五等分の花嫁

五等分にした結果、愛の強さが五倍になった稀有な例『五等分の花嫁』

中野姉妹、誕生日おめでとうの気持ちを込めて。

一世を風靡したと言っても過言ではないほど異例のヒットを飛ばした『五等分の花嫁』。2017年夏~2020年の春まで週刊少年マガジンで連載された本作は俺たちに新しいラブコメの形を魅せてくれた。無論俺も大好きな作品だったワケだが。5月5日、姉妹の誕生日祝いも兼ねて本作の魅力を改めて語りたい。語らせてくれ。 ※全力でネタバレを言うスタイルなので原作未読の人は読まない or ネタバレ上等の人のみ読んで欲しい。

(いや、むしろこの記事を読めば未視聴でも大体のストーリーが理解できると思うので、無知識の人ほど読んでも良いかもしれない。)

まずはおさらいも兼ねてあらすじを。

結婚式当日、式場の部屋で微睡んでいた新郎の上杉風太郎は妻と初めて出会ったときを思い出す。

当時、高校2年生の風太郎は、成績優秀だが生家が借金を抱えており、貧乏生活を送っていた。ある日、風太郎は中野五月という転校生と知り合い、勉強を教えるよう乞われる。しかし風太郎はこれを断り、さらに放った一言が彼女の怒りを買ってしまう。その直後、風太郎は妹から「富豪の娘の家庭教師」というアルバイトの話を聞かされ、借金返済のためにその仕事を引き受ける。

風太郎の仕事は、五月を含む五つ子姉妹に勉強を教え、全員を高校卒業まで導くというものだった。落第寸前の成績であるにもかかわらず勉強する意欲すら見せない5人に頭を抱える風太郎だったが、夏祭りなどを通して五つ子と交流する中で、はじめから比較的協力的だった四女・四葉に加え、三女・三玖と長女・一花の信頼を勝ち取ることに成功する。だが、次女・二乃と五女・五月の協力は得られないまま、風太郎が家庭教師に就いて初となる中間試験を迎える。テストの結果は前回より上昇していたものの、赤点は避けられなかったため、家庭教師を続ける条件として5人全員が赤点を回避することを課されていた風太郎は、5人にアドバイスを残し去ろうとする。しかし、それまでは非協力的だった二乃が風太郎を庇って嘘の報告を父親にしたことで、ひとまず家庭教師を続けられることになる。

うん。これがアニメ1期の大まかなあらすじ。冒頭から結婚式当日で、その日に至るまでの青春を描くという『プロポーズ大作戦』スタイル(ただし、ハレルヤチャンスは無い)。上記の他にも、花火大会・林間学校という、視聴者にとっては心躍った一大イベントがあったが、これに関しては是非アニメを観てくれ。ラブコメは大概がイベントでラブってコメる。

本作の特徴として、終始中野姉妹が可愛い過ぎることが挙げられるが、何よりもストーリーが秀逸。ただの家庭教師モノかと思いきや、五つ子のうち一人はフー君と5年前に出会っている”運命の人”という設定が中間試験後に浮上。林間学校編からは、その運命の人が誰なのかというミステリ要素が追加される。この追加要素によって読者の間では「誰が運命の人なんだ?いや、待て、運命の人が結ばれるとは限らないのでは?」と熱い議論が交わされたのは記憶に新しい。さらに、王道ラブコメらしく、5人の姉妹それぞれが血で血を洗う恋愛を繰り広げる。ここがポイント。仲の良かった姉妹が同じ人を好きになることで互いに出し抜き合う(主に一花)。この三者三様ならぬ五者後様であり五人五色の甘酸っぱい駆け引きに、読者はハマっていった。

ここからは五つ子の可愛さをハイライトで紹介したい。推しを重点的に紹介したいところだが、ここは1~5まで順番に。公平にいこうぜ。

中野一花

まず一花。五つ子の長女にしてお姉さんキャラ。だがその実態は可愛い妹だろうと蹴飛ばして幸せを勝ち取ろうとする半天狗。自分の気持ちを胸の奥に秘めがちだが、一度発射すれば止まらない推進力を魅せる魚雷。そして地雷。三玖を泣かせた罪は重いが、アニメ2期で描かれるであろう修学旅行編では、彼女のおかげで姉妹の絆がより深く繋がるとともに、ファンを感動の渦に沈めた。高校生活中に女優としてデビューし、一躍有名人になるほどの美貌と強さを兼ね備え、名実ともに姉妹を引っ張る”強いお姉さん”に成長した。ダメ男を好きになってしまう世話焼きなところもそのキャラの確立に一躍買っているが、完璧すぎないところが彼女の人気の秘訣な気がする。ヤンデレ好きの俺はなんだかんだ彼女のことが好き。

アニメ2期で警鐘が鳴りやまなくなる視聴者が楽しみである。

中野二乃

気の強い二乃。物語序盤では主人公であるフー君のことをバイ菌のごとく扱い、最も手を焼いたツンデレ。実はその気の強さは弱さの裏返しであり、姉妹愛が5人の中で強いからこそATフィールドが厚かった真性ツンデレだ。アニメ一期では尺の都合で描かれなかったが、二乃の本気はこれからなんだよ。彼女が最も物語の中で熱い旋風を巻き起こしたと言っても過言ではなく、一花が爆弾だとしたら台風だ。俺は今でも覚えてるぞ、原作59話でフルスロットルになった彼女はそのままの勢いで物語のブレーキを破壊、最終話まで駆け抜けたザ・暴走特急と言っても決して過言ではない。その一直線具合は時速150㌔で全童貞を轢き殺した。なんとなく「報われないのかな…」と見ている者に感じさせるところがあざとい。ツンデレ好きの俺はなんだかんだ彼女のことが好き。

ここ数年のマガジンヒロインの中で一番熱い告白シーンは必見。

中野三玖

御淑やかな三玖。歴女で戦国武将が好きってところがもう可愛い。ヘッドホンも可愛い。というか全体的に可愛い。アニメ勢には、一番最初にフー君に堕とされたチョロインのように見えたかもしれないが、そこから健気に頑張る彼女の姿は俺に勇気を与えてくれた。人一倍恥ずかしがり屋なところも彼女の魅力であり、自分の恋心を自覚してからも中々フー君に告白をすることが出来なかった彼女が、気持ちを打ち明ける瞬間は作中屈指の名シーンだろう。自分の気持ちに正直になり、迷わなくなった彼女は無敵、頑張る女の子が大好きな俺は彼女のことがもちろん大好きだ。

俺の周りでは三玖推しが一番多かった。無論、俺も。

中野四葉

ここで一つぶっちゃけよう。四葉こそがメインヒロインだ。何故か。姉妹の中でもダントツで天真爛漫なお馬鹿キャラ。恋愛とはかけ離れた性格の脳筋かと思いきや、実は誰よりも相手の気持ちのことを考えることが出来る本当に良い子がここにいた。相手のことを第一に考えるため、自分の幸せは二の次。この性格になった理由も作中では語られたが、結果として四葉の性格の良さが他姉妹から頭一つ抜きんでていることを証明する名エピソードとなった。無邪気な笑顔の仮面に隠された深い苦しみを理解した瞬間、全読者は四葉こそが物語の主軸だったと認めざるを得なかったことだろう。もう言う必要が無いと思うが、苦労人が好きな俺は彼女のことも大好きである。

遅れて来た?いや、最初からそこにいた。それが真のヒロイン。

中野五月

末っ子の五月は食べるのが大好きな真面目キャラ。素晴らしい…見事に性格属性を網羅してくれた。末っ子で、何処か幼さが残るからか、最も恋愛の空気感を感じない五月。でも思い出して欲しい、一話で五月がフー君に声をかけたからこそ物語は動き始めた。そして家族ぐるみで仲良くなる姿。もっとも主人公との腐れ縁を感じる末っ子の恋愛はいつ始まるのか…実は五月こそがジョーカーなのでは…と、ワクワクしながらマガジンを買っていたのは俺だけではないハズ。そしてついにその瞬間が訪れたか? ついに五月もドロドロの略奪合戦に参戦か? と思わせてくれた作者の手腕には拍手しかない。実は姉妹で一番ギャップ萌えを実践していたし、もしかしなくても一番可愛い可能性あり。友達になってくれるなら、俺は五月が一番良い。

しっかり者に成長していく姿は青春そのものを体現していた。

五つ子のことそれぞれを思い出すだけでこんなに言いたい事があるなんて、やっぱり素晴らしい作品だったんだな。ここまでキャラ紹介に振っておきながら言うのもなんだが、この作品の一番良いところはあくまでストーリーの良さ。この記事を読むだけである程度は全体の流れが分かったと思うけど、詳細はぜひ原作かアニメにて、ということで。

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まさかこんなに長い記事になるとは思ってなかった。

大丈夫、俺も自分自身の作品愛の強さに正直引いてる。

でも後悔は無い。もう迷わない。

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