『海獣の子供』に出会えたことに感謝して幸せを叫ぶ俺はきっともう海の幽霊

『鉄コン筋クリート』を制作したことで知られる制作会社STUDIO4℃。ここが世に出した作品『海獣の子供』は、圧倒的な映像表現で強烈な印象を視聴者に与えた超秀作。

「あらすじ」

ハンドボール部に所属する中学生琉花は、トラブルで夏休み早々部活禁止になってしまう。やさぐれた彼女は、幼少期に大好きだった水族館へ行き海と出会う。翌日、琉花は父親の勤務する水族館で、海と再び会い、父親に海の面倒を見ることを命じられた。いなくなった海を探しに浜辺に出た琉花は、海の双子の兄、空とも出会う。海と比べ軽い性格の空に、琉花は反発しながらも交流を深めていく。同時期、海には隕石が落ち、世界では「白斑」を持つ魚が光となって消える現象が多発していた。Wikipediaより引用

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それではお待ちかね。下記にて『海獣の子供』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

 

作品概要

原作は小学館の『月刊IKKI』で2006年~2011年まで連載。例に漏れず、俺たちが知っているような有名な作品と言うのは世間にも高く評価されてから世に広まっているので、第38回日本漫画家協会賞優秀賞、第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門で優秀賞を受賞している。つまり、間違いない。

ここで勘の鋭い人はお気づきだと思う。連載が終了してから映画化までに結構年月がある。何故か? それはこの作品が製作期間6年をかけて世に送り出された芸術作品だからだ。ちなみに作中音楽は久石譲。主題歌は皆さまご存じ米津玄師の『海の幽霊』。つまり、間違いない

 

作画×CGの技術融合

特筆すべきはCGのバランス。CGっぽく観えないCGとでも言うのだろうか。「GoProで沖縄の海撮ったらこんな感じなのかな」っていう圧倒的・海。過去こんなに綺麗で清々しい海中を表現したアニメーションがあっただろうか。いや、ない。背景がCGで、キャラ絵は作画でというすみ分けがされていたように俺は感じたんだけど、結構この手法を用いると二つの要素がぶつかって浮いちゃうんだよ。でもこの作品にはそれがない。独特なCG絵が背景として、大いなる世界として物語に溶け込んで、二つの技術を高い水準で融合させた…つまりこれは見事に乳化させたカルボナーラだ。『海獣の子供』風カルボナーラ~星空をのせて~。グラッチェ!(大丈夫、観ればきっと俺みたいなこと言いたくなる!)。

 

とにかく、映画版を観れば分かるんだけど、ただただ圧倒される。これが…地球の神秘か…みたいな感じて微笑みながら涙が零れる。それでいて、どこか懐かしさも感じる世界設定(俺、少しだけ港町で育ったし)。大いなる海万歳だ

 

 

超壮大なストーリー

主人公の女の子:安海琉花(C.V 芦田愛菜)の大人に向かて成長していく表現が素晴らしい。俺は原作である漫画版をずっと読んでたんだけど、読んでる時から「こういう時期あるよなぁ」っていう子供ならではの感情の揺らぎが超秀逸。後半になって盛り上がるにつれて感情が露わになってくるのも◎。

また、ジュゴンに育てられた少年こと空・海。本作において超重要ポジのこの2人がとにかく不思議で無邪気でもう本当にミステリアスチルドレン。

 

海の幽霊

幼いころに見た、”海の幽霊”。この子供ならではの不思議な体験が超壮大なストーリーへと駆け上がっていく様は全くの予測不能。原作読んでる時ドキドキしたもん。どこまで行くんだろうって。その秘密を知っている空と海、そこに琉花が揃うことで歯車は動き出す。マンタが飛び交いクジラ舞う、大いなる海への冒険の開幕だ。

結局のところ、米津玄師の『海の幽霊』の歌詞にもある通り、「星が降る夜に貴方に会えた。あの夜を忘れはしない」なんだよ。全てはここに帰結する。でも、ちょっと待ってくれ。ここまで書いといてなんだが、ちょっとライトな青春アニメ映画だと思ってない…? ナンセンスです。これは自分の頭の中のシナプスの電気信号を感じ、宇宙創成まで遡って命に感謝するとってもスピリチュアルなアニメです。軽い気持ちで理解しようとすると頭やられるぞ、俺みたいにな。

というのは半分冗談だとして、真面目に感想を言うならば。青い光が揺蕩う静謐な水族館で独り、ゆっくりと流れていく魚を見上げたくなる。風薫る砂浜を瞼の裏で思い出しながら、水の音だけで海に想いを馳せたくなる。そんな、壮大で清々しい作品だよ。本当にオススメ

「まとめ」

気温が暖かくなってくると、海に行きたくなる。たぶん誰しも少なからず感じると思うんだよ。ただ、その時イメージするのは浜辺で海にすら入ってない自分の姿なんじゃないかな。海の怖さを本当に知っている人はぜんぜんいないし、海の全てを理解している人なんて存在しない。だからこそ、魅力的なんだよな。

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