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『新しいきみへ』こそSFの地平を切り開くニュービー

最近SF作品もテンプレート化されつつあると感じているのは俺だけじゃないハズ。数多の小説・映画・漫画で星の如く生産されているサイエンスフィクションというジャンルは、もはや飽和状態。そんな現状に一石を投じる作品、それがこの『新しいきみへ』だ。見たことのないSFの世界へ、この記事を読んで歩みだして頂きたい。

【あらすじ】

ーーー「君はまた失敗した」。

妻・亜希が浮気していると誤解し、傷心旅行に飛び出した高校教師・佐久間悟。 彼が夢で見る黒髪少女に似た子と故郷・小田原の母校で出会い、ほだされるうちに不貞を働きそうに。

しかし、正気を取り戻した悟はその子の元を後にして日常へ戻る。 恵まれた現状を大切にしようと再び決意した悟。

新学期、担任するクラスの新入生の中に見覚えのある少女の姿が……。

日常が揺らぎ始め、奇なる恋愛譚がはじまる。

 

 

【作品概要】

2017年に俺の大好きなSF作品『ダレカノセカイで漫画家デビューした三都慎司先生が贈る禁断の恋愛物語。それがこの『新しいきみへ』だ。2021919日の『ウルトラジャンプ』10月号にて連載を開始した本作、元々精緻に作り込まれたSF作品を得意としていることもあり背景などの書き込みが非常に細やかだが、それ以上に、芯の強い女性が非常に魅力的に描かれていると感じた。これは同作者の前連載作品であるアルマも感じていたが、舞台がリアルな現代ということでより際立つことになったと言える

前述した2作品『ダレカノセカイ』『アルマ』に関して言えばゴリッゴリのSFなので、正直、この先生が恋愛モノを連載するということに違和感を覚えたが、第一話を読みそれは全くの杞憂だったと理解した。むしろ今までの作品で培われたエッセンスが凝縮されてこの現代浪漫劇に詰め込まれている とすら感じた次第。というのも、どうやらただ教師が生徒相手に不貞を働くだけの安直なロマンスではなさそう……ということが1話の時点でストーリーの端々から、そして芸術的とも言える画から醸し出されているからだ。つまり、一癖ありそう。みんな大好き一癖作品……いや、正直に言おう、単純に俺がこういう練られた物語が好きなんだ。てか、ぶっちゃけ三都先生の作品が大好きなんだ

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それではお待ちかね。『新しいきみへ』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

 

 

逃避から始まる物語

物語は主人公である佐久間先生(教員)が妻の不倫の瞬間を目撃するところから始まる。妻の浮気現場らしき瞬間を仕事帰りに目撃してしまった佐久間先生は、逃げるひたすら逃げる。この冒頭シーンに関して、佐久間先生の行動に理解が追い付かない人もいるかもしれないが、俺はコレ結構リアルな反応だと思っちゃうんだよな

というのも、俺も学生時代に恋人に浮気されたことがあるワケで。その時は現行犯ではなく相手から浮気の告白をされて別れを切り出されたんだけど、当時の俺は悲しさとか絶望とか怒りとか色々と感情が入り混じった結果、蝦夷(北海道)に向かったな。何で蝦夷かって? いや、そこに理由は要らねぇんだよ。とにかく俺は蝦夷に行くしかなかったんだ。取り敢えず粛々と東京駅向かって、東北・北海道新幹線でその日いけるところまでの切符を買って粛々と乗り込んだ記憶がある。ちなみにその後の記憶はおぼろげだが、親友からの電話で福島あたりで我に返って東京に戻ってきたような気がする。

話が脱線したが(暴走したのは過去の俺だが)、要するに人間は処理しきれない事象に直面した時、感情の赴くまま何処かへ駆けてしまうってことだ。きっとまだ経験してない人はこれから同じような経験するよ。え、するよな? するはずだ(過去の俺を肯定したい)。

だから、佐久間先生は妻の浮気現場を目撃して逃避してしまったわけで。こうなった時の人間は自分探し状態と一緒よ。自分の中で何かしら答えが見つかるまでは家路につくことは出来ない。ルフィだってエースを失った時にジンベエのおかげで気付いたじゃん、まだ「仲間がいる」ってことにな。あれ。あの感覚に近いものを自分で見つけない限り、この旅路は終わらない

 

 

逃避行①

ということで粛々と自分探しを続ける佐久間先生。子供の頃にタイムカプセルを埋めた場所で学生時代を思い出して、彼女が居なかった10代の自分を嘲笑しているが、気づいて欲しい、今まさに黒歴史を更新している自分こそ嘲笑すべきであるということを。妻にも連絡をせずに日本全国を放浪して自分探しをするオッサンなんて、爺になってからは笑い話に出来るかもしれないが間違いなくブラックヒストリーだからな。まぁ、渦中の本人はそんなこと気付くわけないのだが。

この辺りで妻側の視点も語られ、冒頭にてラブホテルに一緒に入ったのは同僚の女性スーツ姿が遠目だと男っぽく見えるという非常に俺好みな逸材だということが読者側に明らかになる。つまり、佐久間先生の行っている逃避行は完全にお金と時間の無駄使い……いや、俺はそんなことは思わないよ。頑張れ佐久間先生、いや佐久間(親しみをこめて)。頑張れ。探せ、この世の全てを。

そしてここでみんなが気になっているであろう、上の画像の最後に唐突に登場したセーラー服の女の子にも触れておこう。佐久間先生が感傷に浸っている時に、ふと女の子の面影を感じるというシーンがここで描かれる(ちなみに幻覚だ)。あらすじで貼った冒頭1ページの通り、佐久間先生は度々この女の子が夢に出てくるというなんとも羨ましい日々を過ごしているのだが、この「夢の女の子」というのが本作においてかなりキー人物のご様子。でもこの記事で紹介するのは第一話の内容のみなので、まだ全容は明らかにならないよ。

 

 

逃避行②

「夢の女の子」の面影を感じた方を向くと、そこには誰も居らず。代わりに幻覚によく似た別の少女が現れる(これは実体)。引っ越しの準備をしているらしく、佐久間に荷物を運ぶのを手伝って欲しいと打診してくる。そんなこんなで、他にやることもないので言われるがまま謎の女の子の引っ越しを手伝うことになり、なんやかんやでこの謎の少女とベッドインする

はい、めちゃくちゃ省略しましたが、ここは実際に本作を読んでくれれば良いかなと。ベッドインってのは添い寝的なアレではなくて、歳の差的にイリーガルな情事の方な。この『新しいきみへ』が ”禁断の恋愛奇譚” と銘打っている所以(キャッチコピー回収)。旅先で美少女とそんな関係になるなんて、男なら誰もが夢見る展開であることは否めないが、精神が弱っている時にこんな甘言を言われたら「まぁ……いっか。もうどうにでもなれーい」ってなるのは何も不思議なことではない。だから世の奥様よ、旦那の心は丁寧に扱おうぜ。

ここでは(Googleのコンプラ的に)結果だけを述べる。佐久間はこの少女に不貞を働くことはなかった。世の男性からは「勿体ない」「意気地なし」「据え膳!」と罵詈雑言とジェラシー交じりのため息をシャワーの如く浴びるであろう行動だが…

自分探しの答えはここで見つかったのだ(意味深)。

 

 

選択の結果

蛇足だが、俺も未だに昔の彼女が夢に出てくるし、夢の中でも浮気されて世界の終わりみたいな気持ちになる。

 

 

日常が瓦解し始める

日常に戻った佐久間だったが、そこでまたふと夢の女の子が現れ意味深な一言を言い放ってくる。だが、そんなことは関係ない。自分にとって大事なモノを認識できた男にとって、幻覚の言葉なんて些事でしかない。今はただ、前を向いて日常を生きていくのだ。そう、これから佐久間の人生は変わっていく。自分というものを見つめ直し、妻を大事にし、人並みの幸せを手探りで掴み取る、そんな何でもない、当たり前の日常が……

彼を待っているワケではなかった

猛烈に羨ましいことに女子高の教師だった佐久間だが、今はそんなことはどうでも良い。始業の日、普段通り教壇に立ち、「さぁ、これからまた頑張るぞ!」って新入生に出席番号順に自己紹介を促したところ、現れるは自分探し中にベッドインした美少女・相生亜希。こんなことある? ってくらいに劇的な再会だけど、俺だったら失神しちゃうね。とりあえず見間違いと記憶違いではないことを脳フル回転で添削して「あのこと、誰にも言ってないよな?」「追ってきた? その意味深な笑顔なに?」「セーラー服、めちゃくちゃ似合うな…?」「何でよりによって五十音順で一番初めに来る名前やねん!」とかまで考えたくらいで意識を失う自信あるよ。というワケで、彼の日常の崩壊はここから始まるのだった。

 

 

≪無料試し読み≫

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俺が利用しているのはまんが王国だ。

利用できるものは何でも利用すべきというのが俺のポリシーだ。俺も結構ずっと使ってるから安全面は問題ないと思う。

 

 

【まとめ】

というワケで、今回は『新しいきみへ』の紹介でした。いやもう本当に三都慎司先生が描く漫画が好きな俺にとっては、謎が多いし女の子は可愛いしで願ったり叶ったりの作品であると言えよう。

ちなみに謎が多いと俺は書いているが、ここで紹介しているのはただの一端でしかなくて、回が進むごとに「え、そういう展開?」みたいなトンデモ展開が待っているのでワクワクしながら読んでみて欲しい。想像を超えるフィクションの新世界が待っているはず。

ではまた。

『つれないほど青くてあざといくらいに赤い』がエモ怖い

日常の中で気になることがあった時、スマホでポチポチっと検索すれば何かしらの答えは出てくる。こんな便利な時代だからこそ我々が失いかけている「探求心」、この欲求こそが人間を未知へと突き動かす原動力ということを思い出させてくれる作品、それが『つれないほど青くてあざといくらいに赤い』だ。

【あらすじ】

覗いてはいけない、だから、覗きたい。この先輩は…女性? 男性? 中性? 魔性?? 好奇心という不治の病を患う転校生が出会ったのは、美しく、可愛らしく、格好よく、恐ろしい、謎の存在(ヒト)だった。カリギュラ効果的深淵ラブ・ストーリー。

 

 

【作品概要】

2021年8月9日から『となりのヤングジャンプ』にて連載を開始した『つれないほど青くてあざといくらいに赤い』

作者はtomomi氏、もともとは趣味でTwitterやPixivで短編漫画を投稿していたが、編集者にメールで声をかけられたことをきっかけに漫画化デビューという令和っぽい経歴を持つ。本作の他に『八月九日 僕は君に喰われる』という異形系オカルトラブストーリーを『WEBコミックガンマプラス』にて連載中。

圧倒的な画力と、心の底からホラーを愛しているであろう作風から、俺の中では気になる絵師筆頭ではあったが、この『つれないほど青くてあざといくらいに赤い』を読んだ結果、2022年 気になる漫画家筆頭およびマジで面白い漫画筆頭にランクアップしたことをここに発表いたします。fabulous。

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好奇と恋のスクランブル

第一話の冒頭。主人公の”アラタ”が転校生であること・如何なる人物なのか が描かれている。この一連のシーンを見ただけでアラタが気になるものが放っておけない「私、気になります!」的な千反田体質だと5秒で理解できる。この適格な表現力とスピード感も素晴らしい。そして誰もいない教室、彼は今まで出会ったことのない”未知”に出会う。

それが ”速水ミハヤ”。さぁヒロインの登場だ。初手から脱衣姿というエロゲー的登場をかましているワケだが、この作品は安易なハーレム宜しく ときめき はメモリアルしてこない。むしろ ざわめき をメモリーしてくる。この速水ミハヤという未知の存在こそがこの物語の根幹を担っており、これからアラタの日常を崩壊させることになる。

と、ここまで書いていて再三”未知”という単語を使っていることに、わざとらしさ を感じている人もいるかもしれないので言い訳をさせて欲しいが、俺は決して未読者を煽るために「未」と「知」を繋げて言葉を綴っているワケではない。最新話まで読んだ俺にとっても速水ミハヤという存在は謎なんだ。むしろ読んでいくことで謎が深まっている印象すらある。だから正直に”未知”と表現している。そして、これこそがこの作品のである。

というわけで、いきなり出会った謎の存在・速水ミハヤに対してアラタは好奇心を抱くことになるのだが、ここからラブコメは 始 ま ら な い。いや、正確に言うとラブは最初から最後まで確かに存在しているのだが、このアラタが感じている感情が何なのかすら未知なんだ。俺がいったい何を言っているのかよく分からなくなってきた頃かと思うがこれはこのブログでの通常運転であるし、それこそが未知という感情であると敢えて言おう(自分の語彙力の無さは棚上げ)。ただ、この作品を読んでいる同士はきっと共感してくれるハズだ。「この気持ちは、果たして正しい感情なのだろうか…?」と雑然とした疑問が常に頭の中を駆け巡りながら、主人公アラタと一緒に緩やかに日常が犯されていく。緩やかに、速水ミハヤに夢中になっていく。それがこの漫画なんだ。

 

 

怪しく奇しい魔性ヒロイン​

というワケでイントロは終了、確信に触れていこう。ネタバレというよりも全部1話で(明らかでないことが)明らかになるので、これに触れなくては『つれないほど青くてあざといくらいに赤い』は語れない(というか公式キャッチコピーでも触れられている)。上の画像を見て貰えば分かる通り、速水ミハヤはとんでもなく可愛い。綺麗。美しい。見ただけで分かるよな。俺も一瞬で眼がハートになったよ。だけど、女性であるとは名言されていないんだ

女性であるとは名言されていない。でも、男性であるとも明言されていないし、もちろん両性であるとも限らない。そしてどうやら学校の七不思議の一つとして「速水先輩について知ってはいけない」という扱いさえ受けている。時には女生徒として、特には男生徒として学校で日常を過ごしているその様子(と、周囲の反応)にアラタの病的な好奇心が反応したということなんだ。まぁ、アラタに限った話でなく、こんな奇特な存在が同じ学校に存在したら誰しもが興味を持つと思うが…。俺はビジュアルだけで好きだが

 

 

あざといくらい不可解

この作品の非常にgoodな点は、正体不明の先輩への恋路 で終わらないところだ

本作未読の状態でこの記事をここまで読んでくれた人はきっとこの作品のジャンルを、昨今流行っている「病み系恋愛モノ」だと錯覚していたと思うぷぷ、完全に俺のミスリードにハマってますな。違うんだ。男か女かわからない先輩に翻弄されて掌で転がされるだけ(それも最高だなぁ…)のストーリーだったとしたら俺はここで取り上げない。これは深淵・ラブストーリーなんだ

常に日常の隣に佇んでいる”非日常”。正体不明なそれらが話の本筋にスパイスを投入してくれる。むしろ予告無くすごい勢いで投入されるので、その回は脳が痺れる(下北沢のマジックスパイスでいうと極楽/涅槃レベル)。

この怪異の取り入れられ方が非常~に上手いんだ。例えるなら『ARIA』(『AQUA』)のケットシー登場回というか…放課後誰もいないはずの教室に入ったらいきなり領域展開されてたというか…、日常から知らない場所に一歩迷い込んだら異世界なんだということを思い出させてくれる。透明感のあるジュブナイルホラーである

 

≪無料試し読み≫

まんが王国

ちなみに、全部読むほどじゃないって人の為に『つれないほど青くてあざといくらいに赤い』を無料試し読みできるサイトを紹介しておこう。

俺がよく利用しているのはまんが王国だ。

漫画を読むときに試し読みをすることは大事だと俺は思っていて。自分に合っているかを手っ取り早く確認するには、まず読むことだ。何よりもまず行動っていうし、ここで『つれないほど青くてあざといくらいに赤い』の世界を覗いてみては如何だろうか。利用できるものは何でも利用すべきというのが俺のポリシーだ。俺も結構ずっと使ってるから安全面は問題ないハズ。

 

 

【まとめ】

というわけで、『つれないほど青くてあざといくらいに赤い』の紹介記事でした。

いや、これは本当に面白いよ。2022年も漫画をたくさん読んでいる俺だけど、これは久しぶりにビビッときたね。最近はホラー系作品が市民権を得てきているし、この流れも後押ししてアニメ化して騒がれることになるのも近いと見た。今後、どういう展開になっていくのか全くの未知だが、それすらもこの作品の主題に沿った魅力であるといえる。

そういえば最近ホラー映画レビューをしていないけど、このブログでお勧めしたい記事が溜まってきているので近いうちに更新しようと思います(忘れないぞ!)。

ではまた。

北米発のアニメ『RWBY』はもっと人に知られて良いと思うんだ

RWBY』というアニメはご存じだろうか。と言っても、知らなくても無理はない。地上波で放送しているアニメではないし、そもそも日本で制作している作品ではないからだ。だが俺は声を大にして言いたい。これこそが隠れた名作だ。

【あらすじ】

塵から生まれた存在である人類は、その誕生から間もなくしてグリムという存在の脅威に脅かされていた。彼らは人類とその創造物を破壊し、それによって人類は滅亡の危機へと追いやられる。しかし、人類は元来持っているその強さと賢さによってダストという力を発見する。ダストによってグリムを退けることに成功した人類は、ついに訪れた平和な時間を謳歌していた。 15歳の少女ルビー・ローズ (Ruby Rose) はグリムを退治する存在であるハンターに憧れ、ハンター養成所であるビーコン・アカデミーへ入学する。そこでチームRWBY(ルビー)のリーダーとなった彼女に様々な苦難が襲い掛かるが、そんな苦難を仲間と乗り越え、ともに徐々に成長していく。Wikipediaより引用

 

 

【作品概要】

2013年にアメリカの制作会社が発表した『RWBY』。2014年には国際WEBアカデミー賞の最優秀アニメーションシリーズ賞を受賞し、当時ニコニコ動画で公開(というか転載)された時はその高クオリティな映像美と日本人好みの超絶戦闘アクションで多くのネットフリークを興奮させたグリム童話の『赤ずきん』モチーフの主人公(Ruby)、白雪姫モチーフの相棒(Weiss)など基本設定も良い塩梅でエモく、『ブラック★ロックシューター』『天元突破グレンラガン』をはじめ日本のアニメに色濃く影響を受けて作ったと監督が話している通り、日本アニメ文化に造詣が深いクソナードほど良い意味で深みにハマりやすい物語構成となっている。

何を隠そう、俺も当時はニコニコでトレーラーが公開された時に「すげぇアニメが出てきたな……」と感嘆した一人だ(たぶん計200回は再生した)。だがそれ以降、地上波でアニメ本編が放送されているわけではないのでしっかりとストーリーを確認することはなく、時折YouTubeで公開されている戦闘シーン集やMADを観るくらいだった。

けど、つい最近AmazonDVDがレンタルできることを知って今更ながら本編をチェックしたワケですよ……いや、もう、死ぬほど面白くて驚いた。戦闘シーンがすごいのは知ってたけど、「しょせん日本人の真似して外人が作ったテンプレストーリーなんだろ~」と思っていた俺の固定観念を軽々払拭し、キャラ同士の絶妙にハイセンスな掛け合いと要所での爆発的な盛り上がりによって俺の心は一気に虜にされ、Volume1~3までをイッキ観。「めちゃくちゃ面白れぇじゃねぇか……」と半ば放心状態の中、天井を見上げて呟いた

アメリカ制作のアニメであり、いわゆる萌え絵のような日本の王道作画ではない、ある種特殊な位置付けのアニメではあるが「これは間違いなくもっと日本で知られた方が良いアニメだ」と確信したため今こうして記事を書いている次第。この作品のクオリティがここまで高いということを認識していなかった俺を殴りたい

 

 

息もつかせぬ王道ファンタジー

さて、ここからは簡単に『RWBY』のストーリーを紹介しよう。と言ってもこの記事を書いている時点で俺はVOLUME5まで視聴しているので、中盤位まで把握していることになるんだが……導入編ということで、『THE BEGINNING』と公式でサブタイトルが付けられているVOLUME1~3までの内容をエクストリームに語りたい

 

≪VOLUME1≫

前述の【あらすじ】にも載せた通り、ハンター養成学校である[ビーコンアカデミー]に飛び級入学することになるRuby。序盤はまずこの入学後の学園生活を軸にして進んでいく。入学後、RubyはWeiss・Blake・姉であるYangとフォーマンセルのチームを組むことになるんだけど(基本的に新入生は全員がチームに所属することになる)、このチーム結成の際の実技試験が本当にアツい

何がアツいか。教師に勝手に組まされた少年少女がいきなりグリムという化物と戦いながらミッションをこなさなければいけない、いわゆる超危険な新入生レクリエーションとでも認識してくれれば良いだろう。例えるなら大学入学してすぐに催されるあの吐き気を催すコミュ障狩りだ。将来が明るいコミュ力お化け(陽キャ)でない限り、出会って直ぐの他人と協力作業なんて出来るワケないというのが俺の超個人的な持論だ。例に漏れず、RubyはWeissと喧嘩をしてしまう。でも物語というのは悲しいくらいに劇的である訳で、衝突しながらも協力して「チームとして」この実技試験を乗り越え成長していく彼女たちの姿は必見。そして試験最後に全員が協力して敵を倒すバトルアクション(と、バトルBGM)は末永く語られるだろう、つまり超必見だ

試験後、無事にチーム[RWBY]としてまとまったRuby・Weiss・Blake・Yangだったが、また新たな問題が勃発。どんなチームにも輪を乱す愚者はいるものだが……種族問題は根が深すぎるぜ…ということでまたまた喧嘩します。いいね、若者は喧嘩してナンボだからな。互いの身の上が相容れない時の喧嘩ほど、冷静になって相手の気持ちを察するのが大事というのも俺の持論なのだが、時には真正面から自分の意見をぶつけ合うのも大事だ。その積み重ねの結果が本当の友達だからな。というわけで、VOLUME1ラストでは物語の本筋が少しだけ動きます。と同時に、物語の世界観とその中での主人公たちの立ち位置もなんとなく把握できてくる。ここまで視聴した人は気づけると思う、「あれ? この作品……アクションシーンだけが見所だと思ってたけど、案外内容深くない?」ということに。コングラチュレーション。

 

≪VOLUME2≫

VOLUME1ラストから引き続き、物語の本筋を進めつつ、和気藹々とした学園生活の様子が見れるVOLUME2。全エピソードを観終わった後だと、起承転結の「承」にあたっていたというのが素直な感想だ。このVOLUME2で物語の核心的な部分が大きく動き出す

まず、明確に敵勢力が表に出てくるというのが一番重要な展開と言えるだろう。平和な学生生活を送るRuby達の裏で蠢く闇。絶望はいつも幸せと隣り合わせだからな……順調と思っている時ほど落とし穴が足元に転がってるもんよ。だがダンスパーティの回は登場人物たちが良い感じで平和な青春を謳歌している貴重な話なので、是非とも見て欲しい(束の間の青春…)。

そして動き出すメインシナリオ。プロハンター同伴の任務につくチームRWBY。ここでWeiss・Blake・Yangは「なぜハンターを目指すのか」という問いをプロから突き付けられるが、自分の中で明確な答えを見つけることが出来なく、落ち込んでしまう(Rubyは聞かれない)。地味にこの若者葛藤パートが良いんだよね。進もうとしている道に対して明確な答えがないまま進んだ時、この認識の差は、持っている者と比べて致命的な差となる(もちろん結果にも大きく影響してくる)。思い返して頂きたい、会社やアルバイト先で、ただ流されるがまま仕事をこなす新入よりも、自分でやりたいことが言語化できている新人の方が仕事のクオリティが遥かに高いと感じたことは無いだろうか。また、自分自身が仕事に対して熱を持っていないことに客観的に気付かされたことは無いだろうか。それ。といっても、今を精一杯生きることしかできないのが人間なので、そんなたいそうな考えを持って行動できている人の方が少ないのが現実。問題は気づいた時の危機意識と柔軟な考え方だと思います(何様)。

というわけで『RWBY』において貴重な青春パートが観れるVOLUME2のざっくり紹介でした。VOLUME3からは一気にシリアスになるというか、鬱展開というか、オブラートに包んでも絶望要素が大きいので……。学生たちが日常を楽しみ・悩み・成長していくバラエティに富んだ内容となっている。人によってはこのVOLUME2が一番好きかもしれない

 

≪VOLUME3≫

VOLUME3では学校対抗のバトルイベントが開催される。もちろんチームRWBYも出場することになるのだが……中盤でYangの衝撃的な一撃からこの物語における絶望が始まる。一応、この衝撃の中盤まではWeissの姉が出て着たり、Rubyのおじさんが登場したりと見所はたくさんあるんだが(物語の核心的な設定も明らかになる)、そんなことどうでも良いくらいに怒涛の絶望展開なので、もはやよく覚えていない

ここからはもう急転直下だ。Rubyの友達としてこれまで何度も視聴者を癒してくれた人物が敵の策略によって上半身と下半身に分かれたり、人格的に一番優れていたであろう優秀な人物(裏ヒロインといっても過言ではない)が塵となって消えたり、そもそも学校(というか、国?)が崩壊したり、「おいおい、ここまで一気に今までの学園コメディをぶっ壊すか……?」と言わざるを得ない急展開に脳ミソが思考不可能に陥る。でも、分かって欲しいのは、『スクールランブル』みたいな所謂強引な鬱展開ではないんだということ。このVOLUME3こそが『RWBY』の分岐点であり起承転結の「転」、そして一つの「結」なんだってことを理解して欲しい。そもそも、学園ラブコメをやるだけの話だったら俺だってこうやって記事を書くことは無い。「世の中の絶望に対して立ち向かう少年少女」これこそが『RWBY』の描きたいことなのではないだろうかということに俺はようやく気付けたんだ。

てな感じで、すごく鬱展開だよってことばっかり強調してしまったけど。実際このVOLUME3が『RWBY』の中で一番評価が高いし、俺としても一番面白いと感じた。『THE BEGINNING』とは言い得て妙で、ここでキャッキャウフフの学園モノは終了。今までは完全に序章でしたぁ~、ここから血で血を洗う真の物語が始まりますよぉ~ということなんだよ! いや……なんていうか、俺の語彙力が足らな過ぎて正しく伝えられているか分からないけど……とにかく『RWBY』はここからスタートする。VOLUME4・VOLUME5と進むにつれてこの物語の本筋が進行していき、ドンドン面白くなっているので、まだ視聴してない人はぜひとも観て欲しい。

ちなみに、俺としては日本語翻訳版がオススメだ。スピード感あふれるアクションを堪能するためには字幕は勿体ない。それになんてったって声優陣がめっちゃ豪華だからな

漫画版『RWBY』

日米同時連載として満を持しての本編公式コミカライズが2015年『ウルトラジャンプ』にて開始された。作者は木並文太さん。これが初作品なわけはないと思うんだけど、個人的に絵がすごく好き(『DOGS / BULLETS & CARNAGE』や、supercellにイラスト提供していることでも知られる三輪士郎さんのアンソロジー版も存在する)。

アニメ版とはちょっと違った側面を描いてくれているので、こちらはこちらでアツい。『ジャンプ+』でも読むことは出来るし、単行本で言えば3冊くらいなので、アニメ視聴の前にどんな感じか把握するには持って来いだ。試しにどうぞ

 

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【まとめ】

というわけで久しぶりの更新は『RWBY』について語りました。

正直本作に関しては「存在は知っているけど詳しくは知らない」という人が殆どだと思う。もしくは存在すら知らないか。だがクオリティは俺が保証するので気が向いたら観て欲しい。理不尽な世の中で、御伽噺を夢見るくらいは誰もが持つ権利だと思います

ではまた。

MARVEL大好きな俺ちゃんが『デッドプール』について語るだけの記事

『ジャンプ+』で短期集中連載を終えた『デッドプール』。今回の記事ではこの漫画に関して解説……と思ったが。たまには違う視点で、そもそもデッドプールってなんぞやということをマーベル映画大好きな俺が語ろうと思う。

漫画『デッドプール』

MARVELから少年ジャンプ+に殴り込み!?アメコミヒーローの中でも特にハチャメチャな無責任ヒーロー「デッドプール」がついに連載化!!!!アベンジャーズを引き連れて、ジャンプキャラまで巻き込んだなんでもありのスーパーコラボマンガ! [JC全2巻発売中]ジャンプ+より引用

『デッドプール』(少年ジャンプ+)

 

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それではお待ちかね。下記にて『デッドプール』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

 

 

『デッドプール』とは

『ジャンプ+』連載していた『デッドプール』は、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース ※マーベルの実写映画シリーズ)を全部視聴してて『アベンジャーズ』大好きな人にとっては非常にアツい漫画だった。何がそんなにアツいのか。これを説明するには不遇なヒーロー『デッドプール』と『アベンジャーズ』の関係について述べておく必要がある。

そもそもデッドプールは一大ムーヴメントを巻き起こしているMCU作品には出てきていない。まずここが重要だ彼が実写において初登場したのは『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』。超人的身体能力に加えて日本刀を超振動させるといった厨二感満載のミュータントとして猛威を振るった(この作品では原作のMARVELコミック設定はかなり無視されていた)そして満を持して単独主演を飾った2016年公開の映画『デッドプール』。こちらはかなり原作に忠実なキャラクター設定で、コミックファン涎垂の内容と言えるだろう。この実写映画によって原作ファンのみならず映画ファンも取り込んだということだ(なんと某ヒーロー人気投票で1位)。

ここまで読むだけだと、「いや映画に出てんじゃん!」と思うだろうが。違うんだ、彼の世界線は『アイアンマン』から始まって現在『ロキ』まで続いている所謂正当なMCU作品には一切絡んできていない

というのも、アメコミの権利ってのは複雑だからなんだな。そう、”大人の事情”ってやつだ。分かりやすく端的に説明すると作中のキャラクターの版権と、そのキャラクターを映像化する版権が別ということ。だから『スパイダーマン』もMCUの実写映画と別の世界戦の実写映画が存在する。そして最も重要なのが『X-MEN』シリーズの映像化もまたディズニー/マーベルスタジオとは違う別の組織だということだ。

ディズニー/マーベルスタジオ
『アイアンマン』 『インクレディブル・ハルク』 『マイティ・ソー』 『キャプテン・アメリカ』 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』 『アントマン』 『ドクター・ストレンジ』 『ブラックパンサー』 『キャプテン・マーベル』 『ロキ』 『ブラック・ウィドウ』など
いわゆる『アベンジャーズ』加入ヒーロー

元20世紀FOX
『X-MEN』 『ファンタスティック・フォー』 『デッドプール』
要はX-MEN系のヒーロー

ソニー・ピクチャーズ
『スパイダーマン』 『ヴェノム』 『モービウス』
基本的にスパイダーマン or そのヴィランたち

上記にまとめた通り、『デッドプール』の映像化権を持っていたのは元20世紀FOX(現:20世紀スタジオ)という会社なんだ。単純に今までは権利を持っていなかったために、『アベンジャーズ』作品に登場できなかったということです。不憫

ちなみに、人気投票で1位と前述したが、ここだけ切り取ると非常に人気がありMARVELを代表するヒーローと思えるかもしれない。だが勘違いしてはいけない。彼は『キャプテン・アメリカ』のように真っ直ぐなヒーローではないという点だ。ここからはデッドプール本人に関して、より詳しく書いていく。

 

 

能力がヒーローっぽくない

■再生能力
※ウルヴァリンのヒーリングファクターを移植して会得

■殺人能力
※暗殺者を経ての傭兵なので躊躇なく殺す

■第4の壁を超える能力
※漫画の壁を越えて読者(視聴者)に語りかけるメタ能力

以上、簡単なデッドプールの能力説明。更に簡潔に彼の特徴を述べれば「ひとつの最強を体現した存在」だ。特に再生能力に関しては、ウルヴァリン由来だからそんなに強くないと思われガチだが、MCU視聴者なら言わずもがなの最大最強のヴィラン:サノスによって不死の呪いもかけられているので、首チョンパされてもミンチになっても復活できるというUQホルダー顔負けの存在となっている。

更に言えば、彼の性格も手放しで正義っぽくないところがある。上で記載している通り、「第4の壁を超える能力」によってメタ的な次元にも干渉できる点は達観しすぎているし、少年少女が憧れる”物語の中の圧倒的強者”というにはほど遠い、ひょうきんな語り口調は完全に悪役のそれ

つまり、間違いなくヒーローではあるんだけど、その性格・能力から素直にヒーローと呼ばれて良い存在ではないということだ。いや、ただ、まぁ、この性格だからこそ愛されるんだけどな!

 

 

愛のために地獄を見た人間

デッドプール - 作品 - Yahoo!映画

ここで彼の過去についてもエクストリームに書いておこう。

幼少期に劣悪な環境で育ち暗殺者になったが、恋人と婚約をした瞬間に末期の癌が発覚。治療の為に参加した実験によってウルヴァリンの細胞を移植し、癌細胞が突然変異して暴走。全身が侵される皮膚がグズグズになる。復讐心から実験を行った奴らを根絶やしにするも何やかんやで不死になって生き地獄

まぁ、こんな感じ(原作アメコミの設定ざっくり解説でした)。ヤクザもびっくりのドス黒い経験をした彼の人生は、もちろんR指定。そう、彼が映像化され辛かった理由の一端は子供が観て手放しに喜べる映像ではないということだ。まったくもって不遇、そりゃ性格も歪むわ

ただ、彼が愛のために選択をした人間ということを俺は評価したいね。キャプテン・アメリカも愛する人(と、大多数の国民)のために自らを犠牲にして冬眠したし、ワンダだってビジョンの為に現実を改変した。ヒーローは自分のためじゃなく、人の為に生きた時に一番力を発揮するもんなんだよ(俺論)。この考え方で言えば、デッドプールは間違いなくヒーローということになる。R指定だけど彼のヒーローとしての成り立ちをしっかり見て欲しい。彼が人気の理由が理解できるはずだ。

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まとめ

ここまで『デッドプール』が不遇な理由というのを列挙してきたワケだけれども、最後に一筋の救いを書いておこうと思う。

説明した通り、彼の映像化権利というのは元:20世紀FOX社が有していたんだけども、2019年にウォルト・ディズニー社が買収を完了した。これで何が変わるのかと言うと、お察しの通り『デッドプール』『X-MEN』『ファンタスティック・フォー』の映像化権利をディズニーが保有したということになる(だからこそこの漫画が成立したわけだが)。

アメリカ本国では「ネズミがキツネを公式に殺した」と揶揄されるこの世紀の大事件は、今後の映画界の進行方向を決定づけたと俺は思っている。『ディズニー作品』『ピクサー作品』『スターウォーズ作品』『マーベル作品』『ナショナルジオグラフィック作品』と映画界の金字塔をゴッソリと所有していた上に、兼ねてから惜しまれていた”散開していたマーベルヒーロー達”の映像化権利を手中に収める王手とも言えるこの行動は、映画というジャンルにおいてこの先50年はディズニー1強の時代が続く事を示している。

近い未来、デップーだけではなくX-MENの名だたるミュータントたちがアベンジャーズ入りするなんてこともあり得るのかもしれない。非常に胸アツ

マーベル作品はこういうことも含めて観ると更に面白いよねって話でした。ではまた。

『ダンダダン』が俺の日常をブッ壊してくれた

ジャパンホラーと言われて思いつくのは何だろうか。貞子? 伽耶子? 富江? これらは日本を代表するホラーなので無論ジャパンホラーなのだが、俺が考える日本独自のホラーとは「なんでもあり」感を色濃く反映した作品だ。この漫画にはそれを感じる。

【あらすじ】

幽霊を信じないオカルトマニアの少年・高倉と、宇宙人を信じない少女・綾瀬は、互いの理解を超越した圧倒的怪奇に出会う——…!オカルティック青春物語!!『少年ジャンプ+』より引用

『ダンダダン』(少年ジャンプ+)

 

 

【作品概要】

去る2021年4月6日、唐突に『ジャンプ+』にて新連載を開始し、その圧倒的なクオリティでSNSをはじめ各所で話題になった『ダンダダン』。俺も読んだ瞬間に即友達に連絡したよ。「おい、また新世代の名作漫画が誕生したぞ」ってな。

作者は龍幸伸先生。どうも『チェンソーマン』『地獄楽』といった大ヒット作の制作現場でメインアシスタントをしていた超絶実力者とのこと。

なるほど確かに、この絵のクオリティはそこらの夢見がちな少年少女には出せない。なんというか…強弱がしっかりしているんだ。俺は絵に関しては全くのド素人なんだが、見るべき場所がしっかりと見るべきクオリティで書かれている感がすごい。この人たぶん広告デザイナーでも通用すると思う。しかもね、この『ダンダダン』が良いのは絵だけじゃないんだ、ストーリーの組み立て方が非常に秀逸なんだよ

ちなみに、漫画漬けの日々を送る俺は
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それではお待ちかね。下記にて『ダンダダン』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

 

宇宙人ヲタ meet 霊媒師の孫

物語冒頭をざっくりと紹介。

カースト最底辺と言える眼鏡陰キャ男子が受けているいじめを、颯爽と助けるハキハキ系美人ギャル。そんな二人の出会いから始まる本作。この時点では一体どんな物語が繰り広げられることになるか全く予想できない。良い立ち上がりだ。

会話をする中で、眼鏡陰キャ男子(高倉)は『ムー』を購読しているような生粋のオカルト男子ということが明かされる(そりゃあいじめられるよな…わかる)。一方でハキハキ系美人ギャル(綾瀬)は祖母に霊媒師を持つ由緒正しき除霊少女。高倉は宇宙人を、綾瀬は幽霊を信じているが、互いが互いの信じている未確認現象を信じていないということで、小競り合いすることに。以上の経緯により高倉は幽霊スポットへ、綾瀬は宇宙人と交信しやすいという所謂いわくのある場所へ向かうことになる。

 

 

非日常はいつだって突然

結果的に、二人とも幽霊・宇宙人に遭遇。いきなりキタァ―‼ そうだよな、非日常はいつだって唐突に襲ってくる。デスマーチはいつだって唐突に始まるし、会社が倒産するのもある日突然告げられる。人外もそうだ、いきなり襲ってきて日常をブッ壊すから脅威なんだよ。この展開リアルですごく好き。

ということで襲われた二人は見事に餌食になりましたとさ…

では、もちろん終わらない

少年ジャンプはいつだって困難から勝利に向かうだから愛されてるんだ

 

 

非日常には

非日常をぶつけんだよ!

宇宙人に脳を弄られ過ぎて開花する綾瀬の超能力。ターボババァに呪われることで可能になった高倉の憑依合体。ともにリスキーながらも、目の前の敵を倒すために全力を振るう。ここで俺の脳裏にはかの白石晃士監督の名作(迷作)映画『貞子vs 伽耶子』の名言が浮かんできた。そう「バケモンにはバケモンをぶつけんだよ」だ。なんだって対処法は一緒。

そりゃさ、俺も考えたことあるよ。「幽霊に襲われたら瞬間移動で逃げれたら楽なのにな~」とか、「阿弥陀流真空仏陀切りできたらUFOとか切れんじゃね?」とか。それを実践してのけた…だと? 少年の心を持つ漫画フリークの欲望と渇望のオーバーソウルだよ

ちなみに、このバトル時の躍動感がこの漫画最大の特徴と言って良いと俺は思う。漫画なのにアニメを観ているかの如く動いて、俺の脳を揺さぶってくるからさ、この作品を読んだだけで俺も超能力に目覚めないかなと思った次第

それにしても、陰キャとして物語序盤に登場した高倉がバトル時にここまでカッコ良くなるなんて誰が想像できただろうか(上の画像二枚目が高倉)。しかも綾瀬もしっかり戦うヒロインとして絶対的な力に目覚めてるし……。いや、待て待て。そうか、これはダブル主人公モノか。ボーイがガールとミーツした結果どちらも戦う力に目覚める。まさに王道じゃないか

つまり何が言いたいかと言うと。この『ダンダダン』は、幽霊だったり宇宙人だったり超能力だったり、一見すると要素が盛り沢山の好き放題やっている作品だが、全くの無秩序ではないということだ。少年少女が異形のモノと戦いながら互いに惹かれつつ、日常と非日常を行き来する。そんな王道少年漫画としての筋がビシッと通るように、しっかりと物語をまとめ上げている令和の超秀作だってこと

『ダンダダン』(少年ジャンプ+)

 

 

【まとめ】

アクロバティックな豪快アクションと青春ストーリー、その軸にあるのはオカルト(幽霊・宇宙人・超能力)というゴチャマゼ感満載の本作。オカルト要素ってのは、大抵はどれか一個にフォーカスしたり、『涼宮ハルヒの憂鬱』のようにサブ的要素としてこっそりと忍ばせることが王道とされてきた二次元の常識を1話目で一気にブチ壊してきた

でも、これこそが俺が望んでいた作品なのかもしれないって思うんだ。いつだってホラーはホラー、宇宙人モノは宇宙人モノと括られてきた。でも全部信じている俺みたいな現実クラッシャー乞食にとってはどうだろう。オカルトという括りで一緒くたに非日常を味わえる、こんな作品を、俺は、俺たちは望んでいたんじゃないだろうか。まさにヤサイマシニンニクマシマシアブラカラメ作品。

胸ヤケしつつも、絶対にまた食べたくなるヤツな。

ではまた。

すべての30代は恋愛せずに『九龍ジェネリックロマンス』読んどけば良い

俺はよく言われる。「いい歳して少女漫画なんて読むな」と。じゃあ大人は何を読んでトキメキを感じれば良いんだ? 答えはこの『九龍ジェネリックロマンス』だ。

【あらすじ】

此処は東洋の魔窟、九龍城砦。ノスタルジー溢れる人々が暮らし、街並みに過去・現在・未来が交差するディストピア。はたらく30代男女の非日常で贈る日常と密かな想いと関係性をあざやかに描き出す理想的なラヴロマンスを貴方に――。『少年ジャンプ+』より引用

 

【作品概要】

『恋は雨上がりのように』で人生の雨宿りを描いた眉月じゅん先生がヤングジャンプで連載している本作。

前述の恋雨は『月刊! スピリッツ』にて2014年から2016年まで連載し、叙情的な絵心とストーリーに多くの読者の心が瑞々しく潤った。アニメ化とほぼ同時期に実写映画化も果たし、小松奈々との人生における可能性を示してくれた世のオヤジ達のオアシス的大名作。

こんな偉業を成し遂げた眉月先生の新作とあっては、チェックしない訳にはいかない。ヤンジャンでの連載開始時に友達から勧められた俺は呑みの席で1話を読み、結果ハマった。これこそが大人が読むロマンスだ

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それではお待ちかね。下記にて『九龍ジェネリックロマンス』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

 

ノスタルジックな世界

この物語を語る上で、絶対に話しておかなければならないのは舞台となる”九龍”に関してだろう。一言でいえば、とにかくこの街のノスタルジックさが◎! 吉祥寺のハーモニカ横丁が居心地良く感じるように、浅草のホッピー通りに対して謎の郷愁を抱くように、大人のセンチメンタルな部分を刺激する力がある。何回酔いつぶれて財布失くしてもこれらの街は好きだもんな!

若干、俺の闇の部分が顔を出したが、気にせず読み進めてくれ。とにかく、舞台となる街の雰囲気が秀逸なんだ。そもそも九龍ってのは現実の香港にもあった地域名称で、イギリスやらなんやらの難しいアレで大変だった場所。今となっては急速な技術革新によってアルティメット進化を遂げ、高層ビル立ちまくりのスーパー都会だから気になる人はGoogleマップで見てみよう。

というわけで、本作では今となっては存在しない過去の九龍(のオマージュ)が舞台として描かれるんだけど。何故だか読んでいるこちらもこの街が懐かしいような気がしてくるから不思議だ(ノスタルジーってのは自己の記憶に起因する訳ではないらしい)。ただ、面白いのは作中の登場人物たちも読者と同様に“何故だか分からないけど、この街は懐かしい”と思っている描写で溢れている。←これ、物語上かなり重要ポイントだから要チェキな。

 

「懐かしさ=恋」

そして出てくる「懐かしいって感情は、恋と同じだと思ってる」というパワーワード。強い、強いぞ。この発言単体で読むと即座には理解し難いが、この『九龍ジェネリックロマンス』を読めば全て理解できるし、この発言自体が深い。なんならこの作品の主軸はラブロマンスだからな。ではお待ちかね、ここからは本作のロマンス的側面を語っていこう。

 

 

大人のリアルな恋愛模様

しまった……俺がキュンキュンした箇所を抜粋した結果、詰め込みすぎた。上の画像を見て貰えば分かる通り、この『九龍ジェネリックロマンス』では、ヒロイン&主人公である鯨井が同じ会社の先輩・工藤に恋をしていく過程が非常に生々しく描かれている。これが超絶GOOD。いわゆる少女漫画ってのは、少女(と、俺)をトキめかせるように何処か現実離れした展開だったり、恋をしていく過程が突飛だったりすることも多い。でも本作は天下の『ヤングジャンプ』、描くぜぇ~、リアルに。女心という未知のラビリンスを男の俺に完全に理解することは勿論できないが、恋が始まる瞬間っていうのは、きっとこんな感じなんじゃないかと思ってしまう。このアダルティな感情の機微を的確に描くところは流石の一言。

「視力が良くなると、今まで目に入らなかったものも見えるようになる。知らなかったクセを見つけると嬉しいし、もっと触れてみたくなる。」急~にッ! 急に触れてみたくなるッ! そうだよな、意中の相手の新たな一面を見れると嬉しいもんな。視力が良くなって、相手のことをしっかりと見れるようになるなんて至福の極みだと思う(ちなみに俺は視力悪すぎて裸眼だと世界一面がパウダースノー。好きな人を見るよりもまず世界を好きになりたい)

で、いつも通り仕事をしている時に思うんだよな。何気ない仕事への考え方や、ふとした仕草、ちょっと良いな……って思ってる時、タイミングを見計らったかのように優しく接してくれたりしたら思っちゃうよ。「私、この人のことが好きだ」ってな。自覚したら終わりよ。そこから一気に思考はオリエント急行。目的地に着くまで途中下車は許されず、あの手この手と恋愛終着駅まで走らされること間違いなし。でもそれで良いと俺は思うんだ、だって人間だもの

これ以上恋愛について考えていると頭がおかしくなる気がしてきたので、まとめよう。とにかく本作は、”30代の恋愛”というものを非常にリアルに描いている(鯨井は32歳)。30歳の俺が言うんだから間違いない

もうこの歳になるとさ、10代の頃みたいに甘酸っぱい感情なんて忘れてしまっているワケですよ。日々の仕事に追われて、気づけば長年独り身だったなんてよく聞く話よ。でもそのスイッチが一瞬で切り替わる瞬間が来るんだよ、ある日突然。そうなったらもう止められん。自分なりに手探りで恋していくしかないんだ。本作はその”手探りで恋していく”為の教科書だと思うね

 

 

≪無料試し読み≫

まんが王国

ちなみに、『九龍ジェネリックロマンス』を無料試し読みできるサイトも紹介しておこう。俺がよく利用しているのはまんが王国だ。

漫画を読むときに試し読みをすることは大事だと俺は思っていて。自分に合っているかを手っ取り早く確認するには、まず読むことだと信じている。何よりもまず行動っていうしな。漫画も一緒よ。是非自分で読んでみて、『九龍ジェネリックロマンス』の世界にハマって欲しい。

漫画王国では今登録する半額クーポンが必ず貰えるからオススメ。利用できるものは何でも利用すべきというのが俺のポリシーだ。俺も結構ずっと使ってるから安全面は問題ないハズ。

 

 

甘いだけでは終わらない

と、ここまでは本作がどれだけ大人が読むべき恋愛作品かという点にフォーカスを当ててきたが、それだけでは終わらないのがこの作品の一番重要なポイント

恋愛という要素をしっかり重要なファクターとして内包しつつも、読者全員が驚愕し、すべてが引っくり返される瞬間がこの作品には存在する。あまりにも衝撃的だったし、ここを踏まえてから改めて読み返すと今までの鯨井・工藤の不可思議な言動も合点がいくところが出てくる。アハ体験だ。

このターニングポイントについてもこの記事で書こうと思ってたんだけど、さすがにネタバレが過ぎるからやめておこうと思う(個人的にはすごく書きたいので、いつか別記事にて、乞うご期待)。

【まとめ】

ということで、今回は『九龍ジェネリックロマンス』について語りました。ここまでアニメ化→実写映画化までのブレイクが容易に想像できる作品も存在しないだろう。俺なんかは恋愛作品も好きだし、SF作品も好きだし、香港に対して何故か郷愁を感じているからさ、ドンピシャに突き刺さった。鯨井も上の画像で言っている通り、面白いかどうかは自分で読んで、自分で決めて欲しい。絶対面白いから。ではまた。

ここ数年でダントツ一番の衝撃を受けた作品『その淑女は偶像となる』

アイドルバトル漫画としての完成度は言わずもがな。少年漫画としても半端ないクオリティを誇る作品『その淑女は偶像となる』。読み切りの時点で一気に引き込まれたし、こんなに衝撃を受けた作品はないと思う。

【あらすじ】

エリザベス女学院に通う姫宮桜子は、淑女の中の淑女として校内で人気の少女。その仮面の裏側に、彼女にはアイドルを志し、挫折した過去があった。光と想いが交差する、ステージは少女たちの戦場!笑顔で戦うアイドルバトル、開幕!『少年ジャンプ+』より引用

【作品概要】

作品概要と言っても、まだ連載が始まったばかりで特筆してここに記する情報は無い。でも多くの漫画好きの間では「間違いなく面白かった作品」として2020年上半期にビックウェーブを巻き起こした作品であり、それが去る2020年12月27日から連載化となったとあっては、俺も記事を書かずにはいられない

まず、読切の時点でかなり推敲されたのが伺える完璧な構成だった。これに関しては読めば理解できると思うのでリンクを貼っておこう。↓

その淑女は偶像となる/読切版

作者の松本陽介さんは元々『pixiv』でデレマスの漫画を描いていたから、「この絵見たことある!」って人もいるかもしれない(うさみん推し・りあむ推しは特に)。よくpixivで推しの画像・漫画をディグってる俺は、読み切り読んだときに「な~んか見たことある絵な気がするなぁ……」と思って作者名ググったら案の定みたことある城ケ崎美嘉の漫画出てきて納得した(そう、俺はLiPPS箱推し)

少々余談が過ぎたが、改めてpixivやTwitterを拝見するとアイドル(というか、女の子)のことを真剣に考えてきた人なんだろうなぁということが伺えるので、アイドルという難しい題材でこの完成度というのも納得できた。何事も初志貫徹は大事。ちなみに松本先生は本作以前に『完璧麗華さまは友達作りがおヘタ』という作品も描いていた様子。こちらはまだ俺も読めてないので今度読んでみようと思う。

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激アツな偶像ストーリー

上のリンクから読切版を読んでくれた素直な読者の皆には説明不要かもしれないが、本作の第一話の内容を少々語らせてくれ。

個人的に「アイドル」という題材を漫画にすることは非常に難しいと思ってる。その実情は現実においてかなり闇に覆われており、実際にアイドルとして活動している各々によって全く違う境遇だったりするからだ(ヤングジャンプで連載中の『推しの子』も面白いから読もうな!)。芸能関係って煌びやかなイメージを持ちがちだけどさ、実際には泥臭い努力が必要だったり、本当に頑張ってる人間で溢れた界隈だと言える。本作はその辺をよく分かってる

主人公の姫宮桜子は幼いころ、天才子役・伝説のアイドルユニットのリーダーとして活躍していた輝かしい過去を持つ。このことを隠し、俗世離れしたお嬢様学校で淑女として過ごしていた桜子だったが、ここに転向してくる巨大(物理)新人アイドル・若菜あるみ。あるみによって早々に正体がバレ、「一緒にアイドルやろ!」と誘われるも、決して承諾しない桜子。どう? この完璧な導入そして俺の要約能力

『黒子のバスケ』的な”昔は仲間だったけど今は強大な敵”という存在も匂わせつつの、ここから桜子がどう立ち直るのかワクワクさせる第一話にしては詰め込みまくりなプロット。完璧です

 

 

天才ゆえの挫折

ここで、何で桜子がアイドルを辞めてしまったのかも書いておこうか。とってもエクストリームに言えば、プロがプロ過ぎた故に引かれてしまうアレ

賛否両論あると思うが、全然あり得る話だと思う。自分としては一生懸命に職務を全うしているつもりなんだけど、一般的に見た時に常識はずれな行動をしていること、あるもんな

俺も昔ブラック企業に勤めていた頃、友達の結婚式で地方に行ったんだけど、「明日(日曜)仕事だから終電で帰るわ~」って言った時、みんな少し引いてたもんな。自分で自分のことを狂ってるとは自覚できるんだけど、その時の俺にとってはそれが当たり前だったし、このレベルMAXが桜子の状態なのかもしれないまぁ俺はプロ社畜だっただけだが)。

 

 

新人による救済

俺も社畜時代、こんなこと言ってくれる人に出会いたかったなぁ……。いや、まぁ、俺の話は置いておいて。桜子の一見異常とも思える行動はあくまで「自分のファンとして見てくれる人を悲しませたくない」という一心からのモノ。新人アイドルとして頑張るあるみだからこそ、純粋な気持ちで当時の桜子の心情を慮ることが出来たってわけだ。ここから少しずつ流れが変わってくる

この流れが本当に秀逸。華やかな過去を持つチート主人公が落ちぶれて、再び復活するストーリーってのは名作に必ず必要なんだよ。『新世紀エヴァンゲリオン』のシンジ君だって一回(何回も)エヴァに乗るのやめて駄々っ子モード入ってたけど、『破』で戻ってきただろう?『天元突破グレンラガン』で無限宇宙に囚われたシモンも最後はカミナに喝を入れられて戻ってきただろう? いつの時代も、こういう物語に人は心動かされるんだよな

さて、次はこの物語の各となる部分。過去の”しがらみ”を乗り越えて再び立ち上がる桜子の姿をお届けしたい。今更だが、この下はこの作品の肝となる部分なので「ネタバレされたくない!」って人は一回本作を読んでから見てくれよな。下にリンク貼っておくからな。そのまま最新話まで読んじゃっても良いけど、またこの記事に戻ってきてくれよな!

その淑女は偶像となる/連載版

それではいよいよクライマックスシーンだ。

 

再起する”元”天才

地元の新人アイドルフェスにて、ドタキャンしたアイドルの分まで一人奮闘するあるみ。持ち前の体力の多さからお客さんを盛り上げている彼女の姿を観客席から見ていた桜子は、一声かけようと舞台裏のあるみの元へ行く。そこにいたのは明るく元気な姿を観客に魅せ続け、限界を超えたあるみだった。

桜子から「何でそこまで頑張るのか」と言われたあるみから出たセリフは「”どんな特でも全力でお客さんを笑顔にさせる”。それが私がカッコいいって思ったアイドルだから」。そう、まさに桜子のことを言ってるんだよ。本人を目の前にしてこれを言えるあるみメチャクチャ可愛いし素直。この言葉が桜子の中の失っていた感情を思い出させることになる。

 

 

伝説となる復活ライヴ

いやもうめっちゃアツい。ブランクあるやん? とか、昔のダンスってそんなずっと覚えてるもんなん? という疑問が浮かんでくるが、そこは”元”天才。きっと死ぬほど練習したから身体に染み付いてるんだよな! 俺もちょっとだけアイドル好きだから分かるけど、センターに立つ子っていうのは存在感がえげつない。たぶん時を経ても、そのある種のカリスマ性ってのは陰りにくくて、ステージに立った時にはまたひと際輝くもんなんだと思う(年齢による)

あ、てかごめん。記事書きながら読み返してたらまた再熱してきて、ついついコメントを挟んでしまう。ラストどうぞ。

 

最高です。アイドル題材の読切作品で、まさか大号泣するとは思ってなかったよ、俺は。

昔と同じように観客を楽しませようと動かない身体に鞭を打ちパフォーマンスする桜子。そこで観客の喜んでる姿を見ながら思い出すんだよ。自分がアイドルをしていたのは、誰かに命令されたわけではない。もちろんなんとなくやっていたワケでもない。ただ純粋に、「誰かを笑顔にできる存在」になりたくてアイドルをやっていたんだと

この瞬間に思わず飛び出す子供アイドル時代の決めポーズ「姫宮飛び」ですよ。ももクロで言うところのエビ反りジャンプですよ。こんなん……泣きますやん。

しかも畳みかけるように入るエピローグ、『これは「二人の少女」がトップアイドルになるまでの物語』……完璧か? ここまで盛り上げておいて、畳みかけるように続きを想起させる引き。もう一度言いたい。完璧か? 読切を読んだときに俺も思ったもん、「あ、これ絶対に続き読みたい。絶対に連載化して欲しい」って。

そして念願かなって連載化してくれたということであります。ジャンプ+編集部の方々、誠にありがとうございます。いや、というか、この後の展開があんまり盛り上がらなくて打ち切りになったとしても俺は松本先生を一生応援するね。だってここまで魂がこもった作品を産み出せる人だ、絶対に今後ジャンプの看板作品を創り出す。俺にはわかる。まだ読んでない人は絶対読め

その淑女は偶像となる/連載版

 

 

【まとめ】

ちょこちょこ省略させてもらったけど、この第一話に関しては本当に全部に無駄が無くて、完成されていると思う。集英社はこの第一話をサンプルとして持ち込み作家に配るべきでは? とすら思える(もちろん優秀な持ち込み作家もたくさんいると思うが)。 常にいろんな漫画を読んでる俺だけど、この作品だけは本当にダントツで面白いと思ったんだよ(読切掲載時)。これこそもっと知られるべき作品の筆頭だし、このブログの趣旨に則っていると急に思い立ったので、一気に書いた記事でした。誤字脱字・不出来な表現はご容赦下さい。ではまた。

幸せの陰には常に絶望があると教えてくれた『チェンソーマン』を高く評価したい

ジャンプの中で異彩を放ち続けた『チェンソーマン』。よく少年誌にありがちな煽り文句の「鬼才現る」。この言葉、本作に関しては真実。

あらすじ

「悪魔」と呼ばれる存在が日常に蔓延る世界。少年デンジと「チェンソーの悪魔」のポチタは、死別した父親の借金を返すため、悪魔を駆除する「デビルハンター」を主な仕事としながらなんとか生計を立てていた。ある日デンジは、仕事を斡旋していたヤクザに騙され、「ゾンビの悪魔」によってポチタと共に殺害されてしまう。しかし、ポチタはデンジの血を飲んだことで蘇生し、デンジの身体を修復するためデンジの心臓となる。復活したデンジは「チェンソーの悪魔」へと変身する力を手に入れ、ゾンビの集団を一掃する。撃退に成功したデンジは現場に駆け付けた公安のデビルハンターであるマキマに導かれ、その身を公安によって管理されることになる。Wikipediaより引用

2020年の『このマンガがすごい‼ オトコ編』で4位という結果を出した本作。俺の正直な感想としては時代が追い付くことが無かったって感じ。これは「時代が追い付いてない内容を描いていた」ということではなくて、「時代がまだこの才能に十分気付いてない」ってことだ(まぁ、そういう作品で溢れているのが世の中だけど)

『鬼滅の刃』最終巻が爆発的な売上というニュースを観て、「え……皆ジャンプ本誌で読んでないの……?」と本気で疑問に思った俺(30)だったけど、世間は意外と漫画を読んでない。これに関しては本誌で読みつつ、コレクション的な意味合いで単行本も買っているのかもしれない。でも、きっとジャンプ読んでない人が殆どな気がする。非常に勿体ない。『AGRAVITY BOYS』『アンデッドアンラック』『マッシュル』『あやかしトライアングル』とネクストブレイク待ったなしの作品が軒を連ねている今のジャンプ、『チェンソーマン』はその筆頭だったワケじゃい

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希望→絶望の落差

人生において、得てして不幸は突然に訪れるものだけれど。本作においてはその幸せから絶望の落差が巧みに描かれる。特にヒロイン勢のダークサイドへの落ち具合がヤバい。ここからは俺が特に大好きな3人のヒロイン(の絶望)を紹介したい。

 

絶望①:レゼ

この作品の読者は皆大好きレゼ。急なタイミングでの新キャラ投入だったにも関わらず人気投票で上位獲得。主人公のデンジも見事に骨抜きにし俺の心も射止めた。ちょっと幸薄いバンギャみたいな雰囲気から繰り出されるラブコメ発言に、荒廃しきった心が青い風を感じていたのを未だに覚えている。からの魚雷爆撃。爆発炎上して踵落とし。前読者の恋心という希望を踏みにじり……絶望を感じさせてくれた

レゼが登場していたのは単行本でいうと一冊分(厳密には最近も再登場してるが)と決してコアなキャラではない。にも関わらず、このキャラを忘れた読者はいないのではなかろうか。夜の学校に忍び込むというあの青春展開には全童貞の腰が砕けた。本当に良キャラだった……。

 

絶望②:師匠

便宜上「師匠」という呼び名を使ってるのも、作中に名前が出てこないキャラだからだ。正確にはトーリカという海外のデビルハンター見習いの師匠で、そのアダルティな雰囲気・慈愛に溢れた弟子への愛情・時折見せる微笑みの破壊力で、読者の大半を占めるアダルトチルドレンの心を掴んだ。からの強制即死合体。ギュイーンと即死して間接に埋め込まれた。まぁこんな美人の一部になれるんなら本望っちゃ本望だけど……いや、落ち着け俺、そうじゃない。俺としたことが闇の力にヤラれてたようだ…。絶望。

相手に気付かれずに釘を3回ブッ刺したり、弟子への丁寧な指導だったり、相当な実力者として描かれ期待が大きかっただけに師匠のラスト(というより変貌)は中々クるものがあった。

 

絶望③:パワー

前述の2名とは少し違う種類の絶望を魅せてくれたのが本作のメインヒロイン:パワーちゃん。まさに小悪魔ともいえる暴虐無人な立ち振る舞いと言葉遣い、整った容姿とは裏腹に妹属性という人気投票不動の1位。それを消し飛ばすのがこの作品だ。一般的に、人気投票で上位に参入しているキャラってのは死ぬことは無い。漫画が読者のお布施(購入)によって成り立っている以上、読者の心をしっかりと繋ぎ止めるヒロインの存在は漫画が漫画である為に欠かせない存在だからだ。だがそんなの関係ねぇと言わんばかりに容赦なくブッ飛ばす。もはや逆に気持ち良い

もう一人、マキマさんも紹介しようと思ったんだけど。あまりにもネタバレになるのと、本作の鬼才っぷりの肝になるので敢えて割愛します。最近の少年誌はここまで許されるようになったか…と時代の変化を感じたね、俺は。こればっかりは自分の眼で見届けて欲しい。

チェンソーマン 全刊セット

 

まとめ

という感じで、中々に良質な絶望を感じさせてくれたこの作品。12/14(月)発売の週刊少年ジャンプ本誌で最終回という悲報を知った瞬間にこの記事を書き始めたから、まだ物語の結末を見てはいないけれど、最後にもきっとやってくれるハズ(『ファイアパンチ』もラストはハリウッド並みに壮大だったから同様に壮大エンドと予想)。

今、俺は幸せな日常を謳歌しているけど(家でPC弄ってるだけ)、こんな日常はいつ崩れ去ってもおかしくない。そう、絶望は常に身近にあるものなんだ。いついかなる時も安心せず、慢心せず、過ごしたい。ただ、逆もしかりだ。絶望の中にいたとしても希望は必ず傍に在る。俺は『チェンソーマン』を読んでこう思ったね。ジャンプは諦めず、またこんな作品をやって欲しい

ご馳走様でした。

『スラムダンク』を定期的に読み返したくなるのって何なんだろうな、泣くに決まってるのに

90年代ジャンプ黄金期の看板漫画『スラムダンク』。非常に今更だが、久方ぶりに読み直して涙が止まらなくなったので、この大名作について語りたい。

あらすじ

神奈川県立湘北高校に入学した赤い髪の不良少年である桜木花道は、中学時代に50人の女性から振られ続けたうえに、最後に振られた女性が「バスケ部の小田君」に好意を持っていたため、バスケットボールが大嫌いになっていた。 しかし、廊下で自身に声をかけてきた赤木晴子に自身の長身と筋肉、身体能力の高さを見出された花道は、彼女にバスケット部への入部を薦められる。花道は晴子に一目惚れし、バスケットボールは全くの初心者であるにもかかわらず、彼女目当てに入部。その後、地道な練習や試合を通じて徐々にバスケットの面白さに目覚め、その才能の芽を急速に開花させる。Wikipediaより引用

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それではお待ちかね。下記にて『スラムダンク』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

 

高校バスケの金字塔

この国民的漫画のあらすじを今更ながら載せるのは蛇足かと思ったが、万が一読んでいない人のために一応。1990年~1996年と実は短期的な連載だったのが意外に感じるかもしれないけど、作中では花道が入学した春~夏という、僅かひと夏の話ってのがまた熱い。なんなら試合自体も8試合しか描かれてない。「こんなに濃密な3か月間があるのか…」と作者である井上先生の丁寧な書き込みに投げ銭必至……糞、何故投げれない…。

さらにこの作品の特筆すべき点を挙げるとするならば、登場人物たちの葛藤が須らく読者の心に刺さる。桜木花道、流川楓、赤城剛憲(ゴリ)、宮城リョータ(リョーちん)、三井寿(ミッチー)の5人は言わずもがな。シックスマンの小暮先輩の存在も優秀なスパイスとして涙腺に効いてくる。ちなみに俺はミッチー派。ミッチーが好きすぎて小学校のミニバスでは3ポイントばっかり狙ってた(※ミニバスに3ポイントは無い)。

 

三井寿の葛藤

ダメだ三井好きすぎるからちょっと語る。元々、中学校でMVP獲得したエリートプレーヤーだったのに高校入学後に挫折。2年間不良として過ごした後に更生して、蘇る天才。この設定がまず熱いよね。しかも湘北メンバーの中でも安西先生に心から心酔してる仁義に熱いところも男性ファンが多い理由だと思う。そもそもの話、『スラムダンク』を読んだことがない人でもまず耳にしたことがある「諦めたらそこで試合終了だよ」は三井中学時代に来賓席にいた安西先生が三井に向かって放った名言(後に山王戦で花道にも言う)。あと、言わずと知れた「バスケが…したいです」も三井がバスケ部を強襲した時に安西先生の前で感極まって漏れた本音という大名言。そう、本作で生み出された歴史的名言は三井(と安西先生)の言葉なんだよ。もはや主人公。てか湘北高校のメンバーは全員主人公。腐っていた自分を後悔し、葛藤しながらプレーする姿が本当にカッコ良い。

 

蘇る天才

おう、俺は三井 大好きな男。まだまだ止まらんよ俺のミッチー愛は。上の画像はスラダンファンにとって伝説である山王工業との試合にて、俺の大好きな三井ハイライトシーン。見ての通りいちいちカッコ良い。「俺は誰なんだよ…!? 言ってみろ!!」ってもう魂魄からカッコ良い奴しか言っちゃダメなやつ! からの、とっておきの飛び道具:3ポイントの乱れ打ち。翔陽戦でのディフェンスに負けじとシュートを打ち続ける姿にも涙が止まらなかったけど、山王戦の覚醒は別格。この画像を見るだけで俺のスラダン愛は蘇る。何度でも。

 

 

vs 豊玉高校

さて、みんな大好きミッチーについて語れたところで、本筋に戻ろう。ここからは俺の好きな試合にフィーチャーしたい。スラダンを読んだことがある人は皆それぞれ「あの試合がベストだな…」って思う試合があると思う。もちろん全試合が名バトルなんだけど、俺にとっては豊玉高校との試合は特に響いた。自分で言うのもなんだが漫画玄人の人ほどこの試合が好きな傾向にあると思うので「いや、もっとあっただろ!」って苦情もあるかもしれない。黙れ。この記事では豊玉高校戦をエクストリームに紹介させてくれ。

まず、この試合は始まる前から熱い。行きの新幹線の中で既に一触即発の雰囲気。そして前日も上の画像の通り煽り合いの応酬である。ここで豊玉のキャプテンである南がスポーツマンシップを語ってるのも後の伏線になってるし、「おい、切符買っとけよ。明日帰るんだろ?」からの「ドチビが……!!」の顔が最高です。リョーチン格好良い。

 

豊玉のバスケ精神

大阪地区では1位・2位・3位の得点ランキングを独占するという驚異のマシンガンバスケを得意とする豊玉。頑なにゴールを求める熱源は、大恩師である北野元監督の教えが間違っていなかったことを証明するため。そのためにラン&ガンの点取りスタイルを貫くという仁義溢れる高校生の戦いなんだよな。めちゃくちゃ悪役面して登場したのに行動原理が人のためってベタかよ~(最高だよ~)

だから、というか、大事なものがあるからこそ、北野監督の後任として赴任した金平監督が豊玉のディフェンスを強化すると宣言した瞬間、一瞬で監督と選手の関係は断絶。監督の指示を2年間ほぼ無視するという中々なアナーキー具合。この関係も湘北との試合中に臨界点を突破しブチ切れ、試合中ベンチで選手をぶん殴って感情を爆発させる金平メンバー(監督)。どっちの気持ちも丁寧に描かれているので、ここまでは、どちらも可哀想な印象だったんだけどね…。俺が好きなのはこの後に金平監督が独り言のように吐露した本音→「俺はお前らが大嫌いだ。なのになぜ…負けちまえって気にならないんだ。それは…お前らが心底勝ちたがっていることは知っているからだ」。そんな泣きそうな顔でそんなこと言うなよ…もうダメ、俺が泣く

 

南 vs 流川

試合内容の盛り上がりポイントは何といっても豊玉のキャプテン・南と流川のマッチアップ。「お前がエースや」と一見ライバル風の格好良いセリフを吐いた後に肘鉄を流川の眼球に炸裂させる南。一時は医務室に引っ込む流川。でも戻ってくるんだよな、片目で。片目を閉じた状態でラフプレーを受けながら「身体が覚えてらッ!」と眼を閉じながらシュートする流川はこの試合で全国にその名を轟かせる。そんな姿に観客も思わず涙。俺は試合開始からずっと涙。肘鉄をブッパした本人である南も、流川の真っ直ぐに勝ちに向かってくる姿に感じるところがある様子。この時の流川のセリフ「日本一の選手ってどんな選手だと思う…きっとチームを日本一に導く選手だと思うんだよな。俺はそれになる」には非常に熱い想いが内包されているのも良いよね。そう、全国大会に行く直前、安西先生から流川に放たれた「君は日本一の高校生になりなさい」を体現しようとしてるんだよ。この”チームのため”というワンフォーオール精神が後の山王工業戦への布石になってるってのもGOOD。大体、あの名将・安西先生がここまで日本一になれって断言するのは相当な信頼と実力を認められてるからだよな。こんなこと言われたら頑張るわ。職場に一体、白髪鬼いかがですか。取り敢えず明日から来て下さい

と、ここで終わらせると南が単純な反則糞野郎という評価を受けてしまうと思うので弁明したい。南(豊玉メンバー)の絶対に勝たなきゃという、気持ちが強すぎる故のラフプレーは褒められたものでは決して無い。THE・ただの悪役だ。でも本作ではその先が描かれる。片目で奮闘する流川の姿に溢れる勝利への単純な意思。そして重なる北野元監督の言葉。ラン&ガンを一貫して教え子に伝授する監督を思い出すとき、必ず「バスケットは好きか…?」と添えていた恩師。大事なのは勝利ではなく、純粋に楽しむということ。楽しむために点を一杯取ろうぜっていうことだったんだよな。湘北との戦いでこれを思い出すメンバー一同。そして南は試合終盤、ディフェンスする流川の顔面に向かって膝打ちせんばかりの勢いで突っ込むんだけど、この時しっかりと右膝を内側に畳んでるんだよ。ゲームそのものを楽しもうとしてるんだよ。この姿を見た時、それは俺の涙腺にとってのインデペンデンス・デイとなった

目違いなく名試合。

 

 

vs 山王工業

本作において、この戦いを語らずして終われない。日本漫画史上トップレベルに熱い40分。例に漏れず俺も大好きな試合だ。いや、もはや大好きという言葉が相応しくないような気もしてくる。例えば絵画を観て「あぁ…この作品大好きだなぁ…」なんて思うか? いや、もちろん思う人もいると思う。だからこれは俺だけかもしれないんだけど、あまりにも綺麗な芸術を観た時って溜息しか出ないというか、「あ~すげぇなぁ~」って、頭が空っぽになって涙が出てくるやつ。これ、それ

まぁ、この試合に関しては余りにも多くの人が色々な言葉で語っているので、ぶっちゃけ語ることが本当に無いんだけど。敢えて俺が語りたいのはこんなに泣けるスポーツ漫画は無いよって話。漫画好きは義務教育宜しく成人前に涙を枯らしてるけど、普通のスポーツ好きも泣くもんね。すごいよね。そしてこの試合に井上先生は『スラムダンク』の全てを詰め込んだ。NHKで井上先生が取材を受けた時に語ったらしいんだけど「これより良い試合は描けない」とのこと。だからこその最終戦。総力戦。青春の全てが詰まったラストバトルだからこそ人は感動するワケですよ。Cool JAPANここに極まれり

あ、ダメだ。今ね、山王戦を編集スキル駆使して要約して要所要所の感想を書こうと思ったんだけど。本当に無駄が一切なくて要約できないや…(2週間ほど考えた結果、無理)。それほどに完成されてるよ。むしろ言葉が無粋

どうしようか。書くことは無いんだけど、こんな記事を読んでくれた人にせっかくなのでサービスしたい欲求が俺の中に沸々と沸いてきた。≪ここで悩むこと1時間≫ → よし、削除されることを覚悟でラストシーンを載せよう。このラストシーンだったらスラダンファンは全員100回は読んでるし、もし奇跡的に日本に住みながらスラダンを未読という稀有な人が居ても井上先生の芸術の神髄を味わえる。※マジで未読で「これから読むからネタバレやめろ」ってスラダン処女だけここでサヨナラしてAmazonで全巻買おうな。下にリンク貼っとくから。というわけで、Amazonへのリンクの下はあの伝説の無音バスケ。これ見れば、きっとまた読みたくなるよ。スラムダンク(つーか俺ができることはこれくらいしか無い)。

SLAM DUNK(スラムダンク)
コミック 全31巻完結セット

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完全版 全24巻・全巻セット

 

 

ラスト8秒の逆転劇

 

 

まとめ

山王戦ラスト、後半20分にすべてを詰め込んだ上で最後に渾身の一撃を叩き込んできた。そう、タイトル回収です。まさにスラムダンク。

今までどれだけ多くの人がこの漫画に励まされてきたのか判らないけど。きっとこの漫画に救われたって人もたくさんいると思う。何より、これだけ完成された作品が30年も前に既に在ったってのが衝撃だよね。ちなみに『リアル』も超面白いからいつか時間あるときに記事を書こうと思います。

いつまでも輝く湘北高校バスケ部に敬礼。

あ(りがとうございま)したっ!!

名実ともに『SPY×FAMILY』は今の漫画界におけるトップランカーになった

2019年から『ジャンプ+』にて連載している『SPY×FAMILY』。圧倒的な人気を誇り(特に女性ファンが多い)、数々の漫画賞を受賞したことで、名実ともに同アプリの看板作品にまで成長した本作について今日は語りたい。

【あらすじ】

東西の間に鉄のカーテンが下りて十余年、隣り合う東国(オスタニア)と西国(ウェスタリス)の間には仮初の平和が成り立っていた。

西国から東国に送られた凄腕スパイ・黄昏(たそがれ)は、東国の政治家ドノバン・デズモンドと接触するため、偽装家族を作ってデズモンドの息子が通う名門イーデン校に養子を入学させる任務オペレーション〈梟〉(ストリクス)を命じられる。黄昏は精神科医ロイド・フォージャーを名乗り、養子を探して訪れた孤児院で他人の心を読める少女アーニャと出会う。その場でアーニャが難しいクロスワードパズルを解いた(実際には、ロイドの心を読んでカンニングした)ため、難関イーデン校に合格できると考えたロイドは彼女を養子にする。実はそれほど賢くないアーニャにロイドは四苦八苦させられるが、なんとか筆記試験に合格。しかし次の面接試験に「両親」揃って来るよう指示されたため、ロイドは急いで妻役の女性を探すことになる。

その矢先、二人はヨル・ブライアという女性と出会う。彼女は公務員をする傍らいばら姫のコードネームで密かに殺し屋をしていたが、婚期の遅れを周囲に揶揄され、他人の注目を避けるために形式上の恋人を探していた。心を読む能力によってヨルが殺し屋であることを知ったアーニャは、好奇心からヨルが母親になってくれるよう仕向ける。恋人役を探していたヨルと、妻役を捜していたロイド、そして「わくわく」を求めるアーニャの利害が一致し、3人は互いに素性を隠しつつ、即席の家族としての生活をスタートさせる。Wikipediaより引用

 

 

連載当初から超高評価

『ジャンプ+』史上、一話のコメント数の最高記録を打ち立て、5話公開までに各話の総閲覧数が300万を突破したという本作。この数字、分かりやすくYoutuberで例えるとはじめしゃちょー位すごい。何なら、はじめしゃちょーも最初の頃はこんなに勢いは無かったからもっとすごい

 

受賞歴

次にくるマンガ大賞2019
コミックス第1巻ランキング
Apple Store「Best of Books 2019」
このマンガがすごい!2020
全国書店員が選んだおすすめコミック2020
TSUTAYAコミック大賞 2020

全部1位。これバケモン記録だから。しかも驚くべきは連載開始からまだ1年ちょっとしか経っていないところ。これからこの勢いが続いたらたぶん漫画史を塗り替えることになる

つい先日、『約束のネバーランド』の記事でも「数多の漫画賞を受賞」って取り上げたけどさ、ネバランの記録は3年かけて築き上げた記録だからさ、本作はこの記録を1年で抜いてることになる。首都高でF1車かっ飛ばしてたらウサイン・ボルトが外側から高速でブチ抜いてきた感じ(俺の中でボルトはF1より早い設定)。

 

 

圧倒的画力で贈る

感動ストーリー

本作の前もいくつか集英社で連載をしたり、他の漫画化のところでアシスタントをしていた遠藤達也先生。『青の祓魔師』の加藤和恵先生の所でも手伝っていたと言うから、画力の高さは一級品だ。連載初期から既にデフォルメ完璧にマスターしてたしね。こんなにキャラの顔を綺麗に歪める作品初めて見た。

 

キャラが可愛い

これも女性ファンが多い秘訣なのかもしれないが、とにかく登場人物のデザインが可愛い。特にアーニャは子供だからか表情のバリエーションが超豊かでナデナデしたくなる(事案)ヨルさんも美人だしな。あとボンドもモフモフしたい可愛い(事案じゃない)

 

胸に響く家族愛

父がスパイで、母が殺し屋で、一人娘が超能力者の仮初の家族。これホラー映画だったら開始2分で5人は死んでる設定だから。でも、そんなダークサイドに堕ちることなく、心にグッときてホッとするハートフルな家族愛を中心に紡がれるストーリーには本当に胸が暖かくなる

お受験の時のアーニャの台詞、「ずっといっしょがいいです」。何か滅茶苦茶に目頭の湿度上がったの俺だけ? これ月9だったら瞬間最高視聴率45%くらいいったでしょ。作品的には金曜22時くらいにやってほしいんだけど、そんなことは今どうでもよい。いや、むしろこれは連載作品であり漫画だからこそだせた味のような感動な気がする。大切なことは、地上波では観れないしな。基本的にコメディタッチで展開される中でこういった落涙必至のハートブレイクショット、テンポ感が非常に良い。

正直、これからどういった展開を魅せてくれるのか(まぁどういった展開にもやり様はあるんだけど)良い意味で予想がつかない。ただ、ずっとこの家族の様子を観て居たいという気持ちもありつつ、物語の核心である「偽りの家族の未来」「東西の平和」という難題をどのタイミングで解決してくれるのかという点が個人的な見所。この核心に触れる時は絶対に面白い。このドキドキ感…流石、今一番ホットな作品。

【まとめ】

朝起きたら”TSUTAYAコミック大賞 2020”の大賞を獲った(おめでとうございます!)ってニュースで取り上げられてるのを見て、3巻まで全話読み直した。「うん、やはり面白いな」って分かりきっていた感想を述べつつ(独り言)、そのままの勢いで感情の赴くままに当記事を執筆。

間違いなく漫画の最前線。まだの人は是非。