2020年7月に続編が発表される『ゴーストバスターズ』。子供の頃にTVで放送されていたのを観ていた人も多いかと。何を隠そう俺もその一人だ。子供ながらにその世界観にドハマりしたくらい、万国共通の名作。ホラーコメディとして今観ても色褪せない良さがここにある。
初代 ゴーストバスターズ
あらすじ
ゴーストバスターズは爆発物所持等の容疑で拘留されるが、「門の神ズール」にとり憑かれたディナと「鍵の神ビンツ」にとり憑かれたルイスが出会うことでゴーザが復活すること、二人の住む高層ビルは、ゴーザを崇拝しこの世の終りを祈る秘密結社の信者イヴォが特殊な設計によって建築したもので、屋上が異次元と現実世界との接点になっていたことをつきとめる。4人はレニー市長の希望で呼び出され、幽霊騒ぎを収拾するために活動を再開する。
キャストがハマり役
まず、観直して衝撃的だったんだけどさ。この作品、シガニー・ウィーバー出てたんだな(『エイリアン』のリプリー役と言えば一番わかりやすいかも)。子供の頃見てた時には俳優とか気にして観てなかったから全然知らなかったよ。まぁ、今でも全然気にして観てないけど。ただ、妖艶なリプリーが「あなた鍵の神?」って聞いてくる姿が観れただけでも、個人的には観直した甲斐がある。他の俳優陣も、もう「コイツ等しかいないでしょ!」ってレベルで物語にハマってるのは今も昔も変わらない感想となった。
チープさが逆に良い
84年に公開された映画ということもあるが、ゴーストの演出が2020年に観ると軒並みチープ! だがそこが良い。”破壊の神”がマシュマロマンとして顕現するか? ゴーストぶっ飛ばしたらマシュマロまみれになる作品が他にあるか? 俺は知らないね。良かった。ゲロぶっかけられながらレーザー光線で戦う姿がやけにカッコ良く見えたのは俺が子供心に下品だったからではなくて、この作品が良すぎたんだな。ちなみに、音楽も超ハマってる。深夜の低予算コマーシャルをイメージして作ったというテーマソングはこの作風にドンピシャだし、誰の耳にも残りやすい。日本で言えばジャパネットたかた並にキャッチー。
ゴーストバスターズ (吹替版)
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80年代の映画ってなんでこんなに良いんだろう。発展途上の時代性が反映されているというか、空気感が良いよね。低予算でも工夫してるところは今でも見習う出来だと思うし、何よりお金がなくてもアイデア次第で面白いものは作れるんだぞ! っていうゴールデンエイジ。これはその代表作だと今は思う。
続編 ゴーストバスターズ2
あらすじ
市民も彼らと超常現象を忘れ去り、4人組もそれぞれ別の道を歩んでいた。ピーター・ヴェンクマンはテレビ番組の司会者(担当番組の視聴率は最悪)、エゴン・スペングラーは研究所で心理学を研究、レイモンド・スタンツはオカルト書専門の本屋を営むかたわらウィンストン・ゼドモアと共にゴーストバスターズの仮装をして、パーティーに芸人として出ていた。
こっちの方が周知されてる説
正直に言おう、俺はこっちが初代ゴーストバスターズだとずっと思ってた。「マシュマロマンが出てくるのが2だったけなぁ~」と、うろ覚えのままにアホ面晒してた。たぶん、俺が生まれた年代的に日曜洋画劇場とかでTV放映が多かったのはこっちだったってのはあるかもしてないけどね。前作から僅か5年後の89年発表だけど、高度経済成長期だったこともあってかCG技術が向上(ただしチープさは変わらず)。ゴーストの表情もより豊かになった(そう、オニオンヘッドのゲロもより豊かになった)。
ファンが望む展開盛り沢山
前作で「鍵の神」に依り代として被害にあったルイスがさりげなくゴーストバスターズと関わっている所がアツい。ちゃっかりサブカルな受付嬢とこれでもかと良い感じにイチャイチャってるの◎! あとラストではゴーストバスターズとして覚醒する展開も最高(お前、弁護士だろ)。NYっていう場所柄というのもあるが、この仲間が増えていく感じ、『血界戦線』に通じるところがあるんだよな~。登場人物もコミカルだし、アメリカンジョークがお洒落。あとデコ車もクール。とにかく、1の良い所を伸ばした印象。自由の女神をリーサルウェポンとして使うあたり、アメリカ様のアメコミ精神が現れてる。
ゴーストバスターズ2 (吹替版)
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ストーリー的には街一つが直接的に関わってくるので、壮大になった感じ。ただ流石なのはやっぱり音楽だな。ここで盛り上がって欲しいって所で見事にアゲな音楽流してくれる。こういう細かい所がよりクオリティ上がってるから、興行収入的には1の方が良かったみたいだけど俺は2の方が好き。
リブート版 ゴーストバスターズ
あらすじ
3人は幽霊研究というだけできわもの扱いされる現実に直面するが、幽霊の実在を証明した初めての科学者となるべく幽霊を捕獲し、管理下に置いて研究するために「超常現象究明研究所」を設立する。受付担当のケヴィン・ベックマン、地下鉄職員のパティ・トーランを仲間に加え、街中で暴れ出した幽霊退治に乗り出す。
元々は2の続きを描く予定だったらしいけど、諸事情によりリブート版に変更になった本作。導入部分などは現代風になっているが、大よその展開は同様。ただ大きく異なるのはメインメンバーが女性っていう点だろう(唯一の事務所男メンバーは馬鹿が服着て歩いてる、ただしイケメン)。変わらない点として、安定にオカマが出てくる。そして初代同様にユーモアに富んだメンツがゴーストの吐瀉物にまみれる。
驚かし演出が劇的に進歩
2016年発表ということで、前作から27年も間が空いた。正直どうなるもんかと肝を冷やしたが、映画技術が向上したのはホラーコメディにとっては追い風。ゴーストのCGがより滑らかになったし、驚かし方もちゃんと時代に合わせて成長していた。初代に見られたチープ感も、あれはあれでホラー映画の醍醐味ではあるのだが、綺麗な幽霊が観れるならそれに越したことは無い。この点に関しては素直にグッジョブと言いたい。しかしゴーストは潰れると液状化するところは変わらない。
世界観の作り方がより秀逸に
なんだろうね。歴史を経て設定がリアルな現代になったことで、よりヘルサレムズ・ロットっぽさが増した。小道具とかの演出も良いんだよ。何か雑多で混沌というか(事務所が中華料理屋の2階ってのもあるが)。路地裏でいともたやすく行われる新武器の実験が危険すぎて、逆にNYが好きになる。
賛否両論のリブートだったけど、結果的には歴史を踏襲した秀作になったと俺は感じた。本気でB級映画を作るとこうなるんだぞって好例(たぶん予算的には十二分にA級)。女性メンバーになったことでよりポップさが増してるから、初代を見てなくても楽しめる作品かと。一言で言えば、普通にめっちゃ面白いぞ。
ゴーストバスターズ (字幕版)
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まとめ
こんなに年代を超えて愛されている作品もないかと。ロゴ良し・音楽良し・脚本良しという3拍子揃った作品がカルチャーとして後世に残らないワケが無いってことだろう。しかもストーリーに関しては、元祖”ヲタク無双”モノと言える。ヲタクの心の奥底にあるヒーロー精神を刺激した結果、熱狂的ファン層を確立したってのもあるかもね。
珍しく、すごくベタ褒めした感があるけど。SFは80年代~90年代の作品の方が好きだから仕方がない。今年の最新作『ゴーストバスターズ/アフターストーリー』も期待。
あれ、夏に観る映画…多くね…?