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家で『カウボーイビバップ』タレ流してるだけでお洒落だと思える不思議

90年代のSFアニメと言えば『攻殻機動隊』。異論は無い。だが『カウボーイビバップ』のことも忘れてはならない。多くのファンを虜にする良さ、これこそ色褪せない不朽の名作。

あらすじ

時は2071年。宇宙開拓時代を迎えた人類は太陽系内に生活圏を広げており、悪化する治安への対策として、指名手配犯を捕まえる賞金稼ぎ、いわゆる「カウボーイ」たちが活躍している。カウボーイ稼業を営むスパイク・スピーゲルと相棒のジェット・ブラックは、古い漁船を改造したオンボロ宇宙船「ビバップ号」に乗り込んで宇宙を駆け巡っている。大物の賞金首を捕まえることもある一方、その荒っぽいやり方に巻き込んだ一般市民からの損害賠償請求も多い彼らに金銭的余裕はない。 そんなビパップ号に奔放な美女フェイ・ヴァレンタイン、天才ハッカーのエド、犬のアインが転がり込む。おのおの何かしらの事情を抱えながらも、一同はビパップ号で緩やかな絆を育み、行く先々で様々な騒動に巻き込まれる。Wikipediaより引用

80年代~90年代頭に生まれたアニメ好きにとっては言わずと知れた大名作。かく言う俺も『攻殻機動隊』にハマった時に「お、コレも面白そうじゃん!」と流れで視聴。その世界観に魅了された

特筆すべきは一話完結型の各話構成。本筋の回も間に挟みつつのビバップ号4人(+1匹)のドタバタ劇は家でずっと流していたい心地良さすら感じさせる。というか、コロナ禍での我が家のBGMはこの『カウボーイビバップ』だった。ヤダ…お洒落。

”ビバップ”って名を冠している通り(アレンジから生まれたジャズスタイル)作中ではその話のタイトルに用いられた曲がストーリーを盛り上げる。ちなみに音楽はほぼ全てが 菅野よう子 作曲。国内外の音楽家が参加した「THE SEATBELTS」というクリエイティブ集団が演奏した。このごちゃまぜ感が最高なんだな。

 

 

名作と呼ばれる所以

厨二心をくすぐるハードボイルドなセリフ回しは『ブラック・ラグーン』を想起させつつも、コメディタッチなドタバタ回もあり観ていて飽きない。というか指数関数的に「あ…好き…」という感情が溢れてくる

渡辺信一郎監督も「毎回20分の映画を作っているような感覚でした」と語る通り、登場人物たちの会話によって引き出せれる世界観の深さは他に類を見ない。このアニメを視聴した後、空を見上げれば遠い星で賞金首との銃撃戦、路地裏を覗けばマフィア間の小競り合いが今まさに行われているのではないかとすら思えてくる。麻薬的な没入感

 

 

秀逸なセリフ回し

ハードボイルド作品に総じて言えるが、登場人物たちのやりとりが堪らなく秀逸。てか単純にセリフ自体も良い。Session1でスパイクが「カメレオンじゃねぇんだ、そうあちこち見えねぇのさ!」って言った時に俺は思ったね、こんな世界に生まれたかったと。かと思いきや、ファンの多いSession17の麻薬キノコ回では「俺の兄貴はなぁ、お前から買ったキノコを食って、笑って笑って腸捻転で死んだ!」というウィットに富んだ発言も(NHKだったら間違いなくピー音入る)。これがビバップ。

下記では、上記以外に俺が観直しながら良いな~と思ったセリフメモを羅列しとくからさ、愚かにも未視聴の人はこの素晴らしい世界観を感じてくれ。視聴済みの人は酒でも飲みながらほくそ笑んでくれ。

Session1Session3Session5Session10Session12
「肉の入ってねぇチンジャオロースはチンジャオロースと言わねぇんじゃねーのか?」
「……金がないときには言うんだよ」
「チャーリー・パーカーがゲーテの名言を吐くかい?」
「天国を追い出された天使は悪魔になるしかないんだ」
「昔の女が今でも自分のこと考えているなんて大間違いよ」
「女がみんな自分と同じと思ったら大間違いだぜ」
「人の中で独りぼっちだって感じるより、一人っきりで孤独を感じる方がマシ」
「離れるのが怖くなったんだね、その人たちと。だから離れちゃったんだ。」

Session14Session16Session18Session25Session26
「さぁ、君も一緒に人生を棒に振ってみないか?」
「女はすぐに裏切るが男は義理に生きるもんだ」
「義理ねぇ」
「俺はそう信じたいね」

「来たくはなかったんだが、会いたがる奴がいてな……失くした左腕だよ!」

「あたしはもう、ここにはいない。でも、この日のあたしは、ずっとここからあなたを応援している。たった一人の、あたしへ。」
「女がいた。俺は初めて生きてる女を見た。そう思った。あいつは俺が無くした俺の片割れさ。俺が欲しかった、俺のかけらなんだ」
「空腹は最高の調味料さ…」

「普通の女よ。綺麗で危なくてほっとけない…普通の女」

「スパイク、一つだけ聞かせてくれ。女のためか?」
「・・・死んだ女のためにできることなんてないさ」


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劇場版:天国の扉

1999年に終わったアニメシリーズから2年後、2001年9月に発表された劇場作品『カウボーイビバップ 天国の扉』。

「あんなラストを見せといて、続編があるのか⁉」と思ったのがもはや懐かしい。『BIG SHOT』が放映中だから、時系列的にはアニメシリーズの22話と23話の間ということになる。つまり、基本的には一話完結のストーリー構成のビバップにおいては未視聴でも映画版から見始めることも可能。「昔のアニメって絵がダメなんだよね」とか言って、自らの見識に限界を設けている糞ったれは是非ともこの劇場版からの視聴をオススメする

内容は、時系列的に仲睦まじく罵り合う最高なビバップのメンバーが描かれる。この時点でアニメシリーズを視聴済みだと「これこれこれぇ! こいつらをまた見たかったんだよぉ!」とテンションが上がるが、作品全体を通して基本的にはシリアス回のテンション。ハロウィン前の火星で起こる爆破テロの容疑者に3億の懸賞金がかけられて例に漏れずビバップ号の面々も犯人を追う。史上最高金額の懸賞首との戦いということで、若干スパイクの動きが良い気がするあとフェイの唇が奪われる

重厚なサウンドは相変わらず良いし、作品中盤でスパイクが負ける絶望シーンの演出も非常にGOOD。「そんなにあっさり負けちゃうんですかスパイクさん!」と視聴者の心を底辺に堕としてから、クライマックスの「この世界がどうなろうと知ったこっちゃねぇ。ただ、お前に借りを返しに来ただけさ。」な。もう話の構成が海外の映画なんだよ。流石、天下のサンライズ


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まとめ

不朽の名作と呼ばれる作品は数あれど、ここまで色褪せない作品も無い。例えば、偉大なる宮崎駿監督が作ったジブリ作品はいつまでも愛されるじゃん。これもそれだ。90年代後半のアニメ絵の独特なタッチが絶妙にマッチしているというか、今っぽい絵で表現すると、本作の良さは無くなっちゃうんだよな。だからこそ、アニメが好きな人には須らくこの作品を視聴して欲しい。取り敢えず、家でタレ流すところから始めよう。

先進的な技法で頭一つ飛びぬけた『パラノーマル・アクティビティ』がファンタスティック

今日もホラーを面白く観よう。モキュメンタリーが苦手な俺だけど、『パラノーマル・アクティビティ』は比較的不快になることなく観れる。そんな俺がシリーズ最終章『パラノーマル・アクティビティ/ゴーストディメンション』まで全7作品を観終わったので簡潔に紹介させてくれ。

あらすじ

かつてケイティとクリスティが住んでいた家に、ライアンとエミリー夫妻と娘のリーラが引っ越してくる。 ある日、夫妻は物置で箱の中からビデオカメラとビデオテープを見つける。彼らは興味本位でカメラのレンズを覗く。 それ以来、彼らの周囲で恐ろしい出来事が起こるようになり、リーラの様子も徐々におかしくなっていく。そして、怪異はますますエスカレートしていく。 そして彼らは徐々に最期へと進み、カメラには衝撃的なラストを捉えていた…Wikipediaより引用

 

変遷と終局

「いきなり最終作の話かよ」と思うかもしれないが、このシリーズを紹介するには遡った方が分かりやすい。この記事を読めば大まかな流れは分かるけど、作品を観た時にはしっかり楽しめるように書くから安心してくれ。

さて、シリーズ最後の作品ということで「悪霊の正体が、ついに明かされる――」がキャッチコピー。モキュメンタリー手法の先進として2007年に公開された同シリーズ。基本的にはアメリカが舞台で、家の中完結系ホラー映画。低予算で始まったシリーズだけど、一作目が大ヒットしたおかげで後の作品は潤沢予算になるってのはアメリカンシネマの夢があるところ。あくまでモキュメンタリーという姿勢を崩さないで作り続けた点が◎

この『パラノーマル・アクティビティ/ゴーストディメンション』はシリーズ的に7作目に相当してるんだけどね(よくぞここまで続けたな……)。『1』に始まった悪夢の続編が『2』、その後『TOKYO NIGHT』で日本版続編、舞台はアメリカに戻って『3』・『4』、ここら辺で真の敵が悪霊っていうよりも魔女だったと判明する(っていうか徒党を組んでカチこんで来る。その後、『呪いの印』でアメリカでのスピンオフ。で、満を持して7作目の本作だ。ここまで来ると悪霊もダッシュで殴ってくる

っていうかさ、本シリーズを観るたびに毎回思うことがあるんだけどね。俺が今の家に引っ越してきた時、近くに閉店セールをやってるABCマートがあったんだけど、最近言ったらまだ閉店セールやってたんだよ。まさにこれ。毎回「お、なるほどね。良い感じの引きで終わったわ!」って思ったら一年後に続編が出るんだよ。「終わらんかい」って憤慨し最終作をずっと観なかったのは内緒。ただ、そんなこと思いつつも全部観てきた俺からするとちゃんと面白かったね。なんか暇な時にもずっと流しておけるっていうか、日常系ユーチューバー観てる時と同じ感じ

 

 

進化する怪奇現象

ダッシュで殴ってくると上で書いたけど、最初からこんなにアグレッシブな霊障だったわけではない。1作目は超有名だから観たことある人も多いと思うが、あくまでも視聴者の共感を誘うようなリアルな驚かせ方をしていた(そう…最初は…)。それこそラップ音とか、朝起きるとモノが移動しているとか、日常でも全然起こり得る現象な点が高評価の由来だろう。だがアメリカ様は止まらないぜ、5作目以降では普通に時空を操ってくるからな気をつけろ

元々アメリカ版の『呪怨』『リング』に影響を受けたオーレン・ペリ監督が手掛けたということもあり、なんとなく伽椰子の呪いを連想させるところは日本でも俺みたいなホラー狂の一部にウケた理由だと思う。これは余談だけど、日本のホラーも続きすぎると常軌を逸した演出になる傾向があるからな。そう……貞子のように……

ただ、この映画的な怖がらせ方があるからこそ、B級映画的な良さを備えている気がするんだ、俺は。ちょっと素人チック(ウィジャ盤が急に発火するとか)の安っぽい演出があるからこそ、沖縄の大学生が部活で撮ったような”良い映画”になってるんだよ。「俺たちはこのやり方で大手の映画スタジオよりも怖い映画作ってやるぞ」っていう気概を感じる。スピルバーグ監督も絶賛したっていうのは有名な話だけど、きっとこういう情熱に心が動いたんじゃないかと。観てない人は一度視聴してみることをオススメする。

 

 

まとめ

長きにわたるシリーズも終わってみれば全部で7作。ハリーポッターと同じくらいの長さとなった。そう考えれば全然楽しんで観れる。願わくば、ファンタスティック・ゴーストが発生しないことを祈ろう。

『ファースト・コンタクト』における固定観念の危険性は非常にタメになる

SFは良い。なぜなら、人類にとっての進化の可能性を投げかけてくれるからだ。『エイリアン』の様に、単純な娯楽として楽しめるモノも多いが、多くのSF映画は俺たちに様々なことを問うてくる。

あらすじ

衛星軌道上に突如として現れた謎の現象「ヴォイド」。国際的宇宙関連組織「スペースエージェンシー」による調査が開始され、ヴォイドから生命の存在を示唆する電波が発せられていることが判明する。無人機での調査によると、内側は光に包まれたトンネルになっており、その先に何かがあることまでは確認された。さらなる調査には人間を送り込む必要があるが、とても生身の人間に耐えられるミッションではない。事態が深刻化する中、組織は人工の合成ボディに優秀な人間の脳を移植する「ヒューマン2.0」を開発し、地球外生命体とのファーストコンタクトに臨むが……。映画.comより引用

 

 

未知の存在”ヴォイド”

物語冒頭から衛星軌道上に姿を現す未確認自称”ヴォイド”。「スケールでっか」と恐れおののく俺の心配なんて些細なことのように慌てふためく作中の人類。いや、俺が心配したのはこの規模の”何か”(月ぐらい?)からエイリアン来襲したら結構無理ゲーだと思ったからなんだが、俺のこの考え方すらも固定観念だったと本作を観た後に思い知らされる

無人機を飛ばしてこの現象を調査しようとするが、無人機は消失。ただ、内部はトンネル構造をしており、これがワームホールであると仮説が立てられる。なるほどね。ってことはこのワームホールから『インデ・ペンデンス・デイ』よろしく大量の宇宙船が襲来するってことね! という俺の予測も無論、愚かな固定観念だったと本作を観た後に思い知らされる

 

 

ヒューマン2.0

ワームホール内部が無人探査機では調査しきれないということで、有人での調査をしたいところだが、人間の身体では内部で耐えられないということに気付く宇宙関係者上位陣。「よし、なら機械の身体に人間の脳を移植しよう」という結論に至る。

イッキに倫理観無視し始めたけど大丈夫? この疑念は倫理的に正しい。でも俺が本作が秀逸だな…と思ったのは作中におけるこの葛藤をしっかりと描いていた点だ。全体としてドキュメンタリー調で展開していく構成ってのも良い味を出しており、このヒューマン2.0に誰を選出するかというところをじっくりと魅せてくれた(意外とここにこだわる作品は少ない…)。

結果として、2人の人類がメタルボディにモダナイズされるわけだけど。満を持して調査に臨んだにも関わらず、1人は早々に消失・もう一人は地球に帰還(機関経路不明)という一見すると惨敗に終わる。だが、半アンドロイド化された2人にはリアルタイム視覚同期機能が備わっており、記憶アーカイブを覗くことでワームホール内部での様子を地球の科学者たちも閲覧することができた。これを覗くとあら驚き、中に数年分の記憶を保存されてる。時間の流れが違うって、宇宙あるあるだよね。

 

 

迫りくる脅威

上の記憶アーカイブの中身っていうのは本作における結構大事な部分なので、気になる人は観てくれ。ということで、無事帰還した1人のヒューマン2.0。だが、地球には立て続けに新たな脅威が襲ってくる。

過去に例が無いくらいの隕石群が地球を襲うというエマージェンシー。しかも、同時に”ヴォイド”から現れた謎の雲も攻撃形態にトランスフォーム。「あ~ぁ…もう終わりや…」と嘆く人類。未曽有の危機の中で人類が観た光景と、その結末とは。

気になる人は、観よう(ふむ、我ながら良い締め方である)。

まとめ

『遊星からの物体X』や『エイリアン』、SF金字塔といえばこのあたりだが、他にも多くの作品においてUFOや未確認の自称は人類に害をなすものと思われがち。でも、そうだろうか? 高度に発達した存在Xは何も考えずに人類をブッ殺だろうか? 知的生命体同士がファースト・コンタクトする瞬間、そこには互いの利権以外にも相手に対しての魅力を求めるものではないだろうか。

本作は、どちらかと言えばヴェネチア国際映画祭でプレミア上映された『メッセージ』に近い。人類よりも高度に発達した未確認生物が人類と出会った時、人はどうしても”危機”であると捉える。だがこの考え方は旧態依然とした人類の進化を促進する可能性を潰す可能性もあり、また、救いの手を差し伸べてくれているのかもしれない相手を失望させる危険すらある。

「何事においても、自分の中で決めてかかるのは良くない」という良き好例。

アニメ好き必見の2020年アニメ映画【おすすめ5選/万人向け】

新型コロナ蔓延により3密がタブー視された日本社会。リア充が死滅する分には構わないのだが、映画館の休業ならびに数多のアニメ映画の無期限延期。辛い、これは映画好きにとっては苦況だ。いや…待て、逆に考えよう。むしろ、楽しみが未来で待っているのだと。延期明けには怒涛の名作ラッシュが待っているのだと。明るい未来へ、一緒に走ろう。

《選出の基準》

この記事ではいつも通り、俺が独善的に選んだ作品を紹介する。ただ今回はかなり条件を絞った。まず第一に「2020年公開予定」であること。そして「間違いなく面白い」こと。この2点に絞って選んだ。誰よりもアニメが好きな俺だからこそのセレクトになったが、普段アニメを観ない人でも普通に面白く感じれる作品なので【おすすめ5選/万人向け】とした。興味が少しでも沸いてくれたら嬉しい限り。

 

 

シン・エヴァンゲリオン

劇場版:||

2020年のアニメ映画と言えば、まず真っ先に浮かんでくるのが本作だろう。新劇場版の『序』製作が『月刊ニュータイプ』で発表されたのが2006年だから14年越し…いや、むしろTVアニメ版が一番最初に放送されたのが1995年だから、なんと25年にも及ぶプロジェクト

当時からTVアニメ版を姉と一緒に観ていた俺にとっても想い入れのある作品である。だがしかし、『序』『破』『Q』と公開されてからというもの、音沙汰がなくなり、最終作の発表を待つこと8年。「きっと、エヴァの新劇場版が完結する前に俺は死ぬんだろう」と思っている時期もあったくらい。待ったよ…だが時は来た。断言しよう、今年は本作が日本を圧巻すると。

 

0706作戦

ちなみに、冒頭10分40秒は2019年7月6日にイベントで先行公開されてて、『破』を思い出させる真希波さんの八面六臂の活躍が話題を呼んだ。この映像を見るだけでも期待感は十全。きっと今回も予想を超えたエンタメを魅せてくれるだろうと俺は確信している。俺的”アニメ好き必見の2020年アニメ映画”、堂々の選出です。

 

 

え? 一発目から続きモノを紹介するなって? ふむ、確かに一理ある。万人向けを謳う以上、最低限のフォローはしよう(まぁ未視聴の人はそもそもこの記事読まないとは思うが)。つい先日「エヴァ」について記事を書いているので、もし未視聴の人がいたら上の記事も読んで見てくれ。視聴済みの人も楽しめる内容にしている(と、思う)ので、最終作公開前にぜひとも読んで復習して欲しい。この記事だけ読んどけばヲタク共と会話する時も舐められないくらいの知識はつくハズ

鹿の王

あらすじ

この物語は2人の男を中心としてストーリーが展開されていく。

一人は、飛鹿(ピユイカ)と呼ばれる鹿を操り、故郷を守るために戦った独角(どっかく)という集団の頭だった、ヴァン。しかし戦いに敗れ、地下のアカファ岩塩鉱で働かされていたのだが、ある晩、謎の獣が岩塩鉱を襲撃、獣は人々を次々と噛んでいった。その後、岩塩鉱で謎の病が流行しヴァンだけが生き残った。ヴァンは地上で侵入した家の竃の中からもう一人の生き残った幼児(女の子)を見つけ、ユナと名づけて一緒に生きることになる。

そして、もう一人の主人公は東乎瑠(ツオル)帝国の医術師ホッサル。ホッサルは病の原因究明のため岩塩鉱に行く。そこで脱走防止の足枷がひとつ外れているのが見つかりヴァンの脱走が発覚。同時に噛まれても病にかからない人もいる事がわかった。この一件でホッサルの従者であるマコウカンは生き延びたヴァンを捜索することになる。Wikipediaより引用

 

名作が銀幕で問いかける

ハイファンタジー作家で知られる上橋菜穂子さんの本屋大賞受賞作『鹿の王』が今年アニメ映画として公開される。ちょっと前まで本屋で鬼の平積みされてて「すげぇ…」って思った。同作者で言えば『精霊の守り人』『獣の奏者』も有名だよね。まさに破竹の勢いって感じ(実に羨ましい)。制作は『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』『PSYCHO-PASS』のProduction I.G。万全の体制でしょう

 

医療×ファンタジー

「病には情はない。善悪も関係ない。だからこそ恐ろしいのだ」。圧倒的文章力で織り成される物語は超骨太。頭の中で景色が浮かんでくるのは当然として、なんかもはや白昼夢すら見えてくる。話の内容も痛烈で、誠実に問題に向き合わない現代の政治(と、投票するだけで政治に参加した気になっている一般大衆)に対して、今の社会の在り方を考えさせる力すら持っている。ファンタジーという垣根を越えて来た超秀作

秀でた物語は時に、生きること、そして生命の在り方について思考させる力を持つ。これはその良い例だ。2020年はコロナという未曽有のウイルスが世界に蔓延し、人生に挫けてしまったり、人生について今まで以上に考させられた人も多いと思う。そんな、今悩んでいる人達にこそ読んで、観て欲しい作品

思い、思われ、

ふり、ふられ

あらすじ

人見知りが激しく、他人と話すのが苦手で、自分に自信が持てない市原由奈は、高校進学を機に引っ越す親友を見送りに行った際、子供のころに読んだ絵本に出てきた王子様そっくりの男子を見かける。同じく離れ離れになる友達を見送りに来ていた山本朱里とひょんなことで知り合い、朱里が同じマンションに引っ越してきた同級生だと分かる。

少女漫画の恋愛に憧れ、夢見がちで消極的な由奈と、明るく積極的で現実的な恋愛を楽しむ朱里、2人は正反対の性質だが、不思議と親しくなっていく。由奈が気になっていた「王子様」が朱里の弟・理央であることが判明、恋愛未経験の由奈は理央への気持ちは恋ではないと思っていたが、次第に自分が理央を好きになったことに気が付く。朱里は姉の目から見て、由奈には理央を薦められないと伝えるが、由奈の人生初の恋を応援しようと決心する。朱里は、由奈が唯一親しく話せる幼なじみ・乾和臣のストレートな言動にドキドキさせられる。4人の青春が始まる。Wikipediaより引用

 

間違いない青春モノ

あ、俺…少女漫画も大好きだから。そこんとこ宜しく。というわけで3つ目に紹介したいのは『思い、思われ、ふり、ふられ』。2015年から2019年まで『別冊マーガレット』で連載されていた名作。『ストロボ・エッジ』『アオハライド』に続く青春三部作の最終章がアニメ映画化と聞いただけで胸キュンってやつよ

 

恋愛リアリティの筆頭

『ストロボ・エッジ』では仁奈子と蓮を筆頭に淡い片思いを。『アオハライド』では惹かれ合ってるのに離れ離れになってしまった双葉と洸が互いに最熱していく様を。どちらもリアリティがあって、連載当時学生だった女子の皆々様(と俺)は全員読んでいたのでは? そんな王道ラブストーリーの作者が描く、W主人公モノ。読めば最後、大興奮間違いなし。

登場人物4人(朱里・由奈・理央・和臣)、全員が全員、本当に良い子なんだけどさ。俺は特に朱里が好きだな。まず黒髪ってのが高評価ポイント(偏見)。あと、元カレから復縁を迫られた時の対応とか、すげぇちゃんと考えてる子やんって思ったし。何より最終回のCatch me!! → 「捕まえたっ」の流れがもうね…落涙だよ…。あと学園祭の紙吹雪のシーンとかね、良いよね。まぁ、観れば分かるよ。映画でどこまでやってくれんのか知らないけど。映画観れば原作も読みたくなるよ

サイダーのように

言葉が沸き上がる

あらすじ

17回目の夏、君と会う⸺。

人とのコミュニケーションが苦手な俳句少年と、コンプレックスを隠すマスク少女。 何の変哲もない郊外のショッピングモールを舞台に出逢ったふたりが、 言葉と音楽で距離を縮めていく、ボーイ・ミーツ・ガールStory。 公式HPより引用

 

イシグロキョウヘイ監督作品

ぶっちゃけると、この作品は未知数だ。『月刊コミックアライブ』で2019年末から先行連載しているが、俺はこれをまだ読めていない…。だが、イシグロキョウヘイ監督と聞いたら、期待せざるを得ないんだ。それは何故か。イシグロキョウヘイ監督と言えば、『四月は君の嘘』の監督であり、『クジラの子らは砂上に歌う』で監督・脚本を勤め上げた涙腺ブレイカーだからである。青春を描けば間違いなく、世界観の作り込みも間違いない。故に期待せざるを得ない

 

言葉×音楽

公式で発表されている情報によると、主人公のチェリーは人と会話することが苦手で、緊張すると赤面して上手く話せなくなる設定。対してヒロインのスマイルは人気配信主だが、大きな前歯がコンプレックスで人前でマスクを取れないという青春っぽい苦悩を抱えている。ふむ、もう設定が感動させに来てんな

コンプレックス刺激系の作品は得てして共感を得やすい。共感を得やすいということはつまり、感動しやすいと同義だ。今までの人生で、笑ったこと、泣いたこと、怒ったこと、全てが記憶として脳に保存されている。人はそういったモノを呼び起こされると、呼び起こしたものに感情がプラスされる。結果として心が大きく揺さぶられる。心が叫びたがるってことだ。俺はそれがとてつもなく快感なんだよ。

BURN THE WITCH

あらすじ

遥か昔からロンドンに於ける全死因の72%は、 人々が見ることのできないドラゴンと呼ばれる“異形の存在”が関わっていた。

だが、人知れずそのドラゴンと相対する人々がいた。 ドラゴンの存在を見ることができるのは、フロント・ロンドンの“裏側”に拡がるリバース・ロンドンの住人だけ。 その中でも、選ばれし人々がウィッチ魔女/ウィザード魔法使いとなり、ドラゴンと直接接触する資格を持つ。

主人公は、自然ドラゴン保護管理期間「ウイング・バインド」(通称WB)の保護官である 新橋のえるとニニー・スパンコールの魔女コンビ。 彼女たちの使命は、ドラゴンに接触できない人々に代わり、ロンドンに生息するドラゴンたちを保護・管理することだった。公式HPより引用

ラストは『BURN THE WITCH』。ご存じ『BLEACH』でジャンプの黄金時代を支えたオサレ先生こと久保帯人先生の作品。2018年の同誌創刊50周年記念に読み切りが掲載され話題を呼んだ本作。連載化を希望する声が編集部に殺到、だが現在まで未だ連載化されず沈黙。それが連載せずして映画化という漫画として超異例の采配。ジャンプ編集部、わかってますね。

 

新境地:W主人公(女性)

久保帯人先生と言えば、黒崎一護。この考え方がステレオタイプだったということに俺はこの読み切りを読んで気付かされた。魔女・ドラゴン・ロンドンという完全に西洋を舞台にした世界観も、ずっと死神描いてたとは思えないほど絵にハマってたし、戦闘シーンもカッコ良すぎてマジ卍。解放された久保帯人先生の前では万象一切灰燼と為す

 

世界は終わらない

読み切りラストで描かれたスーパーサプライズ。物語も終盤、「あ~面白かったなぁ~」なんて悠長に余韻に浸りながら最後のページを開くと目に飛び込んでくるソウル・ソサエティ ウエスト・ブランチ(戸魂界・西梢局)の文字。そう、まさかの『BLEACH』と同じ世界設定! そうきたか! と。しかもね、最後に出て来るタイトル文字の色が着いてる文字読んで見てくれよ、『BLEACH』になるんだよ。最後までオサレか! まったくもって素晴らしい。絶対映画でも何かやってくれるよ。

 

《まとめ》

どうだろう。結構、万人向けに編集したと思わん? 今明らかになってる公開予定のアニメ映画の中では間違いなく激熱な5作品。俺は今まで色んなアニメを観て来たけどさ、今年は完全にアニメ映画イヤーだと思うよ

病原菌なんかに負けるなよ、日本。俺は好きなモノを語れる人間でありたいし、好きなモノを好きなだけ消費できる国であって欲しいよ。

まぁ、でも…大丈夫か。この記事を読んでくれた人達にはソーシャルディスタンスを守りつつ俺の作品への愛を語れたワケだし。映画公開を待っているこの時間も、こんな記事を読んでくれる寛大な御読者様方との心の距離を縮めるには良い時間なのかもしれない。ありがとう。みんな、ここまで読んでくれてありがとな!

 

 

 

 

 

という綺麗ごとは置いといて。はやく上映してくれ。マジで。もう我慢の限界なんだ。俺本当に性格悪いから掲示板とか書きこんじゃうよ。頑張れ、デスマして各所に上映許可取ろう。そして早くワクチン開発して実用化しようぜ。大丈夫、頑張れば人間なんとかなる。早く早く早く早く早く早く早く早く早あ、ここまで読む人いたんだ…。あざす。

終わり。他の記事も読んでね~。

『新世紀エヴァンゲリオン』について俺が誰よりも分かりやすく解説してやる

新劇場版4部作目の『シン・エヴァンゲリオン劇場版:‖』が2020年中に公開されることを信じて。長大なプロジェクトを振り返りつつ、この記事を読んだ人が、4部作目が公開された時に誰よりも楽しめるように、俺なりにエヴァンゲリオンという文化を語る。

「新劇場版」とは?

そもそも「新劇場版」とは? まずこれについて触れる必要がある。『新世紀エヴァンゲリヲン』という作品には「旧劇場版」が存在する。『エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを君に』がそれだ。実はこの時にTVシリーズとは違う完全新作の作品を作る予定だったんだけど、時間がなさすぎて溶接職人と化したという過去がある。これに関しては賛否両論(というか圧倒的否定多数)で物議をかもしたが、結果としてTV版とは違うエンデイング(「世界の中心でアイを叫んだけもの」の終わり方)を魅せてくれたので、世界観をさらに深めてくれたから、俺は別に嫌いではない。むしろ「旧劇場版」も好き

こんな経緯があり、「今度こそ映画版やりますよ!お楽しみに!」って発表された時に全エヴァファンを歓喜させたのが新劇場版である。ただ、そこは流石エヴァ、見事にファンの予想を超えてきてくれた(良くも悪くも)。さて、じゃあここからは新劇場版『序』『破』『Q』に関して、観てない人はこの記事さえ読んじゃえば観なくても良いように、観ている人でもちょっと曖昧にしちゃっているであろうポイントを俺なりに解説していこうと思う。

ちなみに、漫画漬けの日々を送る俺は
他にもオススメ漫画を紹介してます。

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それではお待ちかね。下記にて『新世紀エヴァンゲリオン』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

 

新劇場版『序』

いきなり肩透かしを食らわせるが、本作に関しては特に述べる事は無い。というのも、TVシリーズとほぼ内容が変わってないからだ。これに関しては往年のファン達もかなり消化不良だったらしいが…。映画公開時、新宿の歌舞伎町広場でのイベントがすごく楽しかったから俺は特に嫌な印象はない。内容に関してはTVシリーズを観れば(IQ150くらいあれば)普通に理解できるので割愛。(強いて一つだけ言えることがあるとすれば、ラミエルに技術革新が起きた)。

ただ、この『序』時点である程度の知識を得ておかないと、以降の作品の理解度が大きく変わってくる。ということで、ちょうど良いタイミングなので皆がなんとなくしか理解してないであろうエヴァ用語について解説しよう。

 

「セカンドインパクト」

物語が始まった時、すでにセカンドインパクトは起こっている(厳密には『序』の時点から15年前)。この設定を聞いた時に「…は? どゆこと? てかまずセカンドってことはファーストはいつ起こったの? 舐めてんの?」と憤りを覚えた人がいるかもしれない(俺)。無理はない。だがこれがエヴァだとしか言えない。むしろ憤りを覚えないとこの物語は理解できない。探求のためには怒りの感情は不可欠

閑話休題。まどろっこしいのは嫌なので完結に答えを言うと。セカンドインパクトとは、物語開始時の15年前に南極大陸に墜ちたとされる隕石衝突事故のこと…と、表向きには発表されている。だがこれは秘密結社ゼーレによって情報操作された結果。しかして、その実態は南極で発見された第1使徒アダムに対してロンギヌスの槍を使用した結果引き起こされた人為的災害だ。ちなみに、これはエヴァを観る上では知らなくても良い超豆知識なんだけど、ファーストインパクトってのは現実の世界でも「ジャイアントインパクト」という名前で知られる月発生時の惑星同士の衝突(リリス降臨&アダム昏睡)。

 

「ロンギヌスの槍」

そういえば、皆「ロンギヌスの槍」についてはちゃんと理解してる? これはデストルドー(生に対して否定的な意思)の具現化した姿だ。より簡単に説明すると、”心の壁”である「ATフィールド」、これの対になる「アンチATフィールド」。生命なら須らく有するこのアンチATフィールドが槍の姿として凝縮した物質(生物説もある)だ。

使徒を含む生命体の”生きようとする意志”を消滅させる力があって、だから生きる上で欠かせない他者との差異化であるATフィールドを打ち消すし、コアに刺すと生きる意欲が消滅(ATフィールドの消滅)して原始に還ろうとする(原初の海=LCLになる)。え、大丈夫?ついてきてる? 踏ん張りどころやで。別にまだ難しいことは言ってない。

 

「使徒」とは?

第1使徒 アダム
☆第2使徒 リリス
第3使徒 サキエル
第4使徒 シャムシエル
第5使徒 ラミエル
第6使徒 ガギエル
第7使徒 イスラフェル
第8使徒 サンダルフォン
第9使徒 マトリエル
第10使徒 サハクィエル
第11使徒 イロウル
第12使徒 レリエル
第13使徒 バルディエル
第14使徒 ゼルエル
第15使徒 アラエル
第16使徒 アルミサエル
第17使徒 タブリス
☆第18使徒 リリン

ここで唐突な使徒一覧(しかも画像は新劇場版、羅列文字はTVシリーズという分かりづらさ)。いや、安心してくれ、これはセカンドインパクトの説明の為に羅列しただけだからテストには出ないし覚える必要はほぼ無い

ここで覚えることは一つだけ。全ての使徒は始祖であるアダムとリリスから生まれたということ。正確には、リリン(人)と地球上の生物は全てがリリス由来、他使徒はすべてアダムだ。

つまり、『新世紀エヴァンゲリオン』という物語は、始祖アダムとその子供(使徒)vs 始祖リリスとその子供(人類)による地球の正統な支配者を決める戦いである。だからNERV・ゼーレは相対する使徒の親玉である第1使徒アダムに対してロンギヌスの槍を用いたってワケ。ただ、刺したは良いがアダムのデストルドーが強力過ぎて、南極大陸を飲み込むくらいのアンチATフィールドが展開、デストルドーが伝播した結果、近くの微生物に至るまで生命のスープに還ったという事。これが「セカンドインパクト」だ。さぁ、面白くなってきたでしょ? ここまで理解できればニワカ卒業。 楽しいエヴァライフが待ってるぜ。

 

補足
新劇場版にも引き継がれているのかは絶妙だが、エヴァ初号機は第2使徒リリスのクローン体、つまりターミナルドグマの中にロンギヌスで磔のリリスの身体・エヴァ初号機、2つが第2使徒ってことになる。カヲル君はセカンドインパクト時にアダムから抽出したアダムの魂をリリンの肉体に定着させた存在。綾波はリリスの魂をリリンの肉体(碇ユイのクローン)に定着させた存在。

 

新劇場版『破』

さぁ最低限必要な知識を頭に入れたところで、いきましょうか、皆大好き『破』について。開幕から登場するマリ・イラストリアス…この時の衝撃は今でも忘れない。「え、何、新劇場版ってTV版のリメイクじゃないの!?」という驚きも束の間。アスカ(式波)登場からの月面でMark.06に乗るカヲル君の登場。そう、シリーズ史上ここまでエンタメ性に富んだことは無いと言っても過言じゃないほどに盛り上げてくれたのがこの『破』である。この作品のおかげでエヴァがより広く認知されるようになった。本作がきっかけで観始めたって人も多い。にわかホイホイ

 

ファン垂涎のシーン『破』

だがしかし、ちゃんとファンのことも喜ばせるシーンも盛り込んで来たのが最&高。学園生活の全体的な流れは原作と殆ど変わらないんだけど、綾波がゲンドウとの食事中にシンジとの食事会の承諾を得るシーン(何処で飯食うとんねん)これ普通に奇跡だからね。綾波がシンジに明確な恋心を露わにしている時点で奇跡だし、ゲンドウが綾波にユイの面影を重ね、行くことを了承するなんて奇跡超えてるよ…なにこの優しい世界泣ける

 

と思ったら最強(暫定)の使途・ゼルエル来襲 → 2号機裏コード「ザ・ビースト」 → シンジさん&初号機覚醒。獣化第二形態という新設定をここで出してくる点が最高にエンタメ。この盛り上がりは半端じゃなくアニメ映画史に残った。「綾波を…返せ!」で電源プラグ無し・活動限界という状況の中、親子愛で起動する初号機。「世界がどうなってもいい、綾波だけは助ける」(『Q』へのフラグ)という、今まで流されてばかりだった中学生が自分自身の願いの為に1人の女の子を助けんとする王道主人公へと成長を遂げる鳥肌展開には感動率99.9999%。そして初号機にブッ刺さる謎の槍とウルトラダミー予告(『破』と『Q』の間のシーン)。世界よ、これが日本だ!

 

「人類補完計画」

ごめん、『序』の時の用語解説で「人類補完計画」についても触れとけば良かったね。駆け足で行きます。そもそも「ゼーレ」っていうのはNERVの上位組織で、簡単に言えばフリーメイソンみたいなもんだ。それが第1使徒アダムの地球統治計画書(預言書)である裏死海文書を手に入れて、世界の裏から人類がアダムに勝てるように画策してたんだよね。

で、このゼーレの中に人類補完委員会っていう組織があって、これが発足するきっかけになった立案を作ったのが碇ゲンドウ。その詳細を簡単に説明すると…群体として成長した人類だが、その進化は上限が明らかであり、始祖であるアダムとの戦いに勝利することで完全単一生命体に進化しようぜ! っていう内容。…この記事めっちゃ有能じゃない? 

 

補足
シンジのお母さんである碇ユイがゼーレと繋がっていたため、ユイを介してゼーレの中枢に取り入るためにゲンドウは彼女に近づいたのではないかと言われている。

でも実はこれって謎が深いと思うんだ。だって、ユイが何故ゼーレと繋がりを持っていたのかは作中で語られていなくて、「形而上生物学者」として始祖からエヴァを作ったのもユイ。初号機の中に心を封印して永遠の命も手に入れてる(初号機はユイ、二号機はアスカの母親のキョウコが入ってる)って言うんだからちょっと怖いところではある。

もしかしたら…この物語の本当の黒幕は碇ユイなのかもしれない。

 

新劇場版『Q』

『破』ラストでのニア・サードインパクト後の世界。というぶっちゃけ視聴者とシンジを置き去りにするブッ飛び展開。当時映画館で観た時思ったもん。「相変わらずやってくれるぜ」って。からの元NERVメンバーからの悪意を感じる熱烈な視線。え、流石にシンジ可哀想じゃない…?というシリーズ史上最も視聴者がシンジに感情移入した瞬間だと思う。ただ、これは仕方が無いと言えば仕方がない。だって人類滅ぼしかけてるからね。みんな頭の中ではシンジに悪意が無かったことは分かってるけど、正直、理屈じゃない。失った人たちのことを思い出すとともに子供の様に無知をひけらかすシンジの姿にはレベル低すぎて激怒不可避、彼らの心境を慮ればこれは仕方のないこと。この理由は後述の「サードインパクト」で書くね。

しかも個人的に可哀想だったのは、「エヴァに乗れ」ってただ高圧的に命令するだけのゲンドウの言動。これ、TVシリーズならびに『序』の初号機初対面時を想起させる。え?『破』で一緒に墓参りしてた時の仲睦まじい親子愛は何処へ…? やはりゲンドウ、だがしかしこれこそがゲンドウ。

 

ファン垂涎のシーン『Q』

唯一の癒しと言えるかもしれない冬月教授と将棋を指すシーン。お前そんなキャラじゃなかったやろ! というツッコミを入れる暇が無いほど微笑ましいファンの歓びの瞬間。しかもここでユイの写真をシンジに見せるという演出。お前ずっとユイの写真持ってたんかい! というツッコミが心の中で跋扈する。お前本当にユイのこと好きだったんだな…。クソ純情爺である(誉め言葉)

 

また、エヴァンゲリオン13号機に乗ることになるカヲル君との邂逅。なんでお前の周りだけ植物生えてんの?という言葉は無粋。カヲル君の周りには愛が溢れているから植物も光合成できんだよ(適当)。13号機がデュアルシステムってだけでロボ好きにとっては胸アツなのに、これでもかとイチャつく二人の健全なる男子の姿に全腐女子は四つん這い不可避

 

「サードインパクト」

ガフの扉を開くことで人類史上最高の大殺戮者になったことが明らかにされるシンジ。ここでこのニア・サードインパクトについて解説しよう。そもそもの話、旧劇場版でサードインパクトは一度起こっている。第17使途を倒した後、ゼーレの人類補完計画が発動し量産型エヴァ(白ウナギ)でNERV本部を襲撃 → サードインパクト という流れ。LCLとして一つになった人類(原初の海)で綾波&カヲル君と再会して人類肯定でEND(ハァ? だよね、わかる、任せろ)

つまりサードインパクトとは、リリスのクローン体であるエヴァを覚醒させた上でデストルドー(アンチATフィールド)を広域展開し全人類のATフィールドを消滅。皆で原初の海になるという自死(進化)のこと。

ただ、新劇場版では「ニア・サードインパクト」だったんだよ。つまり、サードインパクト自体はカヲル君のおかげで防がれて、TV版・旧劇場版とは違うアナザールートが描かれたことになる。まぁ、当人がどれだけ一途な想いで綾波を助けたかっただけだとしても、結果的に人類をLCLに還すというナチスも吃驚の英雄になったのがシンジということだ。だからあれだけ嫌われてるんだよ。

 

「フォースインパクト」

本作で初出のフォースインパクト。ストーリーの流れを一度おさらいしようか。「アレは僕らの槍じゃない」(ファ!?)というカヲル君の静止、「止めろ!バカガキ!」というアスカの怒号をフルシカトしてリリスに刺さった2本のロンギヌスの槍を引き抜くシンジ。第12使途がエヴァンゲリオン13号機に収縮されて疑似シン化形態を超えて覚醒 → これによってフォースインパクトの発動。たぶんこの辺が、流行りに乗って新劇場版を観てる視聴者には何が何やらさっぱりポイントだと思う。安心してくれ、俺もさっぱり分からん。だからここからはただの考察。

カヲル君は言った、「13号機と2本の槍があれば世界を修復できる」と。十中八九、この2本の槍ってトコがミソだろうね。一本はお馴染みロンギヌスの槍、そしてもう一本は「カシウスの槍」だ。公式で全く発表されてないんだけど、このカシウスの槍はロンギヌスの槍と対を成しているとファンの間では囁かれている。

というのも、『破』の最期、サードインパクトが起きようとした時にカヲル君が覚醒した初号機にぶん投げてコアを突き刺したのがカシウスの槍だ(明らかにロンギヌスとは形状が違う)。この結果、サードインパクトは中途半端に終わり、ニア・サードインパクトで収まった。つまり、この槍の効力はリビドーの増幅。ATフィールドを強制的に全開展開させることで、人類をLCLに還すデストルドーの伝播をATフィールド内で完結させた。それでシンジ(と綾波)だけがLCLに還った。こう考えればサードインパクトが収まった理由になる。だから多分、カシウスの槍でリリスに何かして、ロンギヌスの槍で何かしようとしてたんだろう(憶測)。

 

マジな考察
「渚カヲル(第1の使徒)→(第13の使徒)に堕とされたことでフォースインパクトのトリガーにされた」ってことらしいから…。第1の使徒(の複製体)であるアダム=カヲル君と、ガフの扉を開いた状態の13号機(たぶん13号機はアダムのクローン機体)にロンギヌス使って、生命の実をリリスへ渡す → カシウスの槍をリリスに使う → ATフィールドを広範囲伝播でLCLに還った人類(作中での赤い海)から人類を人の形に戻す&知恵の実と生命の実が揃うことで完全なる人類の誕生を狙ったんじゃないかな。

でもリリスに刺さっているハズのカシウスの槍はロンギヌスの槍になっていてカヲル君の計画は破綻。ゲンドウ的にはリリスにはATフィールドじゃなくてアンチATフィールドを伝播して欲しいから、差し替えといたんだろう。だって皆で原初の海に還らないと家族揃ってユイに会えないもんな。

あれ…これアニメ好きの良くないトコ出ちゃってるね

好きなモノ語る時に聞き手の立場になって離せない奴は初号機。はっきりわかんだね。ただ『Q』の内容に関しては俺もはっきりとした確証があるワケではないから、各々の考察の参考にしてくれると嬉しい限り。

全部の作品に言えることだけど。アニメだけじゃなくて、原作を読むことでより世界観を理解することが出来る(俺は基本的にアニメで観た作品は可能な限り原作も読む派)。こんだけ長く続いてる作品だけど、単行本だとわずか14巻しか出てないってのも面白いよね。もう完結してるんだけど、終わり方がアニメ版のどれとも同じじゃない点も◎

 

まとめ

ここまでの文量になるとは思ってなかったけど、結構分かりやすい解説記事になった気がしてる(自己満足)。

本当は6月に上映される予定だった『シン・エヴァンゲリオン劇場版:‖』。キャッチコピーは「さらば、全てのエヴァンゲリオン」、英語サブタイトルは「THRICE UPON A TIME」と終わらせる気満々な感じが逆に怖いの俺だけ? ここから「真劇場版4部作プロジェクト始めまーす!」って言いかねないのがエヴァンゲリオン。全く、飽きさせないぜ。ちなみに、俺がここまで書いたことも次回作では全て灰燼に帰す可能性があるのも否めない。そうなった時は…、

笑えばいいと思うよ

『海獣の子供』に出会えたことに感謝して幸せを叫ぶ俺はきっともう海の幽霊

『鉄コン筋クリート』を制作したことで知られる制作会社STUDIO4℃。ここが世に出した作品『海獣の子供』は、圧倒的な映像表現で強烈な印象を視聴者に与えた超秀作。

「あらすじ」

ハンドボール部に所属する中学生琉花は、トラブルで夏休み早々部活禁止になってしまう。やさぐれた彼女は、幼少期に大好きだった水族館へ行き海と出会う。翌日、琉花は父親の勤務する水族館で、海と再び会い、父親に海の面倒を見ることを命じられた。いなくなった海を探しに浜辺に出た琉花は、海の双子の兄、空とも出会う。海と比べ軽い性格の空に、琉花は反発しながらも交流を深めていく。同時期、海には隕石が落ち、世界では「白斑」を持つ魚が光となって消える現象が多発していた。Wikipediaより引用

ちなみに、漫画漬けの日々を送る俺は
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それではお待ちかね。下記にて『海獣の子供』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

 

作品概要

原作は小学館の『月刊IKKI』で2006年~2011年まで連載。例に漏れず、俺たちが知っているような有名な作品と言うのは世間にも高く評価されてから世に広まっているので、第38回日本漫画家協会賞優秀賞、第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門で優秀賞を受賞している。つまり、間違いない。

ここで勘の鋭い人はお気づきだと思う。連載が終了してから映画化までに結構年月がある。何故か? それはこの作品が製作期間6年をかけて世に送り出された芸術作品だからだ。ちなみに作中音楽は久石譲。主題歌は皆さまご存じ米津玄師の『海の幽霊』。つまり、間違いない

 

作画×CGの技術融合

特筆すべきはCGのバランス。CGっぽく観えないCGとでも言うのだろうか。「GoProで沖縄の海撮ったらこんな感じなのかな」っていう圧倒的・海。過去こんなに綺麗で清々しい海中を表現したアニメーションがあっただろうか。いや、ない。背景がCGで、キャラ絵は作画でというすみ分けがされていたように俺は感じたんだけど、結構この手法を用いると二つの要素がぶつかって浮いちゃうんだよ。でもこの作品にはそれがない。独特なCG絵が背景として、大いなる世界として物語に溶け込んで、二つの技術を高い水準で融合させた…つまりこれは見事に乳化させたカルボナーラだ。『海獣の子供』風カルボナーラ~星空をのせて~。グラッチェ!(大丈夫、観ればきっと俺みたいなこと言いたくなる!)。

 

とにかく、映画版を観れば分かるんだけど、ただただ圧倒される。これが…地球の神秘か…みたいな感じて微笑みながら涙が零れる。それでいて、どこか懐かしさも感じる世界設定(俺、少しだけ港町で育ったし)。大いなる海万歳だ

 

 

超壮大なストーリー

主人公の女の子:安海琉花(C.V 芦田愛菜)の大人に向かて成長していく表現が素晴らしい。俺は原作である漫画版をずっと読んでたんだけど、読んでる時から「こういう時期あるよなぁ」っていう子供ならではの感情の揺らぎが超秀逸。後半になって盛り上がるにつれて感情が露わになってくるのも◎。

また、ジュゴンに育てられた少年こと空・海。本作において超重要ポジのこの2人がとにかく不思議で無邪気でもう本当にミステリアスチルドレン。

 

海の幽霊

幼いころに見た、”海の幽霊”。この子供ならではの不思議な体験が超壮大なストーリーへと駆け上がっていく様は全くの予測不能。原作読んでる時ドキドキしたもん。どこまで行くんだろうって。その秘密を知っている空と海、そこに琉花が揃うことで歯車は動き出す。マンタが飛び交いクジラ舞う、大いなる海への冒険の開幕だ。

結局のところ、米津玄師の『海の幽霊』の歌詞にもある通り、「星が降る夜に貴方に会えた。あの夜を忘れはしない」なんだよ。全てはここに帰結する。でも、ちょっと待ってくれ。ここまで書いといてなんだが、ちょっとライトな青春アニメ映画だと思ってない…? ナンセンスです。これは自分の頭の中のシナプスの電気信号を感じ、宇宙創成まで遡って命に感謝するとってもスピリチュアルなアニメです。軽い気持ちで理解しようとすると頭やられるぞ、俺みたいにな。

というのは半分冗談だとして、真面目に感想を言うならば。青い光が揺蕩う静謐な水族館で独り、ゆっくりと流れていく魚を見上げたくなる。風薫る砂浜を瞼の裏で思い出しながら、水の音だけで海に想いを馳せたくなる。そんな、壮大で清々しい作品だよ。本当にオススメ

「まとめ」

気温が暖かくなってくると、海に行きたくなる。たぶん誰しも少なからず感じると思うんだよ。ただ、その時イメージするのは浜辺で海にすら入ってない自分の姿なんじゃないかな。海の怖さを本当に知っている人はぜんぜんいないし、海の全てを理解している人なんて存在しない。だからこそ、魅力的なんだよな。

これから来るロボット時代を考慮すると『イヴの時間』は最高の道徳教材

2008年にネット上でドラマ形式で公開された『イヴの時間』。全6話を収録した完全版が2010年に映画版として発表されて久しい本作。文化庁にも評価され、OVA部門として多くの賞を受賞したこの作品は今観ても面白い。いや、5G時代到来間近の今だからこそ、面白い。

「あらすじ」

「未来、たぶん日本。“ロボット”が実用化されて久しく、“人間型ロボット”(アンドロイド)が実用化されて間もない時代。」

アンドロイドはそれと分かるようにリングを頭に表示し、無表情で人間に奉仕する。だが、ロボットが社会の様々な分野に進出して人間から仕事を奪い、アンドロイドに精神依存する「ドリ系」と呼ばれる人々が確実に増え続けており、それを危険視する「倫理委員会」が広報活動に勤しんでいた。また、旧式化したロボットが不法投棄され主を持たない彼らが野良ロボットとして徘徊することが社会問題となっている。

高校生のリクオは、所有するハウスロイド「サミィ」の行動記録の中に、命令した覚えのない行動を発見する。級友のマサキと共にGPSを辿って行き着いたのは「イヴの時間」という不思議な喫茶店だった。「人間もロボットも区別しない」ことをルールにしたその店では、誰もが人間らしく振る舞っており見た目では区別がつかない。彼らは思い思いにそこでの時間を楽しんでいた。リクオとマサキは好奇心から店に通うようになる。

やがてリクオは店でウェイトレスのナギに悩みを相談しているサミィと鉢合わせてしまう。Wikipediaより引用

 

 

簡単な概要

先に述べている通り、最初はネット上で公開されたドラマだった。でも多くのSFファン・アニメファンから高評価を得て映画化されたって感じ。構図というか、アングルの取り方がお洒落なんだよ。一応記述しとくと、東京国際アニメフェア2010・第9回東京アニメアワード優秀賞OVA部門受賞作品、第14回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門審査員推薦作品だ。要するに意識高い系の秀作だ

俺が10年前にアニメ好き仲間と飲んでた時の話なんだけど、「最近面白かったアニメ映画のタイトルを同時に叫ぼう」って流れになって(いや同時に言う意味は全く無くて、酒カスの極みなんだけど)、いっせーの! で全員が全員『イヴの時間』って叫んだことがあった。そのくらい、良い作品なんだよ。

 

 

技術革新後の世界

食料自給率は80%というトンデモ水準の世界。きっとアンドロイドの有効活用によって、労働作業が効率化された結果なんだと思う。でも、”ドリ系”と言われてアンドロイドに人間として接する人を揶揄しているところを見ると、道徳の水準は今とさほど変わらないのかもしれない。

AIが自立思考を得ることで、人間に置き換わっていく過渡期を描いてるんだけどね。人間からしたら、仕事を奪われるし、人間よりも地球に配慮した存在のアンドロイドっていうのはアイデンティティの損失に繋がるし、癇に障るんだろう。そんな社会で、種族を超えて育まれる絆が描かれる

 

大事なのは内面に宿る人間性

はい! どれがアンドロイドでしょう! 何を隠そう、この中の半分以上がロボット。そう、不気味の谷を越えた工業製品ってのは外見じゃ人間と区別つかないんだよ。え?左上? うん、そう、外見じゃ区別つかないんだよ(てかサミィ2枠おるやんけ)。

物語の舞台になるのは主に「イヴの時間」っていう”人間とロボットを区別しない”喫茶店。超美人店主の凪さんが切り盛りする最高にお洒落なお店だ(代官山とかにありそう)。この店にいる時の登場人物の表情が良いんだよな。そしてそれが物語にも大きく絡んでくるからこれから観る人は要check。

 

誰もが”悩み”を抱えている

そんなお店に通うのは、アンドロイドと一線を越えたい人間人間のことをもっと理解したいアンドロイド、またはその両者が一緒に来店することもある。倫理的にはイリーガルなコンセプトなので、社会的には認められてないのか表には看板が一切出てなく、入口も普通に道を往来している人には全く分からないという心躍る仕様。なんだろうね、本作を観ていると主人公がこの店に入った時にワクワクするんだよ。演出が良いのも勿論だけどさ、この社会的に隠れた場所っていう設定が良いんだろうね

次第に常連客と仲良くなっていく主人公とともに、誰が人間で、誰がアンドロイドか明らかになっていくゆるふわ系ストーリー。なんだけど! カフェアニメとして観てもとても秀逸なんだけど!  大事なのは機会だろうが人間だろうが悩みを抱えているって点だ。この悩みを解決していく中での人間&ロイドドラマが最高に面白い

これは俺の持論なんだけどね。本作のようにアンドロイドが人間に限りなく近くなった世界…SFではこんなの全然近未来(っていうか現在)なんだけど、多くの文学作品では人間は人間に近づいたアンドロイドを嫌ってる。でもさ、これ、嫌う必要あるか? 高度に発達したテクノロジーは魔法と変わらない。なら高度に発達したアンドロイドも人間だろう。気持ち悪いって言うけど、自我が目覚めた時点で対等に接するべきだと思うし、お互いを尊重して生きていくことが出来るんじゃないのかな。まぁ、これは理想論だって言うのも理解していて、きっともっと抜き差しならない現実的な問題が色々と発生してくるんだろうけど。俺がこんな風に思っているのは色んなSF小説を読んでるから、思考がアンドロイド側に偏っているせいもあるかもしれない。でも、機械と人間が仲良くできる世界がきたらどんなに素敵なことなんだろうって、そういう風に思えるよ。本作を観ると。

実は漫画版もある。無論、良い。

 

「まとめ」

ファーストシーズンとして公開された既存の話が完結して早10年…。全体の雰囲気も良いし、”ロボット三原則”や、”不気味の谷”についてしっかりと考えられる本作は、5Gが本格的に生活に導入されるという今だからこそ観るべき作品だと思う。うん、むしろ教材だな。よし、国際派の石油王は学校作るだけじゃなくて生徒の分までDVDを買ったれ。

俺はセカンドシーズンをずっと待ってるよ。

酒は飲んでも飲まれるな、『ぐらんぶる』で描かれる日本教育の闇は俺たちにとっての光

2014年から漫画連載、2018年にアニメ化、そして2020年に実写映画、順調にその勢力を伸ばす『ぐらんぶる』。だが、その爽やかなビジュアルに騙されてはいけない。これは常軌を逸したノスタルジック作品である。

『あらすじ』

海が近くにある大学への進学を機に、おじが経営するダイビングショップ「グランブルー」に居候することになった北原伊織。そこで出会ったのはとびきりの美女、そして酒とスキューバダイビングと裸を愛する屈強な男たちだった。そして、元が馬鹿で無神経かつ鈍感な性格の伊織は彼らとの暴走にのめり込んでいく。Wikipediaより引用

 

 

あの時、確かに輝いていた

キャンパスライフが蘇る

あー、結論から言うとこれはダイビング漫画ではない。ダイビングは要素の一つであって、表紙の透明感にジャケ買いしてしまうことなきようご注意。平たく言えば、大学生の時の、あの、毎日のワクワク感を思い出させてくれる青春ギャグ漫画だ。さらに分かりやすく言えば『もやしもん』に近い(いや、『監獄学園』かな…)。本格ダイビング漫画が読みたい? じゃあ『あまんちゅ』読もうぜ

 

心打つ青春の一遍

他のダイビング漫画への風評被害(と、俺の株価ストップ安)が発生すると不本意なので断っておくが、『あまんちゅ』好きはたぶん『ぐらんぶる』も好きだと思う。滅茶苦茶なことをやって、大学生という社会のゴミクズを圧縮したかのような登場キャラの面々は、一見すると社会不適合者(そして正真正銘の馬鹿)。でもその実、現代の若者の心理を代弁するPresidentである

 

 

海×青春=Grand Blue

そこに恋愛(偽装)・友情(打算)・勉学(浅学)という学生時代における3大問題が絡まり、若者ならではの純粋さがケミストリーを起こした結果、何故か真面目な青春漫画の枠をキープしている。更にダイビング要素ですよ。日本の大学制度を経験した世代だったら絶対にノスタルジックになる要素がいくつも詰まっているってことだ

 

 

誰しもが夢見た

美女に囲まれた生活

もはやこの系統の作品には必須と言っても過言ではない”美女”の存在。例にもれず本作もバッチリ揃えてくれました。男子が馬鹿をやって盛り上がるストーリーにおいて、魅力的な女性キャラは必須。故に、ご都合主義なんか知らんぷりで美女を揃えることが命題になるのだが、完全に網羅。「ここで恥を掻き捨てられない作品はダメだ」とでも言わんばかりに期待に応えてくれた。ハラショー。

文化祭編とかね、色々と青春を思い出すよね(まぁコミュ障の俺は模擬店はバックれたけど)。文化祭→打ち上げ→文化祭というヤクザもびっくりの酒盛り具合は今考えるとアルコール摂取量が致死量超えてたけど、今の大学生も打ち上げの方が盛り上がるのかね。いや、コロナブレイクを経た今は大学に通う事すら最小限になっていると聞くので、文化祭すら存在が危ういのだろうか…。そう考えると、あの頃の馬鹿やれた時代は良き時代である(※学生の本文は勉学)

とにかく、本作の女性は最高に魅力的。
なんか女性キャラは作画力も高い気がする。

 

 

アニメ版『ぐらんぶる』

とにかく原作の最初数話を読むかアニメを観れば、前述の内容はすぐに納得できると思う。ちなみにここで少しアニメの魅力を語らせて貰うとすれば俺から言っておきたい事は一つだけ、主題歌は湘南乃風だ。こんなにこの作品に合っているアーティストはいなかったと断言する。

衝撃を受けた人も多いと思うが。まず、アニメ本編が始まる前にたっぷりと尺を取った上記の注意喚起が流れる。そんなアニメある? 俺は今から実写映画も不安だよ。それもそうだ、なんせ主人公の伊織は大学入学と同時に引っ越してきて入学式前日からツブれる。「このご時世によく放送したなぁ」とアニメを観ながら思った記憶ある。そう、この作品は酒カス作品。

「全員の好みが一致する酒は無い、だから全員が辛い酒を飲もう」という暴論でスピリタスを強要。肘で顔面殴打しても怒らないのに水を飲もうとするとガン切れというアルコールハラスメントを超えた先輩テロリズム。PTAもびっくりのモラル無視表現には日本の若者のリアルな腐敗具合が現れていて清々しい。懐かしいなぁ…俺の友達も、大学の時はビール瓶を手を使わずにイッキしてたなぁ

 

※余談

完全に余談だが、俺も多少は酒に強い方だと自負していた。学生時代はどんだけ飲んでも酔わなかったからさ、幾らでも飲めるとタカをくくっていたんだ。でもね、社会人になってからこの自負は即・溺死。世の中には、物理法則を超えて誇張抜きに樽ほど飲む奴がいるということを骨の髄までホルマ(おっと!ホルマリンなんてアルコール度数低い低ィ!)スピリタス漬けにされて理解する。世の若者(20歳以上)は注意して欲しい…社会は鬼の巣窟である。

 

 

実写版『ぐらんぶる』

自粛の影響で後ろ倒しになったので、公開日時は未定なんだけどね。映画化と聞いて、「これ実写化したらアカンやろ」というのが俺の率直な意見だった。だって男性陣、服着てる方が少ないし。むしろよく出演OKしたな事務所。

キャストは若手が多い印象。ネクストブレイク大集合みたいな感じか~なるほどねぇ~まぁ大学生の話だもんな、と思って一通りスタッフリストへ目を通していたら俺の目に飛び込んでくる”浜岡梓/小倉優香”…………あ、ふーん…そうなんだ、へぇ…まぁ…アレだな、何て言うか、あー………そうか、コレ、アレだわ。あ~~~~~~~~~~~、り!  梓さんをリアル峰不二子が演じてくれるのだとしたらアリです! ありがとうございます! 楽しい夏になりそうだな!

『まとめ』

と、メディア毎に本作のブッ飛び具合を紹介してきたが。やっぱり俺は漫画が好きだったかな。アニメは沖縄編で終わったけど(単行本で言うと6~7巻?)、ここから妹が監視カメラ仕掛けて、合コンして、助教授の股間を潰して……あぁ、馬鹿やってんなぁって、何かよくわからんが、どうしようもなく学生時代を思い出す

中国を筆頭にアジア諸国との教育格差が開く一方の日本の大学制度(東大はアジア大学ランキング1位→7位)。大学で勉強を頑張っても就職に直結しないとか、色々問題があるが故の低俗なモラトリアム期間が日本を腐らせているのは明らか。でも、あの何でもない日が宝物だった、そして社会人になった今も宝物であるという事を思い出せる稀有な作品。過ぎたことは変わらん。その分いま死ぬ気でやりゃあ良いんだよ。

たぶん実写化でまた一気に知名度が上がると思うので、その前にぜひノスタルジーに浸ってみては?

いいから黙って脳ミソ空っぽにして『スーサイド・スクワッド』観ようぜ!

2016年に公開された、DCコミック『スーサイド・スクワッド』実写版。アメリカ本国では酷評の割にヒットするという謎の社会現象を引き起こしたことでも知られるが、フラットな心で観れば相当イケてる作品かと。あとハーレクイン可愛いよ。

【あらすじ】

スーパーマンの死から数ヶ月後、米国政府の高官アマンダ・ウォラーは新たなるメタヒューマンへの対抗策として死刑や終身刑になって服役していた犯罪者を減刑と引き換えに構成員とした特殊部隊タスクフォースX、通称「スーサイド・スクワッド」を結成する[3][4]。メンバーはベルレーブ刑務所に収監されている殺し屋のデッドショット、元精神科医のハーレイ・クイン、元ギャングのエル・ディアブロ、強盗のキャプテン・ブーメラン、遺伝子の突然変異したキラー・クロック、縄を使う暗殺者のスリップノットなど危険な犯罪者から選ばれた。彼らはリック・フラッグ大佐の指揮下に置かれて米国政府のためにリスクの高いミッションに使い捨てとして利用される。各メンバーは反乱するか、脱走を試みると爆発するように設計されたナノ爆弾を首に移植されている。Wikipediaより引用

 

 

悪党大集合

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この作品の魅力はDCが誇る悪人大集合すること。 というかそれしか無い。『バットマン』シリーズを観ている人にとってはお馴染みのジョーカー(ジャレット・レト)、ハーレクイン(マーゴット・ロビー)が大活躍ってだけで観る価値がある。俺はヒース・レジャー演じるジョーカーも、ホアキン・フェニックス演じるジョーカーも好きだけど、ヤンチャなジョーカーも良いね!って感じ。あと声優が子安武人さん(リゼロのロズっち)てのも◎。何しでかすか分からない感じは歴代1位だと思う。

あと、ウィル・スミス出てたんだ。ぜんぜん知らなかった。彼が演じるデッド・ショットとハーレクインのダブル主人公みたいな構成は政治を感じたけど良いバランスだった。

女・子供は殺さないデッド・ショットと、ジョーカーに一途な想いを抱き続ける囚われのハーレクイン。いや完全に王道主人公の設定…! でも安心して欲しい、ちゃんと人殺すから、躊躇いなく。でも仲間想い。最高かよ。ジャンプで連載しよう

 

ハーレクイン可愛すぎ問題

可愛いんだけど、サイコパスなんだよな。でもそこが魅力。メチャクチャにエロくて綺麗なのに、サイコパスなんだよ。つまりサイコパスなんだけどさ。そこが魅力なんだよ。

本作では貴重なジョーカーによる調教&洗脳&惚れるシーンがあるので必見(でも結局は自分から求めてるところが愛い!)。あとメチャクチャにジョーカーに一途なの本当すこ。友達になったら優しい、近所のヤンキー(サイコパス)。問題だ、これは問題だ。

 

 

ドンパチやれば全て解決

首に小型爆弾埋め込まれて、政府の犬として働くフリをする悪党共のスキあらば逃げる&殺す感が良くも悪くもカオスを生み出してくれてた。観てて「ふふッ…こいつら面白れぇな…」って思わず漏れちゃう感じ、『メン・イン・ブラック』とかに近い(まぁウイルスミス出てるし)。

主要メンバーの中々にダークな過去も明らかにされるんだけど、その暗さを引っ張ってシリアスな雰囲気に持って行き過ぎない適度さは秀逸だった。DC系の作品は『ジョーカー』しかり、結構シリアスな方向に持って行きガチだからな(いや、『ジョーカー』は最高だったが)。今回みたいに何も考えずに悪党大集合! ドッカン! は観ていて爽快感があって気持ち良い。

しかも前述の通り、個々のルーツを描くことで、今まで倒すべきヴィランとしか認識されていなかった悪人たちも人間であるという事がしっかり描かれていた。これは昨今のアメリカ映画が漸く到達してくれた「正義は一つではない」という考え方を如実に表してくれていて非常にGood。今まで白塗りで理解不能なことをしてきた敵が、仲間のため、家族のために戦場に赴く姿なんて、震えるに決まってるちなみにジョーカーは本作に置いて是が非でもハーレクインを助けようと、あの手この手で邁進してくれる。

【まとめ】

総括すると、脚本としてはどうだったのかなぁと思う点はある。でもさ、たまにはこういう何も考えずに観れる映画も良いと思うんだ。何も考えたくない時に観れる映画って実はそんなに多くないぞ。俺が常々思っている一番良くないことは、”他人の評価を自分の評価と勘違いすること”だ。星の数が少なくても良いじゃん。友達も星の数で判断するのか? しないでしょ。判断するのは自分自身だ。…という、唐突なシリアス締めたぶん俺みたいな情緒不安定な人間はGoogle的には★☆☆☆☆。

続編も期待してます。

サブカル女がこぞって評価する『冷たい熱帯魚』を実話踏まえて語る

2010年に発表された園子温監督による邦画『冷たい熱帯魚』。これが1993年に起こった「埼玉愛犬家連続殺人事件」が元になっていることは周知の事実。でも世のサブカル女は観る。その愚直な姿勢、単純にすげぇなって思うけどさ、ただ実話が元になってるって知識しかなくない?それ、勿体ないから。この記事ではそれを補足すべく、実際の事件にも触れながら作品の魅力を語る。

【あらすじ】

死別した前妻の娘と現在の妻。その折り合いの悪い二人に挟まれながらも、主人公の社本信行は小さな熱帯魚店を営んでいた。波風の立たないよう静かに暮らす小市民的気質の社本。だが、家族の確執に向き合わない彼の態度は、ついに娘の万引きという非行を招く。スーパーでの万引き発覚で窮地に陥る社本だったが、そんな彼を救ったのはスーパー店長と懇意にしていた村田だった。村田の懇願により店長は万引きを許す。さらに大型熱帯魚店を経営する村田は、娘をバイトとして雇い入れる。その親切さと人の良さそうな男に誘われて、社本と村田夫婦との交流が始まる。 しばらくして、利益の大きい高級魚の取引を持ちかけられる社本。それが、村田の悪逆非道な「ビジネス」と知り、同時に引き返せなくなる顛末への引き金となった。Wikipediaより引用

 

 

人間を透明にする男

「俺は警察もヤクザも、全部を敵にしても自分の力で生きてきた」と台詞にある通り、作中の村田(でんでん)は巧みな話術と暴力で人間を手玉に取って生きる姿が描かれる。

残虐性が話題になりがちな本作だけどさ、人間の「生きる」という本能を描いた良作だと思う。結局は金が動機ってのは残念なポイントではあるけど、誰にも頼らずに生きると決めた人間ってのは他人の命なんて関係なしに生きるための金を調達するんだなって実感できた。

ちなみに、実際の事件が元になったと言っても前半から中盤だからね。リアルでは熱帯魚店じゃなくてペットショップだし。このペットショップ「アフリカケンネル」の名前はあまりにも有名で、当時のニュースを観てた人とかはこの名前を聞いただけで不快感を露わにするんじゃないだろうか。綺麗にエンタメ化されてるのは園子温監督の手腕が良すぎるからだ。

 

 

徹底した犯罪哲学

全く持って褒められたものではないが、この元になった事件の首謀者であるSには犯罪哲学があった。上記はその一部

羅列するとちょっと義賊っぽい人格と錯覚しがちだけど、全くそんなことはなくて、ちゃんとシリアルキラーだから安心して欲しい。ちゃんと人類の敵。というのも、5番目に挙げた「透明にする」というのがかなり周到な死体処理の哲学だからだ。この事件の異端さを最も現わしているこの考え方は映画を観てれば分かるだろうから割愛するけど、この作業に対して留置所で「面白い・楽しい」って供述したってところがしっかり忌むべき絶対悪してる。

4ヶ月で4人の人間を消した罪とカルマは筆舌に尽くしがたい。しかもこれは判明してるだけで、人間に限った話だ。事件の裏では犬を買ってくれた家庭に毒入りの肉を差し入れして、新しい犬を売りつけたり、毒入りの飲料を常に常備していたりと、常軌を逸した行動は戦後の日本でも指折りのグリード

 

 

運の良さも大事

これは園子温監督ファンも知らないことだと思うんだけどね。実は実際の事件内容をまとめたWikipediaに載っている上の5つの決まり事以外にも哲学が存在するんだよ

ホラー民にとっては有名なんだけど。恐い話No.1決定戦『OKOWAチャンピオンシップ決勝戦』にて、初代王者に輝いた三木大雲和尚の怖談。これは「アフリカケンネル」の経営者である容疑者Sが捕まる直前のやり取りだ(上の動画でいうと2:26:50らへん)。

映画とはまた違う視点でこの犯人Sの特異さ、恐さを実際に対峙した三木和尚の口頭で語られてるから本当にオススメ(てか他の話もマジで怖くて面白いから時間があるなら観て欲しい、OKAWAは良いぞ)。

 

 

生きることは痛いんだよ

エロ・グロともに強烈なシーンが多い本作。散々凄惨な描写を魅せられた後なので、「いや、もう分かったよ…」と言いたいところだが、この台詞にこそ本質が詰まっているように俺は感じた。

そもそも、生きることは綺麗事ばかりではない。むしろ痛みの連続だ。金銭的な問題や悩みを全く抱えていない人なんて数えるほどしかいないし、そこに追加で家族問題、職場や友人との人間関係。生きているってことはそれだけで精神が摩耗していく連続であることは、現代を生きている人にとっては絶対に思い当たる節があるハズ

そんな人生においては、痛みを抱えて生きるしかないってこと。 痛みを乗り越えたとしても、その先が輝かしいモノであるとは限らないということをしっかりと表現してくれた。

「ラストが衝撃的」っていう感想を抱く人がすごく多いみたいだけど、俺からしたら「いや、こうなるだろ」って事しか思わなかった。ただ、期待を裏切らずに貫いてくれた園子温監督はやっぱり凄いなぁと思ったし、ラストにかけてのどんでん返し感は”フィクション映画”って感じで単純に芸術として良かったと思う。

でも一旦思い出そうぜ。これは実話が元になっているってことを。だいたい、園子温監督は”現代の闇”を描くのに非常に秀でた人だ。サブカル好きが皆、示し合わせたかのように氏の作品を評価しているのは面白い現象だと思うんだけどさ(何?エキストラで出たいの?そんな奴は一生エキストラだよ)、確実に苦しんだ人がいるという事実。この事実から目を背けてはイケないよね。といっても、単純にエンタメとして観ても秀逸な作品だし。普段他人の人生について考える機会がない人や、人生が綺麗事ばかりだと妄信する被害者A候補の能天気サブカル女に、この凄惨な事件があったということを伝えるためには超良い作品だと思う。

例の如く血が苦手な俺は軽く吐きそうだったのは秘密。

【まとめ】

ちなみに、この事件の首謀者であるK(作中における村田の妻)はまだ生きてるという事実。死刑制度に関しては難しい問題だからさ、俺は明確な答えは持ち合わせていないが、今の日本にはどれだけ痛みを抱えて生きている人がいるんだろう。そう考えると、この作品を只の実話を元にしたフィクションとだけ認識しておくのは勿体ない。これは、誰にでも起こり得る、そして起こり得ている話なんじゃないかと思う。

とりあえず、
川の水を飲むのはやめような。