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『ダンダダン』が俺の日常をブッ壊してくれた

ジャパンホラーと言われて思いつくのは何だろうか。貞子? 伽耶子? 富江? これらは日本を代表するホラーなので無論ジャパンホラーなのだが、俺が考える日本独自のホラーとは「なんでもあり」感を色濃く反映した作品だ。この漫画にはそれを感じる。

【あらすじ】

幽霊を信じないオカルトマニアの少年・高倉と、宇宙人を信じない少女・綾瀬は、互いの理解を超越した圧倒的怪奇に出会う——…!オカルティック青春物語!!『少年ジャンプ+』より引用

『ダンダダン』(少年ジャンプ+)

 

 

【作品概要】

去る2021年4月6日、唐突に『ジャンプ+』にて新連載を開始し、その圧倒的なクオリティでSNSをはじめ各所で話題になった『ダンダダン』。俺も読んだ瞬間に即友達に連絡したよ。「おい、また新世代の名作漫画が誕生したぞ」ってな。

作者は龍幸伸先生。どうも『チェンソーマン』『地獄楽』といった大ヒット作の制作現場でメインアシスタントをしていた超絶実力者とのこと。

なるほど確かに、この絵のクオリティはそこらの夢見がちな少年少女には出せない。なんというか…強弱がしっかりしているんだ。俺は絵に関しては全くのド素人なんだが、見るべき場所がしっかりと見るべきクオリティで書かれている感がすごい。この人たぶん広告デザイナーでも通用すると思う。しかもね、この『ダンダダン』が良いのは絵だけじゃないんだ、ストーリーの組み立て方が非常に秀逸なんだよ

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それではお待ちかね。下記にて『ダンダダン』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

 

宇宙人ヲタ meet 霊媒師の孫

物語冒頭をざっくりと紹介。

カースト最底辺と言える眼鏡陰キャ男子が受けているいじめを、颯爽と助けるハキハキ系美人ギャル。そんな二人の出会いから始まる本作。この時点では一体どんな物語が繰り広げられることになるか全く予想できない。良い立ち上がりだ。

会話をする中で、眼鏡陰キャ男子(高倉)は『ムー』を購読しているような生粋のオカルト男子ということが明かされる(そりゃあいじめられるよな…わかる)。一方でハキハキ系美人ギャル(綾瀬)は祖母に霊媒師を持つ由緒正しき除霊少女。高倉は宇宙人を、綾瀬は幽霊を信じているが、互いが互いの信じている未確認現象を信じていないということで、小競り合いすることに。以上の経緯により高倉は幽霊スポットへ、綾瀬は宇宙人と交信しやすいという所謂いわくのある場所へ向かうことになる。

 

 

非日常はいつだって突然

結果的に、二人とも幽霊・宇宙人に遭遇。いきなりキタァ―‼ そうだよな、非日常はいつだって唐突に襲ってくる。デスマーチはいつだって唐突に始まるし、会社が倒産するのもある日突然告げられる。人外もそうだ、いきなり襲ってきて日常をブッ壊すから脅威なんだよ。この展開リアルですごく好き。

ということで襲われた二人は見事に餌食になりましたとさ…

では、もちろん終わらない

少年ジャンプはいつだって困難から勝利に向かうだから愛されてるんだ

 

 

非日常には

非日常をぶつけんだよ!

宇宙人に脳を弄られ過ぎて開花する綾瀬の超能力。ターボババァに呪われることで可能になった高倉の憑依合体。ともにリスキーながらも、目の前の敵を倒すために全力を振るう。ここで俺の脳裏にはかの白石晃士監督の名作(迷作)映画『貞子vs 伽耶子』の名言が浮かんできた。そう「バケモンにはバケモンをぶつけんだよ」だ。なんだって対処法は一緒。

そりゃさ、俺も考えたことあるよ。「幽霊に襲われたら瞬間移動で逃げれたら楽なのにな~」とか、「阿弥陀流真空仏陀切りできたらUFOとか切れんじゃね?」とか。それを実践してのけた…だと? 少年の心を持つ漫画フリークの欲望と渇望のオーバーソウルだよ

ちなみに、このバトル時の躍動感がこの漫画最大の特徴と言って良いと俺は思う。漫画なのにアニメを観ているかの如く動いて、俺の脳を揺さぶってくるからさ、この作品を読んだだけで俺も超能力に目覚めないかなと思った次第

それにしても、陰キャとして物語序盤に登場した高倉がバトル時にここまでカッコ良くなるなんて誰が想像できただろうか(上の画像二枚目が高倉)。しかも綾瀬もしっかり戦うヒロインとして絶対的な力に目覚めてるし……。いや、待て待て。そうか、これはダブル主人公モノか。ボーイがガールとミーツした結果どちらも戦う力に目覚める。まさに王道じゃないか

つまり何が言いたいかと言うと。この『ダンダダン』は、幽霊だったり宇宙人だったり超能力だったり、一見すると要素が盛り沢山の好き放題やっている作品だが、全くの無秩序ではないということだ。少年少女が異形のモノと戦いながら互いに惹かれつつ、日常と非日常を行き来する。そんな王道少年漫画としての筋がビシッと通るように、しっかりと物語をまとめ上げている令和の超秀作だってこと

『ダンダダン』(少年ジャンプ+)

 

 

【まとめ】

アクロバティックな豪快アクションと青春ストーリー、その軸にあるのはオカルト(幽霊・宇宙人・超能力)というゴチャマゼ感満載の本作。オカルト要素ってのは、大抵はどれか一個にフォーカスしたり、『涼宮ハルヒの憂鬱』のようにサブ的要素としてこっそりと忍ばせることが王道とされてきた二次元の常識を1話目で一気にブチ壊してきた

でも、これこそが俺が望んでいた作品なのかもしれないって思うんだ。いつだってホラーはホラー、宇宙人モノは宇宙人モノと括られてきた。でも全部信じている俺みたいな現実クラッシャー乞食にとってはどうだろう。オカルトという括りで一緒くたに非日常を味わえる、こんな作品を、俺は、俺たちは望んでいたんじゃないだろうか。まさにヤサイマシニンニクマシマシアブラカラメ作品。

胸ヤケしつつも、絶対にまた食べたくなるヤツな。

ではまた。

すべての30代は恋愛せずに『九龍ジェネリックロマンス』読んどけば良い

俺はよく言われる。「いい歳して少女漫画なんて読むな」と。じゃあ大人は何を読んでトキメキを感じれば良いんだ? 答えはこの『九龍ジェネリックロマンス』だ。

【あらすじ】

此処は東洋の魔窟、九龍城砦。ノスタルジー溢れる人々が暮らし、街並みに過去・現在・未来が交差するディストピア。はたらく30代男女の非日常で贈る日常と密かな想いと関係性をあざやかに描き出す理想的なラヴロマンスを貴方に――。『少年ジャンプ+』より引用

 

【作品概要】

『恋は雨上がりのように』で人生の雨宿りを描いた眉月じゅん先生がヤングジャンプで連載している本作。

前述の恋雨は『月刊! スピリッツ』にて2014年から2016年まで連載し、叙情的な絵心とストーリーに多くの読者の心が瑞々しく潤った。アニメ化とほぼ同時期に実写映画化も果たし、小松奈々との人生における可能性を示してくれた世のオヤジ達のオアシス的大名作。

こんな偉業を成し遂げた眉月先生の新作とあっては、チェックしない訳にはいかない。ヤンジャンでの連載開始時に友達から勧められた俺は呑みの席で1話を読み、結果ハマった。これこそが大人が読むロマンスだ

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それではお待ちかね。下記にて『九龍ジェネリックロマンス』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

 

ノスタルジックな世界

この物語を語る上で、絶対に話しておかなければならないのは舞台となる”九龍”に関してだろう。一言でいえば、とにかくこの街のノスタルジックさが◎! 吉祥寺のハーモニカ横丁が居心地良く感じるように、浅草のホッピー通りに対して謎の郷愁を抱くように、大人のセンチメンタルな部分を刺激する力がある。何回酔いつぶれて財布失くしてもこれらの街は好きだもんな!

若干、俺の闇の部分が顔を出したが、気にせず読み進めてくれ。とにかく、舞台となる街の雰囲気が秀逸なんだ。そもそも九龍ってのは現実の香港にもあった地域名称で、イギリスやらなんやらの難しいアレで大変だった場所。今となっては急速な技術革新によってアルティメット進化を遂げ、高層ビル立ちまくりのスーパー都会だから気になる人はGoogleマップで見てみよう。

というわけで、本作では今となっては存在しない過去の九龍(のオマージュ)が舞台として描かれるんだけど。何故だか読んでいるこちらもこの街が懐かしいような気がしてくるから不思議だ(ノスタルジーってのは自己の記憶に起因する訳ではないらしい)。ただ、面白いのは作中の登場人物たちも読者と同様に“何故だか分からないけど、この街は懐かしい”と思っている描写で溢れている。←これ、物語上かなり重要ポイントだから要チェキな。

 

「懐かしさ=恋」

そして出てくる「懐かしいって感情は、恋と同じだと思ってる」というパワーワード。強い、強いぞ。この発言単体で読むと即座には理解し難いが、この『九龍ジェネリックロマンス』を読めば全て理解できるし、この発言自体が深い。なんならこの作品の主軸はラブロマンスだからな。ではお待ちかね、ここからは本作のロマンス的側面を語っていこう。

 

 

大人のリアルな恋愛模様

しまった……俺がキュンキュンした箇所を抜粋した結果、詰め込みすぎた。上の画像を見て貰えば分かる通り、この『九龍ジェネリックロマンス』では、ヒロイン&主人公である鯨井が同じ会社の先輩・工藤に恋をしていく過程が非常に生々しく描かれている。これが超絶GOOD。いわゆる少女漫画ってのは、少女(と、俺)をトキめかせるように何処か現実離れした展開だったり、恋をしていく過程が突飛だったりすることも多い。でも本作は天下の『ヤングジャンプ』、描くぜぇ~、リアルに。女心という未知のラビリンスを男の俺に完全に理解することは勿論できないが、恋が始まる瞬間っていうのは、きっとこんな感じなんじゃないかと思ってしまう。このアダルティな感情の機微を的確に描くところは流石の一言。

「視力が良くなると、今まで目に入らなかったものも見えるようになる。知らなかったクセを見つけると嬉しいし、もっと触れてみたくなる。」急~にッ! 急に触れてみたくなるッ! そうだよな、意中の相手の新たな一面を見れると嬉しいもんな。視力が良くなって、相手のことをしっかりと見れるようになるなんて至福の極みだと思う(ちなみに俺は視力悪すぎて裸眼だと世界一面がパウダースノー。好きな人を見るよりもまず世界を好きになりたい)

で、いつも通り仕事をしている時に思うんだよな。何気ない仕事への考え方や、ふとした仕草、ちょっと良いな……って思ってる時、タイミングを見計らったかのように優しく接してくれたりしたら思っちゃうよ。「私、この人のことが好きだ」ってな。自覚したら終わりよ。そこから一気に思考はオリエント急行。目的地に着くまで途中下車は許されず、あの手この手と恋愛終着駅まで走らされること間違いなし。でもそれで良いと俺は思うんだ、だって人間だもの

これ以上恋愛について考えていると頭がおかしくなる気がしてきたので、まとめよう。とにかく本作は、”30代の恋愛”というものを非常にリアルに描いている(鯨井は32歳)。30歳の俺が言うんだから間違いない

もうこの歳になるとさ、10代の頃みたいに甘酸っぱい感情なんて忘れてしまっているワケですよ。日々の仕事に追われて、気づけば長年独り身だったなんてよく聞く話よ。でもそのスイッチが一瞬で切り替わる瞬間が来るんだよ、ある日突然。そうなったらもう止められん。自分なりに手探りで恋していくしかないんだ。本作はその”手探りで恋していく”為の教科書だと思うね

 

 

≪無料試し読み≫

まんが王国

ちなみに、『九龍ジェネリックロマンス』を無料試し読みできるサイトも紹介しておこう。俺がよく利用しているのはまんが王国だ。

漫画を読むときに試し読みをすることは大事だと俺は思っていて。自分に合っているかを手っ取り早く確認するには、まず読むことだと信じている。何よりもまず行動っていうしな。漫画も一緒よ。是非自分で読んでみて、『九龍ジェネリックロマンス』の世界にハマって欲しい。

漫画王国では今登録する半額クーポンが必ず貰えるからオススメ。利用できるものは何でも利用すべきというのが俺のポリシーだ。俺も結構ずっと使ってるから安全面は問題ないハズ。

 

 

甘いだけでは終わらない

と、ここまでは本作がどれだけ大人が読むべき恋愛作品かという点にフォーカスを当ててきたが、それだけでは終わらないのがこの作品の一番重要なポイント

恋愛という要素をしっかり重要なファクターとして内包しつつも、読者全員が驚愕し、すべてが引っくり返される瞬間がこの作品には存在する。あまりにも衝撃的だったし、ここを踏まえてから改めて読み返すと今までの鯨井・工藤の不可思議な言動も合点がいくところが出てくる。アハ体験だ。

このターニングポイントについてもこの記事で書こうと思ってたんだけど、さすがにネタバレが過ぎるからやめておこうと思う(個人的にはすごく書きたいので、いつか別記事にて、乞うご期待)。

【まとめ】

ということで、今回は『九龍ジェネリックロマンス』について語りました。ここまでアニメ化→実写映画化までのブレイクが容易に想像できる作品も存在しないだろう。俺なんかは恋愛作品も好きだし、SF作品も好きだし、香港に対して何故か郷愁を感じているからさ、ドンピシャに突き刺さった。鯨井も上の画像で言っている通り、面白いかどうかは自分で読んで、自分で決めて欲しい。絶対面白いから。ではまた。

ここ数年でダントツ一番の衝撃を受けた作品『その淑女は偶像となる』

アイドルバトル漫画としての完成度は言わずもがな。少年漫画としても半端ないクオリティを誇る作品『その淑女は偶像となる』。読み切りの時点で一気に引き込まれたし、こんなに衝撃を受けた作品はないと思う。

【あらすじ】

エリザベス女学院に通う姫宮桜子は、淑女の中の淑女として校内で人気の少女。その仮面の裏側に、彼女にはアイドルを志し、挫折した過去があった。光と想いが交差する、ステージは少女たちの戦場!笑顔で戦うアイドルバトル、開幕!『少年ジャンプ+』より引用

【作品概要】

作品概要と言っても、まだ連載が始まったばかりで特筆してここに記する情報は無い。でも多くの漫画好きの間では「間違いなく面白かった作品」として2020年上半期にビックウェーブを巻き起こした作品であり、それが去る2020年12月27日から連載化となったとあっては、俺も記事を書かずにはいられない

まず、読切の時点でかなり推敲されたのが伺える完璧な構成だった。これに関しては読めば理解できると思うのでリンクを貼っておこう。↓

その淑女は偶像となる/読切版

作者の松本陽介さんは元々『pixiv』でデレマスの漫画を描いていたから、「この絵見たことある!」って人もいるかもしれない(うさみん推し・りあむ推しは特に)。よくpixivで推しの画像・漫画をディグってる俺は、読み切り読んだときに「な~んか見たことある絵な気がするなぁ……」と思って作者名ググったら案の定みたことある城ケ崎美嘉の漫画出てきて納得した(そう、俺はLiPPS箱推し)

少々余談が過ぎたが、改めてpixivやTwitterを拝見するとアイドル(というか、女の子)のことを真剣に考えてきた人なんだろうなぁということが伺えるので、アイドルという難しい題材でこの完成度というのも納得できた。何事も初志貫徹は大事。ちなみに松本先生は本作以前に『完璧麗華さまは友達作りがおヘタ』という作品も描いていた様子。こちらはまだ俺も読めてないので今度読んでみようと思う。

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激アツな偶像ストーリー

上のリンクから読切版を読んでくれた素直な読者の皆には説明不要かもしれないが、本作の第一話の内容を少々語らせてくれ。

個人的に「アイドル」という題材を漫画にすることは非常に難しいと思ってる。その実情は現実においてかなり闇に覆われており、実際にアイドルとして活動している各々によって全く違う境遇だったりするからだ(ヤングジャンプで連載中の『推しの子』も面白いから読もうな!)。芸能関係って煌びやかなイメージを持ちがちだけどさ、実際には泥臭い努力が必要だったり、本当に頑張ってる人間で溢れた界隈だと言える。本作はその辺をよく分かってる

主人公の姫宮桜子は幼いころ、天才子役・伝説のアイドルユニットのリーダーとして活躍していた輝かしい過去を持つ。このことを隠し、俗世離れしたお嬢様学校で淑女として過ごしていた桜子だったが、ここに転向してくる巨大(物理)新人アイドル・若菜あるみ。あるみによって早々に正体がバレ、「一緒にアイドルやろ!」と誘われるも、決して承諾しない桜子。どう? この完璧な導入そして俺の要約能力

『黒子のバスケ』的な”昔は仲間だったけど今は強大な敵”という存在も匂わせつつの、ここから桜子がどう立ち直るのかワクワクさせる第一話にしては詰め込みまくりなプロット。完璧です

 

 

天才ゆえの挫折

ここで、何で桜子がアイドルを辞めてしまったのかも書いておこうか。とってもエクストリームに言えば、プロがプロ過ぎた故に引かれてしまうアレ

賛否両論あると思うが、全然あり得る話だと思う。自分としては一生懸命に職務を全うしているつもりなんだけど、一般的に見た時に常識はずれな行動をしていること、あるもんな

俺も昔ブラック企業に勤めていた頃、友達の結婚式で地方に行ったんだけど、「明日(日曜)仕事だから終電で帰るわ~」って言った時、みんな少し引いてたもんな。自分で自分のことを狂ってるとは自覚できるんだけど、その時の俺にとってはそれが当たり前だったし、このレベルMAXが桜子の状態なのかもしれないまぁ俺はプロ社畜だっただけだが)。

 

 

新人による救済

俺も社畜時代、こんなこと言ってくれる人に出会いたかったなぁ……。いや、まぁ、俺の話は置いておいて。桜子の一見異常とも思える行動はあくまで「自分のファンとして見てくれる人を悲しませたくない」という一心からのモノ。新人アイドルとして頑張るあるみだからこそ、純粋な気持ちで当時の桜子の心情を慮ることが出来たってわけだ。ここから少しずつ流れが変わってくる

この流れが本当に秀逸。華やかな過去を持つチート主人公が落ちぶれて、再び復活するストーリーってのは名作に必ず必要なんだよ。『新世紀エヴァンゲリオン』のシンジ君だって一回(何回も)エヴァに乗るのやめて駄々っ子モード入ってたけど、『破』で戻ってきただろう?『天元突破グレンラガン』で無限宇宙に囚われたシモンも最後はカミナに喝を入れられて戻ってきただろう? いつの時代も、こういう物語に人は心動かされるんだよな

さて、次はこの物語の各となる部分。過去の”しがらみ”を乗り越えて再び立ち上がる桜子の姿をお届けしたい。今更だが、この下はこの作品の肝となる部分なので「ネタバレされたくない!」って人は一回本作を読んでから見てくれよな。下にリンク貼っておくからな。そのまま最新話まで読んじゃっても良いけど、またこの記事に戻ってきてくれよな!

その淑女は偶像となる/連載版

それではいよいよクライマックスシーンだ。

 

再起する”元”天才

地元の新人アイドルフェスにて、ドタキャンしたアイドルの分まで一人奮闘するあるみ。持ち前の体力の多さからお客さんを盛り上げている彼女の姿を観客席から見ていた桜子は、一声かけようと舞台裏のあるみの元へ行く。そこにいたのは明るく元気な姿を観客に魅せ続け、限界を超えたあるみだった。

桜子から「何でそこまで頑張るのか」と言われたあるみから出たセリフは「”どんな特でも全力でお客さんを笑顔にさせる”。それが私がカッコいいって思ったアイドルだから」。そう、まさに桜子のことを言ってるんだよ。本人を目の前にしてこれを言えるあるみメチャクチャ可愛いし素直。この言葉が桜子の中の失っていた感情を思い出させることになる。

 

 

伝説となる復活ライヴ

いやもうめっちゃアツい。ブランクあるやん? とか、昔のダンスってそんなずっと覚えてるもんなん? という疑問が浮かんでくるが、そこは”元”天才。きっと死ぬほど練習したから身体に染み付いてるんだよな! 俺もちょっとだけアイドル好きだから分かるけど、センターに立つ子っていうのは存在感がえげつない。たぶん時を経ても、そのある種のカリスマ性ってのは陰りにくくて、ステージに立った時にはまたひと際輝くもんなんだと思う(年齢による)

あ、てかごめん。記事書きながら読み返してたらまた再熱してきて、ついついコメントを挟んでしまう。ラストどうぞ。

 

最高です。アイドル題材の読切作品で、まさか大号泣するとは思ってなかったよ、俺は。

昔と同じように観客を楽しませようと動かない身体に鞭を打ちパフォーマンスする桜子。そこで観客の喜んでる姿を見ながら思い出すんだよ。自分がアイドルをしていたのは、誰かに命令されたわけではない。もちろんなんとなくやっていたワケでもない。ただ純粋に、「誰かを笑顔にできる存在」になりたくてアイドルをやっていたんだと

この瞬間に思わず飛び出す子供アイドル時代の決めポーズ「姫宮飛び」ですよ。ももクロで言うところのエビ反りジャンプですよ。こんなん……泣きますやん。

しかも畳みかけるように入るエピローグ、『これは「二人の少女」がトップアイドルになるまでの物語』……完璧か? ここまで盛り上げておいて、畳みかけるように続きを想起させる引き。もう一度言いたい。完璧か? 読切を読んだときに俺も思ったもん、「あ、これ絶対に続き読みたい。絶対に連載化して欲しい」って。

そして念願かなって連載化してくれたということであります。ジャンプ+編集部の方々、誠にありがとうございます。いや、というか、この後の展開があんまり盛り上がらなくて打ち切りになったとしても俺は松本先生を一生応援するね。だってここまで魂がこもった作品を産み出せる人だ、絶対に今後ジャンプの看板作品を創り出す。俺にはわかる。まだ読んでない人は絶対読め

その淑女は偶像となる/連載版

 

 

【まとめ】

ちょこちょこ省略させてもらったけど、この第一話に関しては本当に全部に無駄が無くて、完成されていると思う。集英社はこの第一話をサンプルとして持ち込み作家に配るべきでは? とすら思える(もちろん優秀な持ち込み作家もたくさんいると思うが)。 常にいろんな漫画を読んでる俺だけど、この作品だけは本当にダントツで面白いと思ったんだよ(読切掲載時)。これこそもっと知られるべき作品の筆頭だし、このブログの趣旨に則っていると急に思い立ったので、一気に書いた記事でした。誤字脱字・不出来な表現はご容赦下さい。ではまた。

幸せの陰には常に絶望があると教えてくれた『チェンソーマン』を高く評価したい

ジャンプの中で異彩を放ち続けた『チェンソーマン』。よく少年誌にありがちな煽り文句の「鬼才現る」。この言葉、本作に関しては真実。

あらすじ

「悪魔」と呼ばれる存在が日常に蔓延る世界。少年デンジと「チェンソーの悪魔」のポチタは、死別した父親の借金を返すため、悪魔を駆除する「デビルハンター」を主な仕事としながらなんとか生計を立てていた。ある日デンジは、仕事を斡旋していたヤクザに騙され、「ゾンビの悪魔」によってポチタと共に殺害されてしまう。しかし、ポチタはデンジの血を飲んだことで蘇生し、デンジの身体を修復するためデンジの心臓となる。復活したデンジは「チェンソーの悪魔」へと変身する力を手に入れ、ゾンビの集団を一掃する。撃退に成功したデンジは現場に駆け付けた公安のデビルハンターであるマキマに導かれ、その身を公安によって管理されることになる。Wikipediaより引用

2020年の『このマンガがすごい‼ オトコ編』で4位という結果を出した本作。俺の正直な感想としては時代が追い付くことが無かったって感じ。これは「時代が追い付いてない内容を描いていた」ということではなくて、「時代がまだこの才能に十分気付いてない」ってことだ(まぁ、そういう作品で溢れているのが世の中だけど)

『鬼滅の刃』最終巻が爆発的な売上というニュースを観て、「え……皆ジャンプ本誌で読んでないの……?」と本気で疑問に思った俺(30)だったけど、世間は意外と漫画を読んでない。これに関しては本誌で読みつつ、コレクション的な意味合いで単行本も買っているのかもしれない。でも、きっとジャンプ読んでない人が殆どな気がする。非常に勿体ない。『AGRAVITY BOYS』『アンデッドアンラック』『マッシュル』『あやかしトライアングル』とネクストブレイク待ったなしの作品が軒を連ねている今のジャンプ、『チェンソーマン』はその筆頭だったワケじゃい

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希望→絶望の落差

人生において、得てして不幸は突然に訪れるものだけれど。本作においてはその幸せから絶望の落差が巧みに描かれる。特にヒロイン勢のダークサイドへの落ち具合がヤバい。ここからは俺が特に大好きな3人のヒロイン(の絶望)を紹介したい。

 

絶望①:レゼ

この作品の読者は皆大好きレゼ。急なタイミングでの新キャラ投入だったにも関わらず人気投票で上位獲得。主人公のデンジも見事に骨抜きにし俺の心も射止めた。ちょっと幸薄いバンギャみたいな雰囲気から繰り出されるラブコメ発言に、荒廃しきった心が青い風を感じていたのを未だに覚えている。からの魚雷爆撃。爆発炎上して踵落とし。前読者の恋心という希望を踏みにじり……絶望を感じさせてくれた

レゼが登場していたのは単行本でいうと一冊分(厳密には最近も再登場してるが)と決してコアなキャラではない。にも関わらず、このキャラを忘れた読者はいないのではなかろうか。夜の学校に忍び込むというあの青春展開には全童貞の腰が砕けた。本当に良キャラだった……。

 

絶望②:師匠

便宜上「師匠」という呼び名を使ってるのも、作中に名前が出てこないキャラだからだ。正確にはトーリカという海外のデビルハンター見習いの師匠で、そのアダルティな雰囲気・慈愛に溢れた弟子への愛情・時折見せる微笑みの破壊力で、読者の大半を占めるアダルトチルドレンの心を掴んだ。からの強制即死合体。ギュイーンと即死して間接に埋め込まれた。まぁこんな美人の一部になれるんなら本望っちゃ本望だけど……いや、落ち着け俺、そうじゃない。俺としたことが闇の力にヤラれてたようだ…。絶望。

相手に気付かれずに釘を3回ブッ刺したり、弟子への丁寧な指導だったり、相当な実力者として描かれ期待が大きかっただけに師匠のラスト(というより変貌)は中々クるものがあった。

 

絶望③:パワー

前述の2名とは少し違う種類の絶望を魅せてくれたのが本作のメインヒロイン:パワーちゃん。まさに小悪魔ともいえる暴虐無人な立ち振る舞いと言葉遣い、整った容姿とは裏腹に妹属性という人気投票不動の1位。それを消し飛ばすのがこの作品だ。一般的に、人気投票で上位に参入しているキャラってのは死ぬことは無い。漫画が読者のお布施(購入)によって成り立っている以上、読者の心をしっかりと繋ぎ止めるヒロインの存在は漫画が漫画である為に欠かせない存在だからだ。だがそんなの関係ねぇと言わんばかりに容赦なくブッ飛ばす。もはや逆に気持ち良い

もう一人、マキマさんも紹介しようと思ったんだけど。あまりにもネタバレになるのと、本作の鬼才っぷりの肝になるので敢えて割愛します。最近の少年誌はここまで許されるようになったか…と時代の変化を感じたね、俺は。こればっかりは自分の眼で見届けて欲しい。

チェンソーマン 全刊セット

 

まとめ

という感じで、中々に良質な絶望を感じさせてくれたこの作品。12/14(月)発売の週刊少年ジャンプ本誌で最終回という悲報を知った瞬間にこの記事を書き始めたから、まだ物語の結末を見てはいないけれど、最後にもきっとやってくれるハズ(『ファイアパンチ』もラストはハリウッド並みに壮大だったから同様に壮大エンドと予想)。

今、俺は幸せな日常を謳歌しているけど(家でPC弄ってるだけ)、こんな日常はいつ崩れ去ってもおかしくない。そう、絶望は常に身近にあるものなんだ。いついかなる時も安心せず、慢心せず、過ごしたい。ただ、逆もしかりだ。絶望の中にいたとしても希望は必ず傍に在る。俺は『チェンソーマン』を読んでこう思ったね。ジャンプは諦めず、またこんな作品をやって欲しい

ご馳走様でした。

『スラムダンク』を定期的に読み返したくなるのって何なんだろうな、泣くに決まってるのに

90年代ジャンプ黄金期の看板漫画『スラムダンク』。非常に今更だが、久方ぶりに読み直して涙が止まらなくなったので、この大名作について語りたい。

あらすじ

神奈川県立湘北高校に入学した赤い髪の不良少年である桜木花道は、中学時代に50人の女性から振られ続けたうえに、最後に振られた女性が「バスケ部の小田君」に好意を持っていたため、バスケットボールが大嫌いになっていた。 しかし、廊下で自身に声をかけてきた赤木晴子に自身の長身と筋肉、身体能力の高さを見出された花道は、彼女にバスケット部への入部を薦められる。花道は晴子に一目惚れし、バスケットボールは全くの初心者であるにもかかわらず、彼女目当てに入部。その後、地道な練習や試合を通じて徐々にバスケットの面白さに目覚め、その才能の芽を急速に開花させる。Wikipediaより引用

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高校バスケの金字塔

この国民的漫画のあらすじを今更ながら載せるのは蛇足かと思ったが、万が一読んでいない人のために一応。1990年~1996年と実は短期的な連載だったのが意外に感じるかもしれないけど、作中では花道が入学した春~夏という、僅かひと夏の話ってのがまた熱い。なんなら試合自体も8試合しか描かれてない。「こんなに濃密な3か月間があるのか…」と作者である井上先生の丁寧な書き込みに投げ銭必至……糞、何故投げれない…。

さらにこの作品の特筆すべき点を挙げるとするならば、登場人物たちの葛藤が須らく読者の心に刺さる。桜木花道、流川楓、赤城剛憲(ゴリ)、宮城リョータ(リョーちん)、三井寿(ミッチー)の5人は言わずもがな。シックスマンの小暮先輩の存在も優秀なスパイスとして涙腺に効いてくる。ちなみに俺はミッチー派。ミッチーが好きすぎて小学校のミニバスでは3ポイントばっかり狙ってた(※ミニバスに3ポイントは無い)。

 

三井寿の葛藤

ダメだ三井好きすぎるからちょっと語る。元々、中学校でMVP獲得したエリートプレーヤーだったのに高校入学後に挫折。2年間不良として過ごした後に更生して、蘇る天才。この設定がまず熱いよね。しかも湘北メンバーの中でも安西先生に心から心酔してる仁義に熱いところも男性ファンが多い理由だと思う。そもそもの話、『スラムダンク』を読んだことがない人でもまず耳にしたことがある「諦めたらそこで試合終了だよ」は三井中学時代に来賓席にいた安西先生が三井に向かって放った名言(後に山王戦で花道にも言う)。あと、言わずと知れた「バスケが…したいです」も三井がバスケ部を強襲した時に安西先生の前で感極まって漏れた本音という大名言。そう、本作で生み出された歴史的名言は三井(と安西先生)の言葉なんだよ。もはや主人公。てか湘北高校のメンバーは全員主人公。腐っていた自分を後悔し、葛藤しながらプレーする姿が本当にカッコ良い。

 

蘇る天才

おう、俺は三井 大好きな男。まだまだ止まらんよ俺のミッチー愛は。上の画像はスラダンファンにとって伝説である山王工業との試合にて、俺の大好きな三井ハイライトシーン。見ての通りいちいちカッコ良い。「俺は誰なんだよ…!? 言ってみろ!!」ってもう魂魄からカッコ良い奴しか言っちゃダメなやつ! からの、とっておきの飛び道具:3ポイントの乱れ打ち。翔陽戦でのディフェンスに負けじとシュートを打ち続ける姿にも涙が止まらなかったけど、山王戦の覚醒は別格。この画像を見るだけで俺のスラダン愛は蘇る。何度でも。

 

 

vs 豊玉高校

さて、みんな大好きミッチーについて語れたところで、本筋に戻ろう。ここからは俺の好きな試合にフィーチャーしたい。スラダンを読んだことがある人は皆それぞれ「あの試合がベストだな…」って思う試合があると思う。もちろん全試合が名バトルなんだけど、俺にとっては豊玉高校との試合は特に響いた。自分で言うのもなんだが漫画玄人の人ほどこの試合が好きな傾向にあると思うので「いや、もっとあっただろ!」って苦情もあるかもしれない。黙れ。この記事では豊玉高校戦をエクストリームに紹介させてくれ。

まず、この試合は始まる前から熱い。行きの新幹線の中で既に一触即発の雰囲気。そして前日も上の画像の通り煽り合いの応酬である。ここで豊玉のキャプテンである南がスポーツマンシップを語ってるのも後の伏線になってるし、「おい、切符買っとけよ。明日帰るんだろ?」からの「ドチビが……!!」の顔が最高です。リョーチン格好良い。

 

豊玉のバスケ精神

大阪地区では1位・2位・3位の得点ランキングを独占するという驚異のマシンガンバスケを得意とする豊玉。頑なにゴールを求める熱源は、大恩師である北野元監督の教えが間違っていなかったことを証明するため。そのためにラン&ガンの点取りスタイルを貫くという仁義溢れる高校生の戦いなんだよな。めちゃくちゃ悪役面して登場したのに行動原理が人のためってベタかよ~(最高だよ~)

だから、というか、大事なものがあるからこそ、北野監督の後任として赴任した金平監督が豊玉のディフェンスを強化すると宣言した瞬間、一瞬で監督と選手の関係は断絶。監督の指示を2年間ほぼ無視するという中々なアナーキー具合。この関係も湘北との試合中に臨界点を突破しブチ切れ、試合中ベンチで選手をぶん殴って感情を爆発させる金平メンバー(監督)。どっちの気持ちも丁寧に描かれているので、ここまでは、どちらも可哀想な印象だったんだけどね…。俺が好きなのはこの後に金平監督が独り言のように吐露した本音→「俺はお前らが大嫌いだ。なのになぜ…負けちまえって気にならないんだ。それは…お前らが心底勝ちたがっていることは知っているからだ」。そんな泣きそうな顔でそんなこと言うなよ…もうダメ、俺が泣く

 

南 vs 流川

試合内容の盛り上がりポイントは何といっても豊玉のキャプテン・南と流川のマッチアップ。「お前がエースや」と一見ライバル風の格好良いセリフを吐いた後に肘鉄を流川の眼球に炸裂させる南。一時は医務室に引っ込む流川。でも戻ってくるんだよな、片目で。片目を閉じた状態でラフプレーを受けながら「身体が覚えてらッ!」と眼を閉じながらシュートする流川はこの試合で全国にその名を轟かせる。そんな姿に観客も思わず涙。俺は試合開始からずっと涙。肘鉄をブッパした本人である南も、流川の真っ直ぐに勝ちに向かってくる姿に感じるところがある様子。この時の流川のセリフ「日本一の選手ってどんな選手だと思う…きっとチームを日本一に導く選手だと思うんだよな。俺はそれになる」には非常に熱い想いが内包されているのも良いよね。そう、全国大会に行く直前、安西先生から流川に放たれた「君は日本一の高校生になりなさい」を体現しようとしてるんだよ。この”チームのため”というワンフォーオール精神が後の山王工業戦への布石になってるってのもGOOD。大体、あの名将・安西先生がここまで日本一になれって断言するのは相当な信頼と実力を認められてるからだよな。こんなこと言われたら頑張るわ。職場に一体、白髪鬼いかがですか。取り敢えず明日から来て下さい

と、ここで終わらせると南が単純な反則糞野郎という評価を受けてしまうと思うので弁明したい。南(豊玉メンバー)の絶対に勝たなきゃという、気持ちが強すぎる故のラフプレーは褒められたものでは決して無い。THE・ただの悪役だ。でも本作ではその先が描かれる。片目で奮闘する流川の姿に溢れる勝利への単純な意思。そして重なる北野元監督の言葉。ラン&ガンを一貫して教え子に伝授する監督を思い出すとき、必ず「バスケットは好きか…?」と添えていた恩師。大事なのは勝利ではなく、純粋に楽しむということ。楽しむために点を一杯取ろうぜっていうことだったんだよな。湘北との戦いでこれを思い出すメンバー一同。そして南は試合終盤、ディフェンスする流川の顔面に向かって膝打ちせんばかりの勢いで突っ込むんだけど、この時しっかりと右膝を内側に畳んでるんだよ。ゲームそのものを楽しもうとしてるんだよ。この姿を見た時、それは俺の涙腺にとってのインデペンデンス・デイとなった

目違いなく名試合。

 

 

vs 山王工業

本作において、この戦いを語らずして終われない。日本漫画史上トップレベルに熱い40分。例に漏れず俺も大好きな試合だ。いや、もはや大好きという言葉が相応しくないような気もしてくる。例えば絵画を観て「あぁ…この作品大好きだなぁ…」なんて思うか? いや、もちろん思う人もいると思う。だからこれは俺だけかもしれないんだけど、あまりにも綺麗な芸術を観た時って溜息しか出ないというか、「あ~すげぇなぁ~」って、頭が空っぽになって涙が出てくるやつ。これ、それ

まぁ、この試合に関しては余りにも多くの人が色々な言葉で語っているので、ぶっちゃけ語ることが本当に無いんだけど。敢えて俺が語りたいのはこんなに泣けるスポーツ漫画は無いよって話。漫画好きは義務教育宜しく成人前に涙を枯らしてるけど、普通のスポーツ好きも泣くもんね。すごいよね。そしてこの試合に井上先生は『スラムダンク』の全てを詰め込んだ。NHKで井上先生が取材を受けた時に語ったらしいんだけど「これより良い試合は描けない」とのこと。だからこその最終戦。総力戦。青春の全てが詰まったラストバトルだからこそ人は感動するワケですよ。Cool JAPANここに極まれり

あ、ダメだ。今ね、山王戦を編集スキル駆使して要約して要所要所の感想を書こうと思ったんだけど。本当に無駄が一切なくて要約できないや…(2週間ほど考えた結果、無理)。それほどに完成されてるよ。むしろ言葉が無粋

どうしようか。書くことは無いんだけど、こんな記事を読んでくれた人にせっかくなのでサービスしたい欲求が俺の中に沸々と沸いてきた。≪ここで悩むこと1時間≫ → よし、削除されることを覚悟でラストシーンを載せよう。このラストシーンだったらスラダンファンは全員100回は読んでるし、もし奇跡的に日本に住みながらスラダンを未読という稀有な人が居ても井上先生の芸術の神髄を味わえる。※マジで未読で「これから読むからネタバレやめろ」ってスラダン処女だけここでサヨナラしてAmazonで全巻買おうな。下にリンク貼っとくから。というわけで、Amazonへのリンクの下はあの伝説の無音バスケ。これ見れば、きっとまた読みたくなるよ。スラムダンク(つーか俺ができることはこれくらいしか無い)。

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コミック 全31巻完結セット

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完全版 全24巻・全巻セット

 

 

ラスト8秒の逆転劇

 

 

まとめ

山王戦ラスト、後半20分にすべてを詰め込んだ上で最後に渾身の一撃を叩き込んできた。そう、タイトル回収です。まさにスラムダンク。

今までどれだけ多くの人がこの漫画に励まされてきたのか判らないけど。きっとこの漫画に救われたって人もたくさんいると思う。何より、これだけ完成された作品が30年も前に既に在ったってのが衝撃だよね。ちなみに『リアル』も超面白いからいつか時間あるときに記事を書こうと思います。

いつまでも輝く湘北高校バスケ部に敬礼。

あ(りがとうございま)したっ!!

名実ともに『SPY×FAMILY』は今の漫画界におけるトップランカーになった

2019年から『ジャンプ+』にて連載している『SPY×FAMILY』。圧倒的な人気を誇り(特に女性ファンが多い)、数々の漫画賞を受賞したことで、名実ともに同アプリの看板作品にまで成長した本作について今日は語りたい。

【あらすじ】

東西の間に鉄のカーテンが下りて十余年、隣り合う東国(オスタニア)と西国(ウェスタリス)の間には仮初の平和が成り立っていた。

西国から東国に送られた凄腕スパイ・黄昏(たそがれ)は、東国の政治家ドノバン・デズモンドと接触するため、偽装家族を作ってデズモンドの息子が通う名門イーデン校に養子を入学させる任務オペレーション〈梟〉(ストリクス)を命じられる。黄昏は精神科医ロイド・フォージャーを名乗り、養子を探して訪れた孤児院で他人の心を読める少女アーニャと出会う。その場でアーニャが難しいクロスワードパズルを解いた(実際には、ロイドの心を読んでカンニングした)ため、難関イーデン校に合格できると考えたロイドは彼女を養子にする。実はそれほど賢くないアーニャにロイドは四苦八苦させられるが、なんとか筆記試験に合格。しかし次の面接試験に「両親」揃って来るよう指示されたため、ロイドは急いで妻役の女性を探すことになる。

その矢先、二人はヨル・ブライアという女性と出会う。彼女は公務員をする傍らいばら姫のコードネームで密かに殺し屋をしていたが、婚期の遅れを周囲に揶揄され、他人の注目を避けるために形式上の恋人を探していた。心を読む能力によってヨルが殺し屋であることを知ったアーニャは、好奇心からヨルが母親になってくれるよう仕向ける。恋人役を探していたヨルと、妻役を捜していたロイド、そして「わくわく」を求めるアーニャの利害が一致し、3人は互いに素性を隠しつつ、即席の家族としての生活をスタートさせる。Wikipediaより引用

 

 

連載当初から超高評価

『ジャンプ+』史上、一話のコメント数の最高記録を打ち立て、5話公開までに各話の総閲覧数が300万を突破したという本作。この数字、分かりやすくYoutuberで例えるとはじめしゃちょー位すごい。何なら、はじめしゃちょーも最初の頃はこんなに勢いは無かったからもっとすごい

 

受賞歴

次にくるマンガ大賞2019
コミックス第1巻ランキング
Apple Store「Best of Books 2019」
このマンガがすごい!2020
全国書店員が選んだおすすめコミック2020
TSUTAYAコミック大賞 2020

全部1位。これバケモン記録だから。しかも驚くべきは連載開始からまだ1年ちょっとしか経っていないところ。これからこの勢いが続いたらたぶん漫画史を塗り替えることになる

つい先日、『約束のネバーランド』の記事でも「数多の漫画賞を受賞」って取り上げたけどさ、ネバランの記録は3年かけて築き上げた記録だからさ、本作はこの記録を1年で抜いてることになる。首都高でF1車かっ飛ばしてたらウサイン・ボルトが外側から高速でブチ抜いてきた感じ(俺の中でボルトはF1より早い設定)。

 

 

圧倒的画力で贈る

感動ストーリー

本作の前もいくつか集英社で連載をしたり、他の漫画化のところでアシスタントをしていた遠藤達也先生。『青の祓魔師』の加藤和恵先生の所でも手伝っていたと言うから、画力の高さは一級品だ。連載初期から既にデフォルメ完璧にマスターしてたしね。こんなにキャラの顔を綺麗に歪める作品初めて見た。

 

キャラが可愛い

これも女性ファンが多い秘訣なのかもしれないが、とにかく登場人物のデザインが可愛い。特にアーニャは子供だからか表情のバリエーションが超豊かでナデナデしたくなる(事案)ヨルさんも美人だしな。あとボンドもモフモフしたい可愛い(事案じゃない)

 

胸に響く家族愛

父がスパイで、母が殺し屋で、一人娘が超能力者の仮初の家族。これホラー映画だったら開始2分で5人は死んでる設定だから。でも、そんなダークサイドに堕ちることなく、心にグッときてホッとするハートフルな家族愛を中心に紡がれるストーリーには本当に胸が暖かくなる

お受験の時のアーニャの台詞、「ずっといっしょがいいです」。何か滅茶苦茶に目頭の湿度上がったの俺だけ? これ月9だったら瞬間最高視聴率45%くらいいったでしょ。作品的には金曜22時くらいにやってほしいんだけど、そんなことは今どうでもよい。いや、むしろこれは連載作品であり漫画だからこそだせた味のような感動な気がする。大切なことは、地上波では観れないしな。基本的にコメディタッチで展開される中でこういった落涙必至のハートブレイクショット、テンポ感が非常に良い。

正直、これからどういった展開を魅せてくれるのか(まぁどういった展開にもやり様はあるんだけど)良い意味で予想がつかない。ただ、ずっとこの家族の様子を観て居たいという気持ちもありつつ、物語の核心である「偽りの家族の未来」「東西の平和」という難題をどのタイミングで解決してくれるのかという点が個人的な見所。この核心に触れる時は絶対に面白い。このドキドキ感…流石、今一番ホットな作品。

【まとめ】

朝起きたら”TSUTAYAコミック大賞 2020”の大賞を獲った(おめでとうございます!)ってニュースで取り上げられてるのを見て、3巻まで全話読み直した。「うん、やはり面白いな」って分かりきっていた感想を述べつつ(独り言)、そのままの勢いで感情の赴くままに当記事を執筆。

間違いなく漫画の最前線。まだの人は是非。

結論から言うと『約束のネバーランド』は本当の自由を証明する為の旅

「ジャンプらしくない新連載」として、2016年に週刊少年ジャンプにて連載を開始した『約束のネバーランド』。2020年6月15日発売の同誌にて堂々完結した本作。いちファンとして、この王道にしてアナーキーな作品を語りたい。

【あらすじ】

色々な孤児が集まる「孤児院」・グレイス=フィールド(GF)ハウスは、院のシスターで「ママ」と慕われるイザベラのもとで、「きょうだいたち」にも血縁関係はないが、幸せに暮らしていた。ここでは、赤ん坊のころに預けられた子供を、特殊な勉強とテストにより育てあげ、6歳から12歳までの間に里親の元へと送り出す…と孤児たちは教えられていた。

里親が見つかり、外の世界に出ることになったというコニーが人形を置き忘れたため、主人公で身体能力に優れるエマと、知略に優れるノーマンはそれを届ける。しかし二人は、近づくことを禁じられていた「門」でコニーが食肉として出荷される瞬間を目撃する。そこから「鬼」の存在を知った二人は、リアリストで博識なレイのほか、ドン、ギルダを仲間に引き入れ、GFからの脱獄計画をスタートさせる。Wikipediaより引用

ちなみに、漫画漬けの日々を送る俺は
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それではお待ちかね。下記にて『約束のネバーランド』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

 

数多の漫画賞を受賞

TSUTAYAコミック大賞 2016
第63回小学館漫画賞
漫画新聞大賞2017 大賞
このマンガがすごい! オトコ版1位
TSUTAYAコミック大賞 2018

大体有名どころだとこの辺。ゴールドラッシュかよ。ジャンプ編集部の担当は笑いが止まらなかったことだろう(あとケンコバさんがやってる『漫コバ』でもグランプリ獲ってたハズ)。まぁ正直、普段漫画読まない人からしたらこの辺の漫画ランキングは馴染みがないかもしれない(俺はとりあえず全部チェックしてるけど。あ、これ自慢です。あれ、自慢になってる?)。わかりやすく例えると、日本でアカデミー賞獲ったと思ったらカンヌ・ベルリン・ヴェネチアでも選出されちゃった感じ(゚Д゚)ハァ?

2019年1月にアニメ版も放送されたから、それで一気にファンが増えた感もあるよね。UVERworldの「Touch off」が主題歌でめっちゃ格好良かった(あれはズルい)。2021年春にアニメ2期も決定してるという人気ぶり。でも、アニメを控えながらもキッチリ最終回を〆るところが最高にCoolかと。こういうところ、アナーキーで好き

 

 

エッジの効いた設定が◎

てことで、原作ファンの多さもさることながらアニメ観てる人も多いと思うので、詳しくストーリーを紹介するのは割愛。ここからは俺が好きな点を語りたいと思う。

まず、少年誌らしからぬ鬼のビジュアルが◎だよね。エマが初めて鬼を目撃した時の「なに?」は俺たち読者の気持ちを二文字で表現してくれていた。正確には「え、な…ふぇ…あーね、そういう感じでくるかー。で、なに?」っていう形にならない感情だったけど。しかも驚くべきはザコ鬼でこのクオリティ。物語中盤で登場する”狩場の死神”ことレウウィス大公に関してはパリコレモデルも顔負けの8頭身を魅せつけてくれた(女王もスタイル抜群!)。

そもそも、食肉人間の飼育場が舞台の作品をよく本誌で掲載する気になったなと感心しかないゲーム始めたら魔王城が最初の村みたいなクソゲー設定ながら、強大すぎる敵に立ち向かいながらの逃走劇はまごうことなき王道ストーリー

 

 

ジャンプの新たな王道

俺も前述しちゃってるけどさ、よく「ジャンプらしくない」という評価を受ける本作。真正面から敵を倒し、勝鬨を上げるのが本誌の特徴ではあるものの、主人公たちの年齢がここまで幼いと、このステレオタイプも現実と乖離しすぎてしまう。ならばどうするか。逃げるしかないでしょう。俺(30歳)だってそうする。

でも、逃げながらも友情・努力・勝利をしっかりと描いた。つまりこれは、子供という圧倒的弱者の目線でしっかりとジャンプの王道を描いた作品なんだよ。こんなにダークな作風ながら読者層は若年層&女性が多いって聞いたことあるしね。

しかも、お気づきだろうか。この『約束のネバーランド』のヒットを受けてか、本作以降、尖った作品がジャンプ本誌に増えた。『チェンソーマン』『呪術廻戦』はその筆頭だ(富樫先生は例外だ! 一旦忘れろ)。ダークファンタジーとして、名実ともにジャンプの新境地を切り拓いたってこと。

 

 

最高の未来とは

あ、このブログ全然ネタバレするスタイルだから。躊躇いなく最終話にも触れます(でも人が良いから大事なところは暈すよ←異論は認めない)

「運命なんて覆してやる」の精神で、仲間のために突き進む子供たちの姿はここまで観てきた読者も納得の展開。称賛すべきは、ここで希望の道を指し示すのが失った仲間であること。コニー、ユーゴ、イザベラをここで再登場させる作者の脚本作成能力をスキルハンター(盗賊の極意)したい

最後の最期で家族を失ったエマ。それを見て絞り出されるノーマンの「よかった…」。記憶が無い相手に対して独白のように綴られる幸せな未来と、選択したことの正当性。最高の未来だよ、でも、それでも僕は君といたかったという切なる少年の願いはもう全読者感涙必至でしょう。しかもさ、この独白を聞いたエマも泣いちゃうところが最高。全く記憶が無いのに、何故か溢れ出る涙。そして零れる「会いたかった…」の一言。これが聞ければもう満足なんだよ。むしろ最終話この一コマだけでも良かった。忘れてても、思い出せなくても、依然と別人でも良いから一緒に生きようって言えるのは、ここにたどり着くまで「なんとしても皆で生きよう」って願ってきた子たちだからこその言葉だよね。

見事なハッピーエンドで皆幸せなことには変わりないんだけど。他作品のように、ご都合主義全開で誰一人漏れることなくハッピーエンドじゃないっていうこの絶妙な塩梅がお見事。しかも俺は逃してませんよ。ジャンプって毎号、最終ページに編集部が一言〆の一言見出しみたいの入れるじゃん? それが今回は「絶望の運命、その彼岸(さき)で――」だったんだよ。ちゃんと絶望乗り越えてるんだよ。編集部公認ですよ。やはり、”最高の未来”って言うのは、苦しい逆境を乗り越えた先にしか手にすることが出来ないってことを、俺たちにしかと教えてくれた。本当の自由は頑張った奴だけが得られるんだよ

【まとめ】

本当の自由を求め、温室から脱走して異世界まで辿り着く物語。結末は、どうなんだろう…。賛否両論あるのかな。俺は好きだけどな。というより、最期まで少年誌としてのご都合主義に抗ったという点に俺は感動したよ。誰よりも本当の自由を証明したのは、この作品自体だったのでは? 週刊少年ジャンプという媒体の中に居ながらも「運命なんてクソくらえ」とヤリ切った本作に感謝。ちなみに、実写で映画化するらしいよ(マジ)

白井カイウ先生&出水ぽすか先生、お疲れ様でした。

次回作も本当に期待してる。

生き様で後悔したくない人は黙って『呪術廻戦』読めば良いと思うよ

『ハンター×ハンター』枠のニュージェネレーションと言えばその魅力は伝わると思うが。もっと一般人向けに綺麗ごとを述べれば、週刊少年ジャンプの層の厚さを証明するかのような作品、それが『呪術廻戦』。

ストーリー・概要

呪い。 辛酸・後悔・恥辱…。人間の負の感情から生まれる 禍々しきその力は、人を死へと導く。ある強力な「呪物」の封印が解かれたことで、 高校生の虎杖は、呪いを廻る戦いの世界へと入っていく…!

異才が拓く、ダークファンタジーの新境地!

呪術廻戦

ちなみに、漫画漬けの日々を送る俺は
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それではお待ちかね。下記にて『呪術廻戦』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

2020年10月よりアニメスタート

連載開始から2年で待望のアニメ化。正直、今までジャンプ読者の中でもニッチな層にウケてたからさ、メジャーになるのはどうなるんだろう…と言うところだけど。五条悟(c.v.中村悠一)がいる時点で面白さは無限になることが約束されているからな。

 

 

戦闘システムのセンスが良い

俺が何故この作品を手放しで褒めているのか、それはある意味ジャンプらしい戦闘システムの存在に起因する。脳筋よろしく「君がッ 泣くまでッ 殴るのを辞めない!」バトルも大好物なんだけどね、もともと『ハンター×ハンター』大好きな俺、頭で考えながら戦う作品が大好きなんだよ。別誌だけど、最近だと『出会って五秒でバトル』も良い。

もちろん、『呪術廻戦』で念能力は出てこない。その代わり呪術が出てくる。これが面白い。基本的には物理で殴るゴーストスイーパーなんだけどね。

ちょこちょこ画像で出てきている五条悟先生を例にこの漫画のバトルを少しだけ紹介したい。

 

呪術という名のナンデモ異能バトル

五条悟先生が使うのは「無下限呪術」っていう術式なんだけどね。コレは収束する無限級数を現実にする術式なんだよ(作者も上手く説明できていないので理解はしなくて良い)。もっと簡単に説明してみよう。敵がパンチして来た時、拳と五条先生の間には無限が広がっているんだけど、これを現実世界での無限として顕現する能力と言えば分かりやすいかな。うん、分からないね。え~っと、要は、目に見える世界だけで説明すると、引力と斥力と重力を同時に操るみたいな感じ? あとコレの応用で「領域展開」っていう技を取得してて、形成した領域の中にいる敵に無限の情報を与えて脳をフリーズさせ行動不能にすることもできるぞ!(大丈夫!俺も自分でッ 何言っているのかッ 全く分からない!)

ぶっちゃけると、超序盤に出てくるこの先生がマジで最強のキャラ。だから能力も規格外すぎてちょっと人理超えてるんだよね(例えに出すキャラ間違えた感)。

 

異種呪術混合戦闘

あと、他の登場キャラも基本的には固有能力持ちってのが良いポイント。あんまり被りが無い。ちなみに一応の主要メンバー3人組は、近距離物理タイプ・式神中距離タイプ・呪殺遠距離というバランスの取れた構成。

もちろん敵キャラもしっかり個性あって、むしろあり過ぎ? 見てて飽きない。最近のジャンプは同時期に『ファイアパンチ』作者の長編連載『チェンソーマン』も絶好調で陰鬱とした人気を博しているけど。俺は正統に『H×H』の系譜を継いでいるのは本作だと思ってるよマジで。

 

 

外・内面ともに過剰スタイリッシュ

いやぁ~、もはやなんで服着てるのか理解できないレベルでスタイリッシュ。身体の構造上、ポーズにはきっと意味があると仮定しても(無い)、台詞・髪型・服装全てが通学路で出会ったら即ブザー鳴らすこの感じ。最高にズキュウゥゥゥゥンだよね。

 

主人公格は3人

やべ、主人公の画像が少なすぎる。まぁ、ある意味群像劇だし、主人公単行本4巻くらいまでずっと死んでたからな、仕方ないね。とは言え、特に魅力を放ってるのが主人公格3人。1人は最強・五条悟、正主人公・虎杖悠二、そして本編開始前の第0巻(『東京都立呪術専門高等専門学校』)で登場する元主人公・乙骨憂太。この3人が結構話の軸になってストーリーが進んで行く。

中でも俺が好きなのは元・主人公である乙骨。コイツが本当に熱い。簡単に説明すると、子供時代に結婚の約束をした幼馴染が交通事故で死ぬ。それからずっと幼馴染の呪いに悩まされ、呪術高専に入学。でもこれが相当なマッチポンプ。幼馴染が死ぬ瞬間に「死なないで」と願ったのが呪いになって、実は幼馴染の呪いっていうのは、幼馴染を死して尚呪いで引き留めていたっていう超ブラック純愛主人公。※性格はかなり善良、友達想いの常識人(そして純愛アニキ)。

もちろん、他の同級生キャラも魅力的。パンダとかパンダとかパンダとか。パンダはゴリラにも変身するしな。

 

 

まとめ

ざっくりと概要だけの紹介になったけど。人を選ぶが、人にオススメしたい作品の筆頭である本作。絵を見ただけで興味を少しでも持った人はセンスがある。絶対に読んだ方が良い。ハマる人は理屈抜きで絶対にハマる。『幽遊白書』とか好きだった人にもドンピシャ。

これから絶対に来る漫画だし、時間があれば必読。

「このマンガがすごい!」って言われるべき作品それこそが『アクタージュ』

万人に勧められる漫画って、実際あんまり無いと思うんだよね。いや、あるんだけどさ。それが『アクタージュ』だ。

役者のシンデレラストーリーと言えば聞こえは良いが、少年誌ウケする設定じゃない? 馬鹿が。こと演劇漫画において、これほどジャンプに相応しい作品は存在しない。

あらすじ

役者志望の女子高生「夜凪 景(よなぎ けい)」はプロダクション『スターズ』のオーディションを受けるが、不合格となる。

しかし、その選考にかかわっていた映画監督「黒山 墨字(くろやま すみじ)」と出会い、黒山の率いる『スタジオ大黒天』に所属し、役者をめざし成長していく姿を描く。

そもそも、ジャンプで連載が始まった当初は、「どうせすぐ打ち切られるんでしょ?」という感想を抱いてしまっても不思議ではなかった。俺も思った。何故か、設定が曖昧で理解しずらかったからだ。メソッド演技[⇒ 感情を追体験することなどによって、より自然でリアリステックな演技・表現を行うこと]が異常に得意な夜凪が、主人公として絶対的な存在感を確立されていなかったという事にも原因の一端はあるかもしれない。でも、今思うとこれはそういう物語だったんだよ(テコ入れでそういう物語に成ったのかもしれないが)

 

アクタージュ act-age 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

人間離れした女優志望の女の子

もうちょい噛み砕いて説明すると、人間業とは思えないほどの演技力を魅せる夜凪に、俺が抱いた感情は「人間っぽくないから、何か感情移入できん…」これに尽きた。初音ミクに抱く感情と極めて相似。それもそのハズ、そういう風に描かれていたからね。当初のこの設定のまま、夜凪がチート演技力で女優道を突き進む、なんてストーリーだったら俺はこうして『アクタージュ』を紹介することもなく、本誌でもすぐに打ち切られたと思う。

 

チート主人公の成長譚

この流れが途中で変わる。きっと読者アンケートも順位が低かったのでは…? 自分の演技では、役者として”魅せる”演技が出来ないと夜凪は気付く。ここから、この作品は真の輝きを放った。

魅力的なライバルも登場し、友情が生まれ、勝つために努力し、勝利する(= まさにジャンプの王道展開)。その中で、演技ではない自分の感情を見せるようになってくる。つまり、これは稀代の天才・夜凪景が才能に奢ることなく、人間として成長していく物語だったってことだ。

この流れに入ってからの本作はジャンプ本誌でも明らかに頭角を現す。普通に『ワンピース』『鬼滅の刃』の次に掲載されるくらいのキラーコンテンツになった(最近のWJは単純な人気だけで掲載順は決めてないみたいだけど)。

ここから先は、作中屈指のエピソード(と個人的に思っている)『銀河鉄道の夜』編にフォーカスして本作の魅力を俺なりに語りたい。

 

舞台「銀河鉄道の夜」編

簡単なあらすじ
敏腕の舞台演出家・巌裕次郎(いわおゆうじろう)の劇団”天球”。そこに所属する憑依型カメレオン俳優の異名を持つ明神阿良也(みょうじんあらや)。夜凪の特技であるメソッド演技だったが、そこからさらに一歩踏み込んで役に没頭する阿良也の姿はある種の狂気。夜凪は初めて自分と似た演技をする阿良也とのダブル主演で、舞台演技の世界へと踏み込む。

 

憑依型カメレオン俳優との邂逅

この阿良也がまずヤバい(大好き)。マタギの役を演じる時は山籠もりして熊狩ってくる。そのくらい役作りに対して独特のプロ意識を持ってる若手実力派。

登場当初は夜凪すらも上回る圧倒的な演技力を見せるが、その秘密は役に没頭する”深さ”と観客の視点からの”伝わりやすさ”を意識している点にある。このことを共演者である夜凪にも教えて成長を促すあたり、優しい。

と、思いきやこの画像のセリフである。このコマだけ見るとサイヤ人の王子並みに高いプライド。ただ、これはそれだけ巌さんのことが大好きっていう事なんだよね。この無意識の愛 ガス 爆発、本当に好き。

というか、この舞台「銀河鉄道の夜」がダブル主人公であることにリンクして、必然的に『アクタージュ』本編も夜凪と阿良也、そしてその周囲の人物にスポットライトが当たるようになる。これが良かった。ここから加速度的に面白さ ガス 爆発した。

 

演出家不在の舞台本番

まさかの舞台公開初日に危篤状態になる巌さん演出家不在の状態で初日を迎える夜凪たちだったが、逆に奮起する。この親を想う子のような劇団”天球”の面々の姿が読者にも作品への没入感を与えてくれた。

いやお前ら絶対辛いだろ…という気持ちを抱きつつも、時間は止まらず幕が上がる。「恩師のために最高の舞台を」と意気揚々に臨む役者たち。ここから本当に怒涛の演技力祭りだから! 『アクタージュ』はここからが本番。 ここから本当に面白くなったから、これから読むって人は絶対ここ(たしか単行本で6巻)まで一気に読んで欲しい。

こっからダイジェスト形式で名シーンだけ一気。
の、つもりだった(遠い目)。

冒頭にしか出演しない亀ちゃん。冒頭にしか出てこない超脇役(ジョバンニを弄るいじめっ子・ザネリ、川で溺れてカムパネルラに助けられるもカムパネルラは死ぬ)という配役ながら、演じる側にとっては主演も助演も関係ないという精神から、観客に「最高に気持ち良い」と評される名バイプレイヤーとしての演技を魅せつける。そして多くのジャンプ読者を『アクタージュ』面白れぇぞって思わせたのもこのキャラ。この亀ちゃんが本当に最高だから。彼の言葉には嘘がない、役者にとってこれほどの誉め言葉はない。

しかも舞台から下がった後の言葉がコレ。マジ格好良い。でも、そうなんだよね。まだ『銀河鉄道の夜』は序盤も序盤。劇団”天球”の主役級はジョバンニ(阿良也)しか出てない。物語的にはこれから。『アクタージュ』もここからが真の本番。ごめん亀ちゃん、俺ちょっとフライングしてたんだな。でもお前マジで最高だったぜ

 

ダブル主演の面目躍如

銀河鉄道の車内でカムパネルラとジョバンニが再会する超名シーン。ちなみになんだけど、宮沢賢治の本家『銀河鉄道の夜』って読んだことありますか? 本家でもこのシーンは結構魅力的な描かれ方してて(本当はカムパネルラびしょ濡れで登場するけど)、唯一自分を虐めてなかったカムパネルラとの再会は、ジョバンニにとって唯一の安息。その時のえも言えぬ安心感と神々しさを、見事に『アクタージュ』の世界でも夜凪と阿良也が演じたってこと。

てかショートカットって!( ウィッグだけど)。ただの美少年と化した夜凪。憑依型カメレオン(♂)と憑依型カメレオン(♀)の邂逅はストーリーにのめり込ませる素敵さがあった。観客Aの舞台批評家も納得の演技。椅子だけの舞台、そこには確かに銀河鉄道に乗っている2人がいた。

てかここで一回冷静に作品について語りたいんだけど。物語の中で舞台を観てる感覚で漫画を読めるって中々に無いことだなって思う。演劇を舞台にした作品は数あれど。ここまで入り込める作品は本当に少ない(『まくむすび』も面白いぞ!)。

 

辛さを押し殺して演じる姿に感極まる

舞台袖で泣く七尾。この娘マジ可愛いから。人生において、役者という道に誘ってくれた恩師(巌さん)に感謝が一番深い。そう描かれる彼女の姿に、役者だって人間なんだよという気持ちを思い出させてくれる(夜凪とか、阿良也のキチガイ演技力に、役者は皆常軌を逸してると思いガチだった俺たちの心を救ってくれた天使)。

それでも舞台に上がる! そこに感動があった。絶対に恩師の想いを無駄にしたくないという気概をこの小さな身体から溢れさせるその姿。俺の目もドボドボでした

 

影の主役としての覚醒

この舞台を語る上で、アキラは絶対に外せない。現実で言うと、エイベックスの社長の息子。仮面ライダーで主演やって、世間からはキャーキャー言われる一方で、”親の七光り”と世間から疎まれる。演技面では夜凪・阿良也には比肩するとは決して言い難い。彼の覚醒にこそ、この舞台の成功はかかっていると言っても過言ではない。

何が悪いってワケではないんだけど。仮面ライダーってさ、最近は本当に顔で選ばれてる感があって悲しいよね。いやカッコいいのは良いんだけどさ。ここらで一回さ、藤岡弘くらいのおじさんが蟲の仮面被ってもいいと思うんだ。って、中学の時に思った俺、クウガで止まってます。

案の定”喰われる”アキラ。そもそもお前にこの大舞台はまだ早かったんや…もう良いよ、ゴールして良いんだよ…。無難に演じてカーテンコールで泣こうぜ…。という同情も誘ってくる。なんてすごい漫画…恐ろしい子…。あ、そういえば言い忘れてたけど、俺は本作のことを現代版『ガラスの仮面』だと思ってるんで。

そして無論ここで覚醒します。これぞジャンプ。だけど、この覚醒の仕方がヤバい。なんと舞台の上で、夜凪のあまりに入り込んだ演技に、演技では太刀打ちできないどころか、受け答えすらも満足に出来ないと感じ取ったアキラは、素でカムパネルラに向き合う

いや、ここは流石に筆舌に尽くし難い。国民的イケメンが観客に背を向けて、さながら独白のように自分の弱さを見せる(魅せる)その演技がむしろ、主役たちを輝かせる = 本来のバイプレイヤーとしての才能の開花。ここはぜひ単行本で読んで欲しい。たぶんアニメ化したら若干の省略がありそうな所だから絶対原作で。アキラ、表紙になるくらいだから。”最高にダサかった”から(嘘偽りなく誉め言葉)。

アクタージュ act-age 5 (ジャンプコミックス)

 

最期の別れがリンクするクライマックス

ここから最終局面。というかここからが本当の佳境。深く深く、役に潜ることで本人であるかの様に演じる夜凪と阿良也。2人の演技が役にハマればハマるほど”成りきっている”ということ。つまり、現実との境目が無くなってくる。ここからはむしろそれぞれ”どう役と折り合いをつけるか”という自分との闘いになる。

より分かりやすく言うと。ジョバンニとしてのカムパネルラとの別れ、明神阿良也としての巌さんとの別れがリンクしだす。いわば完全に役同一性障害。まぁ…ぶっちゃけこうならない方が不思議なくらいだけどね。一流の役者も、演じてる役柄によって私生活の性格変わるって言うしね。それがカンストした状態だろう。

やだ!カムパネルラどこ行っちゃうの? なんで行っちゃうの? まだ一緒に居たいよ!僕も一緒に行くよ! と間接的に溢れ出る死にゆく恩師への激情。役以前に自分の気持ちの整理がつかないと、カムパネルラとお別れをすることができない。これまで以上にジョバンニの気持ちを理解した結果、逆説的に本当の自分の感情に気が付く。この気持ちを整理することが出来なければ、この舞台を終わらせることが出来ない。ということでここから舞台を終わらせられるかどうかという、本当の最終局面に入る。

いや、言いたい気持ちをグッとこらえよう。
これも絶対に単行本で読んだ方が良いしな。
阿良也にフォーカスしすぎたけど、この阿良也を前に成長する夜凪も無論めっちゃアツい。
絶対に満足できるから読んで欲しい。

アクタージュ act-age 6 (ジャンプコミックス)

 

 

まとめ

ということで、完全に『銀河鉄道の夜』の舞台特集になった(てか画像貼りスギィ!いくつか消そうかな)。でもこれだけで漫画一つ連載できるんじゃないかってくらいの名エピソードだからね。仕方ないよね。マジ最高(ごめん俺がこの話のこと好き過ぎるだけ)。

とにかく、こんなに異質な”俳優漫画”は読んだことない。宝島社の「このマンガがすごい!」には何故か選ばれてないみたいだけど…。ジャンプの中では『呪術廻戦』ならんでネクストヒット間違いない。もう人気出てきてるって? いや、まだまだ本来の良さを評価され切ってない。これは近い将来、世間を席巻する作品だと思う。

ついに原作は大河ドラマ編に入る様子。そうだよね、やっぱり夜凪みたいな透明感ある正統派美女はNHKだよね!

自信を持って人に勧めれる漫画、それが『アクタージュ』だ。

むしろNHKでアニメ化しないかな。

国民的人気作『鬼滅の刃』を最終話まで読んだ時、強くなれる理由を知った

連載開始当初から異質な雰囲気を放っていた『鬼滅の刃』。

アニメ化が尋常じゃなくバズった結果、普段アニメに興味の無い層も巻き込んで一大ブームを起こしたことは記憶に新しい。

そんな本作が2020年5月18日発売の週刊少年ジャンプで堂々完結。ずっと好きだった作品が一区切りしたということで、満を持してその良さと、炭治郎が強くなれた理由について俺なりに語りたい。

あらすじ

時は大正。主人公・竈門炭治郎は亡き父親の跡を継ぎ、炭焼きをして家族の暮らしを支えていた。

炭治郎が家を空けたある日、家族は鬼に惨殺され、唯一生き残った妹・竈門禰豆子も鬼と化してしまう。禰豆子に襲われかけた炭治郎を救ったのは冨岡義勇と名乗る剣士だった。義勇は禰豆子を「退治」しようとするが、兄妹の絆が確かに残っていることに気付き剣を収める。

義勇の導きで「育手」鱗滝左近次の元を訪れた炭治郎は、禰豆子を人間に戻す方法を求め、鬼を追うため剣術の修行に身を費やす。

2年後、炭治郎は命を賭けた最終関門である選別試験を経て、「鬼殺隊」に入隊する。

 

正直、このあらすじ自体メチャクチャ懐かしいけど。こうして始まった物語は、大きく3つに分けられる。ここからは各編毎に成長する炭治郎のハイライトと、印象的な場面を紹介しながら物語の本質について語っていく。

 

竈門炭治郎立志編

アニメ一期が該当する。

自分の留守中に家族が全員惨殺されてて、妹が鬼になって混乱してたら突然現れたお兄さんに罵倒される。だから2年間修行したマン

ザ・理不尽な運命に立ち向かう不幸な少年は、妹を救う為だけに2年も山籠もりして岩も切れるようになる。修行中には皆のパパ・鱗滝さん、錆兎、真菰に出会い、最終戦別では後に同期となる五感組との邂逅を果たす。ぶっちゃけこの序盤が一番面白いし、後の物語の中でも重要人物になるキャラがドンドン出てきた。

 

辛い運命の中で育まれる愛情

最終戦別から戻った炭治郎に駆け寄って抱き着く禰豆子と鱗滝さん。この時に「よく…生きて戻った」って、仮面の下で感極まって泣く鱗滝さんの姿には本当の優しさが溢れ出てた。

ここで注目したいのは、鱗滝さんの愛情だ。年端も行かない兄妹が巻き込まれた運命に心から同情して、厳しく特訓する中にも少しずつ父親のような素振りを見せるようになる。そして最終戦別から戻ってきた時のこの反応。もうパパだろう

作中において、炭治郎の父・炭十郎が大きな意味を持ってるのはファンなら周知の事実。だが、物語開始時には既に死去しているし、序盤では回想ですら姿が描かれない。その代わりとしての役割を担っていたのが鱗滝さんだと思うんだよね。

つまりこの最序盤においては、妹の為に頑張る炭治郎の「兄妹愛」、それを支える鱗滝さんの「家族愛」が描かれていた。そう考えてみると、この作品全体の主題が見えてくる。

 

vs累(十二鬼月・下弦の伍)

恐怖政治で家族ごっこをしながら山に引き籠る、ちょっと歪んだ癖をお持ちの鬼との戦いを例に見てみよう。これは炭治郎にとって初めての十二鬼月との戦いでもある。下弦の伍なので、後に見るとただのザコ鬼なのだが序盤・竈門炭治郎立志編においては完全にボス級。.hackでいうスケィス、TOFにおける現代編のダオス、FF7Rにおけるセフィロスってところだ。とりあえず初撃で刀折ってくる。

炭治郎と禰豆子の慈しみ合う関係に嫉妬して、禰豆子を妹に欲するという現代なら完全に事案。だが家族愛に執着する敵の存在がここで丸々1話使って描かれるという好演出。ここまで話すともう分かると思うけど、『鬼滅の刃』という作品で説かれ続けるのは、”愛によって人は強くなれる”という事だと思ってる。この決戦で注目したいのは、歪んだ累の家族愛に対して炭治郎&禰豆子の兄妹愛が正しく勝利を収めることだ(あと、蟲柱の笑いながら毒を打ち込む狂気)。

 

本当の家族愛を思い出す鬼

結果で言えば、禰豆子の血鬼術”爆血”と炭治郎のヒノカミ神楽”炎舞”コンボでも倒すことは出来なかったワケだけど。アニメ19話の演出は神がかってたね。『ナルト 疾風伝』のサクラvsサソリ戦くらい動いてたし、アツかった。あと夢の中で母が出てきて鼓舞してくる演出もGJ。個人的にはこの後の20話で富岡さんに瞬殺された累の死の際、人間の時の親(自分で殺した)を思い出して謝りながら消滅していく姿に涙が止まらなかった。家族って、素晴らしいんだなぁって。『鬼滅の刃』ブームに乗っかっただけの有象無象は19話のヒノカミ神楽の演出にばかり注目して、20話はアウト・オブ・眼中だけど、この話を地上波でやったことは物凄いことだからね。アニメ一期におけるベストエピソードと言って良い。

ちなみにこの後の柱合会議もベストエピソードである(矛盾)。御屋形様が鬼滅隊員のことを「私の子」と呼ぶのもこの作品が家族愛をテーマにしてることの一端だよね。

 

無限列車編

父親から受け継いだヒノカミ神楽が鬼との戦いでの武器になるとして、炎柱・煉獄さんに話を聞きに行くエピソード。ここから皆の先輩、柱の面々も話に加わってくる。ストーリーが一気に加速するし、戦いも異能の嵐でド派手になるのがこの無限列車編以降。ここから先の戦いに比べれば、アニメ一期は児戯

 

vs魘夢(十二鬼月・下弦の壱)

乗客200人を乗せた列車と融合して襲ってくるいきなりの規格外展開。夢の中に引き込んでその中で自害しないと目が覚めないという覚悟無き者に対してはチート能力を持つ。「どんな鬼狩りだって関係ない、人間の原動力は心だ精神だ」と精神的に心を圧し折りながら幼気な子供達を洗脳して差し向けてくる悪鬼との戦いは煉獄さんがいなかったら普通に死んでたレベル。

ちなみに、ここで煉獄は家族の夢を見る。父親が自分同様に炎柱になったが急に辞めて、弟と一緒に「頑張って生きような」っていうシーンは今思うと中々に死亡フラグ

 

vs猗窩座(十二鬼月・上弦の参)一回目

煉獄さんの殉職戦。え、上弦って強杉内?と読者に印象付けるためだけの戦闘。ここでの戦闘に関しては語ることは他にない。でもこの後の煉獄さんの言葉には意味があったよね。これ以上良いこと言ってくれる先輩はいないだろうと今でも思ってる伝説の死に様だった。戦闘中の母親の回想で「強く優しい子の母になれて幸せでした」、最後は母親に「立派でしたよ」と言われながら息を引き取るのは、柱であっても同じ人間であること、その強さが家族のために鍛えられたものであるということを如実に表現していた。猗窩座についてはこの後に語るけど、上弦の壱の黒死牟の次に古い鬼という設定。そりゃ強い。そして、何を隠そう猗窩座は俺の一番好きな鬼であり、この記事で一番フィーチャーしたい鬼なんだよね。

物語はここから佳境に入ります。

 

vs妓夫太郎(十二鬼月・上弦の陸)

 

vs玉壺(十二鬼月・上弦の伍)

 

vs半天狗(十二鬼月・上弦の肆)

いやぁ、強かった。だが省略します
気になる人は9巻からの原作を読むべし。

鬼滅の刃 9 (ジャンプコミックス)

ここまでが中盤。原作内でも一番長く描かれた、鬼との死闘編と言い換えても良い。物凄くお粗末に省略したけど、それぞれの鬼との戦いと、柱たちの飛び散るパトスに本誌読者は毎週語るのが止まらなかった。俺も本当は書きたいんだよ? 決して書くのが疲れてきたワケじゃないよ? 頑張れ頑張れ! 俺はここまでよくやってきた!俺はできる奴だ!!

物語は最終局面・無限城編へ。

 

最終章 無限城決戦編

ここからは本当に瞬き禁止の戦いしかない。基本的には一体の鬼に対して数人の鬼狩りで攻略していくバトルロワイヤル方式になるんだけど。もうその時点で上弦の鬼たちの強さを物語ってる。一体一体がかなり長生きしてるのもあるけど、全員ラスボス級。さぁ紹介していこう。

 

vs獪岳(十二鬼月・新 上弦の陸)

 

vs童磨(十二鬼月・上弦の弐)

 

vs黒死牟(十二鬼月・上弦の壱)

省略します。

いや、待ってくれ、言いたいことは分かる。こいつらとの戦いは全部、省く事なんて出来ない超魅力的なエピソード揃いだ。善逸が雷の兄弟子穴埋め上弦と戦うのなんてクッソ胸アツだし、童磨戦とか俺超好きだからね。黒死牟戦に至っては柱クラス4人がかりというパレード、もう涙が止まらなかったさ。だが分かってくれ、ここで語りたいことは別にある。そして鳴女に至っては画像探すのすらダルい

 

vs猗窩座(十二鬼月・上弦の参)二回目

キ、キター!
そう、俺が語りたいのは猗窩座なんだよ!

実は女性は絶対に食べないという紳士鬼。というかさ、原作読んでる時、この戦い…なんか長くね? って思わなかった? この記事も大概長ぇけどな)そりゃあそうだろう。猗窩座ほど上弦で物語の主題に沿った敵はいないからな。あとアニメが人気過ぎて引き延ばされてたからな。

お気づきだっただろうか、猗窩座の技は全て生前の想い出が反映されている。「破壊殺・羅針」の陣の形、これ人間の時に妻だった恋雪が付けてた髪飾りと同じ文様なんだよね。大切な人の身に着けていたものとそっくりな陣が戦闘の最初に絶対に繰り出す技って、お前めっちゃ未練あるやん。そんな技。

技名すべて生前の想い出が由来

  • 脚式「冠先割/流閃群光/飛遊星千輪」
  • 砕式「万葉閃柳」
  • 滅式「鬼芯八重芯」
  • 終式「青銀乱残光」

全部花火の名前由来。大切な人と大切な約束をした時の背景が技名の由来って。お前めっちゃ未練あるやん。ちょっと、なんか、もう良い奴やん。さらに言うと、全身に入ってる刺青模様だけど。これにも設定がある。江戸時代は盗みを行うと刺青刑っていうのを受けたんだけどね。この刺青は病床の父親の為に薬を盗んでいた猗窩座の罪の意識が現れた結果なんだよ。そろそろ根が良い奴すぎて泣けてくる

極めつけは名前の由来。猗窩座って名前は無惨が名付けてるんだけどね。原作155話のタイトルにもある通り「役立たずの狛犬」っていう意味が含まれている。意味は「住処を守れなかった犬」。狛犬は守るものがあって初めて存在意義がある。でも守りたかった妻を毒殺されて居場所を失った猗窩座にはもう守るべきモノが無い。だから役立たずの犬。そんな意味がある。

 

とっくに失っていた強くなれる理由

そのことを思い出したんだろうね。炭治郎に首を切られても克服して、さぁ~、まだまだ死闘は終わらんぞい!ってなりそうだった恐怖の場面、結局最後は自決して消えていったワケだけど、これは何でなのかって所に繋がってくる。ここで首を切られたショック&恋雪に「もうやめて」と言われたことで自分の過去を思い出す猗窩座は、自分にはもう守るべき大切な人がいないことに気付いたんだよ。自分が強くなろうとしたのは、大切な人を守るためだったという事を思い出した。だからこその自決。だからこその炭治郎への感謝。強さを求めるのは、強くないと誰も守ることが出来ないからで、だから弱者である自分が嫌いだった。もう自分には強くなる理由も、強くなれる理由もないことに気付いたってことだ。感動をありがとう…。そして『鬼滅の刃』という作品のテーマを体現した良い人生・鬼生でした。

 

vs鬼舞辻無惨

略。長い、強い、白髪おじさん。
気になる人は最新巻を待ちましょう。

 

最終話「幾星霜を煌めく命」

舞台は現代。大正時代だった本編からすると、3世代くらい後の話。そこには炭治郎とカナヲの面影ある男の子2人が明らかな主人公オーラを出している世界だった。いや、なんだこれ。「妹が罪なき人の命を奪った時は腹を切って死ね」と鱗滝さんに言われていた時を考えると、同じ作品とは思えない位のハッピーエンドじゃないか!? こんなに幸せになってて良いの? しかも我妻性で善逸と禰豆子の面影ある2人が姉弟設定だと…つまり…善逸、おまえ良かったな…。

 

うぉおおお!これを、これを見たかったんだ!と叫びたくなる気持ちをグッとこらえて幸せな2人を祝福しましょう。「また人間に生まれ変わったら、私のことお嫁さんにしてくれる?」の有言実行。伊黒先輩マジ格好良いっス。この定食屋あったら1日4回は通う。柱全員、死んだメンバーは(ほぼ死んだけど)幸せな未来でちゃんと転生できたようで何より。

 

俺はこのコマを見て泣いた。富岡さんと錆兎と真菰だと…? この話は本当にファンのために描いてくれたんだなとギャオウした。生きていれば柱になってたであろう実力者の2人、死ぬはずだった富岡さん、今度は守るべき友として人生を送れているという幸せ。そしてこの姿を見れた幸せ。感謝です。

愈史郎は唯一の鬼として生き続けているっていうのも中々に良いラストだと思った。しかも珠世さんの絵を描き続けるという狂気の愛情。それでこそ愈史郎。合法ショタ。素晴らしい。

あとさ、ラストで描かれた竈門家の様子、先祖の写真を額縁に入れて飾ってるあれ、最高だよね。みんな笑顔で。ちゃっかり村田が入ってるのも嬉しい。

週刊少年ジャンプ(24) 2020年 6/1 号 [雑誌]

というように、ファンの期待をこれでもかと裏切らず描き切った見事な最終回でした。この作品を読んでて良かったなぁと心から思えた。

 

まとめ

守るべき大切な人達と当たり前に一緒にいられる世界で、鬼と戦うことがない幸せな世界。もう刀を持つ必要もないし、鍛える必要もない。けど、炭治郎の面影を色濃く受け継いだ炭彦くんは人並み外れた運動神経を持ってたよね。ここが面白いなって思った。

強くなる理由のない世界で、強いという設定。それはきっと炭治郎の「大切な人をもう2度と失いたくない」強い想いが現れたんじゃないかな。鬼はいないけど、幸せな世の中だけど、危険なことはたくさんあるし、何が起きるか分からない。だから、作中ずっと抗い続けた炭治郎の想いが成就して、子孫にも受け継がれてるんじゃないかと思った次第。炭治郎が、鬼殺隊が強く在れたのはいつも「大切な人を守るため」だったから。

ということで気持ちよく読了。
まったくもって良い作品でした。

俺も強くありたい。守るために。