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『ビースターズ』が世に示した自制心の大切さと種族問題への考え方

完結記念。数年前まで、『BEASTARS(ビースターズ)』めちゃくちゃ面白いよ と言ったら「へぇ~、そういうメルヘンなのも読むんだね!」なんて言葉を返されたもんだ。いや、違うんだ。この作品は超現実主義なフェアリーテイルだ。

あらすじ

中高一貫のエリート学校・チェリートン学園内で、ある日草食獣アルパカの生徒テムが肉食獣に殺されるという「食殺事件」が起きる。テムと同じく演劇部部員であったハイイロオオカミの少年レゴシは、大型の肉食獣であることに加えて寡黙な性格や意味深な言動が災いし、テム殺しの犯人だと疑いの目を向けられてしまう。幸いこの疑惑はすぐに晴れることとなるが、結局真犯人は見つからないままであり、学園内に生まれた肉食獣と草食獣の確執のようなものが消えることはなかった。Wikipediaより引用

ちなみに、漫画漬けの日々を送る俺は
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それではお待ちかね。下記にて『ビースターズ』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

 

アニメ版の衝撃

擬人化された動物たちというメルヘンビジュアルに反して扱う内容がかなりシビアだから、本作がアニメ化された時の衝撃たるや……。ちなみに、原作は2016年秋から連載を開始して2020年10月に堂々の完結を果たしており、週刊少年チャンピオンとしては『ブラック・ジャック』『弱虫ペダル』に続く3作目の講談社漫画賞受賞作

前述のあらすじの通り、カートゥーンな動物たちの高校生活が綴られるストーリーだが、開始早々に生徒同士の食殺事件が発生。はい、ほのぼの日常系シルバニアファミリーは解散。ここから物語は愛憎入り乱れるサスペンスの様相を呈してくる。

……って感じで、主人公は異種族フェチの変態・寝取られ・同級生との殺し合いと動物のビジュアルじゃなかったらPTAから苦情が来るのではと疑う内容だったため、本作がアニメ化した時は中々に衝撃だった。だが、俺を含めたファンたちの不安はオンエア開始の瞬間に払拭される結果となった

 

神OP・神ED

OPは視聴者を見事に高揚させた。妖艶で可愛くて恐ろしい、そんな”野生の魅力”を見事に表現した良曲チョイス。そして毛並みまで再現されたCG技術。「アニメ……ここまできたか」なんて呟いたもんな。すごいよ。歌手は30代に不思議と響くと俺の中で話題のThe John’s Guerrillaの今村怜央が参加してるALI。懐かしさからくる興奮+ワクワクする曲調にPTAもニッコリ

ちなみにED楽曲は12話の中で4曲仕様されており、全曲YURiKAが歌ってる。俺のオススメは4話と11話に流れた「マーブル」、そして最終話でだけ流れた「月に浮かぶ物語」だ。どうでもいいけど、こういう美声で落ち着く曲調をカラオケで歌われるとどんなに歌うまくても反応に困るよね。でもこのEDは物語に合ってるからOKです

 

 

欲への葛藤

この作品において最初から最後まで一貫して描かれる肉食獣と草食獣の葛藤(というかこの物語は極論これしか無い)。一応、動物たちが住む世界として、表向きは種族問わず仲良くしてるんだけどね。肉食獣に流れるDNAは捕食対象としての草食獣を絶対に食べたいマンと化すし、アニメを観た人はご存じの通り、草食獣(ハルちゃん)は肉食獣(レゴシ)に覆い被さられると自ら負けを認めて足開くより先に胃の中に入ろうとしちゃう

だからこそ、この世界では各々が心の中で葛藤を繰り広げながら生きている。そして種族を超えて繋がる絆がある。そこに心が震える。中でも俺の心にグッときたシーンはレゴシが狼の誇りである牙を自らの手でへし折った場面かな。

もうこの雄狼カッコ良すぎるでしょう。獣社会の中でも一番偉いとされるビースターに対してこの決意表明。俺の牙は誰かを傷つけるためにあるんじゃないんです、誰かを守るためにあるんです。だから傷つける可能性があるならもう要りません。っていうブっ飛び発想、嫌いじゃない。肉食代表としての自制心と風格がカンストした瞬間だ。

というかコレ、現実社会に対しても言えることだと思うんだよね。力の強い人間はその力を無暗に振りかざすべきではないし、力の弱い人間にも強さはある。なにも腕力に限った話ではなくて、権力とか財力とか、他にも色々な力が不平等に割り振られた世の中だからこそ、どう扱うかが常に問われているように俺は感じる。※俺には何も力はないが。

動物たちの物語を見ていたつもりが、精いっぱい生きる彼らに深く感情移入していくうちに、自分自身の人生ともリンクしている内容だと気付く。気が付けば、自らの有り余る力に悩む肉食獣を、捕食者として日々悩みながら暮らす草食獣を、心の底から応援してしまう。そんな素晴らしい物語なんだよ。特に最終話に向かっていくラストへの流れは秀逸だ。完結となる22巻はまだ未発売だが、今のうちに21巻までの復習を強くオススメする。

まとめ

ということで、最高の盛り上がりを果たした後に有終の美を飾った名作に乾杯。草食動物への淡い変態恋心を抱きつつも種族問題の中心を駆け抜けたレゴシの生き様は言わずもがな、影の主役としてレゴシとともに戦い続けた勇敢なルイ先輩にも花束を贈りたい。そしてまた”間違いない名作”が漫画史に刻まれたことに感謝の意を表したい。

先進的な技法で頭一つ飛びぬけた『パラノーマル・アクティビティ』がファンタスティック

今日もホラーを面白く観よう。モキュメンタリーが苦手な俺だけど、『パラノーマル・アクティビティ』は比較的不快になることなく観れる。そんな俺がシリーズ最終章『パラノーマル・アクティビティ/ゴーストディメンション』まで全7作品を観終わったので簡潔に紹介させてくれ。

あらすじ

かつてケイティとクリスティが住んでいた家に、ライアンとエミリー夫妻と娘のリーラが引っ越してくる。 ある日、夫妻は物置で箱の中からビデオカメラとビデオテープを見つける。彼らは興味本位でカメラのレンズを覗く。 それ以来、彼らの周囲で恐ろしい出来事が起こるようになり、リーラの様子も徐々におかしくなっていく。そして、怪異はますますエスカレートしていく。 そして彼らは徐々に最期へと進み、カメラには衝撃的なラストを捉えていた…Wikipediaより引用

 

変遷と終局

「いきなり最終作の話かよ」と思うかもしれないが、このシリーズを紹介するには遡った方が分かりやすい。この記事を読めば大まかな流れは分かるけど、作品を観た時にはしっかり楽しめるように書くから安心してくれ。

さて、シリーズ最後の作品ということで「悪霊の正体が、ついに明かされる――」がキャッチコピー。モキュメンタリー手法の先進として2007年に公開された同シリーズ。基本的にはアメリカが舞台で、家の中完結系ホラー映画。低予算で始まったシリーズだけど、一作目が大ヒットしたおかげで後の作品は潤沢予算になるってのはアメリカンシネマの夢があるところ。あくまでモキュメンタリーという姿勢を崩さないで作り続けた点が◎

この『パラノーマル・アクティビティ/ゴーストディメンション』はシリーズ的に7作目に相当してるんだけどね(よくぞここまで続けたな……)。『1』に始まった悪夢の続編が『2』、その後『TOKYO NIGHT』で日本版続編、舞台はアメリカに戻って『3』・『4』、ここら辺で真の敵が悪霊っていうよりも魔女だったと判明する(っていうか徒党を組んでカチこんで来る。その後、『呪いの印』でアメリカでのスピンオフ。で、満を持して7作目の本作だ。ここまで来ると悪霊もダッシュで殴ってくる

っていうかさ、本シリーズを観るたびに毎回思うことがあるんだけどね。俺が今の家に引っ越してきた時、近くに閉店セールをやってるABCマートがあったんだけど、最近言ったらまだ閉店セールやってたんだよ。まさにこれ。毎回「お、なるほどね。良い感じの引きで終わったわ!」って思ったら一年後に続編が出るんだよ。「終わらんかい」って憤慨し最終作をずっと観なかったのは内緒。ただ、そんなこと思いつつも全部観てきた俺からするとちゃんと面白かったね。なんか暇な時にもずっと流しておけるっていうか、日常系ユーチューバー観てる時と同じ感じ

 

 

進化する怪奇現象

ダッシュで殴ってくると上で書いたけど、最初からこんなにアグレッシブな霊障だったわけではない。1作目は超有名だから観たことある人も多いと思うが、あくまでも視聴者の共感を誘うようなリアルな驚かせ方をしていた(そう…最初は…)。それこそラップ音とか、朝起きるとモノが移動しているとか、日常でも全然起こり得る現象な点が高評価の由来だろう。だがアメリカ様は止まらないぜ、5作目以降では普通に時空を操ってくるからな気をつけろ

元々アメリカ版の『呪怨』『リング』に影響を受けたオーレン・ペリ監督が手掛けたということもあり、なんとなく伽椰子の呪いを連想させるところは日本でも俺みたいなホラー狂の一部にウケた理由だと思う。これは余談だけど、日本のホラーも続きすぎると常軌を逸した演出になる傾向があるからな。そう……貞子のように……

ただ、この映画的な怖がらせ方があるからこそ、B級映画的な良さを備えている気がするんだ、俺は。ちょっと素人チック(ウィジャ盤が急に発火するとか)の安っぽい演出があるからこそ、沖縄の大学生が部活で撮ったような”良い映画”になってるんだよ。「俺たちはこのやり方で大手の映画スタジオよりも怖い映画作ってやるぞ」っていう気概を感じる。スピルバーグ監督も絶賛したっていうのは有名な話だけど、きっとこういう情熱に心が動いたんじゃないかと。観てない人は一度視聴してみることをオススメする。

 

 

まとめ

長きにわたるシリーズも終わってみれば全部で7作。ハリーポッターと同じくらいの長さとなった。そう考えれば全然楽しんで観れる。願わくば、ファンタスティック・ゴーストが発生しないことを祈ろう。

『GREAT PRETENDER』が『コンフィデンスマンJP』超えたと思うのは俺だけ?

熟成されたスープのように、どんどん味が出てくる。それが物語の醍醐味ってもんだ。また、登場人物に魅力があればあるほどそれは顕著だと思うんだ。

あらすじ

自称“日本一の詐欺師”こと枝村真人(エダマメ)は、年寄りや旅行客相手に詐欺を働いていた。 そんなある日、標的に選んだ外国人バックパッカーはまさかの同業者だった! 彼の名はローラン・ティエリー。エダマメを気に入ったローランは、ロサンゼルス・ハリウッドで“ある勝負”を提案する。公式サイト 第一話

キャラデザ貞本義行で贈る、極上のコンゲーム。以前にも本作に関しての記事を書いたのでそっちの記事も是非。

 

 

詐欺物語最終章

CASE1:ロサンゼルス
CASE2:シンガポール
CASE3:ロンドン

と、今までの話で世界を股にかけて騙し続けてきたエダマメの詐欺師人生も遂に佳境。最後の舞台は日本。日本の暗黒面を相手取った騙し合い(もはや化かし合い)が繰り広げられる。俺はシンシアが主役として活躍するCASE3が一番好きなんだけどね。今回のCASE4も中々……。エダマメの父親も出てくるし、ローランの過去も明らかになっていく。いやもうこれを待ってました感ヤバい。全くもって視聴者の気持ちを分かっておる

 

 

鍵キャラ:ドロシー

前述のローラン過去編で出てくる超重要キーマン、ドロシー。この娘が何よりも曲者。一見すると白髪黒人ねーちゃんなんだけどね、言うなれば『コンフィデンスマン・JP』で言うところの長澤まさみ。CASE4にして本当の主役の登場と言っても良い。

ローランが詐欺道に入るきっかけとなった師匠的存在で、その実力は現代のローランを彷彿させる超敏腕。しかも、若かりし日のローランと恋仲になっていく月9顔負けのロマンティック展開。更に更に、その時のローランの仲間にはシウォン、オズ(エダマメの実父)もいるという過去編に出てくる奴ら強すぎテンプレ。Fate/zeroもstay nightより全員強かったじゃん、そういうこと。

こういう展開の時に毎回思うことがあるんだが、こういう女師匠的な存在って半端なく魅力的に見えるんだよね。しかも弟子と相思相愛。無敵か。ダー子とボクちゃんが最終回で結ばれて大団円くらいの胸アツ。だが、そこで物語は終わらない。

簡潔に言うと一番大事なところでミスってチーム解散。最愛の人を無くしたローランが自暴自棄になってコンフィデンスゲームに打ち込んでいく様が描かれる。そんな中で新しい仲間であるシンシア・アビー・エダマメとの出会いで現代に繋がる。俺のアニメ評価の方程式を一つ開示しよう、過去編をしっかり描く物語は名作。これ、それ。

 

 

全ての嘘が繋がる

CASE4に関しては15話~23話までの9話構成。1~3のCASEからしたら破格のロングストーリーだ。これ映画でいうと4時間半に相当するからな。制作陣の気合を感じる。もちろん、肝心の中身もその辺の邦画は超えてきてるのが流石。

今回のターゲットは児童売買を生業にする反社ということで、いよいよ本気でブッ騙しに行くのかと思いきや……エダマメの人の好さがキリスト並みに神々しい結果となった。うん、腕の良いコンフィデンスマンは敵も味方も幸せにするんだな。この点で言えば『コンフィデンスマンJP』すらも超えてきた。超秀逸ストーリー。

ティザービジュアルに「全ての嘘は、この時のために―――」っていう何とも格好良さげな文言があって、格好良いこと言ってれば皆が観たくなると思うなよ~と天邪鬼な俺は思ったもんだけど。なるほど、全ての嘘はこの時のためにあったんだなとあっさり納得。例えるなら『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム』でオメガモン初登場してディアボロモンの2000年問題をバッサリ解決した時くらいの爽快感。この感覚は是非とも全話視聴して味わって欲しい。さて、そろそろ断言しとこうか。このアニメは超名作です。

 

 

まとめ

というわけで、『グレートプリテンダー』に関しては二回目の記事になったんだけど。正直予想以上の出来だった。ここまでキャラクター達の内面を深堀してくれるとは思わなかったし、一人ひとりの心情や性格をしっかり描いてくれたからこそ観てる側も感情移入が出来た。なんというか……脚本を手掛ける古沢良太さんのシナリオはアニメだと実写より表現力が上がっているように感じました。実写にできないことをやってのける、これこそ令和のアニメに求められている姿かと。GOODです◎。

不眠症経験者は必読の『君は放課後インソムニア』がポスト冬目景でキュン死に

不眠症(インソムニア)の高校生が主人公で綴られる恋愛模様。この漫画の表現力は埋もれてはいけないと俺は思うんだ。

あらすじ

不眠症に悩まされる中見は文化祭の準備中に校舎の上の倉庫に成り果てた天体観測室で同じく不眠症を抱えて隠れて睡眠を取っていた曲と出会う。 お互いに同じ悩みを抱えていることを知り、お互いが側にいる時は良く眠れることに気づき、密かに観測室で一緒に睡眠と取ることを始める。 観測室の無断使用が学校側に知られた後に、廃部となっていた天文部を復活させて二人だけの部活動を開始する。 活動を共にする中見は曲に対して段々と淡い恋を募らせる。Wikipediaより引用

ちなみに、漫画漬けの日々を送る俺は
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それではお待ちかね。下記にて『君は放課後インソムニア』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

 

 

簡単な作品概要

スピリッツにで2019年から連載している本作。正直まだ知名度はそんなに高くない(気がする)けど、だからこそ俺は紹介したい。思春期の少年・少女が不眠症を通じて出会い、静かな中にもお互いに惹かれ合っていく姿を漫画ならではの表現で巧みに表現している。

 

中見 丸太

前述の通り、主人公の中見 丸太(なかみ がんた)は不眠症を患っていて不機嫌ガチ。そのせいでクラスの生徒に触れ辛い奴というレッテルを貼られていて浮いている存在なんだよ。この時点で不眠症だった俺はすごく共感できる。そう、ブラック企業時代に不眠症(職業病)だった俺は友達と遊んでいる時も全く同じ気持ちだった。わかる、わかるぞ、友達といて楽しいけど、なんか頭の斜め後ろらへんがボンヤリ曇ってる感じなんだよな。でもよる眠ろうとすると全然眠れない。これ、インソムニアあるあるだから。

 

曲 伊咲

そんな丸太が眠れる場所を探して行き着いたのが、部員がいなくて立ち入り禁止になっていた学校の天文学部の部室。そこで出会うのが曲 伊咲(まがり いさき)。曲も丸太と同じようにインソムニアを患っていて、誰にも邪魔されずに眠れそうな天文台を丸太より先に見つけるというアグレッシヴ少女

お互いにファーストコンタクトで、人には言えない”寝れない”という悩みを打ち明け合うからこその急速な距離の縮み方がリアル。共感は異性との距離をグッと縮めるってメンタリストも言ってたしな。そんなこんなで、二人の秘密基地を手に入れ、安眠を求めて逢瀬を続けていくんだけど、教師に立ち入り禁止の天文台に入っているところがバレる。丸太は「自分が天文部を復活させて部員になれば、この場所を失わずにすみますか?」とボーイズビーアンビシャスして立志。ここから、この不眠症の2人が居場所を失わないために天文部として活動していくことになるというストーリー。

 

 

音を感じる描写力

理解できるかね、この表現力が。そもそも学校というのは音の多い場所だ。吹奏楽部の演奏音、運動部の掛け声、廊下を歩く生徒の話声。それが雨という要素によって静かに地面に溶けていることを本作は見事に描いている。それも、雨音を擬音として絵に置かずにだ。この数ページで描かれた音は丸太の静かな心臓音だけ、最後のコマの水玉模様で包み込まれる安心感と雨音とのリンクを果たしているってワケだよ。俺はこの辺りの数ページ、鳥肌が止まらなかったよ。すごく写真的というか。『イエスタデイをうたって』以来にビビッときたね。というかシチュエーションがエモすぎる件!

 

 

心ときめく恋愛模様

だがこの作品のエモさは止まらない。丸太と曲の恋愛にはキュン死に必至、キュン必死。二人で一緒にいるうちにお互いに惹かれていく姿がすごく自然でね。意識し合ってからの臨海公園の深夜の逢瀬はそりゃあもうとてもキュンキュンしましたよ。えぇ(裏山)。

というか、学校行事ってなんでこんなにときめくんだろうな。運動会とか文化祭とか、それだけでもうエモい。こう思えてしまうのも、俺がオジサンになってしまったということなんだろう……。可能なら戻りたい。何でもない日常が、こんな風に輝いていたあの日々に。

 

無垢な瞳は10代の特権

大人になると見た目清純そうな女性ほど濁るからな。こんなに無垢な瞳が出来るのはティーンエイジャーの特権ですよ。普段元気いっぱいの子が自然な上目遣いしてきた時はフリーザ第三形態くらい(55万)の戦闘力を有する。

という、非常に冗長な前置きは置いといて、曲はたまにこういった表情を丸太に向ける。この表情の理由は物語が進むにつれて明らかになっていくんだけどね。こればっかりは読んで欲しい。俺は不安で不安で堪らなかったよ。この表情をしている時の曲の『四月は君の嘘』の宮園かをり並みの消え入りそうな姿には「え? そういうこと? もしかして……そういう感じなん?」と勘繰らざるを得なかった。

 

 

滴り落ちる甘酸っぱさ

ふぁーーーーーーー。そういう感じでした。まさかの持病ホルダー。子供のころの病に起因して夜に眠るのが怖く、不眠症になったということが明らかになる。おいおいおい可哀想すぎかよ。でも分かるぞ。眠れない理由は精神的的問題が大部分を占めているって俺も医者で言われたことある。人間身体が疲れたら寝れるハズなんや。それでも寝れないってのは、脳が無意識に寝ることを拒否してるってことなんだ。寝ることよりも寝ないことが自分を護ることだって認識しているんだよ。良い子の皆、こうなったら睡眠薬に頼ろう。睡眠薬の免疫を身に着けて、何錠飲んでも眠れなくなってからがビッグブリッヂの死闘

甘ぁああああああああああああい‼ この! 若さ故の! 向こう見ずな一直線さ、失わずに一生を終えたい! さらっと恥ずかしいこと言えるのは恋する者の特権ですよね。こんなこと言われたら俺はイチコロですよ。「月が綺麗ですね」とか、難しい表現はいらないんだよ。いつだって恋愛はストレートが大事。※ちなみに、前述した夏目漱石の I love you の名翻訳「月が綺麗ですね」に対しては、「死んでもいい」ではなく「時が止まればいいのに」派な俺。根がポジティブ。

と、まぁこんな感じでとっても透き通った恋愛を繰り広げる『君は放課後インソムニア』。まだ単行本で言うと3冊くらいの内容なのでアニメ化する前に要チェック。何度も言うが、ここまで綺麗な構図でリアルな純愛を描いている作品は中々無い。特に30代にお勧めしたいポスト冬目景かと。

 

まとめ

今回は比較的まだ人に知られていない作品の紹介でした。名作の感想や解説をつらつらと書くのも良いけど、こういうネクストジェネレーションの紹介を増やしていきたいと思う次第。こういう未来の名作を世に知らしめるのが俺みたいなしがないブロガーの存在する意味かと。

世の中に面白い物語が創られ続ける限り、まだまだ生きていこうと思う。年寄りになってもずっとこうやって紹介できたらいいなぁ。と、どうなるかも分からない未来に希望を持てるからさ、全くもって、漫画って素敵だ。

『スラムダンク』を定期的に読み返したくなるのって何なんだろうな、泣くに決まってるのに

90年代ジャンプ黄金期の看板漫画『スラムダンク』。非常に今更だが、久方ぶりに読み直して涙が止まらなくなったので、この大名作について語りたい。

あらすじ

神奈川県立湘北高校に入学した赤い髪の不良少年である桜木花道は、中学時代に50人の女性から振られ続けたうえに、最後に振られた女性が「バスケ部の小田君」に好意を持っていたため、バスケットボールが大嫌いになっていた。 しかし、廊下で自身に声をかけてきた赤木晴子に自身の長身と筋肉、身体能力の高さを見出された花道は、彼女にバスケット部への入部を薦められる。花道は晴子に一目惚れし、バスケットボールは全くの初心者であるにもかかわらず、彼女目当てに入部。その後、地道な練習や試合を通じて徐々にバスケットの面白さに目覚め、その才能の芽を急速に開花させる。Wikipediaより引用

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それではお待ちかね。下記にて『スラムダンク』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

 

高校バスケの金字塔

この国民的漫画のあらすじを今更ながら載せるのは蛇足かと思ったが、万が一読んでいない人のために一応。1990年~1996年と実は短期的な連載だったのが意外に感じるかもしれないけど、作中では花道が入学した春~夏という、僅かひと夏の話ってのがまた熱い。なんなら試合自体も8試合しか描かれてない。「こんなに濃密な3か月間があるのか…」と作者である井上先生の丁寧な書き込みに投げ銭必至……糞、何故投げれない…。

さらにこの作品の特筆すべき点を挙げるとするならば、登場人物たちの葛藤が須らく読者の心に刺さる。桜木花道、流川楓、赤城剛憲(ゴリ)、宮城リョータ(リョーちん)、三井寿(ミッチー)の5人は言わずもがな。シックスマンの小暮先輩の存在も優秀なスパイスとして涙腺に効いてくる。ちなみに俺はミッチー派。ミッチーが好きすぎて小学校のミニバスでは3ポイントばっかり狙ってた(※ミニバスに3ポイントは無い)。

 

三井寿の葛藤

ダメだ三井好きすぎるからちょっと語る。元々、中学校でMVP獲得したエリートプレーヤーだったのに高校入学後に挫折。2年間不良として過ごした後に更生して、蘇る天才。この設定がまず熱いよね。しかも湘北メンバーの中でも安西先生に心から心酔してる仁義に熱いところも男性ファンが多い理由だと思う。そもそもの話、『スラムダンク』を読んだことがない人でもまず耳にしたことがある「諦めたらそこで試合終了だよ」は三井中学時代に来賓席にいた安西先生が三井に向かって放った名言(後に山王戦で花道にも言う)。あと、言わずと知れた「バスケが…したいです」も三井がバスケ部を強襲した時に安西先生の前で感極まって漏れた本音という大名言。そう、本作で生み出された歴史的名言は三井(と安西先生)の言葉なんだよ。もはや主人公。てか湘北高校のメンバーは全員主人公。腐っていた自分を後悔し、葛藤しながらプレーする姿が本当にカッコ良い。

 

蘇る天才

おう、俺は三井 大好きな男。まだまだ止まらんよ俺のミッチー愛は。上の画像はスラダンファンにとって伝説である山王工業との試合にて、俺の大好きな三井ハイライトシーン。見ての通りいちいちカッコ良い。「俺は誰なんだよ…!? 言ってみろ!!」ってもう魂魄からカッコ良い奴しか言っちゃダメなやつ! からの、とっておきの飛び道具:3ポイントの乱れ打ち。翔陽戦でのディフェンスに負けじとシュートを打ち続ける姿にも涙が止まらなかったけど、山王戦の覚醒は別格。この画像を見るだけで俺のスラダン愛は蘇る。何度でも。

 

 

vs 豊玉高校

さて、みんな大好きミッチーについて語れたところで、本筋に戻ろう。ここからは俺の好きな試合にフィーチャーしたい。スラダンを読んだことがある人は皆それぞれ「あの試合がベストだな…」って思う試合があると思う。もちろん全試合が名バトルなんだけど、俺にとっては豊玉高校との試合は特に響いた。自分で言うのもなんだが漫画玄人の人ほどこの試合が好きな傾向にあると思うので「いや、もっとあっただろ!」って苦情もあるかもしれない。黙れ。この記事では豊玉高校戦をエクストリームに紹介させてくれ。

まず、この試合は始まる前から熱い。行きの新幹線の中で既に一触即発の雰囲気。そして前日も上の画像の通り煽り合いの応酬である。ここで豊玉のキャプテンである南がスポーツマンシップを語ってるのも後の伏線になってるし、「おい、切符買っとけよ。明日帰るんだろ?」からの「ドチビが……!!」の顔が最高です。リョーチン格好良い。

 

豊玉のバスケ精神

大阪地区では1位・2位・3位の得点ランキングを独占するという驚異のマシンガンバスケを得意とする豊玉。頑なにゴールを求める熱源は、大恩師である北野元監督の教えが間違っていなかったことを証明するため。そのためにラン&ガンの点取りスタイルを貫くという仁義溢れる高校生の戦いなんだよな。めちゃくちゃ悪役面して登場したのに行動原理が人のためってベタかよ~(最高だよ~)

だから、というか、大事なものがあるからこそ、北野監督の後任として赴任した金平監督が豊玉のディフェンスを強化すると宣言した瞬間、一瞬で監督と選手の関係は断絶。監督の指示を2年間ほぼ無視するという中々なアナーキー具合。この関係も湘北との試合中に臨界点を突破しブチ切れ、試合中ベンチで選手をぶん殴って感情を爆発させる金平メンバー(監督)。どっちの気持ちも丁寧に描かれているので、ここまでは、どちらも可哀想な印象だったんだけどね…。俺が好きなのはこの後に金平監督が独り言のように吐露した本音→「俺はお前らが大嫌いだ。なのになぜ…負けちまえって気にならないんだ。それは…お前らが心底勝ちたがっていることは知っているからだ」。そんな泣きそうな顔でそんなこと言うなよ…もうダメ、俺が泣く

 

南 vs 流川

試合内容の盛り上がりポイントは何といっても豊玉のキャプテン・南と流川のマッチアップ。「お前がエースや」と一見ライバル風の格好良いセリフを吐いた後に肘鉄を流川の眼球に炸裂させる南。一時は医務室に引っ込む流川。でも戻ってくるんだよな、片目で。片目を閉じた状態でラフプレーを受けながら「身体が覚えてらッ!」と眼を閉じながらシュートする流川はこの試合で全国にその名を轟かせる。そんな姿に観客も思わず涙。俺は試合開始からずっと涙。肘鉄をブッパした本人である南も、流川の真っ直ぐに勝ちに向かってくる姿に感じるところがある様子。この時の流川のセリフ「日本一の選手ってどんな選手だと思う…きっとチームを日本一に導く選手だと思うんだよな。俺はそれになる」には非常に熱い想いが内包されているのも良いよね。そう、全国大会に行く直前、安西先生から流川に放たれた「君は日本一の高校生になりなさい」を体現しようとしてるんだよ。この”チームのため”というワンフォーオール精神が後の山王工業戦への布石になってるってのもGOOD。大体、あの名将・安西先生がここまで日本一になれって断言するのは相当な信頼と実力を認められてるからだよな。こんなこと言われたら頑張るわ。職場に一体、白髪鬼いかがですか。取り敢えず明日から来て下さい

と、ここで終わらせると南が単純な反則糞野郎という評価を受けてしまうと思うので弁明したい。南(豊玉メンバー)の絶対に勝たなきゃという、気持ちが強すぎる故のラフプレーは褒められたものでは決して無い。THE・ただの悪役だ。でも本作ではその先が描かれる。片目で奮闘する流川の姿に溢れる勝利への単純な意思。そして重なる北野元監督の言葉。ラン&ガンを一貫して教え子に伝授する監督を思い出すとき、必ず「バスケットは好きか…?」と添えていた恩師。大事なのは勝利ではなく、純粋に楽しむということ。楽しむために点を一杯取ろうぜっていうことだったんだよな。湘北との戦いでこれを思い出すメンバー一同。そして南は試合終盤、ディフェンスする流川の顔面に向かって膝打ちせんばかりの勢いで突っ込むんだけど、この時しっかりと右膝を内側に畳んでるんだよ。ゲームそのものを楽しもうとしてるんだよ。この姿を見た時、それは俺の涙腺にとってのインデペンデンス・デイとなった

目違いなく名試合。

 

 

vs 山王工業

本作において、この戦いを語らずして終われない。日本漫画史上トップレベルに熱い40分。例に漏れず俺も大好きな試合だ。いや、もはや大好きという言葉が相応しくないような気もしてくる。例えば絵画を観て「あぁ…この作品大好きだなぁ…」なんて思うか? いや、もちろん思う人もいると思う。だからこれは俺だけかもしれないんだけど、あまりにも綺麗な芸術を観た時って溜息しか出ないというか、「あ~すげぇなぁ~」って、頭が空っぽになって涙が出てくるやつ。これ、それ

まぁ、この試合に関しては余りにも多くの人が色々な言葉で語っているので、ぶっちゃけ語ることが本当に無いんだけど。敢えて俺が語りたいのはこんなに泣けるスポーツ漫画は無いよって話。漫画好きは義務教育宜しく成人前に涙を枯らしてるけど、普通のスポーツ好きも泣くもんね。すごいよね。そしてこの試合に井上先生は『スラムダンク』の全てを詰め込んだ。NHKで井上先生が取材を受けた時に語ったらしいんだけど「これより良い試合は描けない」とのこと。だからこその最終戦。総力戦。青春の全てが詰まったラストバトルだからこそ人は感動するワケですよ。Cool JAPANここに極まれり

あ、ダメだ。今ね、山王戦を編集スキル駆使して要約して要所要所の感想を書こうと思ったんだけど。本当に無駄が一切なくて要約できないや…(2週間ほど考えた結果、無理)。それほどに完成されてるよ。むしろ言葉が無粋

どうしようか。書くことは無いんだけど、こんな記事を読んでくれた人にせっかくなのでサービスしたい欲求が俺の中に沸々と沸いてきた。≪ここで悩むこと1時間≫ → よし、削除されることを覚悟でラストシーンを載せよう。このラストシーンだったらスラダンファンは全員100回は読んでるし、もし奇跡的に日本に住みながらスラダンを未読という稀有な人が居ても井上先生の芸術の神髄を味わえる。※マジで未読で「これから読むからネタバレやめろ」ってスラダン処女だけここでサヨナラしてAmazonで全巻買おうな。下にリンク貼っとくから。というわけで、Amazonへのリンクの下はあの伝説の無音バスケ。これ見れば、きっとまた読みたくなるよ。スラムダンク(つーか俺ができることはこれくらいしか無い)。

SLAM DUNK(スラムダンク)
コミック 全31巻完結セット

SLAM DUNK(スラムダンク)
完全版 全24巻・全巻セット

 

 

ラスト8秒の逆転劇

 

 

まとめ

山王戦ラスト、後半20分にすべてを詰め込んだ上で最後に渾身の一撃を叩き込んできた。そう、タイトル回収です。まさにスラムダンク。

今までどれだけ多くの人がこの漫画に励まされてきたのか判らないけど。きっとこの漫画に救われたって人もたくさんいると思う。何より、これだけ完成された作品が30年も前に既に在ったってのが衝撃だよね。ちなみに『リアル』も超面白いからいつか時間あるときに記事を書こうと思います。

いつまでも輝く湘北高校バスケ部に敬礼。

あ(りがとうございま)したっ!!

SF好きの俺からしたら『デカダンス』は『マトリックス』であり『リング』な件

『デカダンス』それは令和の夏に降臨した至高のSFアニメ。

あらすじ

西暦4000年ごろ、文明が崩壊した世界で、人類は怪物のような生命体ガドルの脅威に晒されていた。ガドルは人類の敵だが、その体液は巨大移動要塞デカダンスの動力源となる。生き残った人々はデカダンスの中で暮らし、ガドルと戦い、そしてそれを糧として荒野を彷徨っていた。

幼い頃にガドルに父を殺され、自身も右腕を失った少女ナツメはガドルと戦う戦士になりたかった。だが適性検査で不合格となり、デカダンスの装甲修理人として働くことになった。同じく装甲修理人のカブラギに厳しく指導されるが、彼がかつてガドルと戦っていた一流の戦士だったと知り、指導を願い出る。だがカブラギには、いやこの世界には驚くべき秘密が隠されていた。Wikipediaより引用

 

近年稀なマトリックス展開

『幼女戦記』であれだけの魔術戦を描いたNUT制作ということで、放送前から高クオリティな戦闘シーンが期待されていた。例に漏れず俺も「きっと濃密な作画で楽しませてくれるんだろうなぁ~。でも問題は脚本だよな、大丈夫かな…。」なんて思っていたワケだけど。結論から言おう。期待には見事に応えてくれた。そして、俺の一抹の不安は綺麗さっぱり払拭された。

戦闘シーンは観てくれ、語るのは無粋だ。このアニメで俺が語るべきは脚本だと思ってる。今この記事を書いている時点で7話の放送が終わったタイミングなので俺が思っていることと違うこともあるし、まだ明らかになっていない謎もあるからコイツSF好きなんだな~って姿勢で斜めに読んでくれると嬉しい

 

仮想現実が絡み合う

まずこの世界観に置いてはタンカーとギアという二種類の人類が存在する。ここから述べよう。タンカーっていうのは所謂デカダンスが存在する世界における人類のことで、ギアってのは仮想現実の中に受肉した運営側の精神体だ。もっと分かりやすく言おう。タンカーっていうのは俺が一番好きな映画『マトリックス』におけるネオ・モーフィアス・トリニティのことで、ギアっていうのはエージェント:スミスだ。

で、俺が一番面白いなって思ったのはギアに入っている精神体にとってだけデカダンス世界は仮想世界で、彼らには一段階上の世界が存在するということ。しかもこの所謂上位世界の存在(上の画像)のほうがファンシーな世界として描かれてて、ナツメがいるデカダンスの世界が下位世界にあたるってところ。そう、現実世界がファンシーに表現されているだけで、現実世界が管理する仮想世界で生きる人類という構図…完全に『マトリックス』なんだよ。え、『マトリックス』観たことない?…そんな奴いんの?

マトリックス(吹替版)

と言っても、カブラギが度々戻る上位世界もゲームの中の世界という記述があるので、さらに上位の世界が存在する可能性もある。ここまで述べれば勘の良い文学好きは気づくかもしれないけど、鈴木光司先生の『リング』シリーズ(貞子が出てくるアレな)とりあえずの回答編として書かれた『ループ』で『自分たちの上には上位の世界が存在し、そこの存在に管理されているのが自分たち』だという考え方。そしてその上位世界の先にはさらなる上位世界があるかもしれないという超ループ構造。これが成り立つのがアニメ『デカダンス』の世界観ということになる。

もちろん、この永久に続き兼ねない世界ループ構造の考え方は『マトリックス』にも当てはまるワケでして(今制作中の4作目ではこの展開になることを強く希望)。もしこの展開になったとしたら『攻殻機動隊』からインスパイアを受けたハリウッド映画が日本SF文学の巨塔『リング』から再インスパイアを受けて新たな世界を拡げるということになるので、日本人としては非常に誇らしいよね。『リング』の原作はホラーっていうか超絶SFだから読まず嫌いしてる文学ファンは一読の価値アリ。ちなみに貞子ってデカダンス的に言えばバグだから

リングシリーズ【4冊 合本版】
『リング』~『バースデイ』
(角川ホラー文庫)

 

「生きる世界は自分で決める」

って感じで、この作品が非常に良質なSFとして描かれていることは理解してくれたと思う。まぁ、こんなこと考えなくて何にも考えずに見ていても面白いのが『デカダンス』だと俺は思うよ。そもそも娯楽の楽しみ方は人それぞれだ。ただ、 ”楽しまない” のと ”楽しめない” のは大きく違う。俺としては選択肢が多いほうが人生楽しいよってことが言いたい。

この”選択をする”ということが本作の主題にもなっていると俺は感じるワケですよ。「私、強い人になりたいんです!」って言う少女の姿に突き動かされる人間ドラマ。そしておっさんと少女が2人で世界を変えようと力いっぱい前に進むサマは観ていて爽快。やってることは血みどろの化け物退治なんだけどね。でもそれが単純に頭空っぽでも楽しめるエンターテインメントとして成り立たせているから面白い。

最終的にカブラギがどちらの世界で生きることを選択するのか、それが楽しみである。

 

まとめ

ここ最近ぜんぜん記事更新してなかったけど、30歳になってから色々と充実しすぎてただけなんです。…うん、充実していた。という表現がピッタリなんです。つまり、これからはまた更新していこうと思ってるよ。気持ちはある。

今後の『デカダンス』とnijihack.comに乞うご期待。

『ファースト・コンタクト』における固定観念の危険性は非常にタメになる

SFは良い。なぜなら、人類にとっての進化の可能性を投げかけてくれるからだ。『エイリアン』の様に、単純な娯楽として楽しめるモノも多いが、多くのSF映画は俺たちに様々なことを問うてくる。

あらすじ

衛星軌道上に突如として現れた謎の現象「ヴォイド」。国際的宇宙関連組織「スペースエージェンシー」による調査が開始され、ヴォイドから生命の存在を示唆する電波が発せられていることが判明する。無人機での調査によると、内側は光に包まれたトンネルになっており、その先に何かがあることまでは確認された。さらなる調査には人間を送り込む必要があるが、とても生身の人間に耐えられるミッションではない。事態が深刻化する中、組織は人工の合成ボディに優秀な人間の脳を移植する「ヒューマン2.0」を開発し、地球外生命体とのファーストコンタクトに臨むが……。映画.comより引用

 

 

未知の存在”ヴォイド”

物語冒頭から衛星軌道上に姿を現す未確認自称”ヴォイド”。「スケールでっか」と恐れおののく俺の心配なんて些細なことのように慌てふためく作中の人類。いや、俺が心配したのはこの規模の”何か”(月ぐらい?)からエイリアン来襲したら結構無理ゲーだと思ったからなんだが、俺のこの考え方すらも固定観念だったと本作を観た後に思い知らされる

無人機を飛ばしてこの現象を調査しようとするが、無人機は消失。ただ、内部はトンネル構造をしており、これがワームホールであると仮説が立てられる。なるほどね。ってことはこのワームホールから『インデ・ペンデンス・デイ』よろしく大量の宇宙船が襲来するってことね! という俺の予測も無論、愚かな固定観念だったと本作を観た後に思い知らされる

 

 

ヒューマン2.0

ワームホール内部が無人探査機では調査しきれないということで、有人での調査をしたいところだが、人間の身体では内部で耐えられないということに気付く宇宙関係者上位陣。「よし、なら機械の身体に人間の脳を移植しよう」という結論に至る。

イッキに倫理観無視し始めたけど大丈夫? この疑念は倫理的に正しい。でも俺が本作が秀逸だな…と思ったのは作中におけるこの葛藤をしっかりと描いていた点だ。全体としてドキュメンタリー調で展開していく構成ってのも良い味を出しており、このヒューマン2.0に誰を選出するかというところをじっくりと魅せてくれた(意外とここにこだわる作品は少ない…)。

結果として、2人の人類がメタルボディにモダナイズされるわけだけど。満を持して調査に臨んだにも関わらず、1人は早々に消失・もう一人は地球に帰還(機関経路不明)という一見すると惨敗に終わる。だが、半アンドロイド化された2人にはリアルタイム視覚同期機能が備わっており、記憶アーカイブを覗くことでワームホール内部での様子を地球の科学者たちも閲覧することができた。これを覗くとあら驚き、中に数年分の記憶を保存されてる。時間の流れが違うって、宇宙あるあるだよね。

 

 

迫りくる脅威

上の記憶アーカイブの中身っていうのは本作における結構大事な部分なので、気になる人は観てくれ。ということで、無事帰還した1人のヒューマン2.0。だが、地球には立て続けに新たな脅威が襲ってくる。

過去に例が無いくらいの隕石群が地球を襲うというエマージェンシー。しかも、同時に”ヴォイド”から現れた謎の雲も攻撃形態にトランスフォーム。「あ~ぁ…もう終わりや…」と嘆く人類。未曽有の危機の中で人類が観た光景と、その結末とは。

気になる人は、観よう(ふむ、我ながら良い締め方である)。

まとめ

『遊星からの物体X』や『エイリアン』、SF金字塔といえばこのあたりだが、他にも多くの作品においてUFOや未確認の自称は人類に害をなすものと思われがち。でも、そうだろうか? 高度に発達した存在Xは何も考えずに人類をブッ殺だろうか? 知的生命体同士がファースト・コンタクトする瞬間、そこには互いの利権以外にも相手に対しての魅力を求めるものではないだろうか。

本作は、どちらかと言えばヴェネチア国際映画祭でプレミア上映された『メッセージ』に近い。人類よりも高度に発達した未確認生物が人類と出会った時、人はどうしても”危機”であると捉える。だがこの考え方は旧態依然とした人類の進化を促進する可能性を潰す可能性もあり、また、救いの手を差し伸べてくれているのかもしれない相手を失望させる危険すらある。

「何事においても、自分の中で決めてかかるのは良くない」という良き好例。

秀逸な大河漫画『SIDOOH/士道』に見る日本人の誇りを今一度胸に刻もう

1855年の日本。1855年と言えばあの有名な江戸を大地震が襲った年。黒船来襲から未曽有の天変地異と畳みかけるように襲ってきた大変動に対して鎖国してたイエローモンキーは無力 of 無力。『士道』はそんな中で、会津武士として生き抜く兄弟の生涯を描いた、NHKを越えし大河浪漫。

《あらすじ》

ニッポンが“幕末”と呼ばれる少し前、動乱の世に放たれた二人の兄弟がいた。兄は雪村翔太郎:14歳、弟は雪村源太郎:10歳――たった二人で生きる決意を誓った幼き“侍”に、容赦なく降りかかる時代の混沌、修羅の世界。一巻あらすじより引用

この物語は大きく幼少期・青年期と分けられる。どちらも動乱の世が産んだ混沌を相手に大立ち回りする兄弟が描かれるが、何と言っても幼少期の悲惨さは他の歴史漫画には無い

ちなみに、漫画漬けの日々を送る俺は
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それではお待ちかね。下記にて『SIDOOH/士道』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

 

武士としての立身

まず第一話で母親がコロリする。この時点でかなりリアリティに富んだ時代モノの様相を呈していたが、多くのヤングジャンプ読者にとって衝撃的だったのは、母親が死の直前息子2人に武士として一生を終えた父親の形見(刀)を託すシーン。「腕を磨け、この世は理不尽だ。弱ければ死んで逝く」って病床の身体に鞭打ち気丈に振る舞う姿はまさに武士の嫁。さらに引取る瞬間「ごめんね」と母の愛を漏らすという超絶シビアな世界観を展開。もうこれ以上ない位に理不尽なんですけど…という俺の小並感想は、墨汁を垂らしたような高橋ツトム大先生の力強い夜描写の中に露と消えた。

 

それから兄弟はカルト宗教団体(白心郷)に拾われて「愚断!愚断!」と無理ゲーの殺戮ショーに巻き込まれたり、メリケン様の黒船沈めたり、明治維新の激流の中で生きるために足掻き続ける。というかこの幼少期の白心郷との戦いが最終巻まで続くとはこの時思いもしなかった…。

仲間も得て、失う。そんなことを繰り返すうちに、お待ちかねの新選組・長州藩士の登場。いやー、ね、外せないよね。維新期に置ける要素として絶対に必須。ただ、思い出して欲しい。片田舎で母親から「強くなれ」と願われた兄弟の生きる物語がここに収束していくんだよ。御国の物語に絡んでくるんですよ。こんな物語をが綴られる今こそが日本の夜明けぜよ

 

 

新選組との共闘

で、ここから物語は新選組側で展開することになる。かの有名な池田屋襲撃時に新選組とともに戦ったというアツい設定。ちなみにこの時点で数多の修羅場を潜ってきた翔太朗の剣の腕前は新選組副長・土方歳三と互角(鬼)。高杉晋作との対決では、高杉が怪我してるからって自分も傷を負いながら戦って打ち勝つという鬼神

というかこの時代は皆背負ってるものがあって、ともに戦う仲間がいて、会津・薩摩・長州それぞれの義理人情が、「武士とはかく在るべき」を体現してて胸が熱くなる。そんな中で巻き起こる京都近江屋襲撃による坂本龍馬・中岡慎太郎の暗殺犯不明事件。本作ではこれの実行犯が雪村兄弟として描かれる(暗躍しまくりぜよ…)。

 

俺的日本史紹介コーナー

ここで日本史大好きな俺に少しだけ語らせてくれ。日本の面白いところは敗北者として歴史に名を残している人達の方が人気があるという点。新選組はその筆頭。なお、俺の新選組推しは沖田さん(Fateも!)新宿出身で、”幕府の犬”と罵られるならず者集団だった彼ら。多くの作品で池田屋事件以後が語られていない通り、その終焉は可哀想の一言に尽きる。誰よりも武士に憧れたがゆえに時代の流れに乗り遅れ、薩長の新政府陣と敵対した挙句に天皇と敵対するという本末転倒感。護るべきものの為に戦い続けた結果、官軍としての大義名分を失い滅ぼされるという幕末青春譚は日本人の大和魂を揺さぶる。例に漏れず俺も好き(俺…何でも好きだな)。

ちなみに坂本龍馬が作った海援隊は今の三菱財閥。しかもソフトバンクのロゴは海援隊ロゴまんまなのはお気づき? 孫さんが坂本龍馬の偉人伝みて感銘を受けて同じロゴにしたらしいよ。まさかの土佐から生まれた一隊が今の世界的大企業のルーツになってるって点は面白いし、意外と皆知らないのはもっと面白い。日本史は良いぞ。

 

 

生き続けるためには

斬り続けるしかない

本当に色々なことがあって、最終的に生き残った源太郎(弟)は「俺に出来ることは、みんなが命懸けで振り回した刀を鞘に納めることだ」って生きることを決める。これまで激動の半生を描いてきたからこそ活きる最高の終わり方なんだけどさ。キレッキレに研いできた刃を振り回し続けて終わるのではなく、納めるってとこがポイントだよね。折らずに収める。あれ、率直に言って『バガボンド』を思い出したの俺だけ? 修羅の道を歩んだ先で達観するのは人類の性なのか? いや、そうと決まったわけではない。宮本武蔵は大自然に、源ちゃんは仲間の想いに生きることの真理を見出だしたワケなので。例えば現代を生きる俺たちにもこの境地に至る可能性はある。田舎で隠居したい。陶器とか作りたい

 

《まとめ》

というわけで、『SIDOOH/士道』に見る、日本史における偉人の生き様紹介でした。俺が今まで読んできた数ある漫画の中でも間違いなく上位にランクインする本作。あんまり長くすると読みづらいから省いたけど、百舌姉さん(兄の嫁)の生き様とかも相当良いからね。あとこの後日談である息子の話『士道サンライズ』も超おすすめ。

令和にあっても、日本人の誇りは大事にしたい。

アニメ好き必見の2020年アニメ映画【おすすめ5選/万人向け】

新型コロナ蔓延により3密がタブー視された日本社会。リア充が死滅する分には構わないのだが、映画館の休業ならびに数多のアニメ映画の無期限延期。辛い、これは映画好きにとっては苦況だ。いや…待て、逆に考えよう。むしろ、楽しみが未来で待っているのだと。延期明けには怒涛の名作ラッシュが待っているのだと。明るい未来へ、一緒に走ろう。

《選出の基準》

この記事ではいつも通り、俺が独善的に選んだ作品を紹介する。ただ今回はかなり条件を絞った。まず第一に「2020年公開予定」であること。そして「間違いなく面白い」こと。この2点に絞って選んだ。誰よりもアニメが好きな俺だからこそのセレクトになったが、普段アニメを観ない人でも普通に面白く感じれる作品なので【おすすめ5選/万人向け】とした。興味が少しでも沸いてくれたら嬉しい限り。

 

 

シン・エヴァンゲリオン

劇場版:||

2020年のアニメ映画と言えば、まず真っ先に浮かんでくるのが本作だろう。新劇場版の『序』製作が『月刊ニュータイプ』で発表されたのが2006年だから14年越し…いや、むしろTVアニメ版が一番最初に放送されたのが1995年だから、なんと25年にも及ぶプロジェクト

当時からTVアニメ版を姉と一緒に観ていた俺にとっても想い入れのある作品である。だがしかし、『序』『破』『Q』と公開されてからというもの、音沙汰がなくなり、最終作の発表を待つこと8年。「きっと、エヴァの新劇場版が完結する前に俺は死ぬんだろう」と思っている時期もあったくらい。待ったよ…だが時は来た。断言しよう、今年は本作が日本を圧巻すると。

 

0706作戦

ちなみに、冒頭10分40秒は2019年7月6日にイベントで先行公開されてて、『破』を思い出させる真希波さんの八面六臂の活躍が話題を呼んだ。この映像を見るだけでも期待感は十全。きっと今回も予想を超えたエンタメを魅せてくれるだろうと俺は確信している。俺的”アニメ好き必見の2020年アニメ映画”、堂々の選出です。

 

 

え? 一発目から続きモノを紹介するなって? ふむ、確かに一理ある。万人向けを謳う以上、最低限のフォローはしよう(まぁ未視聴の人はそもそもこの記事読まないとは思うが)。つい先日「エヴァ」について記事を書いているので、もし未視聴の人がいたら上の記事も読んで見てくれ。視聴済みの人も楽しめる内容にしている(と、思う)ので、最終作公開前にぜひとも読んで復習して欲しい。この記事だけ読んどけばヲタク共と会話する時も舐められないくらいの知識はつくハズ

鹿の王

あらすじ

この物語は2人の男を中心としてストーリーが展開されていく。

一人は、飛鹿(ピユイカ)と呼ばれる鹿を操り、故郷を守るために戦った独角(どっかく)という集団の頭だった、ヴァン。しかし戦いに敗れ、地下のアカファ岩塩鉱で働かされていたのだが、ある晩、謎の獣が岩塩鉱を襲撃、獣は人々を次々と噛んでいった。その後、岩塩鉱で謎の病が流行しヴァンだけが生き残った。ヴァンは地上で侵入した家の竃の中からもう一人の生き残った幼児(女の子)を見つけ、ユナと名づけて一緒に生きることになる。

そして、もう一人の主人公は東乎瑠(ツオル)帝国の医術師ホッサル。ホッサルは病の原因究明のため岩塩鉱に行く。そこで脱走防止の足枷がひとつ外れているのが見つかりヴァンの脱走が発覚。同時に噛まれても病にかからない人もいる事がわかった。この一件でホッサルの従者であるマコウカンは生き延びたヴァンを捜索することになる。Wikipediaより引用

 

名作が銀幕で問いかける

ハイファンタジー作家で知られる上橋菜穂子さんの本屋大賞受賞作『鹿の王』が今年アニメ映画として公開される。ちょっと前まで本屋で鬼の平積みされてて「すげぇ…」って思った。同作者で言えば『精霊の守り人』『獣の奏者』も有名だよね。まさに破竹の勢いって感じ(実に羨ましい)。制作は『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』『PSYCHO-PASS』のProduction I.G。万全の体制でしょう

 

医療×ファンタジー

「病には情はない。善悪も関係ない。だからこそ恐ろしいのだ」。圧倒的文章力で織り成される物語は超骨太。頭の中で景色が浮かんでくるのは当然として、なんかもはや白昼夢すら見えてくる。話の内容も痛烈で、誠実に問題に向き合わない現代の政治(と、投票するだけで政治に参加した気になっている一般大衆)に対して、今の社会の在り方を考えさせる力すら持っている。ファンタジーという垣根を越えて来た超秀作

秀でた物語は時に、生きること、そして生命の在り方について思考させる力を持つ。これはその良い例だ。2020年はコロナという未曽有のウイルスが世界に蔓延し、人生に挫けてしまったり、人生について今まで以上に考させられた人も多いと思う。そんな、今悩んでいる人達にこそ読んで、観て欲しい作品

思い、思われ、

ふり、ふられ

あらすじ

人見知りが激しく、他人と話すのが苦手で、自分に自信が持てない市原由奈は、高校進学を機に引っ越す親友を見送りに行った際、子供のころに読んだ絵本に出てきた王子様そっくりの男子を見かける。同じく離れ離れになる友達を見送りに来ていた山本朱里とひょんなことで知り合い、朱里が同じマンションに引っ越してきた同級生だと分かる。

少女漫画の恋愛に憧れ、夢見がちで消極的な由奈と、明るく積極的で現実的な恋愛を楽しむ朱里、2人は正反対の性質だが、不思議と親しくなっていく。由奈が気になっていた「王子様」が朱里の弟・理央であることが判明、恋愛未経験の由奈は理央への気持ちは恋ではないと思っていたが、次第に自分が理央を好きになったことに気が付く。朱里は姉の目から見て、由奈には理央を薦められないと伝えるが、由奈の人生初の恋を応援しようと決心する。朱里は、由奈が唯一親しく話せる幼なじみ・乾和臣のストレートな言動にドキドキさせられる。4人の青春が始まる。Wikipediaより引用

 

間違いない青春モノ

あ、俺…少女漫画も大好きだから。そこんとこ宜しく。というわけで3つ目に紹介したいのは『思い、思われ、ふり、ふられ』。2015年から2019年まで『別冊マーガレット』で連載されていた名作。『ストロボ・エッジ』『アオハライド』に続く青春三部作の最終章がアニメ映画化と聞いただけで胸キュンってやつよ

 

恋愛リアリティの筆頭

『ストロボ・エッジ』では仁奈子と蓮を筆頭に淡い片思いを。『アオハライド』では惹かれ合ってるのに離れ離れになってしまった双葉と洸が互いに最熱していく様を。どちらもリアリティがあって、連載当時学生だった女子の皆々様(と俺)は全員読んでいたのでは? そんな王道ラブストーリーの作者が描く、W主人公モノ。読めば最後、大興奮間違いなし。

登場人物4人(朱里・由奈・理央・和臣)、全員が全員、本当に良い子なんだけどさ。俺は特に朱里が好きだな。まず黒髪ってのが高評価ポイント(偏見)。あと、元カレから復縁を迫られた時の対応とか、すげぇちゃんと考えてる子やんって思ったし。何より最終回のCatch me!! → 「捕まえたっ」の流れがもうね…落涙だよ…。あと学園祭の紙吹雪のシーンとかね、良いよね。まぁ、観れば分かるよ。映画でどこまでやってくれんのか知らないけど。映画観れば原作も読みたくなるよ

サイダーのように

言葉が沸き上がる

あらすじ

17回目の夏、君と会う⸺。

人とのコミュニケーションが苦手な俳句少年と、コンプレックスを隠すマスク少女。 何の変哲もない郊外のショッピングモールを舞台に出逢ったふたりが、 言葉と音楽で距離を縮めていく、ボーイ・ミーツ・ガールStory。 公式HPより引用

 

イシグロキョウヘイ監督作品

ぶっちゃけると、この作品は未知数だ。『月刊コミックアライブ』で2019年末から先行連載しているが、俺はこれをまだ読めていない…。だが、イシグロキョウヘイ監督と聞いたら、期待せざるを得ないんだ。それは何故か。イシグロキョウヘイ監督と言えば、『四月は君の嘘』の監督であり、『クジラの子らは砂上に歌う』で監督・脚本を勤め上げた涙腺ブレイカーだからである。青春を描けば間違いなく、世界観の作り込みも間違いない。故に期待せざるを得ない

 

言葉×音楽

公式で発表されている情報によると、主人公のチェリーは人と会話することが苦手で、緊張すると赤面して上手く話せなくなる設定。対してヒロインのスマイルは人気配信主だが、大きな前歯がコンプレックスで人前でマスクを取れないという青春っぽい苦悩を抱えている。ふむ、もう設定が感動させに来てんな

コンプレックス刺激系の作品は得てして共感を得やすい。共感を得やすいということはつまり、感動しやすいと同義だ。今までの人生で、笑ったこと、泣いたこと、怒ったこと、全てが記憶として脳に保存されている。人はそういったモノを呼び起こされると、呼び起こしたものに感情がプラスされる。結果として心が大きく揺さぶられる。心が叫びたがるってことだ。俺はそれがとてつもなく快感なんだよ。

BURN THE WITCH

あらすじ

遥か昔からロンドンに於ける全死因の72%は、 人々が見ることのできないドラゴンと呼ばれる“異形の存在”が関わっていた。

だが、人知れずそのドラゴンと相対する人々がいた。 ドラゴンの存在を見ることができるのは、フロント・ロンドンの“裏側”に拡がるリバース・ロンドンの住人だけ。 その中でも、選ばれし人々がウィッチ魔女/ウィザード魔法使いとなり、ドラゴンと直接接触する資格を持つ。

主人公は、自然ドラゴン保護管理期間「ウイング・バインド」(通称WB)の保護官である 新橋のえるとニニー・スパンコールの魔女コンビ。 彼女たちの使命は、ドラゴンに接触できない人々に代わり、ロンドンに生息するドラゴンたちを保護・管理することだった。公式HPより引用

ラストは『BURN THE WITCH』。ご存じ『BLEACH』でジャンプの黄金時代を支えたオサレ先生こと久保帯人先生の作品。2018年の同誌創刊50周年記念に読み切りが掲載され話題を呼んだ本作。連載化を希望する声が編集部に殺到、だが現在まで未だ連載化されず沈黙。それが連載せずして映画化という漫画として超異例の采配。ジャンプ編集部、わかってますね。

 

新境地:W主人公(女性)

久保帯人先生と言えば、黒崎一護。この考え方がステレオタイプだったということに俺はこの読み切りを読んで気付かされた。魔女・ドラゴン・ロンドンという完全に西洋を舞台にした世界観も、ずっと死神描いてたとは思えないほど絵にハマってたし、戦闘シーンもカッコ良すぎてマジ卍。解放された久保帯人先生の前では万象一切灰燼と為す

 

世界は終わらない

読み切りラストで描かれたスーパーサプライズ。物語も終盤、「あ~面白かったなぁ~」なんて悠長に余韻に浸りながら最後のページを開くと目に飛び込んでくるソウル・ソサエティ ウエスト・ブランチ(戸魂界・西梢局)の文字。そう、まさかの『BLEACH』と同じ世界設定! そうきたか! と。しかもね、最後に出て来るタイトル文字の色が着いてる文字読んで見てくれよ、『BLEACH』になるんだよ。最後までオサレか! まったくもって素晴らしい。絶対映画でも何かやってくれるよ。

 

《まとめ》

どうだろう。結構、万人向けに編集したと思わん? 今明らかになってる公開予定のアニメ映画の中では間違いなく激熱な5作品。俺は今まで色んなアニメを観て来たけどさ、今年は完全にアニメ映画イヤーだと思うよ

病原菌なんかに負けるなよ、日本。俺は好きなモノを語れる人間でありたいし、好きなモノを好きなだけ消費できる国であって欲しいよ。

まぁ、でも…大丈夫か。この記事を読んでくれた人達にはソーシャルディスタンスを守りつつ俺の作品への愛を語れたワケだし。映画公開を待っているこの時間も、こんな記事を読んでくれる寛大な御読者様方との心の距離を縮めるには良い時間なのかもしれない。ありがとう。みんな、ここまで読んでくれてありがとな!

 

 

 

 

 

という綺麗ごとは置いといて。はやく上映してくれ。マジで。もう我慢の限界なんだ。俺本当に性格悪いから掲示板とか書きこんじゃうよ。頑張れ、デスマして各所に上映許可取ろう。そして早くワクチン開発して実用化しようぜ。大丈夫、頑張れば人間なんとかなる。早く早く早く早く早く早く早く早く早あ、ここまで読む人いたんだ…。あざす。

終わり。他の記事も読んでね~。

『新世紀エヴァンゲリオン』について俺が誰よりも分かりやすく解説してやる

新劇場版4部作目の『シン・エヴァンゲリオン劇場版:‖』が2020年中に公開されることを信じて。長大なプロジェクトを振り返りつつ、この記事を読んだ人が、4部作目が公開された時に誰よりも楽しめるように、俺なりにエヴァンゲリオンという文化を語る。

「新劇場版」とは?

そもそも「新劇場版」とは? まずこれについて触れる必要がある。『新世紀エヴァンゲリヲン』という作品には「旧劇場版」が存在する。『エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを君に』がそれだ。実はこの時にTVシリーズとは違う完全新作の作品を作る予定だったんだけど、時間がなさすぎて溶接職人と化したという過去がある。これに関しては賛否両論(というか圧倒的否定多数)で物議をかもしたが、結果としてTV版とは違うエンデイング(「世界の中心でアイを叫んだけもの」の終わり方)を魅せてくれたので、世界観をさらに深めてくれたから、俺は別に嫌いではない。むしろ「旧劇場版」も好き

こんな経緯があり、「今度こそ映画版やりますよ!お楽しみに!」って発表された時に全エヴァファンを歓喜させたのが新劇場版である。ただ、そこは流石エヴァ、見事にファンの予想を超えてきてくれた(良くも悪くも)。さて、じゃあここからは新劇場版『序』『破』『Q』に関して、観てない人はこの記事さえ読んじゃえば観なくても良いように、観ている人でもちょっと曖昧にしちゃっているであろうポイントを俺なりに解説していこうと思う。

ちなみに、漫画漬けの日々を送る俺は
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それではお待ちかね。下記にて『新世紀エヴァンゲリオン』に関して独善的に語っていく。楽しく読んで、作品のことを好きになってくれると嬉しい。

 

新劇場版『序』

いきなり肩透かしを食らわせるが、本作に関しては特に述べる事は無い。というのも、TVシリーズとほぼ内容が変わってないからだ。これに関しては往年のファン達もかなり消化不良だったらしいが…。映画公開時、新宿の歌舞伎町広場でのイベントがすごく楽しかったから俺は特に嫌な印象はない。内容に関してはTVシリーズを観れば(IQ150くらいあれば)普通に理解できるので割愛。(強いて一つだけ言えることがあるとすれば、ラミエルに技術革新が起きた)。

ただ、この『序』時点である程度の知識を得ておかないと、以降の作品の理解度が大きく変わってくる。ということで、ちょうど良いタイミングなので皆がなんとなくしか理解してないであろうエヴァ用語について解説しよう。

 

「セカンドインパクト」

物語が始まった時、すでにセカンドインパクトは起こっている(厳密には『序』の時点から15年前)。この設定を聞いた時に「…は? どゆこと? てかまずセカンドってことはファーストはいつ起こったの? 舐めてんの?」と憤りを覚えた人がいるかもしれない(俺)。無理はない。だがこれがエヴァだとしか言えない。むしろ憤りを覚えないとこの物語は理解できない。探求のためには怒りの感情は不可欠

閑話休題。まどろっこしいのは嫌なので完結に答えを言うと。セカンドインパクトとは、物語開始時の15年前に南極大陸に墜ちたとされる隕石衝突事故のこと…と、表向きには発表されている。だがこれは秘密結社ゼーレによって情報操作された結果。しかして、その実態は南極で発見された第1使徒アダムに対してロンギヌスの槍を使用した結果引き起こされた人為的災害だ。ちなみに、これはエヴァを観る上では知らなくても良い超豆知識なんだけど、ファーストインパクトってのは現実の世界でも「ジャイアントインパクト」という名前で知られる月発生時の惑星同士の衝突(リリス降臨&アダム昏睡)。

 

「ロンギヌスの槍」

そういえば、皆「ロンギヌスの槍」についてはちゃんと理解してる? これはデストルドー(生に対して否定的な意思)の具現化した姿だ。より簡単に説明すると、”心の壁”である「ATフィールド」、これの対になる「アンチATフィールド」。生命なら須らく有するこのアンチATフィールドが槍の姿として凝縮した物質(生物説もある)だ。

使徒を含む生命体の”生きようとする意志”を消滅させる力があって、だから生きる上で欠かせない他者との差異化であるATフィールドを打ち消すし、コアに刺すと生きる意欲が消滅(ATフィールドの消滅)して原始に還ろうとする(原初の海=LCLになる)。え、大丈夫?ついてきてる? 踏ん張りどころやで。別にまだ難しいことは言ってない。

 

「使徒」とは?

第1使徒 アダム
☆第2使徒 リリス
第3使徒 サキエル
第4使徒 シャムシエル
第5使徒 ラミエル
第6使徒 ガギエル
第7使徒 イスラフェル
第8使徒 サンダルフォン
第9使徒 マトリエル
第10使徒 サハクィエル
第11使徒 イロウル
第12使徒 レリエル
第13使徒 バルディエル
第14使徒 ゼルエル
第15使徒 アラエル
第16使徒 アルミサエル
第17使徒 タブリス
☆第18使徒 リリン

ここで唐突な使徒一覧(しかも画像は新劇場版、羅列文字はTVシリーズという分かりづらさ)。いや、安心してくれ、これはセカンドインパクトの説明の為に羅列しただけだからテストには出ないし覚える必要はほぼ無い

ここで覚えることは一つだけ。全ての使徒は始祖であるアダムとリリスから生まれたということ。正確には、リリン(人)と地球上の生物は全てがリリス由来、他使徒はすべてアダムだ。

つまり、『新世紀エヴァンゲリオン』という物語は、始祖アダムとその子供(使徒)vs 始祖リリスとその子供(人類)による地球の正統な支配者を決める戦いである。だからNERV・ゼーレは相対する使徒の親玉である第1使徒アダムに対してロンギヌスの槍を用いたってワケ。ただ、刺したは良いがアダムのデストルドーが強力過ぎて、南極大陸を飲み込むくらいのアンチATフィールドが展開、デストルドーが伝播した結果、近くの微生物に至るまで生命のスープに還ったという事。これが「セカンドインパクト」だ。さぁ、面白くなってきたでしょ? ここまで理解できればニワカ卒業。 楽しいエヴァライフが待ってるぜ。

 

補足
新劇場版にも引き継がれているのかは絶妙だが、エヴァ初号機は第2使徒リリスのクローン体、つまりターミナルドグマの中にロンギヌスで磔のリリスの身体・エヴァ初号機、2つが第2使徒ってことになる。カヲル君はセカンドインパクト時にアダムから抽出したアダムの魂をリリンの肉体に定着させた存在。綾波はリリスの魂をリリンの肉体(碇ユイのクローン)に定着させた存在。

 

新劇場版『破』

さぁ最低限必要な知識を頭に入れたところで、いきましょうか、皆大好き『破』について。開幕から登場するマリ・イラストリアス…この時の衝撃は今でも忘れない。「え、何、新劇場版ってTV版のリメイクじゃないの!?」という驚きも束の間。アスカ(式波)登場からの月面でMark.06に乗るカヲル君の登場。そう、シリーズ史上ここまでエンタメ性に富んだことは無いと言っても過言じゃないほどに盛り上げてくれたのがこの『破』である。この作品のおかげでエヴァがより広く認知されるようになった。本作がきっかけで観始めたって人も多い。にわかホイホイ

 

ファン垂涎のシーン『破』

だがしかし、ちゃんとファンのことも喜ばせるシーンも盛り込んで来たのが最&高。学園生活の全体的な流れは原作と殆ど変わらないんだけど、綾波がゲンドウとの食事中にシンジとの食事会の承諾を得るシーン(何処で飯食うとんねん)これ普通に奇跡だからね。綾波がシンジに明確な恋心を露わにしている時点で奇跡だし、ゲンドウが綾波にユイの面影を重ね、行くことを了承するなんて奇跡超えてるよ…なにこの優しい世界泣ける

 

と思ったら最強(暫定)の使途・ゼルエル来襲 → 2号機裏コード「ザ・ビースト」 → シンジさん&初号機覚醒。獣化第二形態という新設定をここで出してくる点が最高にエンタメ。この盛り上がりは半端じゃなくアニメ映画史に残った。「綾波を…返せ!」で電源プラグ無し・活動限界という状況の中、親子愛で起動する初号機。「世界がどうなってもいい、綾波だけは助ける」(『Q』へのフラグ)という、今まで流されてばかりだった中学生が自分自身の願いの為に1人の女の子を助けんとする王道主人公へと成長を遂げる鳥肌展開には感動率99.9999%。そして初号機にブッ刺さる謎の槍とウルトラダミー予告(『破』と『Q』の間のシーン)。世界よ、これが日本だ!

 

「人類補完計画」

ごめん、『序』の時の用語解説で「人類補完計画」についても触れとけば良かったね。駆け足で行きます。そもそも「ゼーレ」っていうのはNERVの上位組織で、簡単に言えばフリーメイソンみたいなもんだ。それが第1使徒アダムの地球統治計画書(預言書)である裏死海文書を手に入れて、世界の裏から人類がアダムに勝てるように画策してたんだよね。

で、このゼーレの中に人類補完委員会っていう組織があって、これが発足するきっかけになった立案を作ったのが碇ゲンドウ。その詳細を簡単に説明すると…群体として成長した人類だが、その進化は上限が明らかであり、始祖であるアダムとの戦いに勝利することで完全単一生命体に進化しようぜ! っていう内容。…この記事めっちゃ有能じゃない? 

 

補足
シンジのお母さんである碇ユイがゼーレと繋がっていたため、ユイを介してゼーレの中枢に取り入るためにゲンドウは彼女に近づいたのではないかと言われている。

でも実はこれって謎が深いと思うんだ。だって、ユイが何故ゼーレと繋がりを持っていたのかは作中で語られていなくて、「形而上生物学者」として始祖からエヴァを作ったのもユイ。初号機の中に心を封印して永遠の命も手に入れてる(初号機はユイ、二号機はアスカの母親のキョウコが入ってる)って言うんだからちょっと怖いところではある。

もしかしたら…この物語の本当の黒幕は碇ユイなのかもしれない。

 

新劇場版『Q』

『破』ラストでのニア・サードインパクト後の世界。というぶっちゃけ視聴者とシンジを置き去りにするブッ飛び展開。当時映画館で観た時思ったもん。「相変わらずやってくれるぜ」って。からの元NERVメンバーからの悪意を感じる熱烈な視線。え、流石にシンジ可哀想じゃない…?というシリーズ史上最も視聴者がシンジに感情移入した瞬間だと思う。ただ、これは仕方が無いと言えば仕方がない。だって人類滅ぼしかけてるからね。みんな頭の中ではシンジに悪意が無かったことは分かってるけど、正直、理屈じゃない。失った人たちのことを思い出すとともに子供の様に無知をひけらかすシンジの姿にはレベル低すぎて激怒不可避、彼らの心境を慮ればこれは仕方のないこと。この理由は後述の「サードインパクト」で書くね。

しかも個人的に可哀想だったのは、「エヴァに乗れ」ってただ高圧的に命令するだけのゲンドウの言動。これ、TVシリーズならびに『序』の初号機初対面時を想起させる。え?『破』で一緒に墓参りしてた時の仲睦まじい親子愛は何処へ…? やはりゲンドウ、だがしかしこれこそがゲンドウ。

 

ファン垂涎のシーン『Q』

唯一の癒しと言えるかもしれない冬月教授と将棋を指すシーン。お前そんなキャラじゃなかったやろ! というツッコミを入れる暇が無いほど微笑ましいファンの歓びの瞬間。しかもここでユイの写真をシンジに見せるという演出。お前ずっとユイの写真持ってたんかい! というツッコミが心の中で跋扈する。お前本当にユイのこと好きだったんだな…。クソ純情爺である(誉め言葉)

 

また、エヴァンゲリオン13号機に乗ることになるカヲル君との邂逅。なんでお前の周りだけ植物生えてんの?という言葉は無粋。カヲル君の周りには愛が溢れているから植物も光合成できんだよ(適当)。13号機がデュアルシステムってだけでロボ好きにとっては胸アツなのに、これでもかとイチャつく二人の健全なる男子の姿に全腐女子は四つん這い不可避

 

「サードインパクト」

ガフの扉を開くことで人類史上最高の大殺戮者になったことが明らかにされるシンジ。ここでこのニア・サードインパクトについて解説しよう。そもそもの話、旧劇場版でサードインパクトは一度起こっている。第17使途を倒した後、ゼーレの人類補完計画が発動し量産型エヴァ(白ウナギ)でNERV本部を襲撃 → サードインパクト という流れ。LCLとして一つになった人類(原初の海)で綾波&カヲル君と再会して人類肯定でEND(ハァ? だよね、わかる、任せろ)

つまりサードインパクトとは、リリスのクローン体であるエヴァを覚醒させた上でデストルドー(アンチATフィールド)を広域展開し全人類のATフィールドを消滅。皆で原初の海になるという自死(進化)のこと。

ただ、新劇場版では「ニア・サードインパクト」だったんだよ。つまり、サードインパクト自体はカヲル君のおかげで防がれて、TV版・旧劇場版とは違うアナザールートが描かれたことになる。まぁ、当人がどれだけ一途な想いで綾波を助けたかっただけだとしても、結果的に人類をLCLに還すというナチスも吃驚の英雄になったのがシンジということだ。だからあれだけ嫌われてるんだよ。

 

「フォースインパクト」

本作で初出のフォースインパクト。ストーリーの流れを一度おさらいしようか。「アレは僕らの槍じゃない」(ファ!?)というカヲル君の静止、「止めろ!バカガキ!」というアスカの怒号をフルシカトしてリリスに刺さった2本のロンギヌスの槍を引き抜くシンジ。第12使途がエヴァンゲリオン13号機に収縮されて疑似シン化形態を超えて覚醒 → これによってフォースインパクトの発動。たぶんこの辺が、流行りに乗って新劇場版を観てる視聴者には何が何やらさっぱりポイントだと思う。安心してくれ、俺もさっぱり分からん。だからここからはただの考察。

カヲル君は言った、「13号機と2本の槍があれば世界を修復できる」と。十中八九、この2本の槍ってトコがミソだろうね。一本はお馴染みロンギヌスの槍、そしてもう一本は「カシウスの槍」だ。公式で全く発表されてないんだけど、このカシウスの槍はロンギヌスの槍と対を成しているとファンの間では囁かれている。

というのも、『破』の最期、サードインパクトが起きようとした時にカヲル君が覚醒した初号機にぶん投げてコアを突き刺したのがカシウスの槍だ(明らかにロンギヌスとは形状が違う)。この結果、サードインパクトは中途半端に終わり、ニア・サードインパクトで収まった。つまり、この槍の効力はリビドーの増幅。ATフィールドを強制的に全開展開させることで、人類をLCLに還すデストルドーの伝播をATフィールド内で完結させた。それでシンジ(と綾波)だけがLCLに還った。こう考えればサードインパクトが収まった理由になる。だから多分、カシウスの槍でリリスに何かして、ロンギヌスの槍で何かしようとしてたんだろう(憶測)。

 

マジな考察
「渚カヲル(第1の使徒)→(第13の使徒)に堕とされたことでフォースインパクトのトリガーにされた」ってことらしいから…。第1の使徒(の複製体)であるアダム=カヲル君と、ガフの扉を開いた状態の13号機(たぶん13号機はアダムのクローン機体)にロンギヌス使って、生命の実をリリスへ渡す → カシウスの槍をリリスに使う → ATフィールドを広範囲伝播でLCLに還った人類(作中での赤い海)から人類を人の形に戻す&知恵の実と生命の実が揃うことで完全なる人類の誕生を狙ったんじゃないかな。

でもリリスに刺さっているハズのカシウスの槍はロンギヌスの槍になっていてカヲル君の計画は破綻。ゲンドウ的にはリリスにはATフィールドじゃなくてアンチATフィールドを伝播して欲しいから、差し替えといたんだろう。だって皆で原初の海に還らないと家族揃ってユイに会えないもんな。

あれ…これアニメ好きの良くないトコ出ちゃってるね

好きなモノ語る時に聞き手の立場になって離せない奴は初号機。はっきりわかんだね。ただ『Q』の内容に関しては俺もはっきりとした確証があるワケではないから、各々の考察の参考にしてくれると嬉しい限り。

全部の作品に言えることだけど。アニメだけじゃなくて、原作を読むことでより世界観を理解することが出来る(俺は基本的にアニメで観た作品は可能な限り原作も読む派)。こんだけ長く続いてる作品だけど、単行本だとわずか14巻しか出てないってのも面白いよね。もう完結してるんだけど、終わり方がアニメ版のどれとも同じじゃない点も◎

 

まとめ

ここまでの文量になるとは思ってなかったけど、結構分かりやすい解説記事になった気がしてる(自己満足)。

本当は6月に上映される予定だった『シン・エヴァンゲリオン劇場版:‖』。キャッチコピーは「さらば、全てのエヴァンゲリオン」、英語サブタイトルは「THRICE UPON A TIME」と終わらせる気満々な感じが逆に怖いの俺だけ? ここから「真劇場版4部作プロジェクト始めまーす!」って言いかねないのがエヴァンゲリオン。全く、飽きさせないぜ。ちなみに、俺がここまで書いたことも次回作では全て灰燼に帰す可能性があるのも否めない。そうなった時は…、

笑えばいいと思うよ