俺的2020上半期アニメ・オブ・ザ・イヤーは間違いなく『空挺ドラゴンズ』

「2020年良かったアニメ作品は?」と聞かれた時、いの一番に頭に浮かんでくる作品、それが『空挺ドラゴンズ』(2020_05_14現時点)。

あらすじ

各国が龍と呼ばれる生物から生産できる食料や資材を欲して空を目指してから半世紀後の時代。世界には、飛行船に乗って捕獲した龍を加工して売りさばく龍捕りと呼ばれる職業が誕生した。希少となった現役の捕龍船クィン・ザザ号には、龍が大好物のミカを始め、新人龍捕りのタキタや龍捕りの父をもつジロー、諸事情で地上を旅立ったヴァナベルなど様々な龍捕りが搭乗しており、それぞれが事情や目的をもって共同生活を営みながら空の旅を続ける。

 

過酷な航海の中でも輝く日常

重労働で龍が取れないと賃金も低く、空を飛び続けるだけでも相当な労力を要するという超絶ブラックな職場ながら、乗組員の笑顔がとても眩しい。たまに港街に降りた時なんか、一張羅を着て陸の娯楽を堪能する姿に生命力を感じる。ただ、この解放っぷりは「いつ死んでもおかしくない」という感情が行動として表に出た結果なんだが地下から地上に出れた時のカイジみたいなもんだ。ひと時の楽しみだと割り切っているからこその切なさも微妙に漂わせる。その姿とこれを表現した作者に拍手。

 

若手乗組員の成長物語が泣ける
(ジロー成長物語)

若手と言ってもジローとタキタしかいないけど。オジサンばっかの中で歴の浅い2人は思春期ということもあって、旅の中で精神的な成長を経験していく。その描かれ方が最高。街で出会った女の子(カーチャ)とひと夏の恋ならぬひと街の恋をするんだけどね。街を発つ朝、一度も街から出たことが無いというカーチャの為に空中ドライブを敢行。その粋な演出が甘酸っぱいながらも見事なジュブナイル。空で朝焼けを見ながら「君も一緒に(行こう)…」って言おうとするジローに対して、後ろから泣きながら抱きしめて「舌、噛んじゃうよ」と、やんわり断るカーチャも非常に情緒的なんだよ。

明らかにお互い好きなのに、空と陸、2人の境遇と立場を考えて別れを決意する姿にドラゴンも霞むほどの輝きを見た。この後ジローは髪を短く切る(しかも切るのはカーチャってのがまた良い…)。失恋後のキャラデザ変更、ちょっと大人になった少年の成長の表し方を本当に分かってる。

 

若手乗組員の成長物語が泣ける
(タキタ成長物語)

龍の回廊での小型龍捕龍中に超高度から落ちるタキタ。120%死んだと思われたが、何と地上まで龍にしがみ付いていたことで地面に落ちても生きていたというご都合奇跡。だが、この陸でタキタが成長を果たすということの方が、視聴者的にはよっぽど奇跡だった。

自分が捕まってきた龍が落ちたのはその親龍の子がいる住処(付近?)。そこで、生きるために子が見ている隣で親を解体・調理するという中々に倫理委員会案件。最初は嫌がっていたタキタが身体を回復するために泣きながら親龍を食す姿は必見。居合わせたマタギの姉さん(アスケラ)の「仕留めた獲物はちゃんと食べる。食べた分だけ良く生きる」にはこの世の摂理が含まれてた。それを聞いたタキタはまた号泣。そして食べる(タキタ可愛い)。結局、この後この龍の子を天空の群れに戻すために再び空を目指します。この流れ本当すこ。その過程でのクィンザザ号メンバーとの再開シーンはアニメでの一番の盛り上がりポイント(っていうか最終回冒頭はこの話→龍の回廊)。

 

捕食されるだけじゃない龍の魅力

この作品が龍をただの獲物として扱う作品なら、俺はここまで惹かれなかったと思う。時には神秘的に、時には気色悪く、人知の及ばない”空の神”として描かれているからこそ、龍を獲ることの困難さがしっかりと感じられた。

少し、俺の中で印象的だった龍をエピソード毎に紹介したい。

 

光る龍

アニメ3話「光る龍と」にて、神秘的な龍との邂逅。この話は序盤の話の中でも群を抜いて心を揺さぶってきた。まず導入から”嵐の中で光る龍に救われた”という伝説話をジローが語る流れが良い。船乗りの間の伝説ということで真に受ける者が少ない中、ミカだけは「いや、いるかもしれねぇぞ」って否定しない(食べたいだけかもしれないが)。結論から言うと”光る龍”はいた。しかも嵐の船を救うっていう聖人のような習性と見た目。子供の頃の夢物語が実現したことでジローも思わず笑っちゃうところが◎、少年の成長を感じ、物語全体に深みをもたせる話となった。雷雲の中に常に晒されてるからか、メチャクチャに帯電したけど、スタンランス効かないんじゃ…

 

超大型龍

アニメ最終回でその姿を見せた、龍の回廊のバカでかい超大型龍。ゲームだったらクリア後に現れるクラスの裏ボス級。え、何、天空にはこのレベルのボスがうろついてるの…? 普通の龍が二階建てアパートだとしたら六本木ヒルズくらいでかい、月並みに言って規格外。コイツの存在を最終回で魅せてくれたことによって、龍の底知れない恐ろしさと神々しさを余韻としてもたらした。ちなみに作中ではコイツは捕龍できず。またどこかで出てきたらかなり胸アツ。FF5で言うところのオメガ

 

まとめ

どうだろう。平時はさながら某ファミレス漫画のようなワイワイ感ある労働環境。ひとたび龍に出会えば一触即死のリアルな捕獲描写。そこに龍の料理のスパイスが効くことで見事に現代版・漁師作品が完成した作品なんだよ。ジブリのパクリとか色々言われているが、そんなことはない。圧倒的なオリジナル性がこの作品にはある。というか、仮にパクリだとしても良いんだよ。リアルタイムでジブリ並の作品見れてるって歴史的快挙だからな。チョー気持ち良い

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ちなみに、原作ではミカのちょっぴりセンチメンタルな成長が描かれる展開が見れるし、より人間ドラマが濃くなってる。アニメにハマった人は原作も見て損はない(特にナウシカ好きは読んだ方が良い)。

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