にして作られていることは、大きな意味を持ってくる。実際の所どのように除霊が行われたかは定かではないが、「事実は小説より奇なり」という言葉の通りこんなに綺麗にまとまっていなかったのは確かだろう。ただ、2年以上にも及ぶ怪奇現象・メディアバッシングに対して、親子の愛無くしては乗り越えられなかったのは想像に難くない。そこまで想像させることが出来るのはジェームズ・ワン以外には有り得ないと俺は思う。

これからも、愛情の尊さを魅せ続けて欲しい。

人形恐怖症の俺が『アナベル』に心を射止められて渡米する話

俺的最怖ホラー映画である『死霊館』シリーズ。ホラー大好きな俺でもマジで怖いと泣きながら画面に許しを請う、そんな本シリーズの現状最新作である『アナベル 死霊博物館』を視聴した。

アナベルは物理的媒体であって、コレ自体が悪霊なワケではない。そんな幻想はアナベルの可愛らしい頭突きで飴細工のようにブレイクされ、画面に向かって許しを請う29歳の独身男がここにいた。

 

あらすじ
留守番の夜、少女たちに襲いかかる悪霊の数々。
導くのは”あの人形”

超常現象研究家ウォーレン夫妻の家に、強烈な呪いを持つ一体の人形が運び込まれた。その人形の名は、アナベル。アナベルは地下の”博物館”で、他の呪われし品々とともに厳重に封印された。夫妻が仕事で家を空ける、ある日。娘のジョディは年上の少女のメアリー、ダニエラの3人で一夜を過ごすことに。しかし、ダニエ

ラが”警告 決して触るな”と書かれた博物館に勝手に入り込み、アナベルの封印を解いてしまう。

それは、少女たちの想像を絶する悪夢のはじまりとなった……。

※アナベル人形とは…
実在する呪いの人形。コネチカット州にあるウォーレン夫妻の博物館に厳重に保管されている。強い呪いを持ち、極めて危険な存在の為、現在も毎週神父が祈祷を施している。

 

新作が出るたびに深まる呪い

そもそもアナベル人形は『死霊館』に出てきた霊的媒体の一つに過ぎなくて、こんなにフィーチャーされるとは思ってなかった。ちなみに、シリーズを時系列順に並べると下記の通り。※()内の数字は公開年。

  1. 『死霊館のシスター』(2018)
  2. 『アナベル 死霊人形の誕生』(2017)
  3. 『アナベル 死霊館の人形』(2014)
  4. 『アナベル 死霊博物館』(2019)
  5. 『死霊館』(2013)
  6. 『ラ・ヨローナ ~泣く女~』(2019)
  7. 『死霊館 エンフィールド事件』(2016)

無論俺は全部観てる。『死霊館のシスター』『ラ・ヨローナ ~泣く女~』は完全なスピンオフ作品で、物語的な繋がりはありつつも独立した世界観。この2作品に関しては演出が結構違う。外堀から埋めて恐怖の袋小路に追いつめられる他作品に比べるともっと直接的な恐怖だ。路地裏歩いてたら鈍器でこめかみ殴られる感じ。これはこれで、フリスクを一箱丸々一気飲みした時みたいに気持ちの良い快感があるので、ホラー映画が好きでまだ未視聴の人はマスト失神。

アナベルが登場してからどんどん深堀りされて過去の恐怖話が膨れていってることになるんだけどね。ドンドンとその呪いが強まってる印象。むしろ『死霊館』で初出した時はメチャクチャ丸くなってたんですね姉御! なんてことすら思ってしまう(実質的な害は無かったじゃんかぁ…)。

 

アナベルを基点に暴れる歴戦の悪意

本作ではアナベル人形が悪霊の力を増大させる触媒とともに、自立した殺戮人形のように描かれる(許可なく布団の中に入ってきて良いのは俊雄くんだけだろうが…!! 但し、ニャーと囁いてくれるなら許す)。先天性の人形恐怖症である俺にとっては、手に汗握る拷問の視聴となったのは言うまでもない。とは言え、『死霊館』のあの”逃げ場無し・慈悲無し・救い無し”の圧倒的恐怖に比べれば全然顔を背けずに観れたかなって言うのが本音(単純に俺の脳の恐怖を感じる部分が壊れて来たというのはあるかもしれないが)。「このまま行けば、普通に最後まで余裕」そう思っていた俺が、ラスト30分で悪霊たちに弄ばれ、心を陵辱されたのは語るに及ばず。

 

 

ジェームズ・ワンのホラーに外れ無し

今回は監督じゃなくてプロデュースを担当してるんだけどね。『SAW』シリーズをはじめ『インシディアス』シリーズでも毎回卓越した驚かせ方をしてくれるジェームズ・ワン。彼が絡んでる作品は、観てる人の驚かせ方が本当に秀逸。「絶対ここで驚かせてくるじゃん!」って所で想像の壁を粉砕して絶対に驚かせてくれる。そこに凡百のホラーに感じるような「そう来るかぁ~」なんて悠長な感想を抱く暇はなく、「そッ…そう来ッ…ふふ、来るッか…はッァ」ってなる。最悪過呼吸から喘息になる

 

映像の作り方が上手いっていうのは当然として、音の使い方が上手いように感じるのは俺だけなんだろうか。前菜のように不安をそそるBGMで恐怖心を刺激しつつ、最怖ポイントでとびっきりのメインディッシュを心臓に直接叩きこんでくる。あとは、何よりもストーリー(脚本)がメチャクチャ良いんだよね~。俺が何で『死霊館』が一番好きかって、ホラーとして最上級の構成になってるんだけど、それ以上に「家族愛、大事!」という感動が表現されてるんだよ。なんか上手く言えないけど。そこに名作スペシャリテ足りうる味わい深さがある。観終わった後に「あぁ、観て良かったな…」と恍惚に浸れる自慰ホラー、最高だと思わないか。

 

新作にも期待しかない

今回で一旦、アナベル人形から派生した作品は小休止。でも『死霊館』の直接の系譜としてウォーレン夫妻の新作『The Conjuring: The Devil Made Me Do It』が2020年(コロナショックで2021年かな)に制作されてるし、ヴァラク(ウォーレン夫妻を殺すためならイギリスまで出張することも厭わないシスターのコスプレした悪魔)が規格外のビビらせ方をしてくる『死霊館のシスター』の系譜で2の制作が発表されてる。あと個人的には一番楽しみなんだけど、『死霊館 エンフィールド事件』に出てきた”へそ曲がり男”のスピンオフ作品『The Crooked Man』も制作中らしくて、もう本当に楽しみで仕方がないんだよ。観た過ぎるからアメリカで放送されたら渡米しようかなってぐらい。

ホラー好きは観て絶対に損しないこのシリーズ。純粋に人に勧められるのホラーってあんまり無いじゃん、ここにありますよ。

死ぬほど気乗りしないけど恋人と一緒に観るのも良いと思う。途中の怖いシーンで彼女は彼氏にくっ付けるし、視聴後の家族愛には感動待ったなし。そうそう、恋人と観るなら観るなら絶対に『死霊館のシスター』が良いですよ。

死霊館のシスター(吹替版) ※恋人と観る猛者用

目ん玉かっぽじって恐怖に慄け。