BNA

価値観の違いが自由を阻害するなんて決めつけてるのはきっと自分自身

いよいよNetflixで独占先行配信された『BNA』7話~12話。
早速全話視聴したから感想を。※チラっとネタバレしつつも大事なところには触れない紳士スタイルの記事をお送りします。

 

ちなみに、『BNA』に関しては前にも記事を書いているので、1話~6話を未視聴の人はそちらから合わせて読んで欲しい。

 

遂に物語は核心へ

あれ、”獣”人ってなんだっけ? みちるは元から獣人としてのスペックを遥かに超えていたけど、後半戦では獣人の概念を疑うような現象が多々起こる。いや、そもそも獣人の概念なんて俺も知らないけど。そんな突っ込みを入れている間に、本編では銀狼伝説の真実、市長と士郎の出会いなど矢継ぎ早にぶっちゃけエピソードが明かされていく。ここにきて爆発的な加速をみせるシナリオ。でも、この環状線をアクセルベタ踏みで走る飛ばし屋みたいな勢いこそTRIGGER。

法定速度を超えたまま、最大の謎である主人公みちる・親友なずなの2人が獣人になった原因も明らかになる。すごいサラっと書いてるけど、ここまで中々にモヤモヤ展開。みちるの一生懸命さが報われないような展開が続くからだ。6話までの時点だと、みちるがいっつも空回りしている軸の無い人間のように感じてた人もいるかもしれない。何を隠そう、俺も少し思ってた。けど、実はみちるは最初からブレてない。みちるはいつも”他人のこと”を想い続けていた。いつだって他人を心配して、親友のことを心配していた。その時その時の心配する相手によって行動の指針が変わるから、傍から見るとフラフラっとした人格っぽかったんだよね。物語後半になってようやくみちるの性格が理解できた気がする。

 

見てないところにこそ、真実はある

水面下で動いていた問題(ニルヴァジールシンドローム…名称が長い…でも響きが良い)が表に出てきて、噛み合い始める歯車。みちるだけの問題だと思っていた事が、ここで一気に獣人全員の問題になる。あれ、この物語、悪役が誰もいないんじゃ……? こんなに平和な作品があって良いのだろうか。いつものTRIGGERだったらグゥの音も出ないほどの超・悪が出てきて今までの敵と仲直りしながら打倒するハズ。来るか来るか…来てしまうのか、この優しい世界にも絶対悪が…。と、思ったらやっぱり来ました。 でも、悪はまさかの勢力。立場によって何者も悪に成り得るという良き例。※ラスボスは期待通りの人物だった。

 

絶対悪は絶対に悪の言葉を吐く法則

なんとも面白い展開。流石TRIGGER。最大の敵は最初から登場していたし、最大の味方はいつだって自分自身。獣がメインの話を非常に上手くまとめてきた。コレコレコレぇ! この展開を!待ってたんだよォ!あと相変わらずラストバトルの時のBGMが絶対に盛り上がるって凄いことだと思う。「それが世界の真実!」って叫びながら攻撃してくるのはラスボスの特権だよね。

 

「どう生きるかは自分で決める」

”強い女の子”はいつ観てもカッコ良い。物理的な話じゃなく、精神的に強い子ね(物理的に強くないとは言ってない)。そしてクライマックスの盛り上がりと表情の描き分けが尋常じゃない。たぶん一発で12000kcalくらいは消費してるんじゃないかって位の熱量。作画も同じ位カロリー消費してるのでは? 確実に螺旋エネルギー使ってるわ、コレ。最後はお家芸・全力ってところがGOOD。畳みかけつつも、物語は綺麗に折りたたまれるように終わってくれました。

 

「今の自分、結構好きなんだ」

この言葉がみちるの口から聞けただけで俺は満足です。自分のことを自分の意思で決めた子はの眼は輝いてる。人と獣人、2つの種族を体験し、真に理解しているのは、みちるとなずなの2人だけ。その上で選び取るこれからの自分。TRIGGERらしく、種族間のギャップに悩みつつも確実に喜びを得ていくという、センシティブな問題を描き切った良い作品でした。

依存症の俺は次回作も楽しみにしてます。
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