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『リスナーズ』10話が上質なジュブナイルだったので最終話を待たずに投稿

「頭ん中で考えてること。ちゃんと言葉で伝えなきゃ、分からんこともある。」モブおじさんの発言すらエモい。なんかブログ書く気力すら沸いてきた。これが『リスナーズ』。

【あらすじ】

人類が「ミミナシ」という謎の生命体に脅かされる世界。ミミナシに対抗して戦えるのは、戦闘メカ「イクイップメント」。そのイクイップメントとプラグインし、操ることのできるのは「祈手(プレイヤー)」という能力者であった。

リバチェスタという街で暮らす少年エコヲは10年前、ミミナシと戦ったジミに憧れを抱いていた。ある日、エコヲはスクラップ山で記憶喪失の少女を発見する。彼女は腰にアウトプットジャックを持つプレイヤーだった。

翌日、街はミミナシの大群に襲われるが、少女はエコヲ自作のイクイップメントを操りミミナシを殲滅。エコヲは彼女をミュウと名付ける。二人は街を飛び出し、ミュウの記憶やジミを探す旅に出る。Wikipediaより引用

ちなみに、アニメが始まった時にこのブログでも記事を書いているので、こっちの記事も要チェキ(ブログ作って最初に書いた記事だから色々と荒いな… これも一種のジュブナイルだと思って、miketaの成長を楽しみながら読んで欲しい)。というか最初に選んだアニメが『リスナーズ』って我ながらセンス良い

 

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最終回に向けて

盛り上がりは最高潮

ゴミ溜めの街から始まって、悩み、成長し、世界を一つにする。こんな最高なことってあるか? いや、ない。バラバラだった人々が一つになる瞬間ってなんでこんなに高揚するんだろうね。しかもヒロインがラスボス。本当に分かっている。

世界の力を結集しても歯が立たない相手に対して、唯一の切り札が主人公ってのもGOOD。「もう一度、あの子に会いたい!」という願いとともに、ようやく隣りに立てる力を手に入れる第10話の衝撃&王道感は「これを待ってたんだ!」感MAX

 

 

『クロスロード・ブルース』

話の流れで第10話に触れたので、ここで一度この神回についてハイライト形式で語ろうと思う。バンプの曲みてぇなエモタイトルを冠している時点で多少の予想はしていたが、究極の哲学回。この話なくしてはこの物語は成立しなかったなっていう内容は思春期に観てたらエヴァくらいの衝撃を受けたと思う。『攻殻機動隊』で言うところの第11話「亜成虫の森で PORTRAITZ」みたいなもんだ。

 

第一線から離れ、アメリカの牧羊地帯のような場所にたどり着いたエコヲが争いから離れた普通の人生を送るという、小休止話…かと思いきや、かなりオカルティックなスピリチュアル尋問→少年成長のジャスティス。この話を観てる時に俺は思ったね。香しいモーニンググローリーの匂いがしてきた と

 

すごく良い人なハズなのに、どこか不思議な雰囲気のするジャニス(金髪美少女)にクロスロードという”この世の全てが交差する場所”に連れて来られるエコヲ。「ちょっと待ってよ!そもそも君は一体…!?」と横を観ると、少女の姿は無く、「お前がどんなに親しみを感じていても、仲間だろうが家族だろうが、他社という存在を、お前はお前の人生の一部としてしか解らない。」と真理で心理を乱してくるオジサンの唐突な問答。き、きたぁ!この流れはジュブナイルにおけるクライマックスや!と歓喜する俺がいた(良いんだよ! 細かい意味なんて分からなくて!)。

 

自分の中の本当の気持ちを確認したエコヲは、前述している通り「もう一度、あの子に会いたい!」と自分の気持ちを強く認識。その瞬間、独り大麦畑の真ん中で突っ立て涙を流しているエコヲ(〆もエモーショナルにしてきた…だと!? )。今までお世話になっていた人たちは、本来とっくに居ない人たちで、結局はこのクロスロードという場所(概念空間?)を通して、自分で自分の気持ちに気付く主人公。ちなみに、この話でタイトル回収&ティザービジュアルの線路の意味が判明する。詰め込まれている情報量の多さが異常。これを神回と言わずしていつ言う? そう、今。

 

 

”エウレカセブン”との比較

ここまでアニメを観た人はとっくに気付いただろうが、ストーリー全体の流れとして『交響詩篇エウレカセブン』を思い出さずにはいられない良トレース。少年が少女と出会い、旅をして苦難を乗り越えていく中で仲が深まり、離れ離れになる。でも少年は成長し戻ってくる。Re ボーイ・ミーツ・ガール

10話の”クロスロード”はエウレカで言うところの”世界図書館”だろう。ここで懐かしのレントン(エウレカ主人公)は姉と再会し、世界の真実を知った。このまま人間が争いを続ければ「クダンの限界」(星における知的生命体の局地的飽和が引き起こす物理宇宙の崩壊)が起こると知って、それを止めるために最後の戦場へ赴いた。うわ、ていうか久々にエウレカのこと思い出したけど設定秀逸すぎるな…。

つまり『クロスロード・ブルース』で描かれたのは、この成長物語の局地的飽和だったってことだよ。リスペクト・オブ・エウレカをしつつも、全く新しいプラットフォーム&凝縮された成長譚を描き切った。セカンド・サマー・オブ・ラブは起こったと言えるだろう。時代を経ることでパワーアップして。いや、これから最終回でドでかい波を起こしてくれるのかもしれない。

 

 

 

【まとめ】

全体的に駆け足で進むのは仕方ない。エウレカが50話でやったことを12話で出来るかと言われれば出来ないだろう。ただ、驚くべきはまったく”負けてない”ということだ。脚本の質が尋常じゃなく良質。

また、映像&音楽というカルチャー文化が進化していることも一役買っている。心理描写やOP・EDでの本編補完を見事にこなしてくれた。そう考えると、アニメの技術が確実に上がったであろう事を実感したね。優秀なクリエイター陣が本気を出せばもはや50話でアニメをやる必要は無いのかもしれない

そんな『リスナーズ』、最終回にも期待してます。

Viva la Morning glory.

期待の新星『LISTENERS』は令和の『交響詩篇エウレカセブン』になれるのか?

広大な世界観、感覚的メカ戦闘、そしてボーイミーツガール。

地下から這い出して世界を救う様な(そう、『天元突破グレンラガン』の様な)、あの少年の内なるリビドーを呼び起こしてくれた、一種のワクワク感を2020年に再び感じれるとは思ってなかった。

正直、1クールなのか2クールなのかすら不明。ただ、オリジナルサウンドトラックが12話までの収録予定なので、現時点では1クールで終了する予定なのだろう…悲しい、本当に悲しい。

できれば本作の様な素晴らしいスタッフ・物語は2クール、いや…4クール(50話)で、しっかりとその世界を堪能したいものだ。そう思いませんか?思わないならココで作品紹介という俺の慈善事業は済んでる。帰れ。

そもそも、「昔のアニメ作品に名作が多かった~」と中年どもが居酒屋で口にするのは、単純に”長かった”という点が感じられる(俺自身も決して社会的には若くない年齢になるのだが)。

確かに、同年代では誰にも負けないくらいのアニメをみてきた真性ナード気質な俺でも、その辺のアニオタ中年よろしく「昔のアニメは良かった…」なんて、感慨深く空を見上げることはある。何故なのか。長かったからだよ。気付いた、俺。

長いということは、それだけ感情移入しやすいってことだ。本作の脚本家である佐藤大氏が手掛けた『交響詩篇エウレカセブン』。2005年4月17日から2006年4月2日まで放送したコレは、俺的3第名作ロボットアニメにランクインしている大作。だが、意外にも最近の”にわかオタク”どもは観ていない。もう、本当にね、最高ですから。

 

そりゃあ50話もあれば、途中「あれ?この話いらなくない?」なんて回もあったよ? でも違うんだよ、レントンがエウレカに出会ってから約1年もその成長を、ドミニクがアネモネに出会ってからの想いを、ジュブナイルを見守り続けるんだよ? そりゃあ感情移入しちゃうよ。しかもこの話いらなくない? なんて思ってた回が後々思い返すと大切な思い出の一つになってしまうから不思議だ。

ボーイがガールにミーツして世界を救う、こんなに素晴らしいことを見守れたなんて、俺は、なんて良き観測者になれたのだろう…なんて、自分自身にありもしないメタ的ジョブを与えてしまうくらいだよ。※当時中学生

ただ、コレは誰しもが体験したことあるんじゃないだろうか。

小説を読んで、漫画を読んで、更にわかりやすく言えば、3年間頑張った部活を引退した時でも良い。長い時間をかけて身に沁み込んだ体験は間違いなく自分自身の人生になる。まるで、終わった瞬間に一つの人生を体験し終えたような脱力感と賢者タイムが襲ってくる。それが良い物語という快楽発生機関だ。

だから、長いアニメというのは多くの人の人生の一部になっている。自分の人生を悪く言う人はいないでしょ。しかも想い出補正で良いところばっかりフラッシュバックしてくるから、そりゃあもうドンドン良くなるさ。そういうものなんだよ。だから俺と居酒屋で出会っても、「昔のことばかり掘り返す中年アニオタクソ野郎がキャンキャン吠えるねぇ…」なんて思ったらダメだよ。おじさん泣いちゃうよ。乱暴な文章書いて悪かったよぉ…何卒…。

 

というワケで、脱線しまくった感があるけど。

「LISTENERS」には期待しかない。

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※とりあえず俺は買った

間違いなく、この作品は後に熱く語られるモノだ。